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太平洋に浮かぶ人口2000人ほどの離島・千久世島。造物主「ポーポー様」なる独自の神話を持つ島では「海のもん」と「山のもん」が時折いがみあいながらも共存してきた歴史があった。島では年に一度、秘祭「モドリ」が行われる。14歳になり、初めて「モドリ」に参加させられることになる私と親友の花蓮は、その年の生贄が同級生の高城くんになることを知る。因習に満ち閉塞した島を脱出しようとするが──。歴史は書き換えられ、世界は塗り替えられ、魂は入れ替えられていく。村田沙耶香初の試みとなる、演劇界の鬼才・松井周と練り上げた千久世島ワールドを舞台に、人間が変わり世界が変わりゆく悪夢的現実を圧倒的イマジネーションで紡ぐ。「早稲田文学増刊 女性号」掲載の、既存の「性」の役割を根幹から揺さぶり話題となった中編「満潮」を併録。
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Posted by ブクログ
村田沙耶香ワールド全開。
人間は弱いからこそ何かを信じたい生き物である。
信じることは、考えることをやめること。
世の中には支配する人支配される人、騙す側の人騙される側の人が確かに存在している。信仰なしでは生きらない。歴史や伝統、世の中のルールなどはすべて誰かに創作された宗教のようなもの。途中でそれが全部誰かの利益のために変えられたとしても、人間は何の疑問も持たず受け入れて生きてく皮肉な生き物である、そんなメッセージ性を感じた作品。
昔からのお祭りや地元の言い伝え。それってもしかしたら伝統なんて何もなくて、誰かがただ面白おかしくエロ目的で作ったものだったりする。その事実を知らずに、信仰し続けている可能性がある。
今自分が生きているこの世界何もかも信じられなくなった。
人間として生まれたって思ってるだけで実はこの事実すらも操られてるのかなぁと地面がぐらっとひっくり返るような感覚。
2作目は夫婦がクジラしたくてひたむきに頑張る爽やかエロストーリーです。(笑)
Posted by ブクログ
標題の「変半身(かわりみ)」が物凄いです。ただ、ちょっといつもの村田作品と違う感じがして調べたら、松井周さんという舞台作家さんとコラボした作品だったのですね。「人間は自分に都合のいい嘘を信じる」「なにも信仰しないことはできない」まではまだ分かるとして、「架空の生き物である『ニンゲン』」…には度肝を抜かれました。村田さんの作品を読むと毎度のことながら、今ある自分の価値観がぶっ壊されて気持ち悪いような良いようなハイな気分になります。他の作家さんでは摂取できない養分があり、中毒性がほんとに高いです…。特に108〜109ページの狂気には脱帽!おそろしい作家さんです。
Posted by ブクログ
うーん、変な話を読んだなぁ。
というのが第一の感想でした。
「変半身」
島に伝わるポーポー様とポピ原人の話や、抗えないはずの秘祭、「モドリ」の役目――子どもの頃から叩き込まれた島の教えと、淡い初恋。閉塞感と信仰心に支配された思春期のひりひりした痛み……みたいな青春ものではないです。なぜなら村田作品なので。「はっ?」という展開が次から次に重なり、そして大人になった主人公もやはり「はあぁ…?」という生活をしている状態。そのあたりの不可解さとぶっとんだ設定展開はぜひ読んで楽しんでいただきたい(笑)
ただ、結末はあまりにも「いや、なんでやねん!」と突っ込まずにはいられない締め方で(いや、締めてるのかこれは?)いままでの伏線らしきものは何だったの? となったのが(それが見どころかもしれないですが)、私としてはすこし残念でした。
で、タカヤさんは結局なんだったのか(笑)
私の読みが甘いんでしょうか。
「満潮」
潮を噴きたい気持ち、について真剣に考える夫婦の話。まぁまずもって、そんなテーマを掲げて中編を書こうと思い立って実践しちゃって、しかも最後まで読ませるという才能はさすが人並みはずれている、けれども理解しがたい。主人公がなぜそんなに性的なことをまじめに考え悩んでいるのかについては、きちんと過去の経験をふまえて説明されているのだけど、まぁ……あまり共感はできない。なので、よくわからないまま読み終えてしまった。
ちなみに、他作品と同様、性的な描写を露骨に描いているにもかかわらず、まったく性的な雰囲気はありません。
『コンビニ人間』『殺人出産』で村田沙耶香ワールドに衝撃を受け、『消滅世界』『生命式』『地球星人』など独特の視点で語られるクレイジーな世界観が好きですが、今回の作品は「?」が多すぎてすこしなじめなかったかも。
でも、まだまだ村田作品を読みたいです。
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