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文藝春秋
◎愛子天皇は歴史の必然である 保阪正康 ◎【深層レポート】悠仁さま 天皇教育の波紋 本誌編集部 ◎禁断の「継体天皇」対談 万世一系か始祖王か 水谷千秋 河内春人 【高市早苗研究 第5回】 ◎高市早苗「苛烈な母への愛と畏れ」 甚野博則&本誌取材班 ◎高市・維新「関西ヤンキー連立」が呼ぶ消費税解散 新町隆史 ◎消費減税に私が反対した理由 稲田朋美 ◎「日本一悪い男」の告白 藏内勇夫 ◎「中国の新型統一戦争に屈しない」日本メディア初 台湾国防部長を直撃 峯村健司 ◎「倒産まであと30日」エヌビディアの爆走経営 杉本りうこ 【転倒・骨折を防ぐ新常識】 ◎部屋・靴・歩き方・食事 チャート・テスト付 データでわかる転倒・骨折予防術 山田実 ◎おひとりさまの「転倒サバイバル」 上野千鶴子 ◎3分に一人が…「骨折手術」最前線 梶山寿子 ◎吉川美代子/林家木久扇/冨士眞奈美/大村崑 私たちはこうして骨折から蘇った 秋山千佳 ◎辺野古ボート転覆事故 両親独占手記 支えられていたのは、ママの方でした「ともちゃん、ごめんね」 ◎プーチン、トランプと戦う赤根智子さんの素顔 鳥嶋七実 ◎トヨタ副社長「章男会長とのケンカの真相をお話しします」 井上久男 ◎オリオンビールはこうしてブランドになった 村野一 ◎怪物・尚弥と不屈・拓真 井上兄弟の育て方 井上真吾 ◎公立高校の甲子園 書かれざるカネと夢 田中仰 ◎「有明高校の夏」かくして旋風は起きた 田口元義 ◎熊本地震戦記 木村敬(知事) ◎芥川賞選考委員退任に寄せて 小川洋子 ◎【日本の顔 インタビュー】佐藤雅彦「数年に一度、大きいのがボンと来る」」 【連載】 ◎【新連載】世界と戦う「AIインテリジェンス」 伊藤錬(Sakana AI社長) ◎【新連載第3回】底線思考 「強靱国家」中国はどこでつまずくか 佐橋亮 ◎成田悠輔の聞かれちゃいけない話 16 ゲスト 筒井康隆 「AIが文学的に駄目な理由」 ◎有働由美子対談 93 石田ひかり(俳優)夫と娘に家事卒業宣言 ◎古風堂々 89 藤原正彦 ◎日本人へ 276 塩野七生 ◎ベストセラーで読む日本の近現代史157 佐藤優 ◎言霊のもちぐされ24 山田詠美 ◎ラファエルの羅針 6 柚月裕子 ◎ゴルフ春秋 20 ◎【最終回】地図を持たない旅人 大栗博司 ……ほか -
【合本版】世界99
この世はすべて、世界に媚びるための祭り。 性格のない人間・如月空子。 彼女の特技は、〈呼応〉と〈トレース〉を駆使し、コミュニティごとにふさわしい人格を作りあげること。「安全」と「楽ちん」だけを指標にキャラクターを使い分け、日々を生き延びてきた。 空子の生きる世界には、ピョコルンがいる。 ふわふわの白い毛、つぶらな黒い目、甘い鳴き声、どこをとってもかわいい生き物。 当初はペットに過ぎない存在だったが、やがて技術が進み、ピョコルンがとある能力を備えたことで、世の中は様相を変え始める。 私たち、ピョコルンに、全部捨てられるようになりましたよね。 性欲を。出産を。育児を。介護を。人生の時間を食いつぶす、あらゆる雑務を。 14年前、「リセット」を経験した人類は混乱の最中にあった。 しかしラロロリン人の考えた「人間リサイクルシステム」がうまく機能し、やがて社会は再生を迎える。 そして49歳になった空子は「クリーンな人」として、美しく優しい世界を生きている。生まれ育った街「クリーン・タウン」の実家に戻り、同級生の白藤遥とその娘・波とともに。 ようやく訪れた穏やかな社会の中心には、さらなる変貌を遂げたピョコルンがいた。 村田沙耶香渾身の大長編、ここに完結。 都合の良い「道具」・ピョコルンを生み出した果てに、人類が到った極地とは――。 『世界99 上』『世界99 下』を1冊にまとめた合本版! 【著者略歴】 村田沙耶香(むらた・さやか) 1979年千葉県生まれ。玉川大学文学部芸術文化学科卒。2003年『授乳』で群像新人文学賞(小説部門・優秀作)受賞。2009年『ギンイロノウタ』で野間文芸新人賞、2013年『しろいろの街の、その骨の体温の』で三島賞、2016年『コンビニ人間』で芥川賞受賞。著書に『マウス』『星が吸う水』『ハコブネ』『タダイマトビラ』『殺人出産』『消滅世界』『生命式』『変半身』『丸の内魔法少女ミラクリーナ』『信仰』などがある。 -
