【感想・ネタバレ】俺俺のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年11月28日

4年ぶりに再読。直前に宇野重規『〈私〉時代のデモクラシー』を読み、それを道標にまたこの作品を読みたくなった。

私なりにこの作品の構造を整理してみる。

ヤソキチがメガトンを辞めると言った時の大樹の反応などに例えられるように、【俺】たちは自分より劣っている存在によって自分の存在価値を感じているのであ...続きを読むる。
同時に自分も誰かから見下されていたり、同調圧力に晒されたりしていて、自分の存在価値が不安定であることを許せないのである。(「均」的考え)
自分が固有で特別な存在でありたいという思いから、自分を見下したり圧力をかけたりする【俺ら】を「削除」し始める。
しかし元々他の【俺】を見下すことで自分の存在価値を確かめていた【俺】にとって、【俺ら】を「削除」することは自分の存在価値が消失する危機に晒すことになる。
【俺】は食われながら、自分は相手に必要とされていることに気づき、喜びを感じる。また【俺】は【俺】を食いながら、【俺】のおかげで自分が生きていることに気づく。

『〈私〉時代のデモクラシー』では、〈私〉が〈私〉であるためには、〈私〉を認めてくれる存在、他者が必要である、と述べられている。
自分を大切にすることと相手を尊重すること。この2つは相反しているように見えて、実はお互いが必要とし合っているのだ。
この両立を実現するには、【俺】そして【俺ら】を信用することができるかどうかにかかっている。

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Posted by ブクログ 2019年10月07日

俺俺って、そういうことか~。例の詐欺に絡んでのひと悶着かと思いきや、電話で完結する狭い世界に止まらず、もっと壮絶なディストピアに向け、物語はひたすら広がっていく。世界の均質性に疑義を突きつける、読んで楽しいエンタメだけど、考えさせられもする作品でした。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2016年03月11日

最初はちょっととぼけたようななりゆきの俺俺詐欺から始まり、予想外の方向に少しずつ転がっていくストーリー、気付けば物事の細部が少しずつズレていき、現実感を失いながら俺と言う存在を解体して行く。それが思わぬスケールまで広がって、自我と言う存在を、意識を、ここまで深く掘り下げてしまうのかと、気付けば強く引...続きを読むき込まれていた。

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Posted by ブクログ 2014年06月21日

この本での「俺」ってなんだろう。
クローン?コピー?
はじめは分からないまま読んでいた。
しかし、読み進めていくうちに、
「俺」には色んな一面があるんだと気がついた。
くだらないことも考える、
真面目なことも考える。
他者よりも優秀でありたい、
でも疲れた時にはだらけていたい。
そんな面を誰しも持ち...続きを読む合わせているから、
俺たちはみんな「俺」なんだ。
そう考えると、全く気が合わない人でも、案外自分に似ているのかもしれない、という気になる。
「自分」について考えるいい機会になった。

解説の、
「自分を演じながら他者とつながるのは疲れるが、1人でいるのは寂しい。
だから自分を演じなくてもよい他者とつながりたい。」
という言葉に共感した。
ここ数年感じている、具体的じゃないモヤモヤした寂しさは、この言葉に集約されるのだと思った。

