作品一覧

  • がんばらなくても大丈夫
    3.0
    1巻489円 (税込)
    今さら、「くよくよしない人」や「人のことを気にしない人」になるのは難しい。それならば、悩んで、気づいて、強くなろう。人生って、そういうふうにできている。本書は、誰もわかってくれない、と落ち込む前に読んでほしい、友達みたいなエッセイ集。やるせなさや不安、悲しい気持ち……などの悩みをつき抜けるヒントが見つかります。子供のときは「がんばって」食べたけど、相変わらず苦手な人参。大人になったから、もう「がんばらなくていい」よね。悩みだって同じ。前向きに! が苦手だったら、振り返っていい。失敗してオロオロ、人との摩擦にイライラ、考えすぎてクヨクヨと、右往左往したからこそつかめる「何か」がきっとあるから――著者自身の経験を、温かく率直な言葉でつむいだ27話には、不器用なあなたの心をやさしくほぐし、元気づけるアドバイスがいっぱい。文庫化にあたり「前向きに生きるために、今ひとたび後ろを向く」を新たに収録。
  • 手仕事の世界 伝承工芸職人紀行
    -
    1巻1,870円 (税込)
    有吉玉青がめぐる伝承工芸の工房 本書は2018年8月~2021年9月まで「日刊工業新聞」に連載された有吉氏と黒澤氏による職人さんの仕事場への取材記事をもとにまとめたものである。江戸小紋、鼈甲細工、雛人形、木彫、漆芸、江戸切子、江戸指物、加賀毛針、江戸すだれ、籐細工、江戸刷毛、水引、江戸組紐、七宝、つまみかんざし等、38件の職人さんの工房を訪ね、その技芸の「粋」に迫る。
  • ルコネサンス
    3.7
    1巻2,035円 (税込)
    大学院でサルトルを学ぶ中条珠絵は、亡き祖母と母と暮らした一軒家で一人暮らしを続けていた。生後すぐに母は離婚し、父とは二十数年会っていなかったが、ある日、伯父から再会を勧められる。迷った末に銀座のバーで出会うが、なりゆきから娘と名乗らないままに食事を重ね、恋愛にも似た感情を覚える。自身の結婚を機に、改めて父娘としての再会を果たすも、家族であれば持っているはずの共通の思い出がないことに気づく。郷里への旅や父の闘病を経て、ようやくたどり着いた父娘の在り方とは――。父娘がお互いを家族とふたたび認める(ルコネサンス)までの軌跡を描いた著者の自伝的フィクション。
  • 恋するフェルメール 37作品への旅
    3.7
    1巻743円 (税込)
    ボストンではじめてフェルメールを見ようと訪ねた美術館では、<合奏>は盗まれていた! 1990年に始まった世界各地の作品を訪ね歩く旅に、新たにフェルメール作と認定された<ヴァージナルの前に座る若い女>が加わった。絵の具によって描かれた光に魅了され、絵と向き合う歓びがあふれるエッセイ集。
  • 風の牧場
    3.0
    1巻607円 (税込)
    両親がものごころつく前に離婚して母の手で育てられた美名子は、父の不在を寂しいと思ったことはなかった。母の表情からすべてを鋭敏に感じ取った幼い日、その話題を自らタブーとしたが、大人になり父がすでに亡くなっていることを偶然知ってから、その存在が大きくなって……。人と人の絆を描いた連作集。
  • 車掌さんの恋
    3.3
    1巻628円 (税込)
    それぞれの物語を乗せて今日も電車は走る――いつの間にか乗務員室に入り込んできた女子高生に惹かれる車掌さん、思わず破いた中吊り広告でほほ笑むアイドルが取り持つ少年たちの友情、ボックス・シートでは居心地が悪い秘めた恋の2人、両親の不仲に心を痛めた優等生は改札で呼び止められて……みんながいつも乗っている電車に詰まった5篇の物語。
  • キャベツの新生活
    3.3
    1巻628円 (税込)
    出張から帰ってみると、思い出がたくさんつまった自分の部屋がきれいさっぱり消えていた。そんな衝撃的な経験をした青年は、戸惑いながらも0(ゼロ)からの新しい生活をスタートする。恋人との別れ、コンビニで出会った女の子との同棲を経験し……。愛し方を忘れた恋人たちが織りなす、ちょっとせつない恋愛小説。
  • 美しき一日の終わり
    4.0
    1巻957円 (税込)
    母親を亡くした8歳の秋雨が美妙の家に引き取られたのは、彼女が15歳の時だった。辛くあたる母から秋雨を庇ううちに姉弟という間柄を超えていくようであったが、その思いをずっと胸に秘めたまま、出会いから五十五年となるその日、美妙は娘夫婦と孫娘が起き出す前に、取り壊しが決まった家へと向かう――。
  • 月とシャンパン
    3.4
    1巻550円 (税込)
    乙藤波子は外資系企業に勤める42歳。パーティーで出会った芝木とつきあい始めてから2年になる。彼には妻子があったが、せつなさや苦しさを乗り越えたとき、この恋は〈永遠〉だと思えた。だが、ある日、彼の様子がいつもとは違っていた……。(表題作)異なる世代の女性たちを主人公に、年齢を重ねて変わる「恋愛へのアプローチ」を描写した短編小説集。
  • ぼくたちはきっとすごい大人になる
    -
    1巻605円 (税込)
    大きらいな幼なじみに、なぜだかときめくカンナ。教室で浮いた存在の不良にあこがれる和馬(かずま)。親友の家庭事情を知った千里(ちさと)。音楽教師に心を寄せる哲平(てっぺい)。母の愛人に恋する愛(アモ)。クラスメートの死を受け止める3人の男の子。さまざまな状況に、真っ直ぐ本音でぶつかっていく子供たち。大人になって失ってしまった感覚を、鋭く冷静な視点で浮かび上がらせる6編。
  • ねむい幸福
    3.0
    1巻605円 (税込)
    橋場淳夫は妻・君香と理想的な家庭生活を送っている……と思い込んでいた。だが、些細な口論をきっかけに、妻が突然、家を出て行ってしまった。男性と暮らし始める一方で、淳夫に毎日のように電話をかけてくる。そんな妻の行動がさっぱり理解できない淳夫は、ある日、スポーツクラブで、インストラクターの祥子と出会う――。男女の心の深奥を描き出した傑作長編小説。
  • お茶席の冒険
    4.0
    1巻605円 (税込)
    「自分の中の奥底にある何かが微妙に振れた、そんな不思議に心地よい感覚。……たぶんそれがおもしろくて、私はお茶を続けているのだと思う」(「はじめに」より)。静寂の中、湯の沸く釜の音に耳を傾け、季節の花を愛で、茶をいただき、そして、自分もまた点てる。お茶の教室は未知の世界への扉。その扉の向こうをちょっと覗いてみませんか?
  • はじまりは「マイ・フェア・レディ」
    -
    1巻517円 (税込)
    心潤す、舞台、映画、美術展の愉しみ方 作品は本来、自由に見ていいものだと思う。「自由に見る」とはどういうことかを考えて、それは要するに「絵を見ない」ことだという極論にたどり着いた。  たとえば、美術展に行く楽しみを、筆者はこのように述べています。巷に存在する、知識や批判をちりばめた評論とはまったく違う、筆者ならではの感動の解釈がそこかしこにちりばめられています。そこからみえてくるのは、決して自分の意見を押しつけるでもなく、批判はまったくなく、ただただ筆者本人が愉しみ、感動をしている姿。すると、舞台、映画、美術展…それぞれの作品の魅力が、かえって色鮮やかに浮かんできます。「今度、舞台に行ってみようかな」「映画久しぶりに観に行きたいな」、そんな気持ちに、自然にさせてくれるのです。  そして、ただ過ごしている毎日も、こんな感動がすぐ近くにあり、そしてそれを愉しむ心を持てば、とても素敵なきらきらしたものになる… そんな生き方へのメッセージともなって、じんわりと心が癒される作品となっています。