世界99
小説というものの輪郭が、いわば地球を覗く窓の形が、本書によりまた大きく更新されました。 それはつまり、この本の中で初めて寛げる人がいるということです。 救済と爆弾は同じ姿で在れるのだと気付かされました。 朝井リョウさん(作家) 本当は貴方もわかっていたんだろう? と迫る声が脳内に鳴り響く。 熱に浮かされるようにページを捲る手が止まらない。 これは本型ワクチン。 世界99に誘われ、もう元いた場所へは戻れない。 宇垣美里さん(フリーアナウンサー・俳優) 足元の地面がふいになくなり、 正常と異常の境目が消え失せ、目眩がする。 人間という生き物の滑稽さ、グロテスクさ、美しさ、不思議さが、 この本の中にすべて詰まっている。 岸本佐知子さん(翻訳家) 空子がこの世界で体に蓄積する小さな暴力の音とか、風とか、どれも僕の心に刻まれていきました。 物語で一緒に過ごせた時間は、僕の宝です。 ロバート キャンベルさん(日本文学研究者) この世はすべて、世界に媚びるための祭り。 性格のない人間・如月空子。 彼女の特技は、〈呼応〉と〈トレース〉を駆使し、コミュニティごとにふさわしい人格を作りあげること。「安全」と「楽ちん」だけを指標にキャラクターを使い分け、日々を生き延びてきた。 空子の生きる世界には、ピョコルンがいる。 ふわふわの白い毛、つぶらな黒い目、甘い鳴き声、どこをとってもかわいい生き物。 当初はペットに過ぎない存在だったが、やがて技術が進み、ピョコルンがとある能力を備えたことで、世の中は様相を変え始める。 3年以上にわたる著者初の長期連載がついに書籍化。 村田沙耶香の現時点の全てが詰め込まれた、全世界待望のディストピア大長編! 【著者略歴】 村田沙耶香 (むらた・さやか) 1979年千葉県生まれ。玉川大学文学部芸術文化学科卒。2003年「授乳」で群像新人文学賞(小説部門・優秀作)受賞。2009年『ギンイロノウタ』で野間文芸新人賞、2013年『しろいろの街の、その骨の体温の』で三島賞、2016年「コンビニ人間」で芥川賞受賞。著書に『マウス』『星が吸う水』『ハコブネ』『タダイマトビラ』『殺人出産』『消滅世界』『生命式』『変半身』『丸の内魔法少女ミラクリーナ』『信仰』などがある。 -
読楽
【豪華執筆陣!】原田ひ香 町田そのこ 高殿円 【「春のごちそう」短篇特集】 原田ひ香 お豆の正解 枝豆、大豆、レンズ豆。春は出会いと別れと豆の季節 町田そのこ 潮どき 東京の大学へいく拓海と地元に就職する善は潮干狩りへゆく 高殿 円 春はあけぼの、ひとりDIYめし DIY仲間が教えてくれる、各地の美味しいもの、外でつくるもの 【最終回】 小路幸也 HOTEL NIGHTHAWKS 花嫁の未来を守るため、結婚式が執り行われようとして─ 城山真一 溶かし屋 RSに誘う哲太。20年ひきこもっていた早希の心は動くのか? 【歴史&時代】 あさのあつこ おもみいたします 参 坂井希久子 夜鷹狩り 門田泰明 覚悟召されよ権中将殿 【風味絶佳】 寺地はるな 水は血よりも 吉田篤弘 月とコーヒー 【警察&ミステリー】 赤川次郎 盗みと恋の手ほどきは 【妖異幻怪】 恩田 陸 群青の王国 【マンガ】 サメマチオ 追読人間臨終図巻 -
はいつくばって
アーチストとして成功し、ハンサムな夫と可愛い子とともに暮らす45歳のわたし。新たな自分に出会うための単独ドライブ旅行をきっかけに、人生が思わぬ方向に転がりだす。はたして自由を目指す旅路の先に見えたものとは――。中年期の魂のジェットコースターを描き切り、全米図書賞ファイナリストにも輝いた著者最高傑作。 -
