髙樹のぶ子の作品一覧
「髙樹のぶ子」の「掌篇歳時記 春夏」「伊勢物語 在原業平 恋と誠」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「髙樹のぶ子」の「掌篇歳時記 春夏」「伊勢物語 在原業平 恋と誠」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
紫式部や清少納言が取り上げられているが、あえての小野小町。1000年前からの美貌と才能の象徴として、現代でも〇〇小町という呼び名が使われるほどの人物。残された和歌のうち、本当に小町が詠んだのは20にも満たないという。当時の和歌は、恋心だけでなく、親への愛情や友への友情、尊敬、拒絶など、あらゆる意思疎通を図るコミュニケーションの主要な手段。古い和歌を引用しつつ、いまの気持ちを伝えることができる才能が、コミュ力の高さの証明だった。何という奥深さ。五七五七七という限られた字数の中に、幾つもの感情を読み込む技法。和歌と古典の素晴らしさを再認識させてくれる。小野小町の伝説にも一石を投じ、新たな小町像を見
Posted by ブクログ
装丁に惹かれて購入。爽やかな若草色の和紙風潮にデザインに達筆な業平の文字。シンプルながら非常に目を引くデザインだと思います。
本書は古典伊勢物語を筆者なりの解釈で時系列を整え、和歌になぞらえながら描かれた在原業平の物語。
語り口調は特徴的であるけれど、これが絶妙に平安の雅さを醸し出して良い雰囲気を作っている。
さて主人公の業平ですが非常に恋多き人物。物語の大半は彼の色恋話となっている。
ただしこの業平、己の色欲に歯止めが掛けられない人物な様で、好みとあればどれ程高貴な人物であれモーションを掛けていきます。
流石に政界随一の権力者の妹で次期天皇の后候補の姫に手を出すとか、後先考えないにも程があ
Posted by ブクログ
あとがきで 千年昔には身体感覚においてどこか血が人間が生きていて、私たち現代人は、現代にも通じる部分においてのみ、かの時代の人間を理解し表現しているのではないか、そこから本書のような文体を模索したとのことでした。
ここはなるほどな、と思った。
その時代、その場所の人間のみが本当に共感していた感覚の片鱗をこの小説で感じることができたであろうか。できていれば良いなあ。
最後まで、叶わなかった恋に飽かぬ、哀しのあわれの情を抱きつつ、最後は何か飄々とした風に逝った様がに感じ入った。
業平が本当に恋した2人について、叶わぬ高みの御方の憧れと、弱き御方を父か兄のごとくにお護りしたい恋と表現しているが、