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出張から帰ってみると、思い出がたくさんつまった自分の部屋がきれいさっぱり消えていた。そんな衝撃的な経験をした青年は、戸惑いながらも0(ゼロ)からの新しい生活をスタートする。恋人との別れ、コンビニで出会った女の子との同棲を経験し……。愛し方を忘れた恋人たちが織りなす、ちょっとせつない恋愛小説。
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Posted by ブクログ
「覚えておかなくちゃ。キャベツのこの腕の感じ、私の顔のはまり具合、暖かさ、香り、ぜんぶぜんぶ覚えておかなくちゃ」
本を読むにあたってこんな注意はおかしいけれど。
一冊まるごと読むこと。
飛ばしたり、流したりしないで、きっちり一冊。
それがこの小説を愉しむために必要なこと。
最初に先ず、自分の住んでいるアパートがきれいになくなってしまった-という衝撃から物語は幕を開ける。
長い、これからもずっと続くかと思われた恋人との別離。
コンビニ店員の女性との出会い。彼女の恋愛。彼女との生活。
そして、ラストの大きな衝撃へとゆっくりと、でも、まっすぐに進んでいく。
自分の存在の証、他人の存在の証。
そういったものを明確に示すことは不可能なのかもしれない。
でも、確かに自分は存在しているし、“誰か”も確かに私の目の前にいる。
そういう当たり前のことに時々戸惑ったり、不安になったり。
決して激しい展開の物語ではないけれど、何かが“残る”本だった。
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