あれは何だったんだろう
日常は不思議、不思議が日常。 大人気、不条理日常エッセイ集4度目の襲来! 虚実のへだてを乗り越えてどこにも行かずにどこまでも行く。 翻訳家のささやかな大冒険はつづく。 お待ちかね、『ねにもつタイプ』第四弾! 「毎日びっくりするぐらい仕事がはかどらない。 それは毎日びっくりするぐらい集中力がないからで、なぜそんなに集中力がないかといえば、そんなびっくりするぐらい暑いからだ。 誰かが言っていたが、昔の仮面ライダーで、悪の組織が人工太陽を作って人類を滅ぼそうと企んだ回があり、そのときの設定温度が三十八度だったのだそうだ。ちょうど今の気温だ。私たちは悪の組織の想像力の限界を生きている。」(「エボシ」より) -
センセイの鞄
日本文学界の至宝・川上弘美と日本漫画界の巨匠・谷口ジローのかつてない幸福な出会い!谷崎潤一郎賞受賞の名作を完全漫画化。「遠いようなできごとだ。センセイと過ごした日々は、あわあわと、そして色濃く、流れた。」(原文より) -
危機の時代に読み解く『風の谷のナウシカ』
「これは『ナウシカ』の世界を旅する中で、すでに体験したことだ」 コロナウイルス、ウクライナ侵攻、AI問題、気候変動……混迷する現代社会を私たちはどう生きるのか。 朝日新聞デジタルにて、2021年3月に第1シーズン、5月に第2シーズンを配信し、読者から大きな反響を呼んだ「コロナ下で読み解く風の谷のナウシカ」。 2022年12月に掲載された最新の第3シーズンを加え、すべてのインタビューをまとめて刊行! コロナウイルスをはじめ、ロシアのウクライナ侵攻、AI問題、ますます激化する気候変動など、混迷化が加速する現代社会を 「人類が方向を転換せず、破滅を経験してしまった」 仮想の未来を舞台にした宮﨑駿監督の長編漫画『風の谷のナウシカ』を通して連関的に考える。 【収録著者】民俗学者・赤坂憲雄/俳優・杏/社会哲学者・稲葉振一郎/現代史家・大木毅/社会学者・大澤真幸/漫画家・大童澄瞳/映像研究家・叶精二/作家・川上弘美/軍事アナリスト・小泉悠/英文学者・河野真太郎/ロシア文学者・佐藤雄亮/漫画研究者・杉本バウエンス・ジェシカ/文筆家・鈴木涼美/スタジオジブリプロデューサー・鈴木敏夫/漫画家・竹宮惠子/生物学者・長沼毅/生物学者・福岡伸一/評論家・宮崎哲弥(五十音順、敬称略) -
信仰
信じることの危うさと切実さに痺れる11篇 「なあ、俺と、新しくカルト始めない?」 好きな言葉は「原価いくら?」 現実こそが正しいのだと強く信じる、超・現実主義者の私が、 同級生から、カルト商法を始めようと誘われて――。 世界中の読者を熱狂させる、村田沙耶香の11の短篇+エッセイ。 表題作は2021年シャーリィ・ジャクスン賞(中編小説部門)候補作に選ばれました。 文庫化にあたり、短篇小説「無害ないきもの」「残雪」、エッセイ「いかり」を追加。 書き下ろしエッセイである「書かなかった日記――文庫版によせて」を巻末に収録。 〈収録作〉 「信仰」「生存」「土脉潤起」「彼らの惑星へ帰っていくこと」「カルチャーショック」「気持ちよさという罪」「書かなかった小説」「最後の展覧会」「無害ないきもの」「残雪」「いかり」 単行本 2022年6月 文藝春秋刊 文庫版 2025年5月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
コンビニエンスストア様【文春e-Books】
「コンビニ人間」で155回(2016年上半期)芥川賞を受賞し話題沸騰! 村田沙耶香さんが、愛するコンビニエンスストアに向け綴ったラブレター形式のエッセイ ≪前文お許しください。貴方と出会って17年ほどになりますが、こうしてお手紙を書くのは初めてのことですね。≫ 作家、女優、映画監督など総勢26人が愛するものへの想いを綴ったアンソロジー『ラヴレターズ』(文藝春秋、2016年2月刊)。そこに収録され、偏執的なまでのコンビニ愛がクローズアップされた村田沙耶香さんのエッセイを、『コンビニ人間』発売に合わせて緊急無料配信します。 最終的に「コンビニと人間はセックスできるのか」という境地まで達する、新芥川賞作家の奇想とイマジネーションのうねり。是非『コンビニ人間』とあわせてお楽しみください! -
