髙樹のぶ子のレビュー一覧

  • 小説伊勢物語 業平

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    在原業平が魅力的です。光源氏のモデルなだけはあります。藤原高子との駆け落ちや斎宮への夜這いなどやってることは滅茶苦茶ですが、憎めないどころかむしろカッコいいです。

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    2025年07月08日
  • 小説小野小町 百夜

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    紫式部や清少納言が取り上げられているが、あえての小野小町。1000年前からの美貌と才能の象徴として、現代でも〇〇小町という呼び名が使われるほどの人物。残された和歌のうち、本当に小町が詠んだのは20にも満たないという。当時の和歌は、恋心だけでなく、親への愛情や友への友情、尊敬、拒絶など、あらゆる意思疎通を図るコミュニケーションの主要な手段。古い和歌を引用しつつ、いまの気持ちを伝えることができる才能が、コミュ力の高さの証明だった。何という奥深さ。五七五七七という限られた字数の中に、幾つもの感情を読み込む技法。和歌と古典の素晴らしさを再認識させてくれる。小野小町の伝説にも一石を投じ、新たな小町像を見

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    2024年06月30日
  • 小説小野小町 百夜

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    前作「業平」を読んだら本作も読まざるを得ないであろう、何しろ遠い昔のことであり資料さえなく、業平以上に困難な作業だったと想像される、後の世に悪女のように扱い最後は乞食にまで身をやつしたと悪い評判を流したのは観阿弥であったのか、けしからん奴だ、この物語の大半は著者の創造であろうが、平安時代の雅な世界を映し出した著者に感謝したい、この頃西欧では醜い殺し合いをしていたと思えば、日本はなんと文化薫る国であったことかと誇りたくなる。

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    2023年09月24日
  • 小説伊勢物語 業平

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    ネタバレ

    装丁に惹かれて購入。爽やかな若草色の和紙風潮にデザインに達筆な業平の文字。シンプルながら非常に目を引くデザインだと思います。
    本書は古典伊勢物語を筆者なりの解釈で時系列を整え、和歌になぞらえながら描かれた在原業平の物語。
    語り口調は特徴的であるけれど、これが絶妙に平安の雅さを醸し出して良い雰囲気を作っている。

    さて主人公の業平ですが非常に恋多き人物。物語の大半は彼の色恋話となっている。
    ただしこの業平、己の色欲に歯止めが掛けられない人物な様で、好みとあればどれ程高貴な人物であれモーションを掛けていきます。
    流石に政界随一の権力者の妹で次期天皇の后候補の姫に手を出すとか、後先考えないにも程があ

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    2022年01月23日
  • 小説伊勢物語 業平

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    ネタバレ

    あとがきで 千年昔には身体感覚においてどこか血が人間が生きていて、私たち現代人は、現代にも通じる部分においてのみ、かの時代の人間を理解し表現しているのではないか、そこから本書のような文体を模索したとのことでした。
    ここはなるほどな、と思った。
    その時代、その場所の人間のみが本当に共感していた感覚の片鱗をこの小説で感じることができたであろうか。できていれば良いなあ。

    最後まで、叶わなかった恋に飽かぬ、哀しのあわれの情を抱きつつ、最後は何か飄々とした風に逝った様がに感じ入った。

    業平が本当に恋した2人について、叶わぬ高みの御方の憧れと、弱き御方を父か兄のごとくにお護りしたい恋と表現しているが、

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    2021年03月31日
  • 小説伊勢物語 業平

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    はるかな昔(平安時代ではないけれど)高校で「伊勢物語」を読み、興味を持った。
    「源氏物語」は色々な現代語訳などたくさん出版されているが、これは小説として楽しめた。
    でも、長かった!
    在原業平はやはり光源氏のモデル?
    業平の生きざまには現代を生きる女として物申したいが、
    千年を超えて伝える和歌の力はやはりすごい!
    それに命を懸けた業平はやはりすごい!
    高樹のぶ子さんの平易で美しい文体で平安時代を堪能させてもらった。
    どの行も美しい。
    本の装丁も、挿絵も美しい。

    ≪ 恋こそが 飽かず哀しの 生きること ≫

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    2021年03月24日
  • 小説伊勢物語 業平

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    伊勢物語を読むのは中学?高校?の古典で習った以来。長かった…けれども読み応え抜群。業平のロマンチックな恋物語。古典文学にハマりそうなくらい良かった。聞いたことある和歌がちょくちょく出てきて、なるほど!これはこんな情景の中で詠まれたものなのか!と知ることができた。次は令和、万葉集を読んでみたい。

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    2021年01月04日
  • 小説伊勢物語 業平

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    映画「君の名は。」の元ネタが「とかえばや」と知り田辺聖子の小説版を読み日本の古典の先進性、独創性を知り、俄然古典文学に興味を持ったが、伊勢物語についてはNHKの100分de名著で知るまで名前しか知らなかった。本著ではその素晴らしい世界観を堪能することが出来、正に現代小説の礎とも言える物語であった。著者によると業平の最後の女とも言える伊勢が業平の物語を書き記したものだろうという解釈だが、日本文学の礎となる文学は女性が成し遂げてきたのだと言うことが分かる、最近の小説においても女性作家の方が一段レベルが高い。