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Posted by ブクログ 2023年02月24日

1.著者;星野氏は小説家。大学を卒業後、産経新聞記者になったが、会社を退職し、メキシコに私費留学。ラテン文学の影響を受けた。現実と幻想を掛け合せた小説を書き続けている。植物・水をモチーフにした作品や社会問題を問う作品が多い。「目覚めよと人魚は歌う」で三島由紀夫賞、「焔」で谷崎潤一郎賞などを多数受賞。...続きを読む
2.本書;永野均(主人公)は、些細な事で他人の携帯をポケットに入れオレオレ詐欺をする。それを契機に自分によく似た俺が大量発生。家電量販店で働く俺、公務員の俺、大学生の俺、・・自分だけの世界を作ってゆく。しかし、それは長く続かない。やがて俺同士の殺し合いへと発展。文庫あとがきより、「他人との違いが消えた、100%の単一世界から、同調圧力が充満するストレス社会を笑う小説」。大江健三郎賞を受賞。
3.個別感想(印象に残った記述を3点に絞り込み、感想を付記);
(1)『第二章 覚醒 』より、「お父さんもいぃつも、まだ大丈夫だ、休むわけいかないって言って、少しずつ悪くなって気が付いたら取り返しつかなくなってたんだから。ちりも積もれば山となる、だよ」「体が弱るとね、心も弱るんだよ。体だけなら休めば治るけど、心まで弱ると、そんなつもりはないのに、自分から人生諦めたりするんだ。人間は弱いんだよ」
●感想⇒「体が弱るとね、心も弱るんだよ」という言葉には、身につまされます。私事です。会社に入った頃から働き盛りの頃まで、無茶をしていました。企画業務が長く、この仕事は時間軸で成果を出すのが難しい職種です。上司に、「スタッフ仕事は24時間勤務、有給休暇は万一の際の保険」と鼓舞されました。自分も、“自身と現場の人達”の為に、良い仕事をしなければならない、という使命感がありました。早朝出勤・遅くまでの勤務・ストレス解消の為の暴飲暴食・・が祟り、体を壊し精神的に落ち込む事が間々ありました。心と体の健康は車の両輪なのです。私は、ある事をキッカケに、生活態度を変えました。業務の生産性を上げ、休日は休養日と割切りました(=読書・散歩・家族団欒を楽しむ)。今は働き方改革で、私のような愚行はないと思います。しかし、“上司の労いに対する感動”や“仕事に役立つ勉強”は掛けがえのない財産になったのも事実です。
(2)『第二章 覚醒』より、「一人前の社会人になれなかった奴に、自力で切り開いていかなきゃならない仕事ができるかっていうの」「税理士だとか会計士だとか弁護士だとか、会社を辞めてから試験勉強始める人って、大抵が逃避なのよね、私の経験からすると。本当に受かる人って、仕事と勉強両立させてでも受かるもんよ」
●感想⇒人生の節々には選択すべき岐路があります。進学・就職・結婚の選択は重要です。知人の中に一旦は企業に就職したものの、会社の風土が思い描いたものとは違った事もあり、学生時代の理想を実現すべく退社し、再勉強して目標達成した人がいます。名門企業に勤務していただけに、周囲の人は「働きながら勉強した方が良い」とアドバイスしました。しかし、当人曰く「仕事と勉強を両立した方が万一の際の保険になるが、自分を追い込まないと、良い結果にならない」と言い、勉強に専念し見事に成功しました。こういう人は稀かもしれませんが、何が何でも目指した事を成就したいという信念に感服です。「本当に受かる人って、仕事と勉強両立させてでも受かるもんよ」は決め付けだと思います。
(3)『第四章 崩壊』より、「おふくろは一人で働き続けて、俺と姉貴を育ててくれた。・・・自分はもう諦めた、その分、あんたが写真の道を極めなさいとハッパを掛けてくれた。でもカメラマンとしての就活に失敗してフリーターを始めたら、あんたは自分の夢どころか人の夢まで壊したと罵られた。何のために、あれだけ無理して働いてきたんだ、息子をフリーターにする為なんかじゃない、だったらお姉ちゃんみたいに地道に大学目指せばよかったんだ、まったく情けない、恥だ、と言われ続け、俺はいたたまれなくなって家を出た・・・」
●感想⇒親の責務は、“世の為人の為”に少しでも貢献できる子供を育て、社会に出してあげる事です。片親家庭が大変な事は十分理解出来ます。子育ての過程では、人に言われぬ悩みもあると思いますが、人格を否定するような言葉だけは慎むべきです。所で、社会問題となっている“引き籠り”を持つ家庭は大変でしょう。色々事情があると思いますが、一つには親の子への接し方に問題があったのかも知れません。人格は2~3歳で基礎が出来るそうです。子育ては片親に任せる(特に精神面)のではなく、父母両方で愛情を注ぐ事が基本と考えます。自責の念を込めて。
4.まとめ;オレオレ詐欺から始まり、自分にそっくりな俺が至る所に増殖する、という話の展開は奇想天外で、理解するのに一苦労です。人は様々な顔を持って生活しています。親、子、夫、妻、上司、部下・・・という顔で、様々な役割を演じています。人は他人と関係を持ちながら生きているのです。良きも悪しきも一人では生きてゆけません。そうした時に、本書の様に周囲がみんな“俺”だったら生き易く、心地よいでしょう。しかし、現代人はマスコミに踊らされ、個性が埋没。お互いを排除しようとする人もいます。本書は、奇抜な発想で青年の心の葛藤を描き、現代社会に警鐘を鳴らす秀作だ、と思います。(以上)

