雲上雲下

雲上雲下

825円 (税込)

4pt

「物語が世界から消える?」
子狐に山姥、乙姫に天人、そして龍の子。
民話の主人公たちが笑い、苦悩し、闘う!

「全体の形があらわになった瞬間、
全身に鳥肌の立つような感動を覚えた」
阿部智里(作家)

【出版社からのコメント】
朝井さんと日本各地へ行き、
昔から伝わるお話を聞かせていただきました。
湖や地方の山、遺跡に滝。
ブナ林の中を走り回り、
田んぼの中で
偶然みつけたお地蔵さんを拝んだことも。
そんな四季折々の一瞬一瞬が集められ、
物語となり、生き物のように動きはじめました。
「物語よりおもしろいものがある」
と言われる厳しい時代の中、
朝井さんが命を吹き込んだ“物語たち”は
世界に問いかけます。
物語たちがいなくなってしまったら、
どうするでしょうか?
本作品が、
物語に関わるすべての人に届いたらと
切に願っております。

昔、むかしのそのまた昔。深山の草原に、
一本の名もなき草がいた。
彼のもとに小生意気な子狐が現れ、
「草どん」と呼んでお話をせがむ。山姥に、
団子ころころ、お経を読む猫、
そして龍の子・小太郎。草どんが語る物語は
やがて交錯し、雲上と雲下の世界がひずみ始める。
――民話の主人公たちが笑い、苦悩し、闘う。
不思議で懐かしいニッポンのファンタジー。
〈第十三回中央公論文芸賞受賞〉
(解説:阿部智里)

章ノ一 小さき者たち
草どんと、子狐
団子地蔵
粒や
亀の身上がり
猫寺

章ノ二 勇の者たち
通り過ぎる者
お花
湖へ
小太郎

章ノ三 物語の果て
草どんと、子狐と山姥
神々の庭
空の下

解説:阿部智里

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雲上雲下 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    もしこの本をホリエモンが読んだらバカにするんだろうな。でも私はとても好きですね。現在44歳ですが、ここ10年ほどは読書にハマってます。デジタル過ぎる世の中に嫌気が差しております。といいつつもスマホは持ってますが。

    0
    2025年10月02日

    Posted by ブクログ

    素晴らしい作品。
    伝承文学を学んだひとにとっては、
    さらに面白みを感じるかもしれない。

    物語は偽か?
    いやちがう、と私は答えたい。

    では、物語ること、それはなにを意味するのか。

    そのこたえが、ここに在る。

    0
    2025年03月21日

    Posted by ブクログ

    本の中で本を読む感覚ですね、たくさんの民話、御伽噺を読めて、何気ない話が実は深い意味があるので。小太郎の話は初めて聞きました。お母さんに会えるのとお父さんに育てのお母さんとみんな意味があるから、自分の使命があるから。草どんが雲上人だったと、それが命尽きると、最後には現代を風刺していて、間違いなんだな

    0
    2024年01月16日

    Posted by ブクログ

    「物語が世界から消える?」

    昔、むかしのそのまた昔。
    「草どん」が子狐や山姥に語る「昔話」

    物語が消えてしまう世界はどうなってしまうのか。
    「草どん」の本当の姿は。

    雲上から雲下へ降りてきた存在は。

    壮大で「語る」ことの大切さを感じる1冊

    0
    2022年06月12日

    Posted by ブクログ

    ミヒャエル・エンデさんの
    「はてしない物語」の中で、
    主人公のセバスチャンが、
    ある一冊の「物語」を読んでいくうちに、
    その物語の中に入り込んでしまって、
    あの愛嬌のあるファルコンと一緒に
    旅を続けていく中で、
    とてつもない経験と、
    とてつもない勇気を
    身につけていく…
    あのセバスチャンの「奇跡」

    0
    2021年12月17日

    Posted by ブクログ

    知ってる話や知らない話。昔話を、朝井まかて流に語りなおした作品なんだな……と思って読み進めていったら、やがて、「物語とは何か」という壮大なテーマに流れ着き、満腹になった。ただのほっこり系連作短編集かと思いきや、大満足だった。

    0
    2021年07月03日

    Posted by ブクログ

    日本昔話や民話が好きな方には、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。

    解説では、朝井まかてさんが民話に独自のエッセンスを加えることに
    苦悩されたとありましたが、どれも面白く読ませていただきました。

    田畑が広がる風景や雲の上の神々の世界が、ありありと想像できました。
    もっと朝井まかてさんバージョンの

    0
    2025年08月20日

    Posted by ブクログ

    日本昔話のパロディ版かと思いきや、現代にまで繋がるストーリー展開で驚いた。
    短編の中でも小太郎と山姥の話が切なく、ぐっときた。

    0
    2022年08月22日

    Posted by ブクログ

    初めのうち、草どんが子狐にひたすら昔話を語るお話かと思ったんですが…読み終えてみたら、いやはや、雄大というか壮大というか、とても大きくて深いお話でした。確かに今の世の中、おばあちゃんのそのまたおばあちゃんから口伝えで伝わったお話を知ってる人の方が少ないでしょうし、元のお話が持っていた残酷さもきれいに

    0
    2022年05月07日

    Posted by ブクログ

    良い本を読んだ。この本の言おうとしていることに私も共感する。
    お伽噺が最初は語られていくが、後半になり語り部の草どんの話へ。日本の古来からある八百万の神などの神々を存在たらしめるものが人々が語り継ぐお伽噺の中にある。それを現代の人間は忘れ、疎かにして神々の存在を儚いものに。
    そう言う意味からも「にほ

    0
    2022年02月17日

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