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    2020年12月03日
  • 小説伊勢物語 業平

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    この内容は、なんだろうかと
    最初読み始めたときは、ちょっと戸惑いましたが
    伊勢物語を完全に小説にして、在原業平の半生を描いた
    内容に置き換えて描かれているものと気づいて
    面白く読めました。どこまでが史実で、どこまでが
    伊勢物語にある内容なのかを、ちょっと調べながら
    読み進むと、非常に面白くよめました。

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    2020年07月20日
  • 小説伊勢物語 業平

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    ずっと業平ファンだったんだけど、この本を読んで
    なんだかげんなりしました。
    学校の勉強は苦手だけど、育ちはよくてナンパと芸術(現代だと即興のラップにあたるのかな?)に優れたちょっと不良の色男みたいな感じなのかな。
    でもそんな等身大の業平も分かった上で、伊勢物語などちゃんと読んでみたいと思いました。
    お話し自体は、さすが高樹のぶ子さん、読みやすくてとても面白かったです。

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    2025年07月15日
  • 小説小野小町 百夜

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    『業平』程の衝撃はなかったけど、「小町」も面白かった
    小野篁の娘(もしくは、孫)ってゆー説があるんだなぁ

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    2025年05月13日
  • 小説伊勢物語 業平

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    古典でもよく聞く伊勢物語と在原業平。腰据えて読んでみようと、まずは現代語訳ではなく小説を選択。面白かった。
    読みながら、業平にツッコミ入れること数えきれず。なんと危ない男か…。

    家系図があるから、読みながら理解しやすい。
    桓武天皇、安殿の平城帝、伊予の君の嵯峨帝、出てこないけれど空海の時代とかすっている。過去に読んだ本で得た知識の点が、この業平を読むことで線として繋がっていく面白さもある。

    もどかしさを感じたり、しつこさを感じたり。
    詩ではなく歌。
    出てくる歌を、より情感豊かに受け入れてみたい。

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    2024年04月06日
  • 小説小野小町 百夜

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    ネタバレ

    小町と僧正遍昭との出会い、別れ、後世での再会を祈ります。十二分に小町の汚名挽回がなされた作品であると思います。

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    2023年12月10日
  • 小説小野小町 百夜

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    小野小町の生涯を、古今和歌集と後撰集に残された数少ない彼女の和歌から、描いた物語。

    有名な小野小町といえど、残されている史実はないに等しい。
    悪名高い?「百夜通い」も伝説で、実際はどうであったか。
    100日彼女に元に通ったら、共寝してもいいと言われたが、100日目の夜に悲劇的な死に見舞われ、その恨みが小町の降りかかる…
    という、なんとも悲しい伝説。
    こんな伝説があるほどに、彼女は美しく賢く、とても魅力的だったのでしょう。

    この本は、小町の研究書等を参考に書かれたノンフィクションですが、彼女がどんな生涯を送ったのか想像しながら読むのは楽しくもあり、勉強にもなりました。

    文体がやや難しいので

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    2023年11月16日
  • 小説小野小町 百夜

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    名前は知っているし、京都のあちこちに伝承が残る小野小町。この作品を読んで初めて人物像がおぼろげながらも形を成した。和歌の要約も分かりやすく心に響いた。所々で胸が熱くなる。

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    2023年10月09日
  • 小説小野小町 百夜

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    小野小町について、これまで名前でしか知らなかったが、生きた女性として感じた。平安時代の雰囲気も感じることができた。挿入された和歌の読み解きも面白くぐいぐいと引き込まれた。

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    2023年08月09日
  • 小説小野小町 百夜

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    謎の人物とされる小野小町
    最後は美貌も衰え
    各地を乞食になって放浪し
    行き倒れのように亡くなった
    かのように聞いていたが
    この作品はちょっと頷ける感じ
    時代に翻弄される人達が
    どこか悲しい

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    2023年08月05日
  • 小説伊勢物語 業平

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    文体がとっても雅な感じです。読み進むにつれて、平安の雰囲気ってこんな感じかな~って気になりました。在原業平については伊勢物語の主人公、伊勢の斎宮に手を出した、とか、藤原高子と駆け落ちしたとか、そのくらいのエピソードしか知らず。その二つのエピソードが主でしたが、旅の場面なども面白かったです。でも、業平って素敵…とはなりませんでした。恋愛に関して価値観が違いすぎる~。ただ、晩年については、ジーンとしました。

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    2023年07月17日
  • 小説伊勢物語 業平

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    根っからの都人であり、歌人であり、すぐ惚れてしまう男。業平界隈から見ると藤原氏は非道。人生色々って思う。

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    2021年03月09日
  • 小説伊勢物語 業平

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    伊勢物語、古文の授業では心の機微はわからない。やはり、大人になるとわかるもの。もう一度読み直します。

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    2021年02月22日