断片的なものの社会学

断片的なものの社会学

1,510円 (税込)

7pt

★紀伊國屋じんぶん大賞2016受賞!
------------------------------

一生に一度はこういう本を書いてみたいと感じるような書でした。――星野智幸さん

この本は、奇妙な「外部」に読者を連れていく。
大冒険ではない。奇妙に断片的なシーンの集まりとしての社会。一瞬きらめく違和感。
それらを映画的につないでいく著者の編集技術には、ズルさを感じもする。美しすぎる。 ――千葉雅也さん

これはまず第一に、無類に面白い書物である。(…)
語る人たちに、共感ではなく理解をベースにひたすら寄り添おうとするスタンスは、
著者が本物の「社会学者」であることを端的に伝えている。─―佐々木敦さん(北海道新聞)

読み進めてすぐに、作者の物事と出来事の捉え方に、すっかり魅せられた。――唯川恵さん(読売新聞)

社会は、断片が断片のまま尊重されるほど複雑でうつくしい輝きを放つと
教わった。─―平松洋子さん(東京人)

------------------------
「この本は何も教えてはくれない。
ただ深く豊かに惑うだけだ。
そしてずっと、黙ってそばにいてくれる。
小石や犬のように。
私はこの本を必要としている」――星野智幸さん
------------------------
どんな人でもいろいろな「語り」をその内側に持っていて、その平凡さや普通さ、その「何事もなさ」に触れるだけで、胸をかきむしられるような気持ちになる。
梅田の繁華街ですれちがう厖大な数の人びとが、それぞれに「何事もない、普通の」物語を生きている。

小石も、ブログも、犬の死も、すぐに私の解釈や理解をすり抜けてしまう。それらはただそこにある。[…]
社会学者としては失格かもしれないが、いつかそうした「分析できないもの」ばかりを集めた本を書きたいと思っていた。(本文より)

...続きを読む

詳しい情報を見る

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

断片的なものの社会学 のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    分析しきれない、生活の断片たち。
    きっと、そこには人が言葉にできない想いが集まっている。
    それを愛しみ、面白がり、ときに苦さを味わうことこそ、生きるってことなのかもしれない。

    0
    2025年06月05日

    Posted by ブクログ

    「普通」という言葉のもつ暴力性。これ読んで真っ先に朝井リョウの「正欲」を思い浮かべた。ものごとの考え方、見方に少なからず影響を与える本だと思う。「多様性」という言葉は善意から語られることが多いと思うけど、同時にその言葉自体がラベリングをつくりだしてるという現状にはあまり目を向けられていない。どんな人

    0
    2025年05月24日

    Posted by ブクログ

    先に『調査する人生』を読んでしまっていたがこちらもとても印象に残るインパクトのある一冊だった。特に後半の「普通であることの意思」や「自分を差し出す」が印象的だった。

    マイノリティの話題で在日コリアンを例に社会にある「普通」とは何かをとても考えさせられる。

    「一方に「在日コリアンという経験」があり

    0
    2025年05月20日

    Posted by ブクログ

    実際に存在するけど、それを気に留め書き留める人がほとんどいないようなことを書き連ねていて、不思議な吸引力がある一冊。

    著者のいう「断片的なもの」とは、「ストーリーにまとめられず」「解釈や理解をすり抜けてしまう」出来事である。
    とはいえ、社会学者の習い性というか、解釈してしまっている話題もある。実際

    0
    2025年04月05日

    Posted by ブクログ

    事実を寄り集めて共通項を見いだせば
    理解はたやすくなるけれど
    触れた事実すべてに向き合ってみたい
    だから何になるとかじゃなくて
    見聞きする人生はみんな社会の一部

    0
    2025年03月13日

    Posted by ブクログ

    なんとなく、これから何度か読み返すことがあるような気がした。聖書なんて読んだことないけど、救いを求めて聖書を読む感覚ににてるのではないかとか思った。

    0
    2025年02月26日

    Posted by ブクログ

    大学で習った社会学とは違って、断片的で、ありのままで、でも語りの奥にその人の生活は続いていることが感じられた。中学も卒業せず風俗のキャッチをはじめ、最高級のクラブのホステスになって一流大学をでた人やブ人の話が面白かった。開店資金を出してもらったり、あるいはもっとストレートに愛人になる道を選ぶ人が多い

    0
    2025年01月15日

    Posted by ブクログ

    久々にこんなに面白い本を読んだ。

    社会学者として、インタビューしてきた無数の人々の語りを「分析すること」の暴力性に言及した上で、「誰にも隠されていないが、誰の目にも触れない」事象について、散文的、あるいは映画的に描写している。安易な物語を回避して、偶然の中に意味を捉えず、そのものに近づこうとする。

    0
    2025年01月12日

    Posted by ブクログ

    人生、幸せ、価値観、自由、人との距離感など日常を生きる中での断片的なものごとについて考える作品。
    綺麗事を並べた人生観ではなく、自分の人生は自分のものでしかないし、無意味だと思っても生きるしかないんだ。どんな人でも人生は選べないし生まれればいつか死んでいく、それは当たり前の事だなと考えたら少し息が軽

    0
    2025年01月10日

    Posted by ブクログ

    結論から言うと、書き味を味わいたくて二度読みをしました。

    読むきっかけは、ある文筆家さんがオススメしていたこと。「日常」「解釈しがたい」というワードに引っかかりました。

    読んで最初は、なかなかのめり込めなくて「どうなんだろう?」と戸惑いながら、ペースもゆっくりでした。

    移動時間や病院の待ち時間

    0
    2024年10月04日

断片的なものの社会学 の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

無料で読める エッセイ・紀行

エッセイ・紀行 ランキング

岸政彦 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す