【感想・ネタバレ】ナイフ投げ師のレビュー

あらすじ

天才的な腕前を誇るナイフ投げ師が、私たちの町にやってきた! 彼の名はヘンシュ。それまでいかなるナイフ投げ師も越えなかった一線を越えたことで、その名声を築き上げたのだ。公演の日、噂に聞いたヘンシュの投げ技は、徐々に趣向をエスカレートさせ……(表題作)。夜、私たちの町では、少女たちの秘密結社が妖しい儀式を開くという。風聞や関係者の証言によっても、結社の真の姿は判然とせず……(「夜の姉妹団」)。自動人形、空飛ぶ絨毯、地下世界――精密な文章により現実から飛翔するミルハウザーの魔法のごとき十二篇を、名手の翻訳で贈る。/【目次】ナイフ投げ師/ある訪問/夜の姉妹団/出口/空飛ぶ絨毯/新自動人形劇場/月の光/協会の夢/気球飛行、一八七〇年/パラダイス・パーク/カスパー・ハウザーは語る/私たちの町の地下室の下/訳者あとがき/創元文芸文庫版訳者あとがき/解説=藤野可織

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

初っ端の表題作の異常な緊張感から一気に引き込まれてしまった。
現実と虚構が溶け合っていく瞬間がたまらないのだけど、かと思えば実話ベースの話があるのも面白い。
段々と、語り手が“私たち”だと嬉しくなっちゃうようになってしまいました

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2025年10月01日

Posted by ブクログ

ほんとうにただごとではない密度。文字に埋め尽くされたページ、底なしに秀逸な文章。質が高いとしか言えねえよ。不安がつきまとう夢みたいなお話たち、とてもよかった。不思議で、薄気味悪くて、心当たりがないのに懐かしいような気さえしてくる。『協会の夢』『パラダイス・パーク』この上なく想像力が掻き立てられたし、『ある訪問』好みすぎてたまらんかった。満足感えぐ。

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2025年08月22日

Posted by ブクログ

細部が犇めく濃密な短編集。非現実的な出来事がシームレスに現実へと滑り込むが、その文体は数学のように精緻でエレガント。究極のナイフ投げ芸が行われる表題作に惹き込まれ、少女たちの秘密結社への様々な憶測が流れる『夜の姉妹団』に唸り、自動人形劇場だらけの町を描く『新自動人形劇場』に魅了され… 全12作が高い完成度で、短編ならでは魅力に浸る。

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2025年08月07日

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