「資本」論 ――取引する身体/取引される身体

「資本」論 ――取引する身体/取引される身体

825円 (税込)

4pt

3.7

「私的所有」が制度化され、市場経済が発展し、資本主義の秩序が支配する世界は、それ以前の「自然」な状態よりも、おおむね有益である。だがそうした世界は不平等や労働疎外をも生みだす。それでもなお、私たちはこの世界に踏みとどまるべきであり、所有も市場も捨て去ってはならない。本書はその根拠を示し、無産者であれ難民であれ「持たざる者=剥き出しの生」として扱われることがないよう、「労働力=人的資本」の所有者として見なすべきことを提唱する。「所有」「市場」「資本」等の重要概念を根本から考察した末に示されるこうした論点は、これからの社会を考える上で示唆に富む。

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「資本」論 ――取引する身体/取引される身体 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2013年06月11日

    「自由な雇用労働が保証するのは、暴力や強制からの解放であって、健康で安全な生存ではない。」

     はるか昔では社会ってのは資本(土地とか金とか)をベースに作られていて、そういった物を持つ人間のみが働き、そして生活する場だった。自給自足的な生活ではそれが一般的だった。そして、それ以外の持たざる者は蚊帳...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年09月13日

    労働力以外に売るものを持たない人々を「剥き出しの生」として扱われることから守るためには、労働力という人的資本の所有者とみなす擬制に基づいて、社会のセーフティ・ネットを基礎づけようとする試みです。

    本書の議論は、ホッブズやロック、ルソーによって論じられ、ヒュームによって批判された「自然状態」という概...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    「資本」論というタイトルに偽りあり。正しくは「資本論」論。マルクスの「資本論」とそれ以前のホッブスやルソーらの概念を比較していく。「資本論」研究としては薄いが、入門書としてはややとっつきにくい

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    安価で入手しやすくコンパクトである、ということについては言うことは無い。内容は社会契約論からマルクスまでの道を噛みくだいで説明していく、というものだが、重箱の隅をつつくようなところもあり、その都度他の入門書なども参照しなければならないので、難易度は思ったよりも高い。各章ごとに論点がまとまっているので...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2014年10月27日

    [ 内容 ]
    「私的所有」が制度化され、市場経済が発展し、資本主義の秩序が支配する世界は、それ以前の「自然」な状態よりも、おおむね有益である。
    だがそうした世界は不平等や労働疎外をも生みだす。
    それでもなお、私たちはこの世界に踏みとどまるべきであり、所有も市場も捨て去ってはならない。
    本書はその根拠...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    資本主義は不平等や疎外を生み出すシステムだけど、それに代わるものとしてマルクス主義のように新しいシステムを構想するのではなく、持たざるものは「労働力=人的資本」を所有する者として、このシステムに留まるべきだ――ということを、ホッブズやロックの社会契約論を参照しながら、所有、市場、資本など資本主義を構...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    過去の著名な経済学者の論拠の説明とそれに対する著者なりの意見が述べられています。少々難解で私には難しい内容でした・・・

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