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日本小説の祖・曲亭馬琴、「八犬伝」を生んだ劇的人生!
200年の時を超え、作家の本分に迫る傑作長編!!
大名の家臣の家に生まれるも何一つままならず、彷徨い続けた青年時代。放浪の末、当代一の戯作者・山東京伝の門をたたき、蔦屋重三郎の店に奉公して戯作の道に踏み出す。葛飾北斎らとの交誼を経て、馬琴はやがて江戸随一の戯作者となりおおせるのだが……
妻は不安定、愛する息子は柔弱、『南総里見八犬伝』に着手するも板元とはトラブル続き。それでも馬琴は、武家である滝沢家再興の夢を捨てず、締切に追われながら家計簿をつけ、息子とともに庭の花園で草花を丹精する。
狷介で知られた馬琴の素顔、けなげな哀歓が鮮やかに蘇る。苦難の末、大戯作者が辿り着いた花園とは?
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Posted by ブクログ
NHKの人形劇『新八犬伝』観てたんだけど覚えてない。ただ、八犬士が持つ珠の文字「仁義礼智忠信孝悌」はあの番組で覚えた。そっか、曲亭馬琴さんが原作者なんだ。しかしなんとも精力的な執筆活動ではありませんか。筆が早いったって矢継ぎ早の創作。おまけに超几帳面で、徹底した校正は出版社泣かせ。妻の百はかなりの癇癪持ちとあるけど、馬琴の性格に対するストレスは相当なものだったんじゃないの。滝沢家再興へのこだわりは尋常ではないし、歳時における食などの支度も指示があまりに細かい。とはいえ、江戸読本を育んだあの気力は凄まじい。
PS これってタイトルと中身がどうなんだろう?
Posted by ブクログ
江戸時代の戯作者、曲亭馬琴の波乱万丈な生涯を描く。
第一章 ある立春 第二章 神の旅 第三章 戯作者
第四章 八本の矢 第五章 筆一本 第六章 天衣無縫
第七章 百年の後
主要参考文献有り。
9輯98巻106冊の読本『里見八犬伝』を28年かけて
完結させた、曲亭馬琴の生涯は、茨の道の如く。
家督を継ぐが、仕えた若君の癇症に耐えかね出奔。
紆余曲折を経て、山東京伝との出会いがその後の運命に。
蔦屋重三郎の耕書堂の手代になり、出版業界の内情を学ぶ。
そして戯作者となり、潤筆料を得るまでになっていった。
だが武士の誇りと拘りは山東京伝や葛飾北斎、様々な板元など
対人関係に仇をなす。また、常に滝沢家の再興を考えるが、
家族や一族の不幸に見舞われてしまう。それでも筆は止まらない。
家族関係もかなり強烈。妻の百や息子の宗伯の癇症の激しさよ。
でも小さな秘密の花園で、病弱の息子の宗伯での庭仕事をする
ひとときは、何とも心温まるものであり、父と子のお互いの
告白で一人の秘密を二人の秘密にした、心の絆が感じられます。
見えぬ目でも心に浮かぶ秘密の花園の光景の幻。
思えば百もその子らを育て上げたから、そこに現れたのか?
ある意味、似た者同士の夫婦だったのかもしれない。
八人と八本の矢など『里見八犬伝』へ至るキーが
潜んでいるのも良かったです。表紙にも八匹の犬がいるし~。
Posted by ブクログ
戯作者曲亭馬琴の一代記。
馬琴と先駆者山東京伝までは執筆料のみで生活する戯作者がいなかったとは知らなかった。
武家である滝沢家の三男として生まれた馬琴は、一度は家督を継ぎ仕官するが長続きせず、放浪生活を送ったのち、京伝、蔦屋重三郎と出会い戯作の生業を開始する。
次兄や実子に先立たれるなど家族運に恵まれなかった馬琴は、家族を守り滝沢家の家名を守るために全力を尽くし、家相が悪いと言われれば引越し、孫に御家人株が買えるとなれば家財をも処分する。
父や兄が出仕先から冷遇されたことや、士分や古典へのこだわりは八犬伝などの創作の原点となっているようにみえる。
癇気の女房、病弱な長男を抱え、版元などとの付き合いにも苦労する馬琴の心の慰みは猫や鳥や花木だった。
八犬伝の出版も版元とのトラブルにより一筋縄ではいかないが、八犬伝の創作開始以降、本書の熱量もひと際上がるように感じるのは、本書でも引用される八犬伝の持つ力によるものか。
失明しても息子の嫁、路に助けられ八犬伝の口述を続ける馬琴の創作に対する執念は、同時代を生きた北斎のそれとも通じるものがあり、二人が一時期一緒に仕事をしていたのは決して偶然ではないだろう。
Posted by ブクログ
バーネットではありません。なんか、ぽくないタイトルですが「南総里見八犬伝」で有名な曲亭馬琴の一生を描いた歴史小説です。
最近のまかてさんは、歴史上の人物を虚飾することなく史実に沿って描こうとしているようです。いわばリアリズム。この作品もそうで、武家の二男として生まれた馬琴は悪人では無いものの吝嗇で教条的、作品に対しては偏執的で版元や摺師を辟易させる。奥さんの百も強烈で、癇性で周りに毒のある言葉を吐き続ける一方で、幼児には我が子でなくても気を遣う。病弱な息子の宗伯は父に対しては従順だが、母や妻女には母譲りの癇性を発揮する。そんな崩壊寸前の家庭の中、馬琴は膨大な量の小説を描き続ける一方で、何度も滑り落ちる滝沢一門を武家に留めようと奮闘する。
子を亡くし、妻を亡くし、自らは失明しつつも嫁の手助けを受けながら「南総里見八犬伝」を完成させていく「百年の後」と題された最後の一章で印象が変わって行きます。亡くなった妻子を懐かしみながら先を見つめる老いた馬琴の姿がどこか清々しく。
まかてさん、植物好きなのでしょうね。植木職を主人公にした作品も多く、『類』でも森鴎外の庭いじりが描かれました。この作品でも最愛の息子との庭仕事のシーンが多く『秘密の花園』のタイトルの由来になっています。
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