稲葉振一郎の作品一覧
「稲葉振一郎」の「危機の時代に読み解く『風の谷のナウシカ』」「宇宙・動物・資本主義」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
「稲葉振一郎」の「危機の時代に読み解く『風の谷のナウシカ』」「宇宙・動物・資本主義」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
Posted by ブクログ
「長期主義」を中心に人類の未来の可能性についての哲学的倫理学の観点からの考察を紹介した書。「長期主義」とは、我々は人類とその後継者の、未来における可能な限り長期の存続と繁栄を目標とすべきだ、と主張し、そのためには何が必要か、を考える、応用倫理学上の新しいアプローチ。
第1章では、長期主義は功利主義倫理学の応用として発展してきた、という経緯を、ピーター・シンガーによる効果的利他主義とデレク・パーフィットによる世代間倫理学の刷新に焦点を当てて説明。
第2章では、「スーパーインテリジェンス論」や「シミュレーション論法」で著名なニック・ボストロムの「存亡リスク」論もまた長期主義の前提となっていることを説明。
第3章では、長期主義の理論的核心と隣接する「加速主義」と「効果的加速主義」を紹介。
第4章では動物倫理学、第5章では「いとわしい問題」第6章では「非同一性問題」を紹介。
第7章ではボストロムが「存亡リスク」を切り抜けるには不可欠という「シングルトン(人類社会全体を統括しうる意思決定機関)」について考察。
第8章では「フェルミ・パラドックス」第9章では「暗黒森林理論」、第10章では恒星間宇宙に進出する積極的な理由について考察。
本書のスコープとなる事柄については興味はあったものの倫理学的な議論についてまとまった解説を読んだことはなく、非常に参考になった。著者の知識の豊富さや関心の幅広さにも敬意を覚えた。
【目次】
はじめに
1 『風の谷のナウシカ』と考える超未来
2 長期主義とは何か?
第一章 最大多数の最大幸福
1 長期主義はどこからやってきたのか?:ピーター・シンガーと功利主義の革新
2 未来のための行いが未来のためになるとは限らない:デレク・パーフィットと世代間倫理
第二章 人類が滅びる可能性
1 ニック・ボストロムと存亡リスク
2 カタストロフ保険はありうるか?
3 ポストヒューマン時代
第三章 未来への対立軸
1 道徳哲学における長期主義
2 加速主義とテクノ・リバタリアン
3 これは新しい優生学か?
第四章 動物たちの未来と反出生主義
1 奴隷的存在は生まれてこない方がよかったのか?
2 動物・AI・人造人間の尊厳
第五章 倫理は常識に合致するか?
1 功利主義と不平等
2 「いとわしい結論」
3 未来のために現在を犠牲にするべきか?
第六章 あなたが存在する世界と非同一性問題
1 枝分かれする世界線
2 道徳か、人生の意味か?
3 不死は悪か?
第七章 シングルトンの困難
1 ノーマル・アクシデント
2 宇宙へのエクソダス?
第八章 宇宙には他に誰かいるのか?
1 フェルミ・パラドックス
2 この世界はシミュレーションか?
第九章 本当に人類は宇宙に出ていいのか?
1 引きこもり文明
2 暗黒森林理論
第十章 それでも宇宙を目指す意味
1 星間文明
補論 星間スーパーコンピューター
2 分岐する人類
おわりに 現在と未来
1 まとめ
2 『風の谷のナウシカ』と考える現在
3 終末なき終末論
注
あとがき
Posted by ブクログ
昨年のコロナ禍の下で、取り組もうと思った「働くこと」についての本の読みつなぎ、こんな難しい本にまで届いてしまっています。題名に「AI時代〜」とは付いていますが、2014年のマイケル・A・オズボーン准教授らの論文『雇用の未来ーコンピューター化によって仕事は失われるのか』的な職業の浮き沈みの話ではなくて、そもそも「労働とはなにか?」という基礎の確認を行う、とても教科書として有効な本です。なので、アダム・スミス、ヘーゲル、ロック、マルクスまで遡っています。そこで、明らかにされるのは資本主義における「生産要素市場」の意味みたいなことになって、大きくピケティの『21世紀の資本』や斎藤幸平『人新世の「資本論」』という最近の読書も横糸として編み合わされてきます。一回読んで、理解出来ていないところ、多々ですが、自分が今、もやもや感じていることのアウトラインはこの薄い本に示されているような気がしています。もう一回。