作品一覧

  • 声に出せずに叫んでる
    4.3
    1巻2,090円 (税込)
    母さんを殺したのは、俺だ――。 許せなかった。自分自身も、父の再婚も、大好きだった音楽も。 高校2年生の羽山陽介は母を亡くした幼少期の記憶に今も囚われていた。 男手一つで育ててくれた父と、突然紹介された父の恋人に懐く無邪気な妹。 あの人が家に来るたび作ってくれるカレーは、母の得意料理だった。 「俺、絶対認めないから」。 気持ちの整理がつかない日々の中、学校で不可解な事件が起こる。 切り刻まれた幼馴染のイヤホン、階段から突き落とされた友達。 突然部活を辞めたエース、誰とも長続きしない人気者、善意の押し売りに苦しむクラスメイト――。 それぞれの無言の叫びは渦となり、やがて溢れ出していく。 本当は誰かに叱ってほしい。お前を許すと言ってほしい。 誰も本当の意味では分かり合えない、それでも分かり合いたい。 僕たちは、必死にもがいて手を伸ばしている。 デビュー作で青春の「痛み」を暴いた若き才能が掬い上げるのは、 「痛み」の先にある一筋の「救い」。
  • どうしようもなく辛かったよ
    完結
    -
    全1巻594円 (税込)
    【第17回小説現代長編新人賞受賞作】『どうしようもなく辛かったよ』第4章をコミカライズ! 中3の桜(さくら)のクラスにはルールがある。孤立した生徒が”いじめ”のターゲットになるルールだ。でも、桜には関係ない。親友の茉莉(まり)を甘い顔で操り、面倒ごとからは距離を置き、適度にいじめに参加する。だから関係がない。これまでも、これからも。そう信じてた。茉莉がある”告白”をするまでは…。【どうしようもなく辛かったよ分冊版1~4を収録した単行本版。】
  • どうしようもなく辛かったよ 分冊版(1)
    完結
    -
    全4巻154円 (税込)
    【第17回小説現代長編新人賞受賞作】『どうしようもなく辛かったよ』第4章をコミカライズ! 中3の桜(さくら)のクラスにはルールがある。孤立した生徒が”いじめ”のターゲットになるルールだ。でも、桜には関係ない。親友の茉梨(まり)を甘い顔で操り、面倒ごとからは距離を置き、適度にいじめに参加する。だから関係がない。これまでも、これからも。そう信じてた。茉梨がある”告白”をするまでは…。<第1話「独りぼっちになってはいけない」を収録>
  • どうしようもなく辛かったよ
    3.4
    1巻1,672円 (税込)
    第17回小説現代長編新人賞受賞作 受賞時高校三年生。現在大学一回生。 選考委員絶賛! 一つずつの感情を丁寧に掬い上げて、かつ容赦なく紡いである。 ――朝井まかて 最後の場面に、時を超えて自分の中学生時代を思い出しました。 ――中島京子 若さの身勝手さ、残酷さ、幼さゆえの気取りまでをストレートに描ききっている。 ――凪良ゆう 思想があると感じさせられる。 ――宮内悠介 この物語には、心に突き刺さる得難いセンスがある。 ――薬丸岳 青春の輝きとそこにのびる影、苦み 「特別になりたい」「ルールを破りたい」少女たちの卒業までの日々が、始まった。 あらすじ 「特別になりたい」と願う中学生の若菜は、日々、バレー部での練習に明け暮れていた。しかし三年生になると、顧問の異動によってチームは大きく動揺してしまう。若菜の「ある提案」によって落ち着きを取り戻したチームは、最後の大会へ向かうのだが――。 夏から、少女たちは「それぞれの最終学年」に直面することになった。学業優秀な真希、学校を休み続ける愛美、裏と表をうまく使い分ける桜、ルールから逸脱することができないくるみ。部活というつながりを失った少女たちが隠してきた本心、我慢してきた関係性。少女たちの卒業までの日々が、始まった。

ユーザーレビュー

  • どうしようもなく辛かったよ

    Posted by ブクログ

    今オイラが1番世に出たら速攻で読みたい作家さん。
    それが、朝霧咲さん!(知念さんごめん)

    「Z世代の等身大青春小説」と帯はうたっています。

    朝霧さんがどう思っているかわからないし、「Z世代」なるものに分類されていることも同じく。

    まだこの作品を含めて2冊しかないのだけれど、「小説らしい小説」を生み出すことのできる作家さんだとオイラは思っています。(もう一つの作品のレビューでも書いたけれど)

    とんねるずが仮面ノリダーとかやって爆発的な視聴率を取っていた頃、北野武さんがこう言ってました。
    「とんねるずがやってることは、ひょうきん族でやったことと同じなんだよ。でも同じネタでも「今」旬なタレン

    0
    2025年06月01日
  • 声に出せずに叫んでる

    Posted by ブクログ

    ちょこっと真面目に。

    久しぶりに小説らしい小説だった。
    文学っていってもいいと思うけど、なんか守備範囲が広がりそうで、あえて小説。
    だって本来の小説って人間の「ココロ」をさまざまに、しつこいくらい洞察して、それに比喩を筆頭に色々脚色をつけた物語のことでしょう⁇

    それがこの作品は素晴らしかった!

    でも人間の「ココロ」って何?
    心臓?まさか。いやいや突き詰めたら意外とそうかもしれないよ。
    じゃあ脳?それっぽいけど、心臓とは比較にならないくらい解明されてないよ。

    きっと、作家さんたちはずっとそのことを考えて考えて次の世代にバトンを渡しているんじゃないかなぁ。

    だから小説は読み継がれて来たん

    0
    2025年05月25日
  • 声に出せずに叫んでる

    Posted by ブクログ

    タイトルと表紙の絵に魅かれて読み始めた。

    高校2年生が主人公。
    高校生活を謳歌しているような日常が綴られている、と最初の頃は思った。
    が、主人公陽介の母を失った悲しみ、自分のせいだと思う後悔の念、再婚しようとする父親へ反発・・・など、
    思春期真っただ中の心模様が、ビシビシ胸を打つ。

    著者は高校生の時に新人賞をとって、現役の大学生らしい。
    もろにリアルな青春物語だと思う。

    誰しも「欠けている」部分がある。
    完璧な人などいない。

    ラストは温かい友情に、陽介がどんなに慰められただろう。
    とてもいい小説だった。
    高校生にお勧め、かつての高校生にも、ぜひお薦め!

    0
    2025年05月05日
  • 声に出せずに叫んでる

    Posted by ブクログ

    思春期の少年の人間関係の機微に過剰に反応し相手に対して、先生、そして親に自分なりの対応を葛藤しながら成長していく。
    自分も経験した事ある大人の対応を当時はモヤモヤしていたけど言葉にできなかった。それを今こんな気持ちだったとやっと言葉にできて少し楽になる。がんじからめで気持ちの整理ができてなく当時に読んでいたらすごく共感して読んでいたと思う。

    0
    2025年04月20日
  • 声に出せずに叫んでる

    Posted by ブクログ

    子どもの頃の後悔って、大人になってもそう薄れる事なく、いつまでも残ってるもので。
    うまく言葉にできなくて、なんとなくそう思う、と表現するしかない複雑な気持ちを、整理するのは自分自身でも大変で。
    多感な年齢の頃のそんな心情に、取り憑かれるように一気読み。サイレントスクリームに、自分でも気がつけるか。そうでなければ、周りが気付けるかどうか。

    0
    2025年03月08日

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