髙樹のぶ子のレビュー一覧

  • 伊勢物語 在原業平 恋と誠

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    本屋さんのコーナーに小説伊勢物語 業平と並んであったので手をとったのがきっかけ。
    小説の登場人物の設定を読んでみてからにしようと本書から。

    高子、恬子は当時の女性としてはとんでもない人だったんでしょうね。
    高子との関係性が志を共有していく流れ、
    恬子斎王との流れは
    小説で読んでみたいと思うぐらいステキなお二人。

    限られた和歌の余白、古の歌にかけて本心を読み取る想像力に日本人の感性・美意識はSNS時代の今だからこそ大切にしたいと思う。

    小説伊勢物語 業平、読んでみたい一冊になりました。

    0
    2021年01月31日
  • 小説伊勢物語 業平

    Posted by ブクログ

    独特な表現で穏やかに面白く読めた。
    飽かぬから哀し、叶わないからこそ趣が深まるというところは全くその通りだと思う。。そしてたくさんの叶わないことがあるのが恋なのかと。物や権力はお金や努力で手に入りやすいけど、好きな人とずっと好き合うことは色んな意味で難しいから、だからこそ現代でも恋の歌が溢れてるのだと合点。含みのある歌が良いとされ好まれるのは、なんというか本当に日本らしくて和歌はいいなと思った。
    話の本筋とは全く関係ないが、平安時代の方が今より男女平等に思えてしまうのは自分の無知なだけだろうか。

    0
    2020年12月27日
  • 小説伊勢物語 業平

    Posted by ブクログ

    在原業平の歌を軸に据えて解釈の中で彼の人生を振り返る.出世(お仕事)からは一段身を引いた処世術ながら,女遍歴の熱心さには驚かされた.いやいやお盛んとは思っていたが,30歳で10歳ぐらいの童に目をつけるなど,光源氏だけではなかったのだと呆れた.歌は後世に残るほど素晴らしいとしても,人間としてはっきり言って最低と思いながら,小説としてとても面白く読めた.

    0
    2020年12月10日
  • 小説伊勢物語 業平

    Posted by ブクログ

    これはいい作品に出会いました。
    在原業平は有名な「ちはやふる」ですが、生い立ちや生き様、時代、政治、それらが織り混ざった在原業平はさらに魅了されます。

    0
    2020年11月20日
  • 小説伊勢物語 業平

    Posted by ブクログ

    題名こそ,知っていても,読んだことのない「伊勢物語」,こういう話だったのだと初めて知りました。

    内容は,正直,かなりスキャンダラスだと思います。
    それでも,下品な印象を受けないのは,和歌の力でしょうか。

    学生時代,和歌は小難しくて,意味を捉えにくいという印象だったのに,本書に掲載された和歌は,こういう気持ちを詠んでいるのだなと,内容がすんなり心に入ってくるのが,自分の中では意外でした。

    今も昔も変わらない人の情緒,和歌は誇るべき文化だという思いを強くしました。

    0
    2020年09月27日
  • 小説伊勢物語 業平

    Posted by ブクログ

    「伊勢物語」125章段をシャッフルし取捨選択して、時間軸の糸を通しながら在原業平の一代記として小説化するという試みで描かれた作品。

    私が高校生の頃、その色男ぶりと溢れるほどの歌の才に魅力を感じ半ば惚れていたといってもいい在原業平。
    その業平が15歳で初冠(ういかぶり)の儀式を終えたばかりの年から、齢55でこときれるまで、歌と恋に生きた人生を平安の雅と共に生き生きと描き出す物語に酔いしれた。

    32の章からなるこの物語は、単なる業平の私歌集でも現代語訳でもない独特の文体で描かれるからこそ作中に折々挟み込まれる歌が自然と溶け込み、平安の都の風景、人々の生活、鄙の地の空気感などが自然と感じられる。

