プロフィール

  • 作者名:星野智幸(ホシノトモユキ)
  • 性別:男性
  • 生年月日:1965年07月13日
  • 職業:作家

早稲田大学第一文学部文芸専修卒。1997年『最後の吐息』でデビュー。文藝賞受賞を始め数々の賞を受賞。代表作品の一つ『俺俺』などの作品を手がける。同作は 大江健三郎賞受賞作品。亀梨和也(KAT-TUN)主演で映画化。漫画化にもなる。

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作品一覧

  • ひとでなし
    3.3
    1巻3,000円 (税込)
    作家人生の集大成 嫌な気分は何もかもノートにぶちまけて、言葉の部屋に閉じ込めなさい。  尊敬するセミ先生からそう教えられたのは、鬼村樹(イツキ)が小学五年生の梅雨時だった―― 「架空日記」を書きはじめた当初は、自分が書きつけたことばの持つ不思議な力に戸惑うばかりの樹だったが、やがて生きにくい現実にぶち当たるたびに、日記のなかに逃げ込み、日記のなかで生き延び、現実にあらがう術を身に着けていく。 そう、無力なイツキが、架空日記のなかでは、イッツキーにもなり、ニッキにもなり、イスキにもなり、タスキにもなり、さまざまな生を生き得るのだ。 より一層と酷薄さを増していく現実世界こそを、著者ならではのマジカルな言葉の力を駆使して「架空」に封じ込めようとする、文学的到達点。
  • だまされ屋さん
    3.3
    1巻1,078円 (税込)
    夏川秋代は、夫を亡くして公団住宅にひとり暮らし。ある日、「(長女の巴と)家族になろうとしている」と語る若い男が突然やって来た。戸惑う秋代をよそに家に上がり込む謎めいた男。彼は本当に娘の婚約者なのか、それとも新手の詐欺なのか――。  秋代には実は、長女だけでなく、二人の息子にも男の来訪について相談できない理由があった。アメリカで未婚のまま娘を産んだ長女、男らしさの抑圧に悩み在日韓国人のパートナーとうまくいかない長男、借金を重ねて妻子に出て行かれた次男……こじれた家族の関係は修復できるのか。  現代文学の最前線を走る作家が、家族のあり方や人々のつながり方を問う渾身の長編。 〈解説〉大前粟生
  • 焔(新潮文庫)
    3.5
    1巻693円 (税込)
    焔を囲んだ人達が、それぞれの身に起こったことを語り出す――。近隣諸国と武力衝突の危険性が高まるなか、人々が“あること”を始める「ピンク」。突然泣き出してしまう“謎の病”が大流行する「眼魚」。南米やアフリカなど各地から集まった力士が頂点をめざす「世界大角力共和国杯」。祈りや驚嘆、希望など様々な思いを込めて語られた九つの物語は、最後に大きく燃え上がる。谷崎潤一郎賞受賞作。
  • 植物忌
    3.3
    1巻1,699円 (税込)
    「植物」を題材とした短編10編に書き下ろし1編を加えた植物小説集。アイビーを頭皮に植えて着飾るうちに植物化する人間、植物たちの蜂起やテロにさらされる人間社会。ヒトが植物の世界に取り込まれていく虚構に、現代社会への痛烈な批判を込めた意欲作。
  • 悲しみとともにどう生きるか
    4.0
    悲しみから目を背けようとする社会は、実は生きることを大切にしていない社会なのではないか。共感と支え合いの中で、「悲しみの物語」は「希望の物語」へと変容していく。「グリーフケア」に希望の灯を見出した入江杏の呼びかけに、ノンフィクション作家・柳田邦男、批評家・若松英輔、小説家・星野智幸、臨床心理学者・東畑開人、小説家・平野啓一郎、宗教学者・島薗進が応え、自身の喪失体験や悲しみとの向き合い方などについて語る。悲しみを生きる力に変えていくための珠玉のメッセージ集。 【まえがき――入江杏 より】(抜粋)「世田谷事件」を覚えておられる方はどれほどいらっしゃるだろうか? 未だ解決を見ていないこの事件で、私の二歳年下の妹、宮澤泰子とそのお連れ合いのみきおさん、姪のにいなちゃんと甥の礼くんを含む妹一家四人を喪った。事件解決を願わない日はない。あの事件は私たち家族の運命を変えた。 妹一家が逝ってしまってから6年経った2006年の年末。私は「悲しみ」について思いを馳せる会を「ミシュカの森」と題して開催するようになった。(中略)犯罪や事件と直接関係のない人たちにも、それぞれに意味のある催しにしたい。そしてその思いが、共感と共生に満ちた社会につながっていけばと願ったからだ。それ以来、毎年、事件のあった12月にゲストをお招きして、集いの場を設けている。この活動を継続することができたのは、たくさんの方々との出逢いと支えのおかげだ。本書はこれまでに「ミシュカの森」にご登壇くださった方々の中から、6人の方の講演や寄稿を収録したものである。
  • 呪文
    3.3
    1巻704円 (税込)
