朝吹真理子の一覧
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ユーザーレビュー
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きました、The芥川賞作品。二人の女性が再会することで生まれるコミュニケーションと気持ちの移り変わりという言い表すのが難しい感情を汲み取る表現はまさに芥川賞。ドップリとハマれる作品は休みの日には嬉しく仕事の日は避けたい。気持ち持っていかれるから。
Posted by ブクログ
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会話文がカギ括弧で区切られておらず、うみやアオ目線である地の文と同じ行に書かれていて、不思議な書かれ方だと思ったが、うみやアオが見たり、思い浮かべている世界を読者が体感したり、この話の幻想的な雰囲気を表現するのに役立っているように感じた。
この話は、夫「アミ」と、恋愛感情のないまま結婚した「う
...続きを読むみ」目線の「TIMELESS 1」と、うみとアミの子供である、17歳になった息子「アオ」目線の「TIMELESS 2」からなる。
高校の同級生であったうみとアミは結婚し、「交配」を試んでうみは妊娠したが、アミは姿を消した。
アミがいなくなった日に、近所に住む少女「こよみ」が親を無くしたことで、うみと、息子のアオ、こよみの3人で暮らすことになった。
この物語を読んでいる時、私は途中までうみとアミが「互いに恋愛感情を抱いていない」同士だと思っていた。それは、アミが、死んでしまった昔の恋人のことを思っていたり、うみに公認で交際している恋人のことを思っているのではないかと考えたからだ。
しかし、アミが姿を消した後、うみに「好きだから一緒に暮らせない」と伝えていたことが物語終盤で書かれていたり、アミがうみが精神的に負担にならない選択を(たとえ「普通の夫婦」とは違っていても)していることから、アミはうみに恋愛感情を抱いていたのだと思った。
アミがうみに「好きだから一緒に暮らせない」と思っていたのは、アミが被ばく3世で、(自分のせいで)子どもへの健康被害があるのではないかととても恐れていたことや、(これは予測だが)うみが自分のことを「愛して」いないことが一緒にいると伝わってくることや、(交際初期に相合い傘で戸惑ううみに「ノリだよ」と伝えるなど)自分の恋愛感情でうみを困らせないようにすることがしんどかったのではないかと思った。アミについてどう思うのか、色んな人の感想を知りたいと思う。
うみとアミの特殊な関係性も印象的だが、うみの回想や、息子のアオが奈良で体験したことなど、物語を通して幻想的な雰囲気が漂っているところがとても印象的で楽しめた。
Posted by ブクログ
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多分「楽しむ」よりも「感じる」小説なのかもしれない。
貴子(きこ)と永遠子(とわこ)が葉山の別荘で同じ時を過ごし、別荘の解体に伴い25年後に再会する。簡単に言えばそんな話。
冒頭の「永遠子は夢をみる。貴子は夢をみない」という一文があるのですが、最後まで読み、これは貴子の夢だったのでは?とも思いました
...続きを読む。過去と現在が行き来したり、重なり合ったり重なり合わない記憶、「髪」の表現の妖艶さ、生と死・・・。生々しい官能的な世界に、私自身、彼女らの夢の中に連れ込まれてしまいそうな危険な感覚を覚えた。魅力的な作品。
Posted by ブクログ
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『男は、家族のギリシャ赴任中にうまれたとかで、アテネと読むことができる雅典という、うるわしげな名前があったけれど、ともみの女友達からは、セグウェイと呼ばれていた。 ともみも過去を振り返るたび、セグウェイとつきあっていたころは云々、と男をあだ名で呼んでいたために、雅典に会っても、セグウェイと心で思って
...続きを読むいた』-『「セグウェイはかわいい男」朝吹真理子』
細野晴臣の夢日記は、夏目漱石の「夢十夜」の「こんな夢を見た」に倣って、どれも「夢を見た……」と始まるナンセンスな夢のお話。夢なのでとりとめもなく、起承転結もない(本人曰く脚色は一切なし)。漱石の夢十夜はもちろん斬新な小説ではあるけれど、極端に言えばどれも真面目腐った線香臭い話ばかりであるのとは対称的に、不真面目で何だか得体の知れないアートのような味わいがある。まあ、それを読むだけでいいのなら「ほぼ日」のアーカイブを見ればいいのだし、それならイラストはカラーで見応えもあるし(一部フラッシュのアニメーションに関しては、書籍では二次元コードで動画に飛ぶという親切なアフターケアがある)。なので、これは単純に朝吹真理子がどんな話を書いているのかに興味があって手にした本ということになる。
細野晴臣の元の夢日記に啓発されて、朝吹真理子、リリー・フランキー、ナイツ塙亘之が三話ずつ(ただし朝吹真理子の三話目は二つの夢物語を下敷きにしているので二夜分と勘定)書き下ろし、合計九話(十夜)を加えたもの。「夢十夜」とはあるけれど、元の夢日記は三十七夜の物語(ほぼ日上では幻の第三十八話「ハーレム・ミュージシャン」のイラストもあり)。本の構成では夢日記が後になっているけれど、先ずはこちらを読んでから、各々どの話を選択しどう発展させたのかを愉しむ方がよいような気がする。
三人とも元の話を題材に膨らませているけれど、リリー・フランキーが星新一風のショートショートを三つ揃えているのに対して、ナイツ塙は自伝的な二つの話とナイツの漫才を模したネタ、そして朝吹真理子は少しずつ趣の異なる三つの短篇を書き下ろしている。その内、三夜・四夜に相当する話が最も作家の素の個性が出ているようで面白い。どこか「抽斗のなかの海」の一文を読んでいるような気になる。一方で、細野晴臣の夢との親和性が一番高いのはリリー・フランキーのショートショートかも知れない。少しエロティックで少しグロテスク。一応、オチも付いていて完結した感じが高い。それに何となく漱石の第五夜(捕らわれの身の侍が懸想する女の話)、第六夜(木彫の話)、第七夜(西国へ向かう船の話)とも響き合う話に仕立てられている様な……。ナイツ塙の自伝的エッセイ風の二作は「それで思い出したんだけどさあ」というような展開の二作品で、真面目なのかふざけている判然としない味わい。最後のネタは、もうナイツの声で読んでしまうね。
ほぼ日のサイトには「夢を見るにも、才能というものがあるみたいです」と紹介されているけれど、夢をほとんど見ない、あるいは覚えていない自分には正に羨ましい限りの才能。細野晴臣という天才の内側をほんの少し垣間見たような気分になれる本。
Posted by ブクログ
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物語上の時間は過去や未来へ行き来しながらも読んでいて川の流れにのっているかのような感覚になった。文体が好き。
Posted by ブクログ
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