岸政彦のレビュー一覧

  • 断片的なものの社会学

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    これまで調査してきた人たちの話が、まさに断片的に書かれている。その底には自分や他者が感じている痛みに対する感受性があるように思った。それがとても心地よかった。

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    2026年01月12日
  • 生活史の方法 ――人生を聞いて書く

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    今年一冊目。年末に読んだ村田紗耶香の世界99がものすごくヘビーだったので、少し軽めの読み口のものをと思い手に取った。

    著者がXにあげておられるワンちゃんとの生活の写真が穏やかでいい感じに力が抜けているのが好きで、前からこの人の本を読んでみたいなと思っていた。

    読み始めは、まだ世界99で没入していた荒涼とした世界観の中で異様なハイ状態だったのだけれど、著者の落ち着いた、そして遠慮がちに感じる声色の文体が優しく、人間を哀しいどうしようもない存在としてそのまま引き受けるような世界に少しずつ戻って来ることができた。

    本書は生活史の書き方の仔細な指南書なのだけど、生活史を書く予定がない私にも、とて

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    2026年01月04日
  • 生活史の方法 ――人生を聞いて書く

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    岸政彦「生活史の方法」(ちくま新書)
     ほぼ同時期にでた佐藤信「オーラル・ヒストリー入門」と一緒に読むと面白い。岸政彦のこの本では、市井の人へのヒヤリングから生活史を描いてきた著者の私小説的な面を含んだネタばらしとなっている。
     どうやってアポを取るか、場所はどう選ぶか、手土産はいるのか、ヒヤリングや後々の出版の同意をどうとるか、ヒヤリング中にどの程度口をはさむか、録音や録画の機材をどう選ぶかなど、体験にもとづいて記されている。
     ヒヤリング中の注意点としては、口火は切る必要があるがその後の展開は相手に任せる、一点に集中せず、積極的に受動的になること、相手が陳腐に思える一般論をしゃべっていても

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    2025年12月19日
  • ビニール傘

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    新しい読書体験だったよ。なんだか、自分の頭の中のような。今まで読んできた小説は、小説の中で物事が完結していた。正された順序で、秩序正しき世界が並んでいたけれど、これは。もっと雑多で、複雑で、でも簡単な。
    人の頭の中。そのまま取り出したような小説。楽しかったよ。

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    2025年12月14日
  • リリアン

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    関西弁が心地良く、音楽のコードも分からないなりにカッコいい。言葉は音楽のようということか。
    音楽というのは趣味としてとてもコスパがいいもののように思う。自分が楽しむだけであれば。

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    2025年12月08日
  • 断片的なものの社会学

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    何かについて結論付けるわけでもなく、いろいろな事象が断片的に書かれていた。
    まさにこれが社会なのかな、みたいなことを思いました。

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    2025年11月18日
  • 生活史の方法 ――人生を聞いて書く

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    社会学と医学は似ているとおもう(そう言えるほど社会学を知らないが)
    量的調査はEBMと、質的調査はcase reportと

    問診の際、患者が自らの身体や病歴について語るのを聞く、その背景にもう少し踏み込みたくなった

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    2025年11月16日
  • 断片的なものの社会学

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    どこにも記録に残らないような、でもちょっと心に引っかかったようなものの記録。

    深く考えさせられるような、センチメンタルのような気持ちになりかけたところで、変な方向に行く話に、この文才がほしいと思う。

    人間っておもしろいな。多様で予想外で。

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    2025年11月11日
  • 断片的なものの社会学

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    スーッと入り込むエピソードもあれば、そうでないエピソードもあったり。プツンとエピソードが終わってしまうのが残念なんだけれども、それが社会学の一面なのかな。

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    2025年09月27日
  • 調査する人生

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    ネタバレ

    この本を読んで社会学の本質の一つは、『NARUTO』の名セリフ「逆だったかもしれねェ…」だと思った。この本には著者岸政彦さんが6人のフィールドワーカーとして活躍する社会学者との対談が収録されている。6人の社会学者との対談で頻繁に出てくる話題が「当事者性」。調査対象者と深く言葉をかわし合い、中には調査対象者と生活をともにするフィールドワークという手法は複数の事象に当たって法則性を探す帰納的なアプローチや膨大なデータを集めて解析を行う統計的なアプローチに比べ普遍的・合理的な解を導くにはコストパフィーマンスが悪いように思える。  しかし、調査対象の行動の一挙手一投足を生活の状況、社会構造などそこに至

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    2025年09月17日
  • 図書室

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    岸さんの物語けっこう切なくてすきだった
    同時収録の岸さんのエッセイは岸さんてかなり変わった人なんだな友達でいたらドン引くかもと思った