明日、晴れますように 続七夜物語
『七夜物語』の世界を冒険した少女と少年、それぞれの子どもたち──鳴海絵と仄田りらの日常を描く。2010年から2011年を舞台に、10歳から11歳へと成長する2人の変化の兆しと、子どもたちを取りまく世界を鮮やかに捉えながら、ささやかな人の営みと、そのきらめきを届ける物語。 -
穴あきエフの初恋祭り
近づいたかと思えば遠ざかり、遠ざかると近づきたくなる、意識した瞬間にするりと逃げてしまうもの――。 十年ぶりに再訪したはずの日本(「胡蝶、カリフォルニアに舞う」)、重ねたはずの手紙のやりとり(「文通」)、何千何万年も共存してきたはずの寄生虫(「鼻の虫」)、交換不可能な私とあなた(「ミス転換の不思議な赤」)。 ドイツと日本の間で国と言語の境界を行き来しながら物語を紡ぎ、『献灯使』で全米図書賞(翻訳部門賞)を受賞するなど、ますます国際的な注目が集まる言語派作家・多和田葉子さん。「移動を続けること」が創作の原動力と語る著者が、加速する時代の速度に飲み込まれるように、抗うように生まれた想像力が鮮烈なイメージを残す7つの短篇集。 ※この電子書籍は2018年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
あなたにオススメの
身体に埋め込んだチップで複数の娯楽を同時に楽しむ時代。子供達の将来の夢は「ええ愛」が大人気。完璧な等質教育で名高い保育園で、オフラインに拘るママ友の観察は最高のエンタメだった…。「推子のデフォルト」ほか、マンション最上階に住む家族を滑稽に描く「マイ・イベント」を収録。世界が注目する作家がえぐり取る最恐リアルな全2編! スマホ依存、管理教育……私たちはどこへ向かうのか? 本谷有希子が愛用するAI・マルスラによる解説を収録。 「推子のデフォルト」 子供達を<等質>に教育する人気保育園に娘を通わせる推子は、身体に超小型電子機器をいくつも埋め込み、複数のコンテンツを同時に貪ることに至福を感じている。そんな価値観を拒絶し、オフライン志向にこだわるママ友・GJが子育てに悩む姿は、推子にとっては最高のエンターテインメントでもあった。 「マイ・イベント」 大規模な台風が迫り河川の氾濫が警戒される中、防災用品の点検に余念がない渇幸はわくわくが止まらない。マンションの最上階を手に入れ、妻のセンスで整えた「安全」な部屋から下界を眺め、“我が家は上級”と悦に入るのだった。ところが、一階に住むド厚かましい家族が避難してくることとなり、夫婦の完璧な日常は暗転する。 -
いちばんここに似合う人
水が一滴もない土地で、老人たちに洗面器一つで水泳を教える娘。英国のウィリアム王子をめぐる妄想で、頭がはちきれそうな中年女。会ったこともない友人の妹に、本気で恋焦がれる老人――。強烈な個性と奇妙な優しさに満ちた16の短篇を、物語の声にぴったりと寄り添う岸本佐知子訳で。フランク・オコナー国際短篇賞受賞。 -
王将の前で待つてて
作家として次々と物語を生み出す傍ら、コツコツと詠んできた句を集めた著者待望の第二句集。 2010年~2023年の220句に加え、過去30年に詠んだ句から特にお気に入りの句を選んだ「自選一年一句」と、俳句に興味を持っている「あなた」へと向けた巻末エッセイを収録。日常から銀河まで、豊かなスケールで広がる川上弘美ワールドを堪能しながら、俳句の喜びに心から浸れる一冊。 ●収録句より10句 不機嫌に人ほめちぎるさくらかな たうがらし死んだともだちに会ひたい メロン切るときをんなの目酷薄に 沖遠く鯨を呼びて鯨鳴く 交む前ザトウクヂラはみつめあふ ラムネ痛しけふも朝より何もなし ヒトやがて示準化石や冬銀河 掌の中の枇杷潰すなりはればれと スマホ買ひ即罅入れる夜寒かな レンジの中の小爆発も夏の果 【著者略歴】 川上弘美 (かわかみ・ひろみ) 1958年東京都生まれ。