稲葉振一郎のレビュー一覧

  • 滅亡するかもしれない人類のための倫理学 長期主義・トランスヒューマン・宇宙進出

    Posted by ブクログ

    「長期主義」を中心に人類の未来の可能性についての哲学的倫理学の観点からの考察を紹介した書。「長期主義」とは、我々は人類とその後継者の、未来における可能な限り長期の存続と繁栄を目標とすべきだ、と主張し、そのためには何が必要か、を考える、応用倫理学上の新しいアプローチ。
    第1章では、長期主義は功利主義倫理学の応用として発展してきた、という経緯を、ピーター・シンガーによる効果的利他主義とデレク・パーフィットによる世代間倫理学の刷新に焦点を当てて説明。
    第2章では、「スーパーインテリジェンス論」や「シミュレーション論法」で著名なニック・ボストロムの「存亡リスク」論もまた長期主義の前提となっていることを

    0
    2025年10月20日
  • 危機の時代に読み解く『風の谷のナウシカ』

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ナウシカ、エヴァ、進撃の巨人の関連性を知れた。4分の1ほどまでしか精読できていないため、3点の作品の何かを掴めたら再度読むといいだろう。
    世界、戦争、思想。

    0
    2024年12月02日
  • 危機の時代に読み解く『風の谷のナウシカ』

    Posted by ブクログ

    いかに漫画版「ナウシカ」が奥深い作品かという事を様々な方が語っています。
    この本を読んでいる最中は常に、「ナウシカ」を読み返したくなってしまいます。その欲求に抗いつつなんとか読み終えました。
    …さて、漫画版「ナウシカ」を出してきますか!

    0
    2024年05月21日
  • 危機の時代に読み解く『風の谷のナウシカ』

    Posted by ブクログ

    何年も前に読んだナウシカをまた読みたくなったきっかけだった。
    こんなに深い視点がいっぱい詰まった作品だったとは思わなかった。当時読んだ時は20代前半でまだ世の中の現実や厳しさなどほとんど知らない世界で過ごしていたためか、ほとんど心に残っていなかった。というよりも理解できていなかったのだと思う。
    もう一度ナウシカを読み始めて、同時にこの本も読んでたくさんの人の考察を見ると、全然見える世界が変わった。
    本書の誰かも書かれていたけれど、過去に読んだ時と別にもう一度読み直すと見える世界が違う。まさに自分もそうだった。

    0
    2023年06月06日
  • AI時代の労働の哲学

    Posted by ブクログ

    昨年のコロナ禍の下で、取り組もうと思った「働くこと」についての本の読みつなぎ、こんな難しい本にまで届いてしまっています。題名に「AI時代〜」とは付いていますが、2014年のマイケル・A・オズボーン准教授らの論文『雇用の未来ーコンピューター化によって仕事は失われるのか』的な職業の浮き沈みの話ではなくて、そもそも「労働とはなにか?」という基礎の確認を行う、とても教科書として有効な本です。なので、アダム・スミス、ヘーゲル、ロック、マルクスまで遡っています。そこで、明らかにされるのは資本主義における「生産要素市場」の意味みたいなことになって、大きくピケティの『21世紀の資本』や斎藤幸平『人新世の「資本

    0
    2021年07月25日
  • 社会学入門・中級編

    Posted by ブクログ

    入門編的な本はたくさん読んだので、社会学の知の上澄みは知ってきたが、実際どういう調査や因果論を経てあのような理論が打ち立てられたのかは、入門編には書いていないので、この中級編も大変勉強になった。
    個人的に勉強中の実験計画法と、以前から好きだった社会学、因果論がここで三位一体となり、頭の中で『十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない』というSFの味わいで発酵している。

    0
    2021年07月05日
  • 「資本」論 ――取引する身体/取引される身体

    Posted by ブクログ

    「自由な雇用労働が保証するのは、暴力や強制からの解放であって、健康で安全な生存ではない。」

     はるか昔では社会ってのは資本(土地とか金とか)をベースに作られていて、そういった物を持つ人間のみが働き、そして生活する場だった。自給自足的な生活ではそれが一般的だった。そして、それ以外の持たざる者は蚊帳の外だと考えられていた。国家は「人」ではなく「資本」の集まりだと捉えられていた。
     それから時が過ぎ、産業の発展によって資本を一切持たない労働者階級が台頭してきた。そして市場経済が不動だった資本までもを動かすようになり、「所有」に関する考え方も大きく変わってきた。僕たちの労働には何らかの価値なり効