    さびれゆく松保商店街に現れた若きカリスマ図領。クレーマーの撃退を手始めに、彼は商店街の生き残りを賭けた改革に着手した。廃業店舗には若い働き手を斡旋し、独自の融資制度を立ち上げ、自警団「未来系」が組織される。人々は、希望あふれる彼の言葉に熱狂したのだが、ある時「未来系」が暴走を始めて…。揺らぐ「正義」と、過激化する暴力。この街を支配しているのは誰なのか?いま、壮絶な闘いが幕を開ける!
  • 大江健三郎賞8年の軌跡 「文学の言葉」を恢復させる
    4.0
    1巻1,881円 (税込)
    「情報テクノロジーの支配する社会で、もっとも痩せているのが「文学の言葉」です。私は永く「文学の言葉」で生きてきました。いまも注意深く見れば創られている、力にみちた「文学の言葉」を、知的な共通の場所へ推し立てたいのです」大江健三郎――2007年から8年間にわたり大江健三郎一人によって選考された「大江健三郎賞」の全選考過程と受賞理由、および受賞者との対談を収録した、完全保存版!
  • 変愛小説集 日本作家編
    3.6
    1巻792円 (税込)
    変てこだったりグロテスクだったり極端だったりする、究極に純度の高い愛のアンソロジー。人気作家勢揃い! ●川上弘美●多和田葉子●本谷有希子●村田沙耶香 ●吉田知子●深堀 骨●安藤桃子●吉田篤弘●小池昌代●星野智幸●津島佑子
  • 夜は終わらない(上)
    3.3
    1~2巻748円 (税込)
    婚約者が自殺したとの一報が入った玲緒奈。しかし彼女には、次に殺さなくてはならない別の婚約者がいた。セックスや結婚を餌に次々男を惑わし、財産を巻き上げ、証拠を残さず葬り去るのが日常の玲緒奈には不思議な掟があるのだった。「ね? 私が夢中になれるようなお話をしてよ」死の直前、男に語らせる話の内容で命の長さが決まっていく。最期の気力を振り絞り話し続ける男たち。鬼気迫る物語が展開され、すべては一点へと…。
  • 毒身
    3.8
    1巻565円 (税込)
    「お互い不惑になっても独り身だったら共同生活しようって約束したよね」特殊な立地条件ゆえに中庭にはメキシコから移植したマンゴーが実り、ブーゲンビリアが咲き乱れる古アパートを独身者たちのコミュニティにしようと目論むシキシマ。ハンモックの微睡(まどろ)みは現実を溶かし、毒身のための楽園が誕生するか?
  • われら猫の子
    3.2
    1巻639円 (税込)
    子どもをつくることを躊躇(ためら)う夫婦のわだかまりが解ける瞬間、処女のまま産み育てた息子が復讐しに来ると思い込む母親、あるはずのない異性器を持ちたいと切望する男女の交わり、死んだ父親に生きているふりをさせる少年少女たち……飛翔する想像力によって先入観を超え、固有の物語を紡ぎ出した傑作短篇集。
  • ファンタジスタ
    3.3
    1巻495円 (税込)
    【第25回野間文芸新人賞受賞作】首相公選制がしかれた近未来の日本。投票を明日に控え、かつてのサッカーのスタープレイヤーだった政治家・長田が圧倒的な支持率で最高権力者になろうとしている。人々はこの清新で危険なにおいのするカリスマに夢中だ。だが、果たしてこの選択は正しいのだろうか? わたしたちはどこへ向かっているのか? 忍び寄るファシズムの空気を濃厚に描く傑作小説集。
  • 無間道
    4.0
    1巻1,408円 (税込)
    逝くな、生きろ――。自ら逝くこと=自殺が賞賛され、心中(デュオ)や集団自殺(マルチ)が大流行する社会。自殺死体が街中いたるところに放置され、カラスがそれらをついばみ、人々は裏庭で死体を焼却し、無造作に埋めている。死臭と腐敗臭にまみれて、日々を送る主人公・竹志は、ある朝、恋人の彩乃が一人(ソロ)で逝ったことを知らされる。一緒に逝こうと誘われていたのに、竹志はそれを断ったのだった。最期の別れに、彩乃の生家を訪ねた竹志を待っていたものとは……。(「無間道」)独特の視座で、生の現実と歪んだ世界を鋭く描く気鋭の中編集。リアルな絶望と怒り、そして希望にあふれた傑作。【収録作品】無間道/煉獄ロック/切腹
  • 高松英昭写真集 STREET PEOPLE 路上に生きる85人
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    1巻880円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 仕事場、路上。 寝る場所、路上。 撮る者と撮られる者が仕組んだステージ。 世界一カッコイイ「ホームレス」写真集! カメラの前に立つかれらの姿は「ホームレス」というレッテルを引きはがす。演出し、ポーズをとり、ファッション写真のように撮られたポートレート写真集。 *星野智幸 書き下ろし短編小説『先輩伝説』を収録