    0
    2020年09月26日
  • 小説伊勢物語 業平

    Posted by ブクログ

    『伊勢物語』のノヴェライズ…って元も物語だから違うか。現代版リライトってところ。当然、
    高子との恋物語が中心ではあるが、恬子内親王との絡みにもかなり紙幅が割かれていた。あと、何気に「承和の変」直前、業平へ母を守れとお忍びで忠告しに来る阿保親王がすごい存在感。2度の政変に関わった割には、父親の平城天皇と息子の在原業平に挟まれて、歴史上はかなり地味な扱いの人。良かったねー(?)。あわよくば、業平の生母・伊都内親王との交流も知りたいところ。

    0
    2020年10月22日
  • 掌篇歳時記 春夏

    Posted by ブクログ

    24節気を3等分した72候があることを知って、日本には季節を細かく愛でる文化があったのだと再認識した.その季節感を念頭に置いて、著名な作家が短編を綴るという贅沢な本だが今回は春夏を読んだ.村田喜代子の雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)が面白かった.戦前の裕福な家庭に育った姉妹だが、それぞれにねえやがいて、様々な世話をするという、今では考えられない家庭内のやり取りが出てくる.あんな時代があったことは、映画や小説の中でしか接することはできないが、この姉妹の会話からその情景が想像できることが新しい発見をしたような感じだった.

    0
    2019年11月06日
  • 掌篇歳時記 春夏

    Posted by ブクログ

    トップバッターの 瀬戸内先生のが 一番俗っぽかったな と思うほど 瀬戸内先生 相変わらず かわいらしい人を書くんですね ほぼほぼ 幻想的で不思議な短編 ちょっと読むには 分かりにくいものもある 芥川賞作家が多いからでしょうか

    0
    2019年08月22日
  • 恋愛空間

    Posted by ブクログ

    文学、映画評を交えながら恋愛を語る。例えば純愛については、打算を持たず家庭を壊してまで突き進む純粋な愛こそが純愛であり、恋愛の純度は無責任さとは裏表。不倫こそ純愛の形と言っている。誤解を招きそうだが手にとって読めば真意が分かる。この他にもギョッとするようなトリッキーなものが沢山ある。恋愛の極意を学べる。

    0
    2012年07月14日
  • 蔦燃

    Posted by ブクログ

    真砂子の前に夫の異母弟、末次郎が現れ、愛に溺れるお話。
    父の本棚にあり、タイトルに惹かれ、読んでみることに。

    エロティックでありながら、美しさも感じるお話でした。

    髙樹のぶ子さんの綴られる文章はやはり高貴で美しいなと感じました。
    随分前に「光抱く友よ」を読んだ時もすごく美しい文章を綴られる方だなという印象を受けた記憶があります。
    例えるなら、絹のような感じでしょうか。

    他の作品も読んでみたくなりました。

    0
    2025年06月07日
  • 小説伊勢物語 業平

    Posted by ブクログ

    「業平少しは働けよ」と業平が女の尻ばかり追いかけてる前半は特にそう思いました。
    ゲーム感覚で女に手を出して、手に入れたら次の女に行く。ヒロイン高子姫(藤原基経の妹。後の皇后)にツレなくされたら昔の女のとこに戻ったりする。サイテーです。
    後半に入り、たまに働いているかと思ったら仕事にかこつけて絶対手を出しちゃいけない人(もう一人のヒロイン恬子内親王。伊勢斎宮)に手出しちゃうし、、、何かにつけて加持祈祷してた時代に斎宮に手出すなんて禁忌中の禁忌ですね。やっぱりサイテーです。

    皇族として生まれながら、臣下に下った悲しみとかもあるんだろうけどさぁ、だったら仲良しの源融ちゃんも一緒じゃん。融ちゃんはも

    0
    2025年03月01日
  • 掌篇歳時記 春夏

    Posted by ブクログ

    表紙がとても綺麗で手に取りました。

    二十四節気は知っていても、それをさらに三等分した七十二候は知らない人が多いのでは?