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Posted by ブクログ 2022年07月30日

最初の日常の一場面からまさかまさかの展開。 想像だにしないストーリーに、とにかくこの混乱を早く治めたくて、ページをめくればめくるほど更なる混沌が待ちかまえていて。 凄かったです。なんでしょう。非現実なホラーな世界なんだけど、明瞭にイメージできる世界に圧されて震えちゃいました。 ラストの意外性も良かっ...続きを読むたです。手放しでホイホイと人に勧められないのですが、是非読んで体感してみてほしいと思える強烈な一冊。 できれば前知識無しに手にとることをお勧めします。ようこそ俺俺ワールドへ。

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Posted by ブクログ 2021年09月08日

安易にオレオレ詐欺に手を出していとも簡単に成功してしまう冒頭、道徳的に過ぎるラストはどうかと思った
チンケなオレオレ詐欺こら人類創世、個の誕生まで読ませる

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Posted by ブクログ 2019年01月27日

軽いノリから意外と深いテーマへ。
この作家の作品は初めて読みましたが、非常に洒落た作品だと思いました。
途中の流れはこれ必要?という点もあったけど、
思いついた自身のテーマをドヤ顔で描き切った感じが、
非常に好感持てました。

秀逸です。

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Posted by ブクログ 2019年04月30日

映画をみてから興味を持って読んでみました。主人公のおれおれぶりが活字の場合、また違った勢いを伴っていて面白かったです。

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Posted by ブクログ 2016年07月15日

ありえない、と一蹴することもできる反面、いままさに、そんな現実に直面しているとも言えるのではないか。

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Posted by ブクログ 2016年02月03日

ファーストフード店で、たまたま隣り合った男が携帯を「俺」のトレイに置き忘れていった。なんとはなしに、その携帯の持ち主になりすまして、その携帯の持ち主の親からお金の振込もしてもらい、俺俺詐欺のような話になったところで異変が起きる。金を振り込んでくれた「親」がアパートにやって来て、まるで最初から「俺」が...続きを読む息子だったかのように振る舞う。自分の実家に帰ると、同じ顔をした「俺」が応対に出て、この頃似たような「俺」が訪ねてきてトラブルになったという…

「世にも奇妙な物語」風味に話が進んでいく。途中から「自分と他者の違い」「自分の中に潜む凶暴性、凶悪性」が引き出され、職場でのいじめや、多数の「俺」が互いの腹の内を知りながら互いを「削除」していき、輪廻転生(?)とでもいうか手塚治虫の「ブッダ」のような世界観も挟みつつ「自分とは何か」を考えさせられる。どんなに嫌な奴に見えてもそのどこかに自分と同じような部分があって世の中は反面教師だらけ、と言いたいのかなと感じた。

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Posted by ブクログ 2015年12月02日

 出来心で詐欺を働いた日から増殖していく俺。始めは元の自分が何者であるか分かっていたのに、次第に記憶も曖昧になり、いつの間にか別人の名前を語り、別人の記憶と境遇を生きている主人公俺がとても不気味だ。
 他者を心の中で疑いながら自らの役割を演じているというのは怖いけど、同じようなことを日常的に行ってい...続きを読むるのは自分だということに改めて気付かされる。物語のラストは、自分とは違う他者と完璧に理解し合うことは無理だけど、相手の立場を想像する力が大切だと考えていた最近の自分とシンクロしていて、腑に落ちた気分。

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Posted by ブクログ 2015年05月27日

パラレルワールド系の話かと思ったら全然違った…あんまりSFを楽しむって感じじゃなくてちょっとお説教臭い感じ。大人になったらまた読みたい。

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Posted by ブクログ 2015年05月07日

テンポのよい文章に、読むほどにスピードが増してくる。
それは、何も考えさせず、読むことそれだけに集中させるための著者の故意なのかもしれない。
あそこにも俺、そこにも俺、ほぼ俺。
実はそれは心地のよいものではなく、俺自身が俺によって翻弄される。
オレオレ詐欺からカジュアルに始まった物語は、想像以上の展...続きを読む開を見せる。

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Posted by ブクログ 2013年11月27日

もっとオレオレ詐欺をこねくりまわす話を想像していたが、オレオレ詐欺はほんの導入なのですね。
話はどんどん『世にも奇妙な物語』に…。だんだん俺が増えて、俺の口で語られる記憶も別の俺に浸食されるがごとく変わっていくしで、読んでるこちらも「あれっ?そうだったっけ…」と混乱させられる。
ただ、途中放棄するど...続きを読むころか、続きが妙に気になって、一気読み。それだけ面白かったということでしょう!