94年「神様」でパスカル短篇文学新人賞を受賞。96年「蛇を踏む」で芥川賞、99年『神様』でBunkamuraドゥマゴ文学賞、紫式部文学賞、2000年『溺レる』で伊藤整文学賞、女流文学賞、01年『センセイの鞄』で谷崎潤一郎賞、07年『真鶴』で芸術選奨文部科学大臣賞、15年『水声』で読売文学賞、16年『大きな鳥にさらわれないよう』で泉鏡花文学賞、23年『恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ』で野間文芸賞を受賞。19年紫綬褒章、23年フランス芸術文化勲章オフィシエを受賞。 その他の小説に『なめらかで熱くて甘苦しくて』『ぼくの死体をよろしくたのむ』『某』『三度目の恋』など、句集に『機嫌のいい犬』がある。 -
悲しみとともにどう生きるか
悲しみから目を背けようとする社会は、実は生きることを大切にしていない社会なのではないか。共感と支え合いの中で、「悲しみの物語」は「希望の物語」へと変容していく。「グリーフケア」に希望の灯を見出した入江杏の呼びかけに、ノンフィクション作家・柳田邦男、批評家・若松英輔、小説家・星野智幸、臨床心理学者・東畑開人、小説家・平野啓一郎、宗教学者・島薗進が応え、自身の喪失体験や悲しみとの向き合い方などについて語る。悲しみを生きる力に変えていくための珠玉のメッセージ集。 【まえがき――入江杏 より】(抜粋)「世田谷事件」を覚えておられる方はどれほどいらっしゃるだろうか? 未だ解決を見ていないこの事件で、私の二歳年下の妹、宮澤泰子とそのお連れ合いのみきおさん、姪のにいなちゃんと甥の礼くんを含む妹一家四人を喪った。事件解決を願わない日はない。あの事件は私たち家族の運命を変えた。 妹一家が逝ってしまってから6年経った2006年の年末。私は「悲しみ」について思いを馳せる会を「ミシュカの森」と題して開催するようになった。(中略)犯罪や事件と直接関係のない人たちにも、それぞれに意味のある催しにしたい。そしてその思いが、共感と共生に満ちた社会につながっていけばと願ったからだ。それ以来、毎年、事件のあった12月にゲストをお招きして、集いの場を設けている。この活動を継続することができたのは、たくさんの方々との出逢いと支えのおかげだ。本書はこれまでに「ミシュカの森」にご登壇くださった方々の中から、6人の方の講演や寄稿を収録したものである。 -
神様 2011
くまにさそわれて散歩に出る。「あのこと」以来、初めて――。 1993年に書かれたデビュー作「神様」が、2011年の福島原発事故を受け、新たに生まれ変わった――。「群像」発表時より注目を集める話題の書! 2011年。わたしはあらためて、「神様2011」を書きました。原子力利用にともなう危険を警告する、という大上段にかまえた姿勢で書いたのでは、まったくありません。それよりもむしろ、日常は続いてゆく、けれどその日常は何かのことで大きく変化してしまう可能性をもつものだ、という大きな驚きの気持ちをこめて書きました。――<「あとがき」より> -
狩りの時代
【逝去直前まで推敲を重ねた津島文学の到達点】 「津島さんはまだこの小説の中に生きていて、読む私たちとともに、奮闘している」――星野智幸(解説) でもあのことばだけは消え去らない。 忘れていたはずなのに、ひどいことばを聞かされたという感触だけは残されていた。 その痛みだけは忘れられなかった。(本文より) 15歳で早逝したダウン症の兄との思い出、ヒトラー・ユーゲントの来日。 「あこがれ」、障害、病気、戦争、差別、「不適格者」……大家族二世代の物語はこの国の未来を照射する。 『火の山―山猿記』で第34回谷崎潤一郎賞・第51回野間文芸賞を受賞した著者による、絶筆長編。 ※この電子書籍は二〇一六年八月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