    わたしも今回初めて知りました。
    雉始雊(きじはじめてなく)というように、動詞で示されているのが、分かりやすい。
    どれも現代人にも理解できるもので、時代が変わっても季節の移ろいは変わらないものだなと思います。

    この本では、二十四節気の春夏部分を抜き出し、また、各節気の真ん中の七十二候をタイトルに各自が短編をお書きになっています。

    思えば、短い作品は触れてこなかったので、どれも不思議な余韻を残す終わり方で、こちらの想像力や読解力を掻き立てるなぁと短編の面白みを初めて知りま

    0
    2024年08月05日
  • 小説小野小町 百夜

    Posted by ブクログ

     平安初期、六歌仙の一人、絶世の美女とされた小野小町については、どのような人であったかは不明だという。この本は文字通り著者による「小説」以外の何物でもないと思う。
    出羽国で中央貴族・文人の小野篁の庶子として産まれ、10歳で母と別れ、父の篁ともに宮廷に出入り、優秀な歌人として評判になり、幾人かの男性との深い関係も。当時の恋愛は和歌・文の交換だったと聞いているが、正にそのようなやり取りが…。僧正遍昭、在原業平、文屋康秀らが登場する。重要人物として篁の義弟・良実が、京への案内者、運命的な夜の当事者、そして笛を聴きつつ雪の中で最期を迎える人として登場する。そして後の日の僧正遍昭もまた…。独特の雅文調が

    0
    2024年02月27日
  • 小説伊勢物語 業平

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    容姿端麗、自由奔放。和歌に生き、恋に生きた男・在原業平。かの光源氏のモデルの一人と称されるくらい、とにかく世の女性にモテまくった、という。
    そんな男の生き様を、彼の創った和歌を織り交ぜながら綴られた一代記・伊勢物語。

    以前からなんとなくは知っていたけれど…。それが許された時代とはいえ、ここまで恋に自由だったとは…少し呆れてしまった。
    憂さを晴らすため女性に走ったかと思いきや、知り合いから頼まれて好奇心により女性の元を訪れたり、見目麗しいとの噂から高貴な女性に恋い焦がれたり。そのシチュエーションは様々で、どれだけ年が離れていようが結婚していようが全くお構いなし。
    もしかして恋の駆け引きをしたい

    0
    2023年08月26日
  • 小説小野小町 百夜

    Posted by ブクログ

    前作の業平を懐かしく思い出しながら雅文調を楽しんだ。理解するのではなく感じるのがもののあわれという事なんだろう。挿入される短歌も想像力を刺激してくれる。フィクションだろうと思いながらも百人一首でお馴染みの名前の人達がストーリーで絡み合ってくるのはワクワクしますね。

    0
    2023年08月25日
  • 小説小野小町 百夜

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    高校生の頃のことで言えば、現代国語は得意だが古文は苦手だった。恥ずかしながら、苦手な分だけ、知識も欠落しているのであるが、今回、美人の代名詞である小野小町について書いた『百夜』を読んでみることにした。雅文調に慣れるのに少し時間がかかったが、幼い頃より才能のあった小町と、王朝の奔放な色模様やきな臭い権力闘争のことなどを描いている。受験のためのだけの科目と割り切り、努力をせずに過ごした古文の授業をもう少し真剣に聞いていたら、もっと楽しめたに違いないなどと考えてしまう。評価が少し低くなったのは、作者ではなく読者である私自身のせい。

    0
    2023年08月17日
  • 掌篇歳時記 春夏

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    二十四節気をさらに三等分した七十二候をもとに、年末から夏にかけて、それぞれ人気作家がつづる短編集。
    季節がテーマで、純文学系の作家が中心ということで、その表現を楽しむ小説であることは間違いない。
    でも、その反面、連想で思考があちこちに飛んでしまうので、集中できないのも確か。
    寂聴氏の作品を初めて読んだが、住職っぽくなく驚いた。もうすぐ100才。

    0
    2021年10月23日
  • 小説伊勢物語 業平

    Posted by ブクログ

    伊勢物語の内容をつかむにはうってつけ。女たらしであることを見込まれ、とある男性に頼まれてその老いた母と共寝をすることになるエピソードは微笑ましい。

    0
    2021年07月03日
  • 伊勢物語 在原業平 恋と誠

    Posted by ブクログ

    小説伊勢物語 業平の追補本。小説を先に読むか、こちらの追補本を先に読むか。いずれにせよ、業平の女性に対するピュアな愛情や、天才的な歌人としての才能に感銘を受ける。

    0
    2021年04月11日