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  • 俺俺
    3.5
    1巻605円 (税込)
    なりゆきでオレオレ詐欺をしてしまった俺は、気付いたら別の俺になっていた。上司も俺だし母親も俺、俺ではない俺、俺たち俺俺。俺でありすぎて、もう何が何だかわからない。増殖していく俺に耐えきれず右往左往する俺同士はやがて――。他人との違いが消えた100%の単一世界から、同調圧力が充満するストレスフルな現代社会を笑う、戦慄の「俺」小説! 大江健三郎賞受賞作。

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ユーザーレビュー

  • 悲しみとともにどう生きるか

    Posted by ブクログ

    【目次】

    まえがき(入江杏)

    第一章 「ゆるやかなつながり」が生き直す力を与える(柳田邦男)

    第二章 光は、ときに悲しみを伴う(若松英輔)

    第三章 沈黙を強いるメカニズムに抗して(星野智幸)

    第四章 限りなく透明に近い居場所(東畑開人)

    第五章 悲しみとともにどう生きるか(平野啓一郎)

    第六章 悲しみをともに分かち合う(島薗進)

    あとがき(入江杏)

    0
    2024年10月11日
  • 俺俺

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    4年ぶりに再読。直前に宇野重規『〈私〉時代のデモクラシー』を読み、それを道標にまたこの作品を読みたくなった。

    私なりにこの作品の構造を整理してみる。

    ヤソキチがメガトンを辞めると言った時の大樹の反応などに例えられるように、【俺】たちは自分より劣っている存在によって自分の存在価値を感じているのである。
    同時に自分も誰かから見下されていたり、同調圧力に晒されたりしていて、自分の存在価値が不安定であることを許せないのである。(「均」的考え)
    自分が固有で特別な存在でありたいという思いから、自分を見下したり圧力をかけたりする【俺ら】を「削除」し始める。
    しかし元々他の【俺】を見下すことで自分の存在

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    2022年11月28日
  • 悲しみとともにどう生きるか

    Posted by ブクログ

    個人的に興味深い作者名が並んでいたこともあり、本屋で衝動買いしたもの。ただひたすら真摯に、悲しみと向き合ったからこそ到達し得た心境が、ことばで生きている諸氏によって語り起こされる内容は圧巻で、それぞれに異なった対峙方法にも関わらず、通底する温もりは十分に享受できる。心のどこかに本書の存在を認識しているだけで、ずいぶん楽に感じられる、そんな座右の一冊。

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    2021年01月12日
  • 毒身

    ネタバレ 購入済み

    何度も読み返している

    読後感がやみつきになる星野智幸。
    特に「毒身温泉」はわたしの中で普段忘れていたり見えなくなるけど核ともいえる部分を刺激する、大事な作品。

    独身をテーマにしているが、自立しながら他者と虚でないコミュニケーションを築くには、という読み替えも出来るかと思う。(虚でない、、とは上手く表現出来ていないが。馴れ合いでない、だけでも言い表せない)


    「ブラジルの毒身」も大好き!「日輪の翼ごっこ」とは笑ったが、ダンス対決からの解放感が気持ちいい。ムズムズと踊りたくなるような、肉体の重さを伴った作品。

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    2020年07月10日
  • 俺俺

    Posted by ブクログ

    俺俺って、そういうことか~。例の詐欺に絡んでのひと悶着かと思いきや、電話で完結する狭い世界に止まらず、もっと壮絶なディストピアに向け、物語はひたすら広がっていく。世界の均質性に疑義を突きつける、読んで楽しいエンタメだけど、考えさせられもする作品でした。

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    2019年10月07日

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