作品一覧

  • 調査する人生
    5.0
    1巻2,530円 (税込)
    長い年月をかけて対象となる社会に深く入り込み,そこで暮らす人びとの人生や生活を描くフィールドワーカーたちは,自分たちの人生もまた調査に費やしている.生活史調査で知られる著者が,打越正行,齋藤直子,丸山里美,石岡丈昇,上間陽子,朴沙羅の卓越した6人のフィールドワーカーたちと「調査する人生」を語り合う.

    試し読み

    フォロー
  • 大阪の生活史
    5.0
    150人が語り、150人が聞いた大阪の人生。大阪に生きる人びとの膨大な語りを1冊に収録した、かつてないスケールで編まれたインタビュー集。
  • 大阪
    4.4
    1巻924円 (税込)
    大阪へ来た人、大阪を出た人――かつていた場所と今いる場所が「私」を通して交差する。街と人の呼吸を活写した初共著エッセイ。文庫化にあたって書き下ろし収録。解説:西加奈子
  • にがにが日記
    4.2
    1巻2,200円 (税込)
    生活史研究で知られ、大阪と沖縄、そして音楽に魅せられた社会学者が綴る、発見と内省、諧謔と哀切に満ちた日記。ウェブマガジン「考える人」の人気連載に、最愛の猫とのかけがえのない日々を書き下ろした「おはぎ日記」を併録。
  • 沖縄の生活史
    5.0
    2022年5月に、日本復帰50年を迎えた沖縄。これを節目として、沖縄の歴史とともに生きてきた人々の来し方を聞き取って文章に残そう、という沖縄タイムス社の企画が結実したのが本書である。沖縄タイムス紙上での募集に応えた「聞き手」たちが、それぞれ思い思いの「語り手」を選び、その人生を聞き取って生活史として仕上げた。紙上に、およそ半年以上にわたって連載された85篇に加え、新聞には掲載しなかった15篇を合わせた、計100篇の生活史がここにまとめられている。巻頭と巻末にはそれぞれ、監修者のまえがき、あとがきを収録する。「私は本書のどの語りの、どの部分を読んでも、深い感慨と感動をおぼえます。ここには語り手たちが経験した「沖縄の戦後」が、確かに存在するのです」(岸政彦、まえがきより)「数多くの沖縄の人たちから聞き取りしてきたにもかかわらず、庶民の生活の奥深くに分け入り、心の襞に触れるところまでは、聞き取りはしていなかったか、と思わざるを得ない語りにも出会えました」(石原昌家、あとがきより)
  • 所有とは何か ヒト・社会・資本主義の根源
    3.0
    1巻2,310円 (税込)
    本やスマホ、土地や家屋、雇用や資産。自分のモノとして持っていることが「所有」であり、衣食住や商品取引、資本主義の原点である。こんにちシェアやレンタルがあるのに、ヒトは所有せずにいられない。他方でヒトの自由を守る所有権が、富の偏在を生む元凶となっている。なぜだろうか? 経済学や社会学、人類学の最新知見をふまえ、所有(権)の謎をひもとき、人間の本性や社会の成立過程、資本主義の矛盾を捉えなおす意欲作。
  • 東京の生活史
    4.4
    「150人が語り、150人が聞いた、東京の人生」。いまを生きるひとびとの膨大な語りを一冊に収録した、かつてないスケールで編まれたインタビュー集。
  • リリアン
    4.0
    1巻1,815円 (税込)
    街外れで暮らすジャズベーシストの男と、場末の飲み屋で知り合った年上の女。スティービー・ワンダーの名曲に導かれた二人の会話が重なりあい、大阪の片隅で生きる陰影に満ちた人生を淡く映し出す。表題作の他、女性のひとり語りの短篇「大阪の西は全部海」を収めた、話題の社会学者による哀感あふれる都市小説集。
  • 図書室
    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    定職も貯金もある。一人暮らしだけど不満はない。ただ、近頃は老いを意識することが多い。そして思い出されるのは、小学生の頃に通った、あの古い公民館の小さな図書室――大阪でつましく暮らす中年女性の半生を描いた、温もりと抒情に満ちた三島賞候補作。社会学者の著者が同じ大阪での人生を綴る書下ろしエッセイを併録。
  • 社会学はどこから来てどこへ行くのか
    3.6
    1巻2,420円 (税込)
    地道な社会調査の労苦と豊穣さ、学史・理論研究の凄み、そして研究者から見た現代社会の問題点とその理解経路について、侃々諤々の議論をそのまま一冊に収録した数年間におよぶ白熱の対話記録。社会学の到達点と展望を楽しみながら読み、考え、共有してほしい。
  • 質的社会調査の方法――他者の合理性の理解社会学
    4.4
    1巻2,090円 (税込)
    「他者を理解する」とは、どのようなことなのだろう。社会調査がますます重要視されるなか、第一線で活躍する研究者が手の内をすべて明かし、質的調査の醍醐味を伝える。初学者から一般読者まで、読みながら熱気とおもしろさを体感できる、新しい教科書。
  • 大阪・釜ヶ崎、沖縄――政治に揺れる街の声
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 芥川賞・三島賞の候補者にして「質的社会調査」の再提唱者として注目される社会学者・岸政彦さんと、大阪・釜ヶ崎の貧困問題について『貧困と地域』にまとめた白波瀬達也さんが、大阪、沖縄で見聞きした人びとの声、社会の成り立ちと、その問題について語った。
  • ビニール傘
    3.9
    1巻1,232円 (税込)
    侘しさ、人恋しさ、明日をも知れぬ不安感。大阪の片隅で暮らす、若く貧しい“俺”と“私”(「ビニール傘」)。誰にでも脳のなかに小さな部屋があって、なにかつらいことがあるとそこに閉じこもる――。巨大な喪失を抱えた男の痛切な心象風景(「背中の月」)。絶望と向き合い、それでも生きようとする人に静かに寄り添う、二つの物語。
  • 断片的なものの社会学
    4.6
    1巻1,510円 (税込)
    ★紀伊國屋じんぶん大賞2016受賞! ------------------------------ 一生に一度はこういう本を書いてみたいと感じるような書でした。――星野智幸さん この本は、奇妙な「外部」に読者を連れていく。 大冒険ではない。奇妙に断片的なシーンの集まりとしての社会。一瞬きらめく違和感。 それらを映画的につないでいく著者の編集技術には、ズルさを感じもする。美しすぎる。 ――千葉雅也さん これはまず第一に、無類に面白い書物である。(…) 語る人たちに、共感ではなく理解をベースにひたすら寄り添おうとするスタンスは、 著者が本物の「社会学者」であることを端的に伝えている。─―佐々木敦さん(北海道新聞) 読み進めてすぐに、作者の物事と出来事の捉え方に、すっかり魅せられた。――唯川恵さん(読売新聞) 社会は、断片が断片のまま尊重されるほど複雑でうつくしい輝きを放つと 教わった。─―平松洋子さん(東京人) ------------------------ 「この本は何も教えてはくれない。 ただ深く豊かに惑うだけだ。 そしてずっと、黙ってそばにいてくれる。 小石や犬のように。 私はこの本を必要としている」――星野智幸さん ------------------------ どんな人でもいろいろな「語り」をその内側に持っていて、その平凡さや普通さ、その「何事もなさ」に触れるだけで、胸をかきむしられるような気持ちになる。 梅田の繁華街ですれちがう厖大な数の人びとが、それぞれに「何事もない、普通の」物語を生きている。 小石も、ブログも、犬の死も、すぐに私の解釈や理解をすり抜けてしまう。それらはただそこにある。[…] 社会学者としては失格かもしれないが、いつかそうした「分析できないもの」ばかりを集めた本を書きたいと思っていた。(本文より)
  • 図書室

