髙樹のぶ子のレビュー一覧

  • 小説小野小町 百夜
    前作「業平」を読んだら本作も読まざるを得ないであろう、何しろ遠い昔のことであり資料さえなく、業平以上に困難な作業だったと想像される、後の世に悪女のように扱い最後は乞食にまで身をやつしたと悪い評判を流したのは観阿弥であったのか、けしからん奴だ、この物語の大半は著者の創造であろうが、平安時代の雅な世界を...続きを読む
  • 小説伊勢物語 業平
    装丁に惹かれて購入。爽やかな若草色の和紙風潮にデザインに達筆な業平の文字。シンプルながら非常に目を引くデザインだと思います。
    本書は古典伊勢物語を筆者なりの解釈で時系列を整え、和歌になぞらえながら描かれた在原業平の物語。
    語り口調は特徴的であるけれど、これが絶妙に平安の雅さを醸し出して良い雰囲気を作...続きを読む
  • 小説伊勢物語 業平
    あとがきで 千年昔には身体感覚においてどこか血が人間が生きていて、私たち現代人は、現代にも通じる部分においてのみ、かの時代の人間を理解し表現しているのではないか、そこから本書のような文体を模索したとのことでした。
    ここはなるほどな、と思った。
    その時代、その場所の人間のみが本当に共感していた感覚の片...続きを読む
  • 小説伊勢物語 業平
    はるかな昔(平安時代ではないけれど)高校で「伊勢物語」を読み、興味を持った。
    「源氏物語」は色々な現代語訳などたくさん出版されているが、これは小説として楽しめた。
    でも、長かった!
    在原業平はやはり光源氏のモデル?
    業平の生きざまには現代を生きる女として物申したいが、
    千年を超えて伝える和歌の力はや...続きを読む
  • 小説伊勢物語 業平
    伊勢物語を読むのは中学?高校?の古典で習った以来。長かった…けれども読み応え抜群。業平のロマンチックな恋物語。古典文学にハマりそうなくらい良かった。聞いたことある和歌がちょくちょく出てきて、なるほど!これはこんな情景の中で詠まれたものなのか!と知ることができた。次は令和、万葉集を読んでみたい。
  • 小説伊勢物語 業平
    映画「君の名は。」の元ネタが「とかえばや」と知り田辺聖子の小説版を読み日本の古典の先進性、独創性を知り、俄然古典文学に興味を持ったが、伊勢物語についてはNHKの100分de名著で知るまで名前しか知らなかった。本著ではその素晴らしい世界観を堪能することが出来、正に現代小説の礎とも言える物語であった。著...続きを読む
  • 小説伊勢物語 業平
    この内容は、なんだろうかと
    最初読み始めたときは、ちょっと戸惑いましたが
    伊勢物語を完全に小説にして、在原業平の半生を描いた
    内容に置き換えて描かれているものと気づいて
    面白く読めました。どこまでが史実で、どこまでが
    伊勢物語にある内容なのかを、ちょっと調べながら
    読み進むと、非常に面白くよめました...続きを読む
  • 小説伊勢物語 業平
    古典でもよく聞く伊勢物語と在原業平。腰据えて読んでみようと、まずは現代語訳ではなく小説を選択。面白かった。
    読みながら、業平にツッコミ入れること数えきれず。なんと危ない男か…。

    家系図があるから、読みながら理解しやすい。
    桓武天皇、安殿の平城帝、伊予の君の嵯峨帝、出てこないけれど空海の時代とかすっ...続きを読む
  • 小説小野小町 百夜
    小町と僧正遍昭との出会い、別れ、後世での再会を祈ります。十二分に小町の汚名挽回がなされた作品であると思います。
  • 小説小野小町 百夜
    小野小町の生涯を、古今和歌集と後撰集に残された数少ない彼女の和歌から、描いた物語。

    有名な小野小町といえど、残されている史実はないに等しい。
    悪名高い?「百夜通い」も伝説で、実際はどうであったか。
    100日彼女に元に通ったら、共寝してもいいと言われたが、100日目の夜に悲劇的な死に見舞われ、その恨...続きを読む
  • 小説小野小町 百夜
    名前は知っているし、京都のあちこちに伝承が残る小野小町。この作品を読んで初めて人物像がおぼろげながらも形を成した。和歌の要約も分かりやすく心に響いた。所々で胸が熱くなる。
  • 小説小野小町 百夜
    小野小町について、これまで名前でしか知らなかったが、生きた女性として感じた。平安時代の雰囲気も感じることができた。挿入された和歌の読み解きも面白くぐいぐいと引き込まれた。
  • 小説小野小町 百夜
    謎の人物とされる小野小町
    最後は美貌も衰え
    各地を乞食になって放浪し
    行き倒れのように亡くなった
    かのように聞いていたが
    この作品はちょっと頷ける感じ
    時代に翻弄される人達が
    どこか悲しい
  • 小説伊勢物語 業平
    文体がとっても雅な感じです。読み進むにつれて、平安の雰囲気ってこんな感じかな~って気になりました。在原業平については伊勢物語の主人公、伊勢の斎宮に手を出した、とか、藤原高子と駆け落ちしたとか、そのくらいのエピソードしか知らず。その二つのエピソードが主でしたが、旅の場面なども面白かったです。でも、業平...続きを読む
  • 小説伊勢物語 業平
    根っからの都人であり、歌人であり、すぐ惚れてしまう男。業平界隈から見ると藤原氏は非道。人生色々って思う。
  • 小説伊勢物語 業平
    伊勢物語、古文の授業では心の機微はわからない。やはり、大人になるとわかるもの。もう一度読み直します。
  • 伊勢物語 在原業平 恋と誠
    本屋さんのコーナーに小説伊勢物語 業平と並んであったので手をとったのがきっかけ。
    小説の登場人物の設定を読んでみてからにしようと本書から。

    高子、恬子は当時の女性としてはとんでもない人だったんでしょうね。
    高子との関係性が志を共有していく流れ、
    恬子斎王との流れは
    小説で読んでみたいと思うぐらいス...続きを読む
  • 小説伊勢物語 業平
    独特な表現で穏やかに面白く読めた。
    飽かぬから哀し、叶わないからこそ趣が深まるというところは全くその通りだと思う。。そしてたくさんの叶わないことがあるのが恋なのかと。物や権力はお金や努力で手に入りやすいけど、好きな人とずっと好き合うことは色んな意味で難しいから、だからこそ現代でも恋の歌が溢れてるのだ...続きを読む
  • 小説伊勢物語 業平
    在原業平の歌を軸に据えて解釈の中で彼の人生を振り返る.出世(お仕事)からは一段身を引いた処世術ながら,女遍歴の熱心さには驚かされた.いやいやお盛んとは思っていたが,30歳で10歳ぐらいの童に目をつけるなど,光源氏だけではなかったのだと呆れた.歌は後世に残るほど素晴らしいとしても,人間としてはっきり言...続きを読む
  • 小説伊勢物語 業平
    これはいい作品に出会いました。
    在原業平は有名な「ちはやふる」ですが、生い立ちや生き様、時代、政治、それらが織り混ざった在原業平はさらに魅了されます。