岸政彦のレビュー一覧

  • 図書室

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    「図書室」主に会話で綴られる、あるかつての女の子の出会いと別れ、そこにあった図書室の話。私は少女の語りを男性にされると違和感を覚えてしまうタチなのだが、こちらは全く違和感なく読んだ。大阪の持つ、あのうら寂しさや切なさが胸に迫る。外向きに演出された大阪じゃないのが嬉しくて、好きだ。
    「給水塔」後半に収録されたエッセイ。大阪へのものすごい愛。読みながらぐずぐずに泣いてしまった。大阪に帰りたくて。街の空気を吸いたくて。

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    2022年01月25日
  • 質的社会調査の方法――他者の合理性の理解社会学

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    社会調査の方法だけでなく、社会学全般についてわかりやすく書かれていて良かった。もっと早くにこの本を読むべきだったと後悔。

    以下、読書メモ
    面白いの軸の話
    自分と他人
    ゴシップ的面白さと社会学学的面白さ
    →バージョンアップができるか否か

    メモの重要性
    出来事のメモ(雑記メモ
    出来事から浮かんだ社会学的発想(論点メモ
    日記(気分を書く

    人ではなく、人の捉え方を見る
    「時間的予見」の問題としての貧困

    論文執筆
    理論を使う
    枝葉を切り落とす、一言にまとめる
    調べたことを書いても論文にはならない
    調べたことから何を考え、何を調べ直したのか

    「他者の合理性」
    枠組みを問い直し、対象を論じ直す
     

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    2021年12月02日
  • リリアン

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    年末の長期休みが始まって2〜3日後の、とうに昼夜逆転してしまった夜。
    眠れなくて同居人とハーゲンダッツを買いにコンビニに行く時に似ている。

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    2021年11月09日
  • 東京の生活史

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    岸政彦さんが監修ということで期待して、楽しく読んだ。まさか「海をあげる」の上間陽子さんの聞き書きまで載ってるなんて… 素晴らしい。

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    2021年10月17日
  • 図書室

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    説明がつかないけどすごく好き。朴訥とした文章が好き。風景、記憶の切り取り方が私と似ている気がする。最後のあの波は良かった。のラストになんだか泣きそうになる。
    人が一生をかけて手に入れたいと願う幻のキノコみたいなものをこの人は小学生で手にしてしまった。この人は、このまま一生ひとりなんじゃないかな。

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    2021年09月20日
  • 図書室

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    一気に読んだ。読みやすい。記憶のこと考えるきっかけもらった。ノスタルジックで人に対して優しい視点のお話だった。

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    2021年09月18日
  • リリアン

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    かぎ括弧のない会話は読んでいるうちに、境界線が溶けるような感覚に。
    最近、縁ができた我孫子周辺はもとより、万博や山田の描写に胸熱。散歩したくなる。

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    2021年08月30日
  • リリアン

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    “人間いらんやん”
    “優しいやつは、役に立たんのや”
    生々しいリアルな会話、人肌の温もり、不器用なやり取り。
    優しい。
    なんだろうか。こういう優しさを何と言うのだろうか。

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    2021年08月22日
  • リリアン

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    気持ちいいコード進行のような、
    流れるような会話が心地よすぎる
    大阪弁の会話ってこんなに優しく聞こえるの?
    切ないのに二人は悲しそうじゃない
    読んでいる私も悲しくはない

    絶対また読む!
    コルトレーン聴きながら♪

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    2021年08月12日
  • ビニール傘

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    賑やかで暖かい場所にいると、後でひとりになったときの寒さが際立つ。
    舞台が大阪であることで哀愁が増す。


    妻を亡くした男性が主人公の「背中の月」での独白、

    「また行きたいね、あの店なんだっけと言いながら俺たちは結局、あの街にも、あの店にも、あの海にも、二度と行くことはなかった。」

    に、永田和宏の

    「そのうちに行こうといつも言いながら海津のさくら余呉の雪海」

    という歌を思い出した。



    脳内でずっと自分に、亡き妻に話しかけているような文が頭に染み込んでいくように感じた。

    読み終わって自分がいる場所を確かめる。

    ここでないどこかに行きたいと思う気持ち、
    でもここだって一度離れれば

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    2021年08月07日
  • 質的社会調査の方法――他者の合理性の理解社会学

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    オーラルヒストリーの大事なところはそれが事実かどうかではなく、話した本人にとって心理的に本当だったということ。
    他者の合理性を会話を通して理解する。
    映画なども有効?
    事実を聞くことと、語りを聞くこと。
    どのようにその会話、生活史ができてきたかを分析する。
    調査は暴力である、その暴力性に向き合い、可能な限り常に問い続ける必要がある。