    Posted by ブクログ

    すごく濃密な時間を過ごしたのに連絡先も交換せず、二度と会わなかった二人。なのに、名前も知らないただすれ違っただけのワンカップおじさんのことはなぜかいつまでも鮮明に覚えている。そういう綾が人の一生には縦横無尽に張り巡らされている。われ知らずとも。これが表題作『図書室』にも、続くエッセイの『給水塔』にも、通底しているテーマだと思った。自分の中の、二度と会わなかった人、忘れ得ない名も知らぬ人を数えて読後感をしばらくかみしめよう。

    印象的だったのは、『図書室』のふたりの会話。内容は年相応でありながら、なんだか名人芸の上方漫才を聴いているようで、絶妙だった。いとこい師匠(夢路いとし・喜味こいし)が笑い

    0
    2025年02月03日
  • 調査する人生

    Posted by ブクログ

    『断片的なものの社会学』で「質的調査」に出会って以来、著者の新刊やTwitterを追いかけてきた。そのせいか、本書で対談した6人のフィールドワーカー全員の名前は勿論、人となりだとか引用されたエピソードの数々がいろいろと数珠つなぎに思い出され、まるで私自身が現在進行形で配信を見ているような‥不思議な感覚で一気に読み終えてしまった。それにしても‥親しかった仲間から“打越正行を追悼しない”会で見送られるとは‥なんと短くも豊かな人生だったか!

    0
    2025年02月01日
  • 調査する人生

    Posted by ブクログ

    社会学、生活史、エスノグラフィー。人の生活、声、ヴォイスからしか見えてこない、わからないものが確かにある。

    昔働いていた職場で、沖縄出身の人がいた。基本的には明るい青年だったが、ある時から確実に目が死んでいた。そうしてふっと会社を辞めていった。岸先生の話の一部を読んで「そういうことだったのかもしれない」とも思う。

    部落問題やヤンキーと地元、暴走族や日雇いの建築現場など、様々な生活を文字通り人生をかけて体当たり?で話を聴いてきた方達の話。リアリティがありすぎてすぐには消化出来ない感じがまた頁をめくらせる。

    本を読むことは、自分以外の誰かの、もう一つの人生や生活を追体験することとある意味では

    0
    2025年01月30日
  • 断片的なものの社会学

    Posted by ブクログ

    大学で習った社会学とは違って、断片的で、ありのままで、でも語りの奥にその人の生活は続いていることが感じられた。中学も卒業せず風俗のキャッチをはじめ、最高級のクラブのホステスになって一流大学をでた人やブ人の話が面白かった。開店資金を出してもらったり、あるいはもっとストレートに愛人になる道を選ぶ人が多いが、一流大学をでた人やブラックカードを持つ人の相手をするうちに自分もそっち側の人間になろうと、思ったらしい。
    確かに女子学生は綺麗なウエディングドレスを着てみんなにおめでとうと言ってもらえる結婚というものに憧れがある人が多いみたいだし、結婚式は幸せなものだというイメージがあるし、結婚式では一日でも早

    0
    2025年01月15日
  • 断片的なものの社会学

    Posted by ブクログ

    久々にこんなに面白い本を読んだ。

    社会学者として、インタビューしてきた無数の人々の語りを「分析すること」の暴力性に言及した上で、「誰にも隠されていないが、誰の目にも触れない」事象について、散文的、あるいは映画的に描写している。安易な物語を回避して、偶然の中に意味を捉えず、そのものに近づこうとする。

    この本を読んで何か得られるわけではない。ただ、意味や教訓はないがかけがえもなく、無数に存在する「普通」の面白さに触れた。

    0
    2025年01月12日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!