わたしの好きな季語

わたしの好きな季語

1,760円 (税込)

8pt

96の季語から広がる、懐かしくて不思議で、ときに切ない俳句的日常。

俳人でもある著者による初めての「季語」にまつわるエッセー集。散歩道で出会った椿事、庭木に集う鳥や虫の生態、旬の食材でやる晩酌の楽しみ、ほろ苦い人づきあいの思い出、ちょっとホラーな幻想的体験など、色彩豊かな川上弘美ワールドを満喫しながら、季語の奥深さを体感できる96篇。名句の紹介も。

「蛙の目借時」「小鳥網」「牛祭」「木の葉髪」「東コート」。それまで見たことも聞いたこともなかった奇妙な言葉が歳時記には載っていて、まるで宝箱を掘り出したトレジャーハンターの気分になったものでした。(中略)それまで、ガラスケースの中のアンティークのように眺めてきたいくつもの季語を、自分の俳句にはじめて使ってみた時の気持ちは、今でもよく覚えています。百年も二百年も前につくられた繊細な細工の首飾りを、そっと自分の首にかけてみたような、どきどきする心地でした(本文より)。


●春 日永/海苔/北窓開く/絵踏/田螺/雪間/春の風邪/ものの芽/わかめ/針供養/すかんぽ/目刺/朝寝/木蓮/飯蛸/馬刀/躑躅/落とし角/春菊/入学/花/春愁
●夏 薄暑/鯉幟/そらまめ/豆飯/競馬/アカシアの花/新茶/てんとう虫/更衣/鯖/黴/こうもり/ががんぼ/蚯蚓/業平忌/木耳/李/半夏生/団扇/雷鳥/夏館/漆掻/雷/青鬼灯
●秋 天の川/西瓜/枝豆/水引の花/生姜/残暑/つくつくぼうし/燈籠/墓参/瓢/月/良夜/朝顔の種/新米/案山子/鈴虫/夜長妻/濁酒/柿/秋の空/蟷螂/小鳥/きのこ狩/文化の日/花野
●冬 時雨/神の留守/落葉/大根/切干/たくわん/銀杏落葉/冬鷗/河豚/枯枝/ストーブ/炬燵/冬羽織/おでん/鳰/蠟梅/つらら/探梅/春隣
●新年 飾/去年今年/歌留多/福寿草/初鴉/七草

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わたしの好きな季語 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

     季語に纏わる話と、その季語を使用した一首を二ページでひとまとめにし、さらに春夏秋冬と新年に分別して見やすい。
     それにしてもなんとも自分が普段から使用している言葉に対しても、その自然風景や背景などが隠されていることに無頓着になっている今日この頃を思い知らされるとともに、著者はその繊細な、また、なか

    0
    2022年11月13日

    Posted by ブクログ

    春(22)・夏(24)・秋(25)・冬(19)・新年(6)と、川上さんが好きな季語とそれを含む一句を選び、その季語や句にまつわるエッセイが綴られている。
    虫大好き、生物大好きな川上さんの、生きとし生けるもの全てに注ぐ視線が温かく、そしてちょっと不思議な体験談もあったり。
    昭和の頃の話も同年代として懐

    0
    2021年06月24日

    Posted by ブクログ

    『白シャツになりすもも食ふすもも食ふ 木星』―『夏/李(すもも)』

    「すてきにハンドメイド」(NHKテキスト)に連載されていたということで、少しミッション系スクール的雰囲気のする文体なのだろうか(雙葉だし)。他のエッセイの文章とは違いやや改まった口調の文章が並ぶ。もちろん四季折々の感慨を季語に寄せ

    0
    2021年06月01日

    Posted by ブクログ

    俳句って高尚、なんだか難しそう、でも季語には惹かれる。そこで手に取ったこの本。

    川上弘美さんの好きな季語にまつわるエッセイは生活感溢れていて楽しい。
    「ひろみさんもそうなの?わたしもおなじ~」まるでお友達気分です。
    知らなかった美しい言葉も教えてもらった。
    川上弘美さんに導かれて季語が身近に感じら

    0
    2021年05月18日

    Posted by ブクログ

    本屋で、俳句のコーナーを歩いていると、優しい色使いのこの本を見つけた。偶然の出会いだったが、ページをパラパラめくると、興味のあまりなかった、季語というジャンルに惹きつけられて、購入。


    なんだか、柔らかな太陽の光を浴びながら、コーヒーや紅茶を片手に読みたい本。

    季語なんて、学生時代は暗記するもの

    0
    2021年03月15日

    Posted by ブクログ

    俳句における季語。
    多分、本当は季語だけではないのだろうけれど、言葉ひとつに込められた多くの情景が、あんなに短い俳句という形式を成立させている。
    その情景は、厳密に言えば、一人一人違うものだろう。
    でも、重なる部分もあって。
    自分にとっては当たり前すぎて語られなかった情景が、それぞれの言葉の中にはあ

    0
    2025年10月16日

    Posted by ブクログ

    わたしの好きな季語を私も選んで何か書いてみたくなる
    ひとつの季語に思うことは人それぞれなんだろうなぁ 
    著者の俳句を読んでみたい

    0
    2025年07月12日

    Posted by ブクログ

    海苔とか、わかめとか、飯蛸、馬刀、そらまめ、豆飯、鯖、濁酒、きのこ狩り、切干、河豚、おでん、七草……なんだか食べものについて話しているページが来るたびに妙にうきうきしてしまってなんだか悔しい(笑)

    薄暑を「きらきらしい季節」と表すあたりに小説家としてのすごみを感じつつも、食べものの話がしきりに挟ま

    0
    2025年07月04日

    Posted by ブクログ

    季語だけじゃなくて、川上弘美自身の生活にちょっと触れられた気がした。川上弘美みたいに生きたいと思った。

    0
    2025年06月27日

    Posted by ブクログ

    想像したとおり、言葉やちょっとした小話が面白くてあっという間に読んでしまった。
    季節を感じてことばにする、文字に含まれた意味を解く…歳時記や、季語についてもっと詳しく知りたくなった!

    0
    2025年06月25日

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