    0
    2013年06月11日
  • 増補 経済学という教養

    Posted by ブクログ

    文系で最も科学的と言われる経済学だが、考え方や処方せんが論者によって真っ向から対立することもしばしば。そんなよくわからない経済学の見取図として、おすすめの良書。

    0
    2011年01月18日
  • 増補 経済学という教養

    Posted by ブクログ

    人文系の人(経済学の素人)が素人のために書いた経済学の本。で個人的には初めての経済学の本。
    自身が素人であることを断った上でどの理論にも依ることなく俯瞰的な立場で経済学を論じる。
    現代思想をメインステージに活動する著者らしいので文章展開もそれらしく教科書的でない風な点で面白く読める。直接の経済学とは繋がりそうにない「平等と不平等」をテーマにした導入部がユニークであるように思った。
    簡潔に紹介されるミクロ経済とマクロ経済の関係がいまいちピンとこないままゴリゴリと進まざるを得なくなり(実際に文中で参考図書の紹介が多く、深入りしにくいところはそれでスルーしている)あらためて論理的思考を必要とする読書

    0
    2009年10月04日
  • 滅亡するかもしれない人類のための倫理学 長期主義・トランスヒューマン・宇宙進出

    Posted by ブクログ

    「核戦争や気候変動などで向こう数百年の間に人類が滅亡する可能性は無視し難いほど高いが、そこを切り抜けられれば、人類に敵対的ではないような超AIを活用して高度な問題解決能力を得て、地球以外、外宇宙にも、その生存圏を広げて、そう簡単には滅亡しなくなる〔…〕その意味でも存亡リスク論は長期主義にとって不可欠の契機をなしている。」P52

    要約は結構上の文章な気がする。

    総量説や存在先行説といった功利主義のバージョンから、カント的倫理学、徳倫理学など我々の持ちうる「幸福」の哲学を抑え、人類という種が今後何百万年というスケールで繁栄していくことは、果たして善なのか、現代に生きる我々は、将来世代のために何

    0
    2026年02月09日
  • AI時代の労働の哲学

    Posted by ブクログ

    経済の構造について述べた本。理系の書というよりは文系に内容が寄った書である。
    AIが導入されることで結局世の中ってどのように変わるの?という点をマルクスなどを引用しつつ考察していく。マルクスのいう資本に知識を当てはめたり、機械化をAIに当てはめるなどの応用をしていくさまが見ていて楽しかった。
    AIが発展していっても、結局その影響としては産業革命による機械化のときの影響の延長線上であるという点が自分にはない発想であった。結局のところ、AIが導入されることで生じることは、AIによる雇用減とAIによる生産性増大のみである。後者の影響が前者を上回れば問題としては生じないというスタンス。ただ、後者の利益

    0
    2024年12月24日
  • 危機の時代に読み解く『風の谷のナウシカ』

    Posted by ブクログ

    序章
    鈴木敏夫 スタジオジプリプロデューサー
     鈴木敏夫は「風の谷のナウシカ」の制作背景やそのテーマについて語っている。彼は、作品が発表された当時の社会的・環境的状況がどのように影響を与えたのかを考察し、ナウシカというキャラクターが持つ強い意志や優しさが、現代においても重要なメッセージを持っていることを強調している。
     風の谷のナウシカの題材は『新諸国物語』(NHK ドラマ1952年)。

     ナウシカが旅をして、見聞きしたものによって、読者が世界の秘密を知っていく。宮崎駿は「勧善懲悪」が好きで、それが「自然を守る人がいいひとで、自然を破壊するのは悪人」と言う物語にした。
     赤坂憲雄の『ナウシカ

    0
    2024年12月22日
  • 危機の時代に読み解く『風の谷のナウシカ』

    Posted by ブクログ

    マンガのナウシカは、最後の方の記憶がなく、途中までしか読んでいないかもしれない。
    改めて読み直そうと思う。
    読んでいても読んでいなくても面白かったが、自分はここまで考えながら読めなかったから、途中までしか読んでないのだろうと思った。

