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逝くな、生きろ――。自ら逝くこと=自殺が賞賛され、心中(デュオ)や集団自殺(マルチ)が大流行する社会。自殺死体が街中いたるところに放置され、カラスがそれらをついばみ、人々は裏庭で死体を焼却し、無造作に埋めている。死臭と腐敗臭にまみれて、日々を送る主人公・竹志は、ある朝、恋人の彩乃が一人(ソロ)で逝ったことを知らされる。一緒に逝こうと誘われていたのに、竹志はそれを断ったのだった。最期の別れに、彩乃の生家を訪ねた竹志を待っていたものとは……。(「無間道」)独特の視座で、生の現実と歪んだ世界を鋭く描く気鋭の中編集。リアルな絶望と怒り、そして希望にあふれた傑作。【収録作品】無間道/煉獄ロック/切腹
...続きを読むPosted by ブクログ 2012年06月26日
*ネタバレ、っていうほどないです。
文章から、作家の波打つ動脈のようなものが感じられた。
今にもちぎれそうな、破裂しそうな血管と、その中に流れる熱い血潮。
喉にへばりつくような空気感、臭気、粘り気。
星野智幸の小説にはこういう「気候」がよく用意されてるけど
わたしこれが好きだなー。
この『無間...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
『無間道』
「右へ行こうか右へ行こうか、まっすぐ右へ進もうか、
待てよ、右へ行く道があるかもしれない、
探してみよう、ほらあった、一緒に右へ行ってみよう」
「いずれにしても、いつだって俺は思い込まされており
その思い込みの自分から逃れることは決してできないのだ」
『煉獄ロック』
「かけ...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
短編3作。「無間道」「煉獄ロック」「切腹」。日本人が「神州人」と呼ばれる世界。自殺する者が絶えず、死体処理も追いつかない惨状。一人で死ぬことを「ソロ」二人は「デュオ」など、とにかく死んじゃう死んじゃう。「生きていても死んでも同じ」と恋人との「デュオ」の誘いを断る竹志。竹志自身も本当は…。あとの2作も...続きを読む
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