ユーザーレビュー どうしようもなく辛かったよ 朝霧咲 葛藤と憧れに押し潰されそうな日々。 自分は持っていない、あの子の才能がほしくて。 何者でもない自分の、何にもない日々から抜け出したかった。 ....そんな、自身の学生時代を思い出した。 彼女の言葉 『色々あったけど、その日々があるから今の自分がある、とか。そんな風に小さな事でぐちぐち悩んでいた時期...続きを読むもあったな。眩しい。 .....もしいつかわたしがそんなことを言っていたら、目の前で吐き捨ててやりたい。辛かったよと。どうしようもなく辛かったよ。あなたが美化しているほど、輝かしい日々じゃなかったよ。嫌で仕方なかったよ。青春なんて、おめでたいものじゃなかったよ。』 学年集会が終わって整列して教室に戻る時。 ホームルーム中に聞こえる私語。 教師はその場にいないから注意もされないはずなのに、真面目な自分を崩すのが怖くて、はみだしきれなかった自分。皆と打ち解けられなかった自分。そんな自分自身に嫌悪感を抱く、そんな終わりないループをただひたすら12年間回し続けて耐えてきたことを思い出した。 Posted by ブクログ どうしようもなく辛かったよ 朝霧咲 中学のバレー部に所属する女の子たちの視点を変えて紡がれるストーリー。 痛々しいくらいに学生時代のことを思い出した。 どの子の性格も自分や周りの友達にあてはめられるくらいリアルで、わかる!という気持ちとわかるからこその気持ち悪さのようなものも感じた。 以下ネタバレ 一章の主人公、若菜は特別な存在...続きを読むになりたかった。バレー部の最後の試合に向けた練習も、自分が主人公である気持ちが強く、ミーティングばかりしていた。(わかる、ミーティングって、やってる気持ちになれるんだよね…)もちろん、きちんと練習していなかったため今まで勝てた相手に負けてしまう。 二章の主人公、真希は部活ではエースで頭も良い。進路先をトップの高校かその下の高校を受験するかで悩んでいる。人からの評価を気にしすぎていてトップの高校に通っているという評価がほしい。最終的に家に近いからという理由でトップ校ではない方を受験することに決める。 三章の主人公、愛美は同じバレー部ではあるが現在は不登校。とは言っても、いじめられたわけでもない。ただ、頑張れない。 四章の主人公は桜。クラスで一人になりたくない。その思いが強く、いじめにも加担するし、心の中では面倒だなぁと思っている子とも仲良くする。だって、一人になりたくないから。 五章の主人公はくるみ。他の章に出てくる場面からでも真面目な印象の子。くるみのエピソードは卒業式。いつでも校則を破ることなく、本当に真面目に生きてきていた。卒業式くらい少し…といつもより高めの位置で髪を結び、制服のスカートを折り曲げた。そんなくるみが、バレー部のみんなのことが嫌いだったとは…卒業式でバレー部のみんながバレー部最高!みんな大好き!って言っている中、くるみは心の中でみんな大嫌いだって思っている。みんなが美化するほど毎日は輝いていなかったし、青春なんて良いものではなかったというくるみ。 5人それぞれ青春というか学生ならではの感情があって、懐かしくも辛くなった。それぞれの視点で描かれるストーリーで実はあの子がこんなことを考えていたなんて。と読み進めるのが楽しかった。 辛いようだけど、誰しもが通ったであろうエピソードもあるので読みやすかったし、(全部とは言わないけど)共感できる部分も多かったんじゃないかなと思う。 Posted by ブクログ どうしようもなく辛かったよ 朝霧咲 要所要所に「最悪」と感じつつ、中高生の交友関係なんてそんな最悪な自己中の積み重ねだったなぁと懐かしくなった。真希とくるみは特に身に覚えがある。 Posted by ブクログ どうしようもなく辛かったよ 朝霧咲 特別になりたい若菜と、優秀であるがために見栄を張ってしまう真希の話が共感できるところがあって特によかった。若菜の話のラストは、ドラマチックな展開を期待してしまっていたので、私まではしごを外された気持ちになり、そうくるか!と鳥肌が立った。加筆修正はされているようだが、高校生が書いたと知って驚愕。 他は...続きを読むいじめとか、不登校とか、登場人物の裏の顔が見え、ちょっとドロドロであまり好みではなかった。あんなに堂々としてる不登校いるかな?あの両親は昼間から口論して、仕事は? Posted by ブクログ どうしようもなく辛かったよ 朝霧咲 最初はバレー部中心の話と文体とが少し読みづらかったけれど、だんだん話が深くなり、面白くなるとともに辛い気持ちにもなりました。 登場人物それぞれの抱える気持ちに共感するところはありませんでしたが、こういう思いを抱えている子はきっといると思うし、私にとっても黒歴史と言える中学校時代を思い出しました。 ...続きを読む 中高生におすすめ。 Posted by ブクログ 朝霧咲のレビューをもっと見る