作品一覧

  • ナイフ投げ師

    ナイフ投げ師

    小説・文芸

    4.2
    1巻1,300円 (税込)
    天才的な腕前を誇るナイフ投げ師が、私たちの町にやってきた! 彼の名はヘンシュ。それまでいかなるナイフ投げ師も越えなかった一線を越えたことで、その名声を築き上げたのだ。公演の日、噂に聞いたヘンシュの投げ技は、徐々に趣向をエスカレートさせ……(表題作)。夜、私たちの町では、少女たちの秘密結社が妖しい儀式を開くという。風聞や関係者の証言によっても、結社の真の姿は判然とせず……(「夜の姉妹団」)。自動人形、空飛ぶ絨毯、地下世界――精密な文章により現実から飛翔するミルハウザーの魔法のごとき十二篇を、名手の翻訳で贈る。/【目次】ナイフ投げ師/ある訪問/夜の姉妹団/出口/空飛ぶ絨毯/新自動人形劇場/月の光/協会の夢/気球飛行、一八七〇年/パラダイス・パーク/カスパー・ハウザーは語る/私たちの町の地下室の下/訳者あとがき/創元文芸文庫版訳者あとがき/解説=藤野可織
  • エドウィン・マルハウス

    エドウィン・マルハウス

    小説・文芸

    3.9
    1巻1,650円 (税込)
    十一歳で夭逝した天才作家の評伝を親友が書く。捨てられた遊園地、マンガ、アニメ映画、少女への恋……。ダークで狂熱的なコドモの世界を、幾重もの仕掛けで描いた傑作。

ユーザーレビュー

  • ナイフ投げ師

    Posted by ブクログ

    誰かの人生に、どこかの社会に、ふと立ち現れる蠱惑的で異質なもの。それは時に熱狂を、時に不安をまきおこしながら、人々の心を侵食していく。

    というふうに読んだが、まずこの短編集そのものがとびきり異質である。なんというか、物語世界に入るというより、このような虚構の世界を作り出した情熱と技の方に驚嘆してしまうのだ。もちろんどんな物語も多かれ少なかれ虚構の世界であるわけだが、それでもそこには「本当のこととして読む」という約束事があるように思う。ここにはそんな約束事は存在しない。それどころか「書かれていることはすべて絵空事であり、そのことは書き手も読み手も百も承知」という風情が色濃く漂っている。
    この感じは「架空の街の詳細な地図」や「存在しない植物の図鑑」によく似ている。つまりこれらの作品は本当は「物語」でも「小説」でもないのではないか。「架空の歴史」「架空の年代記」とでもいうべきものではないか。そう思うと実にしっくり来る。

    が、ではそれは結局物語とは違うのか、と言われると今のところ答えが出ない。なんだか、大変な作品に出会ってしまった。

    0
    2026年10月09日
  • エドウィン・マルハウス

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    描写力がすごい。キャッチャー・イン・ザ・ライみたいな多くの人がぶち当たるある時期の感情のもつれとかとは違ってターニングポイントにすらならずに忘れ去られた子供時代をよくあそこまで表現できるなと思った。

    ----ここからネタバレ----

    エドウィンが撃つフリして目を開けたことによって安堵するよりも伝記を書くためのプロットを完成させることを厭わなかったジェフかなりやばい

    あと表向きには多くの人が忘れ去ってしまった子供時代の感性を忘れることなく保ち続けたエドウィンの人生と作品話なんだろうけど、ジェフがそこから外れることを許さなかったという感じがするんだよなぁ
    ローズ・ドーンやアーノルドからの影響を危惧してたり、恋に落ちたとなれば相手が誰かと気にしたり…

    ジェフが、エドウィンがこの世を去ったあとも揶揄われ続けてるような気がするの、自分が書いた伝記をエドウィンにほらみろって見せられないからじゃないのか
    途中途中に出てきたエドウィンが伝記を嘲笑する描写に本人の前じゃなくて作品のなかで反論してたからずっとモヤってるんやろ?

    0
    2022年12月03日
  • エドウィン・マルハウス

    Posted by ブクログ

    翻訳家の岸本佐知子さんは自分が翻訳した本はすべて「傑作だ!」と思いながら訳すそうだが、中でもイチ押しがこの本だとか。さもありなん‼︎こども時代、怖がりで移り気で(時に意地悪だった)自分自身の様々な遠い記憶が容赦なく掘り起こされたようで…今ここに居るのがふしぎに思える。
    忘れられない一冊になりそうです。
    (岸本佐知子さんの訳が素晴らしい‼︎)

    0
    2021年05月15日
  • エドウィン・マルハウス

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    私が読んだのは、単行本で「エドウィン・マルハウス―あるアメリカ作家の生と死」(2003/8)だったけど、文庫化にあたってタイトルが短くなったのが、エレンディラ同様に寂しい。
    岸本佐知子は悪くない。

    0
    2018年10月17日
  • エドウィン・マルハウス

    Posted by ブクログ

    描写がくどくて読むのがつらい小説だった。

    しかし、途中、エドウィンの死が決まり、これは小説を覆す反小説だと確信できたところ、全てがスルスルと飲み込めた。

    なんと野心的な作品だろうか。
    晦渋な小説内小説、小説内批評などを駆使しながら、死をも虚構する小説の見えざる虚構性を突き崩してしまっている。

    0
    2018年07月14日

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