星野智幸の作品一覧
「星野智幸」の「大江健三郎賞8年の軌跡 「文学の言葉」を恢復させる」「俺俺」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「星野智幸」の「大江健三郎賞8年の軌跡 「文学の言葉」を恢復させる」「俺俺」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
早稲田大学第一文学部文芸専修卒。1997年『最後の吐息』でデビュー。文藝賞受賞を始め数々の賞を受賞。代表作品の一つ『俺俺』などの作品を手がける。同作は 大江健三郎賞受賞作品。亀梨和也(KAT-TUN)主演で映画化。漫画化にもなる。
Posted by ブクログ
4年ぶりに再読。直前に宇野重規『〈私〉時代のデモクラシー』を読み、それを道標にまたこの作品を読みたくなった。
私なりにこの作品の構造を整理してみる。
ヤソキチがメガトンを辞めると言った時の大樹の反応などに例えられるように、【俺】たちは自分より劣っている存在によって自分の存在価値を感じているのである。
同時に自分も誰かから見下されていたり、同調圧力に晒されたりしていて、自分の存在価値が不安定であることを許せないのである。(「均」的考え)
自分が固有で特別な存在でありたいという思いから、自分を見下したり圧力をかけたりする【俺ら】を「削除」し始める。
しかし元々他の【俺】を見下すことで自分の存在
何度も読み返している
読後感がやみつきになる星野智幸。
特に「毒身温泉」はわたしの中で普段忘れていたり見えなくなるけど核ともいえる部分を刺激する、大事な作品。
独身をテーマにしているが、自立しながら他者と虚でないコミュニケーションを築くには、という読み替えも出来るかと思う。(虚でない、、とは上手く表現出来ていないが。馴れ合いでない、だけでも言い表せない)
「ブラジルの毒身」も大好き!「日輪の翼ごっこ」とは笑ったが、ダンス対決からの解放感が気持ちいい。ムズムズと踊りたくなるような、肉体の重さを伴った作品。