変半身(かわりみ)
太平洋に浮かぶ人口2000人ほどの離島・千久世島。造物主「ポーポー様」なる独自の神話を持つ島では「海のもん」と「山のもん」が時折いがみあいながらも共存してきた歴史があった。島では年に一度、秘祭「モドリ」が行われる。14歳になり、初めて「モドリ」に参加させられることになる私と親友の花蓮は、その年の生贄が同級生の高城くんになることを知る。因習に満ち閉塞した島を脱出しようとするが──。歴史は書き換えられ、世界は塗り替えられ、魂は入れ替えられていく。村田沙耶香初の試みとなる、演劇界の鬼才・松井周と練り上げた千久世島ワールドを舞台に、人間が変わり世界が変わりゆく悪夢的現実を圧倒的イマジネーションで紡ぐ。「早稲田文学増刊 女性号」掲載の、既存の「性」の役割を根幹から揺さぶり話題となった中編「満潮」を併録。 -
ガリヴァーの帽子
もういちど、ガリヴァーを呼び戻すために――。 名手・吉田篤弘が贈る、おかしく哀しく奇妙で美しい、色とりどりのおもちゃ箱のような短編集。 それは、「テントン」と名乗る男から来た一本の電話が事の起こりだった。男の誘いに乗り、新聞記者のSはある島へ向かう。出迎えたのはミニチュアの家が連なる街と、赤児ほどの背丈しかない男。「ようこそ我らの王国、リリパットへ……奇妙な味わいの表題作「ガリヴァーの帽子」 元作家と元シェフが暮らし始めた洋館に現れた王子の奇妙な顛末を描く「孔雀パイ」 奇妙な夢の中で、川を下りながら鰻屋を経巡る「ご両人、鰻川下り」 シャンパンの泡たちの短い一生を描いたおかしな寓話「かくかくしかじか」 ほかに、コーヒーカップを持つと手がなぜか震えてしまう「手の震えるギャルソンの話」、彼女の残していったトースターをめぐる奇妙な出来事を描いた「トースターの話のつづき」など。 読む人々を、不思議な世界へといざなってくれる、物語好きの大人のための8編。 -
機嫌のいい犬
「はつきりしない人ね茄子投げるわよ」「はるうれひ乳房はすこしお湯に浮く」「徹頭徹尾機嫌のいい犬さくらさう」――作家であり、俳人でもある著者の初句集。日常、旅、食卓、恋・・・・・・さまざまな光景が自由奔放に描き出される220句を、1994年から2009年まで年代順に収録。巻末には、俳句仲間の作家・長嶋 有さんと俳句の魅力を語り尽くす対談を追加。あらたな川上ワールドの魅力に浸れる1冊。「この句集を読んで、少しでも『俳句、つくってみようかな』とお思いになった方がいらしたら、それはこの句集にとって、何よりの褒美となることでしょう」(著者より) -
きつね月
多和田葉子による18の掌篇集。「鏡像」「たぶららさ」「遺伝子」「詩人が息をしている」「電車の中で読書する人々」……。ある章では、満月の夜に僧侶が月を飲み、また別の章では、辞書から生まれた村のことが描かれる。 多和田葉子 1960年、東京生まれ。1991年「かかとを失くして」で群像新人文学賞を受賞しデビュー。1993年「犬婿入り」で芥川賞を受賞。ドイツを拠点として、日本語とドイツ語の両言語で作品を発表し続けている。シャミッソー賞、ゲーテ・メダル、全米図書賞翻訳部門、紫綬褒章、日本芸術院賞など国内外の栄誉ある賞を多数受賞し、現代の国際的文学界を代表する作家として高く評価されている。 -
気になる部分
著者は、ミルハウザー、アーヴィング、リディア・デイヴィスからニコルソン・ベイカーまで、現代アメリカ小説の名翻訳家として知られている。一方、朝日新聞の書評欄「ベストセラー快読」での爆笑の名(迷?)コメントや、様々な雑誌で繰り広げられる独特のエッセイで、文筆家としても注目が集まっている。 本書は、ますます目が離せないそんな「芸人」――岸本佐知子が、ヘンでせつない日常を強烈なユーモアとはじける言語センスで綴った、初のエッセイ集である。眠れぬ夜の「ひとり尻取り」、満員電車のキテレツさん達、恐怖と屈辱の幼稚園時代、会った事もないのになぜだか鮮明に記憶に刻まれたある作家との思い出の数々……おかしさとせつなさで、おもわず笑いや涙がこみ上げてくること必至。ひとりでこっそり読むことをお勧めします。 -
