きことわ(新潮文庫)

きことわ(新潮文庫)

539円 (税込)

2pt

貴子(きこ)と永遠子(とわこ)。葉山の別荘で、同じ時間を過ごしたふたりの少女。最後に会ったのは、夏だった。25年後、別荘の解体をきっかけに、ふたりは再会する。ときにかみ合い、ときに食い違う、思い出。縺れる記憶、混ざる時間、交錯する夢と現。そうして境は消え、果てに言葉が解けだす――。やわらかな文章で紡がれる、曖昧で、しかし強かな世界のかたち。小説の愉悦に満ちた、芥川賞受賞作。

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きことわ(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    いい意味で気持ち悪さがある小説だった。文体はしなやかで所々ぴしりときまっていて、綺麗だった。特に『時』の描写がよかった。

    0
    2025年03月06日

    Posted by ブクログ

    ラジオで朝井リョウが「文章全てがクリスタル」と評していた。
    本当にその通りで、全てが美しくて儚い。
    葉山に行ったこともなければ、別荘に通う経験もない私が、夢を見たあとのように薄ぼんやり記憶と交差してしまうほど素晴らしい。

    0
    2024年12月01日

    Posted by ブクログ

    きました、The芥川賞作品。二人の女性が再会することで生まれるコミュニケーションと気持ちの移り変わりという言い表すのが難しい感情を汲み取る表現はまさに芥川賞。ドップリとハマれる作品は休みの日には嬉しく仕事の日は避けたい。気持ち持っていかれるから。

    0
    2022年10月08日

    Posted by ブクログ

    少女時代に仲の良かった貴子と永久子とが再開する120ページくらいのお話。しっとりした筆致にうっとりする。

    0
    2021年06月30日

    Posted by ブクログ

    25年ぶりに再開した貴子と永遠子。
    2人の記憶が絡まり合いながら、25年を埋めていく。

    過去と現在、夢と現実が溶け合う世界にとぷんと浸かりながら読み進める不思議な感覚。曖昧で、浮遊感がある独特な文章。
    絵画のような小説、という表現がしっくりくる。印象派の絵を思い浮かべながらページをめくりました。

    0
    2025年10月29日

    Posted by ブクログ

    正直、言葉が甘ったるくて気分じゃなくて、前半はいつ読むの辞めようかと言う感じだったけど、そのノイズみたいな、表面的な触感を押し撫で浮き出てくる形が凄く面白かった。てかこの体験が良かったのかも。聞きたいのは、わが星好きですか?月の話があったから繋がったんだけど、それ以上に夢に見て、遠くから眺めているよ

    0
    2025年10月03日

    Posted by ブクログ

    この方の作品のファンになってしまいました。
    独特な文学的な文体で、現実なのか夢なのか、ひらがなもあえて多くしてるんだと思うんどけど、また違った懐かしい描写に成功している。とにかく描写が懐かしいというか、なんとも芸術的な気分にさせる。
    今月表参道の山陽堂書店でで個展もやってるらしいので行きたいとお思い

    0
    2023年12月12日

    Posted by ブクログ

    僕にはとても読みづらい作品で、125ページの中編で読むのに6日間もかかった。もちろん時間の合計ではなく、かかる期間のことだ。
    知らない言葉だらけで、調べたら源氏物語で使用されたとか、とにかく通常に使う言葉の代わりに普段使われない言葉に置き換えて使用されている。
    教養の高さは感心するが、読む側のレベル

    0
    2023年08月06日

    Posted by ブクログ

    2011年芥川賞受賞作品。現在と過去、現実と記憶がないまぜになって「いま・ここ」の自己が希薄化し、二人の女性の身体は境界線を失って混濁する。他者は異物として対置されず、それどころか自己の一部となる。女性性を際立たせるための男性の介在はもはや必要なく、男性の主要人物たちはアブストラクトな背景と化す。同

    0
    2022年04月07日

    Posted by ブクログ

    記憶のあいまいさ。
    過去の積み重ねが今であるなら、
    今ある自分のいかにあいまいなことか。

    人から教えてもらって、好きになった
    アーティストのポスターが
    急に目に付くように感じる。

    人間は、脳のキャパの問題から、
    目に入る情報のほとんどを
    切り捨てている。

    同じ道、同じ時間を共有してるはずなのに

    0
    2020年05月10日

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