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購入済み

2021年08月06日

表紙の不気味さにすごく期待して購入。正直期待は上回らなかったけれど、最後までほぼノンストップで読んだ。

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Posted by ブクログ 2021年04月04日

俺が携帯を盗んだことにより、俺は別人として扱われる。
自分の実家へ帰ると、そこには俺がいた。
そして、知らぬ間に俺は、別人として生き始める。
そして、俺が次々増殖し始める。
俺は、俺らとつるむことにより、初めて俺を必要とされていると感じ、生きている意義を見いだす。
いつの間にか、周りは俺だらけになり...続きを読む、・・・

この本の広告で当初俺俺詐欺に絡めて宣伝されていたと思う。
読み始めて、俺がどんどん増殖して行く場面は面白く、どんどん読み進められた。
が、物語は、増殖した俺が俺俺詐欺に関係するのかと思っていたが違った。
また、俺が増えていくというのは、シュールな世界ではあるけれども、シュールレアリズムとも違う。
俺が俺とつるんで、楽しくやっている場面迄は面白く読めたが、俺の世界が崩壊して行く時点から物語に違和感を感じた。

"何で話すかというと、あの悪夢みたいな俺俺時代を覚えておいてほしいからだ。"
物語の最後ら辺からの引用である。
読み終えて、僕は、解説の中島岳志の社会での役割を演ずる現代人の姿ではなくて、似た者同士でつるんでばかりいる現代人を批評している物語として受け取った。

が、文学とは暗喩、メタファーの世界である。
本書の後半部分の直接的な物語の推移は、いただけない。
俺らの世界が崩壊せずとも、似た者同士世界を批評することは可能ではなかったか?

"いつでも喜怒哀楽を一致させ、考えることも同じで、まるで自分は一人の大きな自分の一部であるかのような感覚に浸っていたかった。"
対立や違和のない人達ばかりと付き合っている人の究極の理想は何か?
それは、全く過不足なく、まるで自分自身と何ら変わらない人達との付き合いかも知れない。
俺は、そこで、"自分が必要とされているという感覚"を得て自己充足を見る。

"何百人集まったって、俺は同じなんだから、一人の俺がいるのと変わんないんだよ“
しかし、それは違いが存在しない退屈な世界かもしれない。
物語の俺たちは、そこで充足してはいるが。

"あいつらにとって法政大生の俺は、ヴィトンのバッグとかみたいなもんなんです』"
この世界にいる僕達は、誰かにとっては取り替え可能な存在かもしれない。

着想は、面白く、であるからに、表現として、後半の物語が、とても残念だ。

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Posted by ブクログ 2019年06月04日

出来心から他人になりすました若い男性が、本来の自分を見失い、やがて周囲の人たちがみな自分になっていく狂気の世界を描く。

自分が増殖し、他人との区別がつかなくなるという恐怖。最初はおふざけのSFかと思いきや、徐々にシュールで哲学的になっていく。
映画化もされているそうだが、映像にしてしまったらコメデ...続きを読むィかホラーにしかならないと思うのだが。

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Posted by ブクログ 2018年08月15日


なりゆきでオレオレ詐欺をしてしまう俺。
気付くと別の俺に。上司も俺、母親も俺、俺ではない俺、俺俺。見渡す限り、俺だらけに。
ある日、家に帰ると知らない人間、いや俺がいた。どう見ても俺にしか見えない。他人なのに俺だ。いや、俺なんだが他人だ。そして、母もそれに気づいていない。
右も左も俺だらけ。やがて...続きを読む、俺が俺同士を削除し合う。肉体を切り刻み、俺同士がその人肉を食べ始める。しかし、俺が淘汰し合うとその先には...
初めて読む著者だが、衝撃的な一作でした。
アイデンティティの崩壊かー。荒唐無稽ではあるが、随分と哲学的というか厨二病的というか。
精神異常犯罪者とかこんな感じだろうなと思っていたら、やはり後書きで、秋葉原無差別殺人事件の件に触れられていたな。

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Posted by ブクログ 2017年09月30日

タイトルに釣られて購入。ドタバタナンセンス(往年の筒井康隆作品)を想像していたが、後半からは哲学的SFのような印象。社会で人間関係を構築する時、周囲の人間に対する同調・敵対などの感情は、所詮「俺」の中に全て包括されているのではないかということを教えてくれた。『崩壊』以降は増殖した「俺たち」の削除から...続きを読む逃れる「俺」の行動が、畳み掛けるように進行しスピード感が増す。物語の舞台は東京・埼玉が中心だが、カバーイラストは何となく大坂をイメージさせた。