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ユーザーレビュー

  • 恋するフェルメール 37作品への旅

    Posted by ブクログ

    フェルメール版の「三国志男」といったら失礼にあたるだろうか.
    私自身にはそういう位置づけの書籍である.

    フェルメール愛する著者がフェルメールを求めて旅をする.その旅で起こった出来事,感じたことをつづったエッセイです.

    フェルメールを観に最初に訪れた美術館では,絵は盗難されていてフェルメール作品に会うことはできなかった.フェルメールを求めて旅を開始して,その最初から会えないの?なんかこの出だしに引き込まれてしまい,時間を忘れて読みふけってしまった.

    ネタバレなので書きませんが,この旅の最後はステキな出会いで終わります.果たしてどんなステキな出会いが待っているのでしょうか.
    ぜひ,読んでみて

    0
    2010年12月16日
  • ルコネサンス

    Posted by ブクログ

    有吉佐和子の娘・有吉玉青による、おそらく自伝的要素もある小説。
    産まれて間もなく両親が離婚し父親を知らなかった主人公の珠絵が、祖母と母亡きあと、26年の時を経て父親と再会する。
    ただそれは父娘としての再会ではなく珠絵が図ったもので、珠絵は父親(=陣さん)に恋心にも似た感情を抱く。
    長く交際してきた同い年の恋人・征太郎との結婚が決まった珠絵は、今度は父娘として父親との再会を果たし、父娘としての時間を取り戻し始める。

    作中で珠絵は大学院生兼作家という立場。
    院ではサルトルの研究をしていて、サルトルの思想も作中には度々あらわれる。
    短期間の勢いで書いた自伝的小説が、賞は逃したもののとある女性編集者

    0
    2022年11月24日
  • 月とシャンパン

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    そうか、人生はやり直しがきくというのは、過去を取り戻せるのではなく1から始められるということなのか…というのに気付けた短編集でした。
    恋愛小説だし、ほとんど不倫や浮気…それも過去の恋人と、というお話が多い中で思うことじゃないのかもしれないけれど。
    自ら辞める女性もいれば、男性がブレーキかけるお話もあって、それも良かったです。いつでもまた始められるのだ、新しく。皆さん強くて良いです。
    「よかった、自分が自分でなくなりかけてるところで踏みとどまれて」。こうでなくちゃ、と。

    0
    2022年10月22日
  • ルコネサンス

    Posted by ブクログ

    28年会わなかった父親との再会を軸に家族というものを読み解き、創造する物語。
    主人公の中でどんどん塗り替えられる父親像が、家族の関係性の変化とともに面白かった。最後まで父親が母のもとに戻らなかった理由が明かされないのが少々残念。

    0
    2022年07月12日
  • 美しき一日の終わり

    Posted by ブクログ

    タイトルに惹かれて読んだ。
    異母姉弟として出会い、お互いが家庭を持ちそれでもなおずっと想い合っている。
    何十年という時を越えて、最後に一緒に過ごす1日。早起きしてお弁当を作る描写が、美味しそうだし、文章が綺麗で好きな作品。

    0
    2020年04月24日

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