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Posted by ブクログ
尾張藩主徳川宗春をめぐる尾張藩名産まつたのお話。面白かった!!
小四郎は尾張藩藩士。江戸定府で元服間もない。経理に携わる軽輩である。父の旧友であるさんべえ、三谷官兵衛、長井藤兵衛、伊藤伝兵衛がやってくる。さんべえに連れ歩かれ、そして伝兵衛の刀が盗まれた。なぜかさんべえに連座させられている。減俸と逼塞を申しつけられる。そして小四郎は松茸同心を申しつけられる。
江戸から松茸2000本を頼まれるが、300しかできず、商人から買い取って江戸に詰め替えて送る。さらに2000本を言いつけられる。上役の矢橋が松茸をどうすればたくさん取れるのか考え続けて15年になるという。商人に頼んでいることを殿が知らないという。
3年経った。小四郎は邪険に扱われている。御松茸狩が行われ藩主が来る。その後小四郎は山を手入れしている。松茸は痩せた土地を好む。小四郎の持ち帰った枝は村の者たちが使っている。村の者は御山への立ち入りが禁じられているが、松茸同心の雇い者ということにしてみんなで手入れすることとなる。
Posted by ブクログ
秋ですね。
茸のおいしい季節となりましたが、高級食材の松茸を庶民が口にするには、相当な覚悟が必要です。
江戸中期の尾張藩でも事情は同じようで、藩の特産品として方々のお偉いさんにご進物するのですが、近年は不作続きで、全く足りません。足りない分はどうすのかといいますと、商人から買いつけます。ただであげるものを商人から買うのですから、お金はすべて持ち出し。ただの見栄のためだけに、莫大なお金をつぎ込むます。名古屋らしいといえばらしいのですが、藩の財政は悪化の一途。今の世なら財政破綻自治体入り確実です。さあ、ここで御松茸同心の出番です。
その任についたのは江戸詰めの若き藩士、小四郎。優秀だが融通のきかぬ頑固者。上司も同期もみんなバカにみえる。その優秀さを買われての任かというとその逆で、生意気すぎて左遷させられた。要するに都落ち。
だいたい、御松茸同心なんて役職、ほんとにあったのか?
天才的に作り話のうまい朝井まかてさんなので、すべてありそうな感じで読んでしまったけど、どこまでほんとなのだろう。尾張藩の特産品が松茸だってことは合っているのかな?
それはさておき、松茸の不作豊作は人が介入してどうこうできる問題ではないというのが、その当時の常識。当たり年もあればハズレもある。しかし、それでは己のプライドが許さぬ小四郎は、年月をかけて、書物にあたり、人に頭を下げて、とうとう松茸生育の謎を解き明かしてしまう。
なかなかの熱血漢じゃないか。
その過程で見えてくる人間模様は、じんわり人情物語が満載だ。
朝井まかてさんの時代小説、女性が主人公だと生き生きと描くんだけど、男だとそうでもないのが多かった。でも今作品は男が主人公でも生き生きとしていた。
聞いたこともない変わり種の松茸料理も出てくるので、生唾がでてくる。
ああ、松茸たべたい。
Posted by ブクログ
この著者の時代劇小説はどれを読んでもおもしろくて、飽きない。
生物、特に植物に詳しく博識なので、いろんな知識が得られる。
大阪出身の人なので、一度はお目にかかりたいかたである。
昔も変わらないお役所仕事、窓際族の典型の武家さん達が松茸の偽装や産地偽装して、お上にごますり、忖度、手柄横取り、横領、していてるバブル世代と右にならえの上司たち。このままではいけないと 藩政改革をすることになったその御松茸同心に命じられた今時の次世代部下が松茸の知識も何もないまま松茸山を舞台に奮闘する、松茸をよみがえらせ里山を循環させた物語り。歳月をかけて松茸の生態を勉強してちゃんと松茸が育つ環境に戻して里山資本主義のように経済を回し始めたところがおもしろくてとてもよかった、バカにしていた上司、先輩武士たちは横領したり忖度してたりがばれて処分されたのが気持ちよかった、物語の中の出来事が今の安倍内閣を彷彿させてくれて加計学園や森友学園問題もこの小説のように罰せられたら総会なのにな。現実はそうもいかないらしい・・・・
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