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Posted by ブクログ 2016年12月04日

本当の自分を認めてほしい。
一人にしないでほしい。
つながっていたい。
けど、演じたくない。
俺ではない俺。
俺たち俺俺。
そして一転破たんへ。
不思議な世界観。

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Posted by ブクログ 2016年06月11日

 これほど不可思議な話を最後まで読ませる力は逆に凄いと関心した。俺がどの俺なのか混乱しつつも話は意外な展開を見せる。削除と称してジェノサイトがはじまる件は笑える。2013年、亀梨和也主演で映画になった。多分つまらないだろう(笑 そこはかとなく、人生訓がちりばめられているのはご愛敬か

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Posted by ブクログ 2015年10月20日

 結局何がどうしてどうなったのかまるきり分からない。
 分からないのだがその分からないまま読み進め読み終わってしまった。
 それでもいまだによくわからないこの世界観。
 現実投射的に感じもするが、その俺目線が世の中の一人一人だという事なのだろう。

 最後に俺は言うおまえたちが現在や昔を見ないように...続きを読む忘れちまうことを、こっそり待っている。
 だから、頼む、思えておいてくれ。そして自分たちが誰だが、忘れないでくれと・・・・。

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Posted by ブクログ 2015年07月18日

他人に成り代わり俺俺詐欺をはたらいたことをきっかけに、不思議なことが起こる。
俺がたくさんの世界が生まれたのだ。
最初は分かり合える心地よさや安堵に包まれたが、それは徐々に恐怖へと変わっていく。
現代社会に渦巻く心の病を映すような、リアルじゃないのになぜかリアルな…不思議な感覚に陥る。

2015....続きを読む7.18

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Posted by ブクログ 2015年04月01日

俺が増殖する話。俺が3人位までは面白いなあと思っていましたが、それ以上になるとホラーテイストが強くなり、最後はカオス。
この俺はどの俺だっけとこんがらがってくる。

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Posted by ブクログ 2015年03月07日

きっかけは他人の携帯電話を持ち帰ってしまい、オレオレ詐欺をしたことだった。俺もあいつもこいつも俺。俺俺俺...。増殖していく俺。俺俺時代小説。俺増殖でわけが分からなくなる不思議な世界だが、現実でもあり、俺の気持ち分かるなぁと。心が下向きの時には、特に俺に同化してしまう。認められたくて、必要とされたく...続きを読むて、つながりたくて、寂しくて。解説の秋葉原無差別殺傷事件の言葉、そして「フィクションは、リアルを超えたリアルに肉薄する。」。めちゃくちゃな世界だが意外に好きかも。そして少し考えさせられる。

「携帯電話を盗んだのは、あくまでもその場のなりゆきだった。」

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Posted by ブクログ 2014年09月14日

【最後で全部台無し】

最後の最後に読まなければよかった。なーんだよ、つまんねぇって話。最初からの流れが良かっただけに怒りすら覚える。

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Posted by ブクログ 2014年08月06日

ありのままの自分でいれる=俺山の世界があったらどんなに楽だろうと思うけども、世の中が自分と同じ価値観の人だけで構成されるとどうなるのか、という話。
やっぱりいろんな人がいて、いろんな人と関わって広い世界を知れるのが生きて行く上で楽しいことなんだろう、っていうことですね。

2014.08.06

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Posted by ブクログ 2013年12月09日

亀梨くんの映画から知って、(見てないですが)読んでみました。

なるほど、俺俺だ〜!

これは誰しにでも当てはまる可能性があるかもね。

なんていったらいいか…。言葉が思いつかないわ。

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Posted by ブクログ 2014年06月13日

表紙の石田徹也さんの絵が好きなので購入。
周りの人々が全員[俺]になっていくと言う設定の奇抜さや、中盤にかけての物語のスピード感は凄く面白く良かったと思いましたが、終盤はあっさり終わってしまったように感じました少し残念です。

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Posted by ブクログ 2014年01月28日

周りの人との関係性、自分の在り方。
普段自分がいる世界の中に潜む非日常体験。
「増殖」と「アレ」への恐怖。
有り得ない話ではあるけれど、もしかしたら……。

ちなみに映画鑑賞後に読みましたが大筋は同じですが、映画と小説は別物です。

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