きれいなシワの作り方~淑女の思春期病
思春期なんてとっくに卒業……と思いきや!? 追いかけてくる自意識の罠。 あぁ、こんな大人になるはずだったのだろうか? そんな悶々とした気持ちの吐露に共感必至。自分だけじゃなかったという安心感、ななめ過ぎる視点に大笑い、でも減り続ける友だちを思う気持ちにほろりとしたりと、七色の感動が込められた珠玉のエッセイ集。 気になるテーマは、・初めての結婚願望 ・大人のパンチラ考 ・おひとりさまの年末年始 ・謙遜をサボる女 ・大人の恥ずかしいゴミ ・紫外線と女の本気 ・ちゃんとおばさんする ・鞄がもげる夏 ・「着ない服」愛好会 ・おろおろインターネット 他。 読んだら誰かに話したくなる! -
くたかけ
ゆるやかに解体される家族の物語。 海辺の町に暮らす三世代の女たち。 一家にからみつく奇妙な男。 男の持ち込んだ三羽の鶏。 彼は宗教者か犯罪者か。 家族のねじが狂い始めて。 ―ゆるやかに解体される家族の物語。 おとうさん、おかあさんのいないせかい じゆうで、ひろびろとして、あたまのうえに真っ青な空がある 好きなところへ、いつでもいける かえってこなくていい 死んでしまってもいい もうだれも、ほんきでわたしを待っていない 季刊文科連載作、待望の単行本化! 【目次】 1 麦と佐知 2 蟹が泡を吹く 3 赤ネズミ 4 帯の声 5 運動会 6 芋 虫 7 ダルマさんが転んだ 8 嵐と留年 9 朝のバロック 10 柴山さんの絵 11 なんで生まれてきたの 12 鶏小屋 13 なをという名前があります 14 存在の底の砂 終章 くたかけ 【著者】 小池 昌代 小池 昌代(こいけ まさよ) 詩人、小説家。1959年東京都江東区生まれ。津田塾大学国際関係学科卒業。詩集に『永遠に来ないバス』(現代詩花椿賞)、『もっとも官能的な部屋』(高見順賞)、『ババ、バサラ、サラバ』(小野十三郎賞)、『コルカタ』(萩原朔太郎賞)、小説集に『タタド』(表題作で川端康成文学賞)、『たまもの』(泉鏡花文学賞)、エッセイ集に『屋上への誘惑』(講談社エッセイ賞)、絵本に『あの子 THAT BOY』など、著書多数。 -
Cloud on the 空き家
幾千年の時を超えて、あなたと恋をしている奇跡。 生き死にの極限に迫る、著者渾身の恋愛小説。 ひと月前に兄を亡くして天涯孤独の身となったわか子は、週に三日、空き家管理の仕事をすることになった。趣味の和歌を思い浮かべながら、何かが死んでいるような腐敗臭のする家で掃除をしていると、「なびかじな……」という藤原定家の和歌がきっかけとなって不意に景色が反転し、気を失ってしまう。目が覚めると、空き家の持ち主の河原さんと見たことのない青年がわか子を心配そうに見下ろしていた。それは時間のなかを旅してきたような、不思議な感覚で――。 雲=クラウド=記憶の保存庫 若さを失うことは、少しも寂しいことではないの―― 過去の恋を思い出しながら、わか子は『源氏物語』の朝顔の君に自身を重ねてみる。 前世か先祖か幻か、わか子のなかに眠っていた女たちの記憶が動き出す。 装画:栗田有佳 装幀:大久保伸子 -
口訳万葉集/百人一首/新々百人一首
小池昌代の訳詩と鑑賞で和歌の世界へと誘う新訳「百人一首」を中心に、折口信夫の個性が光る「口訳万葉集」と丸谷才一の豊かな和歌の解釈を楽しむ「新々百人一首」をそれぞれ厳選し収録。 解題 口訳万葉集 岡野弘彦 解題 百人一首 渡部泰明 解説 池澤夏樹 月報 穂村弘 今日マチ子 -
この名作がわからない