    0
    2024年12月01日
  • 危機の時代に読み解く『風の谷のナウシカ』

    Posted by ブクログ

    いろんな解釈があってほんとうに面白い。
    ナウシカの原作再読したくなった。
    闇の中にも光があって、完全な世界よりも、いつかは滅びるかもしれない世界、それがまたいい。

    0
    2024年10月05日
  • 社会学はどこから来てどこへ行くのか

    Posted by ブクログ

    現代社会学を巡る3つの潮流である質的調査・量的調査・理論をそれぞれ代表する社会学者に、どちらかというと社会思想史の研究者としての色合いが濃い稲葉振一郎を加え、それぞれの鼎談によって構成された一冊。

    社会学に対して多少なりとも興味関心がある人でないと全く面白く感じない本だとは思うが、登場する社会学者はみな、現代の日本の社会学におけるトップクラスの論客たちであり、知的な刺激は大いに得られる。

    大きく印象に残ったのは2点。
    北田暁大氏については私が大学生だったときから既に若手論客として名を馳せており、何の本に収められた論考だったかは全く忘れてしまったのだが、「社会的な問題にコミットする」という姿

    0
    2021年06月20日
  • 社会学はどこから来てどこへ行くのか

    Posted by ブクログ

    社会学のイメージって、手広くやってるけど、実際学問として何やるの?くらいしか分かってなかった自分……。

    量的調査と質的調査の相いれなさと希望に何度か言及する所が印象に残ったかな。
    状況を捉えようと思えば、サンプルの量が必要で、そこからこうですよねって導き出すのが量的。
    けれど、そのサンプルがたとえば100集めてこうですって言ったとして、別の100集めたら別の結果や意味が生まれたとしたら。(そうならないようにされているんだけども)
    一人一人の感じてきたこと、考えてきたことは、同じ状況であっても違うんじゃないか。それなら、一人の語りを深く掘り下げることで、背景に見えてくるものがある、とするのが質

    0
    2020年11月08日
  • 社会学はどこから来てどこへ行くのか

    Posted by ブクログ

    凄いボリュームの本なので圧倒されてしまいますが、頑張って読んでみて欲しい本です。岸政彦さんの文章から感じるやさしさが好きで、それがいったいどこからきているのか少しわかった様な気がしました。

    0
    2020年03月24日
  • 社会学入門・中級編

    Posted by ブクログ

    社会学と他の学問との対置など詳しく論じられている。何をもって社会学で研究をするのかなどに迷われている方にオススメ。デイヴィッドソンの哲学のとこらは、理解するのに時間がかかり難しかった。

    0
    2019年05月11日
  • 社会学はどこから来てどこへ行くのか

    Posted by ブクログ


    社会学を専攻していないとわからない”雰囲気”はあるものの,問題の骨子は刺激的。

    たとえば,事例研究における代表性をどう考えるか?というトピックは社会学だけに留まらないであろう。

    対話記録であるため,会話感覚で読めるのも本書の良いところ。サクサク読めてしまう。

    しかし,内容の深みはあるので,しばらく知識をつけた後に読み返すと,また違った感想を抱くような気がする。

    ちなみに,著者らの情報量(知識)がすごすぎて圧巻,もっと勉強しなければと思わされました。

    0
    2019年04月17日
  • 「資本」論 ――取引する身体/取引される身体

    Posted by ブクログ

    労働力以外に売るものを持たない人々を「剥き出しの生」として扱われることから守るためには、労働力という人的資本の所有者とみなす擬制に基づいて、社会のセーフティ・ネットを基礎づけようとする試みです。

    本書の議論は、ホッブズやロック、ルソーによって論じられ、ヒュームによって批判された「自然状態」という概念や、アダム・スミスによって論じられた「市場」、さらに「資本」と「労働」の関係について論じたマルクスらの仕事を解説するという形で進められていきます。著者は、ホッブズとロックの「自然状態」の理解の相違を、エコロジカルな条件の相違によって一つの見取り図の中に位置づけようとします。さらに、ヒュームの「コン

    0
    2017年09月13日