岸政彦のレビュー一覧

  • 断片的なものの社会学

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    ネタバレ

    私も、ふとした出来事から色んなことに思いを巡らせて、果ては社会との関係に思いを至らせがちなのだが、まさにそんな内容の、とりとめもないが、何か一貫したものが感じられる社会学者によるエッセイ。
    面白かった。

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    2026年01月31日
  • 断片的なものの社会学

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    すごく良かった。

    ひとは一人では生きられないが、一人一人脳みその中はひとりぼっちだ。おまけに他人との距離感がないと息が詰まる。そのくせ他人との距離感が近づいて、自分と他人の輪郭が判然としないことに喜びを感じることすらある。

    境界線内側と外側。
    それははっきりしているようで曖昧なのかもしれない。白でも黒でもなく曖昧な色彩。
    僕たちはそういうものを抱えて生きてゆく。
    そういうことを再確認した読書体験。

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    2026年01月30日
  • 生活史の方法 ――人生を聞いて書く

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    これまで長年にわたって生活史の制作とインタビューをしてきた著者だからこそ、その行為の意味やある種の暴力性や勝手性、意義などを思慮深く問いてくれてる本だと思った。
    SNSに市井の人があげてる情報はデフォルメされてるし、デジタルで断続されて一貫性のない情報ばかりだ。著名な人物の書籍やインタビュー葉巷にあっても、地域や文化を生きる、「普通」の人のある程度人まとまりな連続体としての生活史の糸は、歴史的意義のあるものだと思う。
    そして気づくのだろう、誰一人として、普通ではなく、その人の生を懸命にやり遂げようとしているのだと。

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    2026年01月28日
  • 断片的なものの社会学

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    著者のあとがきにとても共感。そもそも私たちは孤独なのだから、もう少し面と向かって話をしてもよいのでは、という思いから生まれた本とのこと。無意味だからと何もしないのではなく、無意味と知りながら行動を起こすことで社会は創られる、と思う。

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    2026年01月21日
  • 生活史の方法 ――人生を聞いて書く

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    生活史を書く予定は何も無いのに退屈せずに読めた。聞きとりは暴力性を伴う行為であること、社会の階層や属性による人びとの分断、他社の合理性に触れる事、など生活史を作るに当たっての本質的なことが書かれていて、広げて考えれば家庭や仕事でのコミュニケーションについても言える事に感じたからだ。
    ただ、ほぼすべての章で最終的にはケースバイケースとなるのは読んでいて笑ってしまった。それはそうなんだろうけども。

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    2026年01月15日
  • 断片的なものの社会学

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    日常の気にしていなかったというか、気にしちゃダメみたいなところを自然に言語化されていてなんだかスラスラと心に入ってくるというか救われる時間だった。

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    2026年01月09日
  • 生活史の方法 ――人生を聞いて書く

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    本書は、「生活史」を聞き取り、書き、それを公にすることについての「問題集」である。私が本書を誰かに勧めるとしたらそのように紹介すると思う。この本は、ノウハウを示したマニュアルやレシピのような本ではない。「生活史」作成を巡って直面する問題の「解答」を示してくれる本でもない。(解答のない)「問題」集であり、そう読まれるべき本たのではないか、と思う。

    もちろん本書は、『東京の生活史』『大阪の生活史』の監修者であり、同プロジェクトを率いてきた岸政彦氏による『生活史の方法』というタイトルの本であり、本書のベースには、市民とともに「生活史」プロジェクトをすすめてきた著者がその具体的なプロセスのなかで、何

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    2026年01月02日
  • 生活史の方法 ――人生を聞いて書く

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    著者の本は何冊か読んでいるが、著者がどのようにして著作を作っているのか、人の話、生活史を聞くことがどのようなことなのかを種明かしした本である。話を聞くのは誰にでもできることだが、誰にでもできないことである。「他者を安易に理解することの暴力」、これを常に念頭に置いて話を聞かないといけない。職業柄、同じようなことをしているが、改めて身が引き締まる思いだった。あと細かい録音技術の変遷などマニアックな話ではあるが歴史が感じられて興味深く読めた。

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    2025年12月19日
  • にがにが日記

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    めっちゃいいな〜面白い人の日記楽しい〜
    2018年の日記で今夏はすごく暑かったって書いてあって、2018年当時的には過去1なんだろうけど今からしたら絶対涼しいよな…と思ったら8月後半にもうだいぶ涼しいって書いてた
    今は9月まで猛暑だし10月まで暑いもん

    子供がいない生活ってずっとあんま変わらないんだろうな…
    いてもいない時のことは分からんしいなくてもいる時のことは分からんし

    猫を看取る話だった
    最後は介護なんだなあ
    うちは長時間家空けるし、そんな対応できないな私の仕事は…
    岸さんの日記ずっと読んでたいな

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    2025年11月15日
  • 断片的なものの社会学

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    お粗末な言い方になるけれど、この社会には、ほんとうに様々な人々がそれぞれの人生を生きている。その人生たちには個別性、独自性、唯一性がもちろんあり、それらについては忘れがちだったりする。本書はそういった人間、人生の、唯一性のある断片を、著者の主観(人を完全な客観で見ることはできない)から不完全なままのかたちで綴っている。

    本書を読み進めるうち、僕は自分の生きる世界の狭さ、他者への料簡の狭さを痛烈に感じさせられることになった。他者に気を配り、他者の気持ちを想像をして生きている自負がこれまで少しはあったのだけれど、いかに自己中心に、自分の世界に閉じこもって生きてきているか、ということ突き付けられて