    語り、歴史と構造、理論の3つの間での往復が大切。

    経験の全体を解釈する。

    理論的先入観。

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    2021年06月05日
  • リリアン

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    この曲、知ってるわ。
    うん、これ、有名な曲やで。
    なんていうやつ?
    Isn’t She Lovely。スティービー・ワンダーやな、
    元歌は。
    そうなんや。名前だけ知ってるわ、そのひと。
    めちゃ有名なひと。
    そうなんや。
    うん。
    ええなあ。
    なんか、切ないな。
    そやな。
    切ないっていうか、懐かしいっていうか。
    なんか、帰ってきたで、って感じ。
    ただいま、おかえりって、言い合ってるみたいやな。
    うん。
    うまいこというな。
    なんか、大好き。ただいま、おかえりって感じ。

    この小説にはこのような男女の会話がたくさん登場する。次々と交わされる言葉のやり取りを、あえて「」(カギカッコ)なしで綴る。途中から

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    2021年05月26日
  • 図書室

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    中篇「図書室」と、エッセイ「給水塔」を収録。
    どちらもとてもよかった。
    私が知っている少し前の大阪が詰まっていました。
    懐かしく、自分も一緒にその時代を過ごしたような楽しさ、もう2度と戻ることができないと知ってしまった寂しさ、その両方を大切に心にしまうことができる時の流れも感じ、こころが温まるような気がしました。
    エッセイの中で、万博公園にある大阪国際児童文学館について書かれていることが嬉しかったです。私の人生にも大きな影響があった場所だったので、居心地の良い閲覧室や静かな研究ブースの思い出、そこがなくなってしまったこと、今は廃墟のようになっていることを書いてくださっていたことが、とても嬉しか

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    2020年03月05日
  • ビニール傘

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    どんな人物にも背景があり、とりまく状況は自分の意思に反して、又は沿って、変わっていくものなんだなぁ。

    他者と自分との境界が曖昧な文体。冷たいようで優しい眼差しを感じました。

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    2019年11月18日
  • ビニール傘

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    『断片的なものの社会学』に出てくる人々。それぞれ1人ずつが小説の登場人物のようだったが、本書では彼等が実際に動き出す。大阪の土地勘がほとんどないにもかかわらず、景色が眼に浮かび、会話が耳で聞こえてくるような‥リアルで不思議な読後感だった。
    惜しくも芥川賞受賞を逃したことをネタにされる著者のお人柄も含め☆☆☆☆☆

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    2021年11月13日
  • 調査する人生

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    社会学者なる人が、何をしているのかあまり考えたこともなかったが、ほんの少し垣間見ることができた気がした。
    フィールドワークでみたもの、感じたものをどれだけ、リアルに語弊なく伝えられるのかをどの章でも共通して議論されていたように感じた。
    実際に部落、ホームレス、ヤンキーなど社会的に弱い立場に立たされている人たちを調査している方が多く、確かに書き方ひとつで、美談にも、いい、悪い話にも出来るような気がした。

    社会問題を改善する学問というより、人を理解する学問と考えると、社会学に少し親しみを感じました。

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    2026年03月22日
  • 沖縄社会論 ――周縁と暴力

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    分厚さにたじろいだが、字の大きさに少し安堵。
    何より内容がある意味シンプル、ある意味深かった。
    私はこの打越正行さんを知らなかったのだが、沖縄のヤンキーの実態を知るべく、
    自らパシリになりながら取材を続けた人らしい。
    一年前に亡くなって、その遺稿をまとめ出版したのがこの本ということだ。

    沖縄、米軍、公共事業、建設業、ヤンキー、暴力、中卒、就職、、、
    この辺りがつながっているということを、取材記録がこれでもかこれでもかと、
    訴えかけてくる。
    そういえばこの辺りを小説にした本を読んだばかりだった。
    沖縄。
    本土がいろいろ押し付けたものが、沖縄の若者にのしかかっている。

    そういう現実を見ずに、好

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    2026年03月18日
  • 生活史の方法 ――人生を聞いて書く

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    代官山の蔦屋書店で平積みになっていた「東京の生活史」の分厚さに圧倒されたことを思い出し、本書が新聞書評で取り上げてられ読んでみた。
    この仕事の手法を詳細に披露してくれている。

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    2026年03月03日
  • 断片的なものの社会学

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    とても良かった。
    特に、「結婚式」に普段から漠然とした違和感を感じていたことが言語化されていた。
    祝われている人たちは悪くない。
    水を差したいわけでもない。
    でもその祝福の形式は、ある人たちを透明にしてしまう暴力性を孕んでいる。
    考え続けたいことだと思った。

    そしてその祝福の外側で、ちゃんと生きている人生のかけらも詰まっている。たくさんの言葉に救われた。

    全てに共感ではないけど、とても読めて良かった本です。

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    2026年02月12日
  • ビニール傘

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    街中ですれ違うおそらく一生話すことのない人たちにも、色んな事情を抱えながら生きている。何度でも読めそうな軽さが心地良い。人に優しくなりたい時に読みたくなる本。

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    2026年01月17日