岸政彦のレビュー一覧
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明確なオチはない、という意味では、わかりやすい話を期待している人には訳がわからず、つまらないものに受け取れるだろう、ということがわかる(実際ここの感想もだいたい二つに分けられる)。
これが書かれた時よりも今のほうがさらに混沌としているし、何も求められていないのを知りつつ、自分だけは認められたいという...続きを読むPosted by ブクログ -
チェルノブイリの祈りでも感じたことだけど、現実のエピソードとストーリーの断片を書き留めた物語は圧倒的な存在感を放つ。脈絡も意味も善悪もなくてもその「出来事」が起きた事実、それだけで充分。そういうことを書き綴って言語化したエッセイ、世界の片隅を味わったようで読んで良かった。
人生を捨てる賭けに勝って...続きを読むPosted by ブクログ -
質的社会調査、社会学の入門書である。大学院に在籍しながら、「調査」の仕方を勉強してこなかった自分にとって、とても良い入門書となった。
ただそこにあるのは、ノウハウではない。「他者の合理性の理解社会学」と副題がついたことからも想像できるように、著者3名の経験に基づいて調査を通して同社会と関わるか、が書...続きを読むPosted by ブクログ -
有斐閣なのでフィールドワークの教科書という位置づけであるが、研究者のインタビューの関わりがとても丁寧に具体的に書いてあるので、フィールドワークについて書かれた教科書の中で最も面白い本の一つである。
質的調査の領域の説明をすべて網羅しているわけではないが、フィールドワークをどのようにすればいいのだろ...続きを読むPosted by ブクログ -
読むのにものすごく時間がかかる本だった。
自分の10代後半から20代の頃の断片的な記憶が頻繁に呼び起こされて読書から脱線してしまうからだ。その度に読むのをやめて、またある日初めから読み直して…を何度か繰り返してようやく今日読み終えた。
「学生時代にこの本と出会いたかった」とか、「20代のうちに読ん...続きを読むPosted by ブクログ -
なんとも、言葉に表せないことを代弁してくれそうで、そうでない本。
なにか、心が赦される気持ち。
手元に置いておきたい。
・私たちは、何か目の見えないものに、いつも怯えて、不安がって、恐怖を感じている。
・差別や暴力の大きな部分は、そういう不安や恐怖から生まれてくるのだと思う。
・私たちのほとんど...続きを読むPosted by ブクログ -
とっても面白かった、知的興奮をありがとう。
最も興奮したのは、自分が仕事やプライベートで楽しくやっている街歩きやフィールドワークが、実は無意識に社会学的方法をだいぶ実践できていること。
何も習ってないのに自分でできすぎててビビッた。天性のフィールドワーカー なんですか!?
大学院に行きたい気持ちも...続きを読むPosted by ブクログ -
社会調査の方法だけでなく、社会学全般についてわかりやすく書かれていて良かった。もっと早くにこの本を読むべきだったと後悔。
以下、読書メモ
面白いの軸の話
自分と他人
ゴシップ的面白さと社会学学的面白さ
→バージョンアップができるか否か
メモの重要性
出来事のメモ(雑記メモ
出来事から浮かんだ社会...続きを読むPosted by ブクログ