いくら世間で名作だ文豪だと言われていたって、 つまらない時はつまらない、と言っていいのである。 真の名作文学がわかる対談集 『雪国』『金閣寺』『グレート・ギャツビー』『蓼喰う虫』『ボヴァリー夫人』『アンナ・カレーニナ』『罪と罰』『カラマーゾフの兄弟』……は本当にそんなにすごいのか? 第一章 『金閣寺』『仮面の告白』三島由紀夫 「楢山節考」深沢七郎 第二章 『グレート・ギャツビー』F・スコット・フィッツジェラルド 『欲望という名の電車』テネシー・ウィリアムズ 『ロリータ』ウラジーミル・ナボコフ 第三章 『雪国』川端康成 『鍵』『瘋癲老人日記』『蓼喰う虫』谷崎潤一郎 第四章 『ボヴァリー夫人』 フローベール 『アンナ・カレーニナ』 トルストイ 「かわいい女」「犬を連れた奥さん」チェーホフ 第五章 『カラマーゾフの兄弟』『罪と罰』ドストエフスキー -
コロナ・文明・日本
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ※『中央公論』2020年7月号特集の電子化です。 ※電子版では、紙の雑誌と内容が一部異なる場合や、掲載されないページがございます。 新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言が解除された。経済活動の緩やかな再開に安堵しつつも、第二波の発生に警戒が必要となる。人類の歴史は、感染症との闘いの歴史だった。21世紀に襲来したこの新型コロナは、世界の文明を、そして日本をどう変えるのか?(電子版通巻101号) (目次より) ●21世紀の感染症と文明 近代を襲う見えない災禍と、日本人が養ってきた公徳心 山崎正和 ●近代科学と日本の課題 コロナ後をどう見通し、つけをどう払うか 村上陽一郎 ●「やった感」はもういらない! ICT、9月入学……教育格差を是正するには? 松岡亮二 ●台湾の国際政治学者に訊く ポストコロナ 米中台トライアングルのゆくえ 何思慎×〔聞き手〕本田善彦 《コロナに想う》 ●不安への答え 多和田葉子 ●聖火引継式とギリシャ難民キャンプの間で 井本直歩子 ●不安あふれる世界にクラシック音楽がもたらすもの パーヴォ・ヤルヴィ ●介護崩壊を防ぐために 鎌田 實 ●医療体制を整備し、COVID-19を克服せよ 集団免疫とワクチン・治療薬の最前線 平野俊夫 《第一波の教訓》……聞き手:川端裕人 ●〔1〕韓国、台湾から周回遅れのFAX行政 医師の心を折る〝診療以前〞の問題群 堀 成美 ●〔2〕「8割おじさん」のクラスター対策班戦記 次の大規模流行に備え、どうしても伝えたいこと 西浦 博 ●LINE調査、オンライン診療で見えてきた ビッグデータが拓く未来の医療 宮田裕章 -
最初の悪い男
43歳独身のシェリルは職場の年上男に片思いしながら快適生活を謳歌。運命の赤ん坊との再会を夢みる妄想がちな日々は、衛生観念ゼロ、美人で巨乳で足の臭い上司の娘、クリーが転がりこんできて一変。水と油のふたりの共同生活が臨界点をむかえたとき――。幾重にもからみあった人々の網の目がこの世に紡ぎだした奇跡。待望の初長篇。 -
サミュエル・ジョンソンが怒っている
「小さな黒いノート」に記録された実生活の断片 『分解する』『ほとんど記憶のない女』につづく、「アメリカ文学の静かな巨人」の3作目の短編集。内容もジャンルも形式も長さも何もかもが多様なまま自在に紡がれることばたちは、軽やかに、鋭敏に「小説」の結構を越えていく。作家が触れた本から生まれたミニマルな表題作「サミュエル・ジョンソンが怒っている」をはじめ、肌身離さず作家が持ち歩くという「小さな黒いノート」から立ち現れたとおぼしき作品など、鋭くも愛おしい56篇を収録。 「それらはいわば、彼女という人の「自分観察日誌」だ。[…]結晶となった言葉は硬く乾いてひんやりとして、元の感情からは慎重に隔てられているように見えて、目を凝らしてみると、行間から血のしたたるような感情が、生の痕跡が、透けて見える」(「訳者あとがき」より)。強靭な知性に支えられた作家の本領を味わえる1冊。
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