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    2025年09月12日
  • 大阪

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    自分が大阪出身ということもあり購入

    大阪で生まれ育った柴崎さんと、大人になってから大阪にやって来て気に入ってずっと暮らしている岸さんのエッセイ集

    自分は、大人になって大阪から出て行った方なのでどちらかというと柴崎さんのお話に共感が持てて、育った環境も、ご実家が自営業で商店街で育った境遇は自分の境遇と同じだったので色々思い出すこともあり楽しく読めました

    チャリンコで心斎橋やらアメ村に行ける距離感も、私がチャリンコで梅田へよく遊びに行った頃と重なって懐かしさを感じられたし、ホンマに色々思い出させてもらってありがたかったです

    大阪、改めてええとこやな、たまには帰らんとなぁ、と再認識させてもら

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    2025年09月05日
  • 大阪

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     学生時代から初めて大阪に来てなじんだという社会学者・岸氏と大阪生まれで現在は東京に住む小説家・柴崎さんのエッセイの連作集(対話ではない。)大阪という町に対する二人の思い入れ、愛情に富んでおり、「大阪」という独特の語感からの何とも言えない感覚を満喫できた。「大阪って嫌い」と言われることが多いのも、その強烈な個性的雰囲気が物語っていることも同感だ。大阪弁は意味の伝達よりも、会話を続けること自体に意味がある。そして、喋り続けることにより、自分は怪しくない人ですよー、と表現しているのだと、柴崎さんの感想には笑った。彼女の幼少期からの大阪での成長ぶりが面白く、中学時代からエレファントカシマシの公演には

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    2025年08月09日
  • 断片的なものの社会学

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    何者でもない者達の名状し難い物語。
    筆者 岸政彦はそこに意味を見出したり、見出さなかったり、無意味性を感じたり、感じなかったりする。
    ふと考える。何者にもなれない人が圧倒的多数を占めているこの社会で個人として意味ある人生を送るにはどうしたらいいのだろうか。答えはあるのかもしれないし、ないのかもしれない。本書でも明確な答えは提示されない。
    それでも人生に絶望せず、かと言って過度な期待も持たず、ありのままを見つめよう、そう思える1冊だ。

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    2025年08月01日
  • 断片的なものの社会学

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    先輩からのおすすめで。
    私は文学畑の人間だが、社会学とは文学の対極に位置する学問なのではないかと思っている。個々の人間の「物語」を一般化する社会学の学問対象は文字通り「社会」、社会全体がどうすればより良いものになるのかを思考する学問で、(本著で岸政彦も述べているように)そこには暴力が伴う。インタビューは一人一人の人生に土足で踏み入る行為だし、かつ研究ではそこにある些末な感情などは捨象されうる。だから私は、社会学をやるような上等な国民には下層の人間のことなんかわかりっこない、ただの数字やデータに置き換えられるだけ、といつも感情的になってしまう。文学は多くを語らない、そこがいい。文学は学問であるよ

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    2025年07月30日
  • 東京の生活史

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    ようやく読み終わった。
    150人の聞き手の中には、有名な人もチラホラ。
    LGBT、外国由来の人も結構いる。それも東京だなぁ。
    聞き手のあいうえお順に並んでるって途中で気づいた。

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    2025年05月31日
  • 調査する人生

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    ネタバレ

    岸政彦がフィールドワークを行っている研究者にインタビューをして、その研究での聞き取りの苦労を明らかにしていくものである。岩波は面白くないのが普通であるが、これは他の本と違いとてもおもしろいので、学生がフィールドワークを行う時に気休めに読んでみるのもいいと思える本である。

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    2025年05月09日
  • 調査する人生

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    最近年齢のせいかプライベートで色んな人と会うことが減って、1年ぶりの再会みたいなことが多くなってきたが、この本における「調査する」ってその時の友人との会話みたいだと思った。会ってなかった時間を確認しながら、時に脱線して、色んなことを話すあの感じ。「調査する」という言葉の中には、興味とか敬意とか尊重みたいなことが含まれていて、意外と身の回りの人に対する接し方には当てはまるのかもしれない。自分は社会学者でもないし、誰かの話を聞いて論文を書くわけではないけど、そういう姿勢で色んな人と接して、学べる大人ではありたい。

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    2025年04月23日
  • 調査する人生

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    ネタバレ

    質的社会学について。読んでいてたまにわからなくなることもあったけど、意味合いは理解できた。
    自分は統計学を大学では学んでいたので、一般化することで汲み取れきれないことが多々あることを感じていて、p183にあった何%の人は〜という表現になってしまうというのにはたしかに…となった。
    191 普遍的な法則を発見するのが目的じゃなくて、ひたすら例外を見つけていく。
    194 言葉で埋めて近づく

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    2025年02月16日
  • 大阪

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    なんとなく不思議な感じで読めた。
    いろいろな場所を歩いて感じる感覚を表しているような、散歩していてなんとなく思い浮かぶノスタルジックな感じというか。
    全体を通して後半の方が感覚が合ってきたので単発ではあまり感銘受けなかったかも。

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    2025年01月25日