★紀伊國屋じんぶん大賞2016受賞!
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一生に一度はこういう本を書いてみたいと感じるような書でした。――星野智幸さん
この本は、奇妙な「外部」に読者を連れていく。
大冒険ではない。奇妙に断片的なシーンの集まりとしての社会。一瞬きらめく違和感。
それらを映画的につないでいく著者の編集技術には、ズルさを感じもする。美しすぎる。 ――千葉雅也さん
これはまず第一に、無類に面白い書物である。(…)
語る人たちに、共感ではなく理解をベースにひたすら寄り添おうとするスタンスは、
著者が本物の「社会学者」であることを端的に伝えている。─―佐々木敦さん(北海道新聞)
読み進めてすぐに、作者の物事と出来事の捉え方に、すっかり魅せられた。――唯川恵さん(読売新聞)
社会は、断片が断片のまま尊重されるほど複雑でうつくしい輝きを放つと
教わった。─―平松洋子さん(東京人)
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「この本は何も教えてはくれない。
ただ深く豊かに惑うだけだ。
そしてずっと、黙ってそばにいてくれる。
小石や犬のように。
私はこの本を必要としている」――星野智幸さん
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どんな人でもいろいろな「語り」をその内側に持っていて、その平凡さや普通さ、その「何事もなさ」に触れるだけで、胸をかきむしられるような気持ちになる。
梅田の繁華街ですれちがう厖大な数の人びとが、それぞれに「何事もない、普通の」物語を生きている。
小石も、ブログも、犬の死も、すぐに私の解釈や理解をすり抜けてしまう。それらはただそこにある。[…]
社会学者としては失格かもしれないが、いつかそうした「分析できないもの」ばかりを集めた本を書きたいと思っていた。(本文より)
Posted by ブクログ 2022年12月30日
読むのにものすごく時間がかかる本だった。
自分の10代後半から20代の頃の断片的な記憶が頻繁に呼び起こされて読書から脱線してしまうからだ。その度に読むのをやめて、またある日初めから読み直して…を何度か繰り返してようやく今日読み終えた。
「学生時代にこの本と出会いたかった」とか、「20代のうちに読ん...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年11月05日
めちゃくちゃいい本だった。買おうと思う。
他人と自分の距離が難しいこと、孤独であることと、土足で踏み上らないようにすることの境界線。
大阪のおばちゃんたちは、植木鉢の交換、というコミュニケーションを図るという修正。
これくらい、人とのコミュニケーションがフランクになったら、生きやすいのかもしれない。...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年09月23日
めっちゃよかった。
読んでるってゆうよりも、話しを聞いてる
感じにスッと入ってきた。
頭の中が整理されたり、ハッとさせられたり
もっとまだまだ読みたいよっていう
内容だった。
中でも普通についての定義が印象に残った。
マイノリティであることを経験しない
そのことについて考えなくていい人びとが
普通...続きを読む