岸政彦のレビュー一覧
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世の中の
良いとされていること
悪いとされていること
そしてその背景を丁寧に捉えつつ、
その先、へ進もうとする姿勢が素晴らしく、
まさに断片的なものの社会学。
アウティングと親友の鍋の話
そして豪雨の中干からびた観葉植物の話
が特に印象に残った。
岸先生の描写、捉え方、そこからの解釈
その全てが...続きを読むPosted by ブクログ -
本当にいろんな人がある。会社の同僚、上司、部下。家族、親戚、友人、知人。人それぞれにそれぞれの物語がある。
私にも、とても人に言えないような話はある。著者の岸先生になら話してもいいかもしれないと思った。寧ろ聴いてほしい。吐き出して楽になりたい。
世界は複雑で、美しいだけではない。
美しい面ばか...続きを読むPosted by ブクログ -
友人が貸してくれたエッセイ。自分があまり読むタイプでは無かったので最初はその世界観にたじろいだ。練りに練られた言葉というよりは作者の強い思いが溢れ出し、何とか言葉としては封じ込めたように感じた。普段何気なく過ぎていく「日常」。当たり前だがやはりこれが人間の数だけあるのだと強く感じた。読み終わる事が惜...続きを読むPosted by ブクログ
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短期間で3回も読んでしまった。。。
目の前で起きている事を、そのまま理解する「観察」は今最も重要な事の一つだが、これが意外と難しい。どうしてもバイアスがかかる。
この本の作者の岸さんは、目の前で起きる、語られらるどうしようもない事を、どうしようもないと、ただ記録する。でも、諦めつつも受け入れている。...続きを読むPosted by ブクログ -
いろいろな人と出会う本。しんどいのだろうけど、しんどいという言葉の無い対話。後に、ふと、手にとって見返すときがくるのだろう。
あとがきの言葉にも惹かれた。Posted by ブクログ -
人間や社会は断片的なものの集合体であるという言葉にハッとさせられた。御多分に洩れず、あらゆる物事に対して明確な意味や一貫した物語を無意識に求めてしまっていたから(そして自分も周りからそれらを求められている気がしていたから)
「他者を完全に理解することはできない」ことの孤独を抱えてもなお、他者とつな...続きを読むPosted by ブクログ -
日常は苦しく無常であると感じることを、そういうものであると、肯定される。少なくとも、幸せでないといけないと思わなくていいんだと。
救いという概念は、イメージするよりもずっと些細なものであるということ。ただ、それが例え、かすかなものであろうとも熱をもち、潰されそうになる一夜に惑う私の足元を照らす。そん...続きを読むPosted by ブクログ -
冒頭のインタビュー途中に犬が死ぬ話から、著者が直に聞き取ったとらえどころなく一筋縄ではいかないエピソードの数々に圧倒される。
この世に偶然に生を受け、断片的な物事に囲まれながらどうにも中途半端で大したことのない人生を歩む(著者を含む)人々に対する、愛憎入り混じった感覚がドライな文体で刻まれて心の奥底...続きを読むPosted by ブクログ -
孤独と絶望のすぐ近くで暮らしている人たちの、でも実は自分もすぐ近くにいると感じさせる、独特なようで当たり前の、実は見慣れた毎日の風景。
この人の文章は、どうしてこんなに燻んでいて、希望が見出せないのに、引きつけられるんだろう。Posted by ブクログ -
岸さんの文章、綺麗すぎて、尊すぎて、毎回、感想文を書くのに気が引けちゃうんだよなあ。わたしの拙い日本語で感想を述べていいような代物ではないとだけ書き残しておこう。すごく良かったです。というかいつもとても良い以外の感想が思い浮かばないです。Posted by ブクログ
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少しずつ読んで、読み終わってしまった。
今年を生き抜くために買ったけど持ち運べないから部屋に爆弾抱えてる感覚だった
大学生のうちに読めてよかった
大阪の生活史も楽しみです 社会人になるからもっともっと時間はかかるだろうけどPosted by ブクログ -
社会学者である著者が聞き取りを行った中で惹かれた無意味な部分を詰め込んだ短編集。何の意味もないけれど妙に記憶にだけ残るエピソードが集められている。きっと私が今後関わる機会がないであろう風俗嬢や大阪の路上のギター弾き、異国の刑務所で過ごした元ヤクザのちょっとした人生や生活の一部の話が断片的に書かれてい...続きを読むPosted by ブクログ
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読んでいる最中に感じるのは、掴みどころのない内容への戸惑い。
読み終わっても、これが分かったと言えるものはないが、この本から得られる戸惑いはとても豊かだと感じた。Posted by ブクログ -
明確なオチはない、という意味では、わかりやすい話を期待している人には訳がわからず、つまらないものに受け取れるだろう、ということがわかる(実際ここの感想もだいたい二つに分けられる)。
これが書かれた時よりも今のほうがさらに混沌としているし、何も求められていないのを知りつつ、自分だけは認められたいという...続きを読むPosted by ブクログ