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定職も貯金もある。一人暮らしだけど不満はない。ただ、近頃は老いを意識することが多い。そして思い出されるのは、小学生の頃に通った、あの古い公民館の小さな図書室――大阪でつましく暮らす中年女性の半生を描いた、温もりと抒情に満ちた三島賞候補作。社会学者の著者が同じ大阪での人生を綴る書下ろしエッセイを併録。
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Posted by ブクログ
すごく濃密な時間を過ごしたのに連絡先も交換せず、二度と会わなかった二人。なのに、名前も知らないただすれ違っただけのワンカップおじさんのことはなぜかいつまでも鮮明に覚えている。そういう綾が人の一生には縦横無尽に張り巡らされている。われ知らずとも。これが表題作『図書室』にも、続くエッセイの『給水塔』にも...続きを読む、通底しているテーマだと思った。自分の中の、二度と会わなかった人、忘れ得ない名も知らぬ人を数えて読後感をしばらくかみしめよう。 印象的だったのは、『図書室』のふたりの会話。内容は年相応でありながら、なんだか名人芸の上方漫才を聴いているようで、絶妙だった。いとこい師匠(夢路いとし・喜味こいし)が笑いを取らず世間話したらこんなんなるんかなってくらい。あり得ないことを真剣に思い詰めているのに、重くならないのは、このいい塩梅が効いているからだ。
「給水塔」がとても良かった。世間にはいろいろな人がいる。しかし、表現は辛口だけど、大阪や、そこに住んでいる人間を肯定的に捉えているように思う。よしもとばななさんのエッセイの人間讃歌を辛口にしたような感じ。 「大学の四年間はいろいろなことをした。膨大な量の音楽を聴き、本を読み、酒を飲み、ゲロを吐き、...続きを読むたくさんの女の子と付き合い、いろんなバカなことをしたが、その四年間のなかでもっとも良い思い出、美しい記憶になっているのは、わずか三十分の散歩である。」
岸政彦先生の小説をまた読んだ。岸先生、生活史を研究しているだけあって綴られる話もただひたすらにそこに生きる人たちが日々の生活を営んでいて、そのなかで出会う人や些細な出来事を書いてくれている そういう話を読んでいると特に何のおもしろみもないような自分の1日や1週間、一ヶ月がこの本に綴られている内容のよ...続きを読むうに苛烈ではなないけれどおもしろいことなのかもしれないと思わせてくれる 自分がただ営む生活も小説のように大切に読まれるような、そういうものだと想ってもいいのだ。なんとか生きている自分のことをもえらいよ、よくやってるよと言いたくなってくるのだ また「給水塔」という書下ろしエッセイも入っているのだけど、書いたタイミングのためにすでに亡くなった岸先生の愛猫のことが書いてあり、先に「にがにが日記」にてその愛猫への愛情を知っていたからこそ余計に胸にきた…
ひとりの女性のノスタルジックな過去の追憶。ふたりの空間が可愛くて儚くて愛しくて夢を見ているような気持ちになった。
「図書室」主に会話で綴られる、あるかつての女の子の出会いと別れ、そこにあった図書室の話。私は少女の語りを男性にされると違和感を覚えてしまうタチなのだが、こちらは全く違和感なく読んだ。大阪の持つ、あのうら寂しさや切なさが胸に迫る。外向きに演出された大阪じゃないのが嬉しくて、好きだ。 「給水塔」後半に収...続きを読む録されたエッセイ。大阪へのものすごい愛。読みながらぐずぐずに泣いてしまった。大阪に帰りたくて。街の空気を吸いたくて。
説明がつかないけどすごく好き。朴訥とした文章が好き。風景、記憶の切り取り方が私と似ている気がする。最後のあの波は良かった。のラストになんだか泣きそうになる。 人が一生をかけて手に入れたいと願う幻のキノコみたいなものをこの人は小学生で手にしてしまった。この人は、このまま一生ひとりなんじゃないかな。
一気に読んだ。読みやすい。記憶のこと考えるきっかけもらった。ノスタルジックで人に対して優しい視点のお話だった。
中篇「図書室」と、エッセイ「給水塔」を収録。 どちらもとてもよかった。 私が知っている少し前の大阪が詰まっていました。 懐かしく、自分も一緒にその時代を過ごしたような楽しさ、もう2度と戻ることができないと知ってしまった寂しさ、その両方を大切に心にしまうことができる時の流れも感じ、こころが温まるような...続きを読む気がしました。 エッセイの中で、万博公園にある大阪国際児童文学館について書かれていることが嬉しかったです。私の人生にも大きな影響があった場所だったので、居心地の良い閲覧室や静かな研究ブースの思い出、そこがなくなってしまったこと、今は廃墟のようになっていることを書いてくださっていたことが、とても嬉しかったです。
岸さんの物語けっこう切なくてすきだった 同時収録の岸さんのエッセイは岸さんてかなり変わった人なんだな友達でいたらドン引くかもと思った
図書の後半のくだりは、涙が目に溜まりながら読み終えました。 この方の会話の間?コミュニケーションの空気感?がすごく伝わってきていて。どの作品も関西出身の自分には合っているのか、毎回、入り込んでしまいます。
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