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    2025年11月03日
  • 大阪

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    ネタバレ

    岸さんと柴崎さん、そして私にとっての大阪

    大学進学を機に大阪に住み始めた岸さんと、三十二歳になる直前まで大阪に住んでいた柴崎さん。

    「わたしにとっては、大阪を書くことは、自分の生きてきた時間と場所と、関係のある人を書くことに、どうしてもなってしまう。」(P16)

    柴崎さんは大正区の南の果てご出身、私は大阪市の北の果てに住んでいた(身内に美容師がいるのも同じ)ので「ああ、こういう感じだったなぁ」というところと「南のほうはそうだったんだ」という答え合わせのようでとてもとても興味深く…私が実家やその周辺で子供だった頃、柴崎さんも柴崎さんの場所で子供だったんだなというノスタルジーも感じつつ読みま

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    2025年10月20日
  • 調査する人生

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     対談集。聞き手は岸政彦。相手は打越正行、齋藤直子、丸山里美、石岡丈昇、上間陽子、朴沙羅。共通している問いは、著者たちが行なっているのは調査なのか、それとも調査以外の要素(支援など)がある行為なのか、単一や少数の事例に普遍性はあるのか、人生を書くことはできるのか。それぞれの論者なりの考えが語られていくが、当然意見は皆異なる。異なってはいるが、共通していることもある。それは、書名通りに、調査のためというよりも人生を営む場として、各々のフィールドにいるということ。

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    2025年09月23日
  • 大阪

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    この本を読んで以後、良くも悪くも大阪に住んでるだけで、常にノスタルジーを感じさせてくれることになってしまいました。たぶんおそらく僕は生まれてから死ぬまで大阪から離れることはなさそうです。

    出身の中学校はクラスの数も減り、所属していた部活はなくなり、僕も生まれて見てきた20年ほどで大阪の様相が随分変わってきました。もうあとしばらく経つと跡形もなくなってしまうんじゃないかと寂しすぎる気持ちです。

    好きな関西の作家さん。岸さん、柴崎さん、西加奈子さん、塩谷舞さん、これからも増えていきそう。みんな関西弁を愛してる気がして。文字で読む関西弁はどこか小っ恥ずかしくて、可愛い。

    西さんの解説の&quo

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    2025年09月22日
  • 断片的なものの社会学

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    岸さんの着眼点が印象的
    こんな風に物事を断片的にとらえていることってあるよなあ その理由はわからないしわからないまんまでいいのかもな 空気感が好き 岸さんのポットキャストも聴いてみたら本と同じような空気感だった

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    2025年09月12日
  • 調査する人生

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    勝手にラブ&リスペクトの岸さん。
    数年前に『断片的なものの社会学』を読んでヒンヒン泣いて、完全に心を奪われた。
    以降この本は折を見て知人友人に配り歩いている。

    わたし自身、社会学に馴染みがあるわけではないから読んでいてよくわからない部分もいまだに多いのだけれど、それでも岸さんへの飽くなき興味から著書を片っ端から読み続けている(『所有とは何か-ヒト・社会・資本主義の根源』だけ難し過ぎて頓挫してしまった)。
    『東京の生活史』刊行記念トークイベントでは直接お会いして少し会話させていただくことも叶い、話す内容も顔もフォルムも声も何もかもが素敵過ぎてズキューンってなったその思い出を今もずっと大切にして

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    2025年09月08日
  • 断片的なものの社会学

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    わりと気軽に読めるエッセイだった。
    筆者に鉢植えを渡し続ける近所のおばさんの話と、タクシー運転手を辞めて、路上でギターの弾き語りを続けるおじいさんの身の上話がお気に入り。

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    2025年08月27日
  • 断片的なものの社会学

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    ・四角い紙の本は、それがそのまま世界に開いている扉だ。

    ・居場所が問題になるのは、失われたか、手に入れられないときだ。

    ・私たちは、つらい状況に陥ったとき、ひたすらその事に苦しみ、我慢し、歯を食いしばって耐える。そうすることで私たちは「被害者」のようなものになっていく。
    あるいはまた、私たちは、正面から闘い、異議申し立てをおこない、あらゆる手段に訴えて、なんとかその状況を覆そうとする。そのとき私たちは、「抵抗者」になっている。
    しかしわたしたちは、そうしたいくつかの選択肢から逃れることもできる。どうしても逃れられない運命のただ中でふと漏らされる、不謹慎な笑いは、人間の自由というものの一つの

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    2025年07月26日
  • 調査する人生

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    フィールドワークを行っている社会学者との対談集。聞き取り調査をやってる社会学者への聞き取り調査。学者の机上の空論、とは彼らに対しては誰も言えないと思う。印象的なのは対話相手の学者がほぼ全員、社会の矛盾に強く腹を立てているのに自分自身には自信がなさそうなこと。これは岸さんご本人も同じ。謙虚というのとも違う。自己肯定感のない研究者が何人もいることにちょっとびっくりするな。

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    2025年06月15日
  • 断片的なものの社会学

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    分析しきれない、生活の断片たち。
    きっと、そこには人が言葉にできない想いが集まっている。
    それを愛しみ、面白がり、ときに苦さを味わうことこそ、生きるってことなのかもしれない。

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    2025年06月05日
  • 断片的なものの社会学

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    「普通」という言葉のもつ暴力性。これ読んで真っ先に朝井リョウの「正欲」を思い浮かべた。ものごとの考え方、見方に少なからず影響を与える本だと思う。「多様性」という言葉は善意から語られることが多いと思うけど、同時にその言葉自体がラベリングをつくりだしてるという現状にはあまり目を向けられていない。どんな人にも何かしら刺さる言葉、逆に救いとなる言葉がたくさんある本だと思いました。

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    2025年05月24日