岸政彦のレビュー一覧

  • 図書室

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    定職も貯金もある。一人暮らしだけど不満はない。思い出されるのは、小学生の頃に通った、あの古い公民館の小さな図書室のこと―

    ひとりの女性の追憶を描いた中篇「図書室」と自伝エッセイ「給水塔」の2編収録。


    まるで自分史のようだと思ってしまった。どうしてあの頃の私の気持ちも、今の私の気持ちも、こんなによく知っているの?と驚いてしまうくらい。


    これと言った期待も希望も無いのに、「求められている」というステイタス欲しさに惚れた腫れたを経て、40にしてひとり暮らしを満喫する主人公。

    胸いっぱいに感じる自由と孤独が、子どもの頃、公民館の図書室で覚えたソレと重なる。


    『クラスの誰も知らない場所で

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    2020年03月16日
  • ビニール傘

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    これは大阪が舞台でなくてはならない作品。ここまで描けるのかと思う程の丁寧な人物描写。筆者は社会学者として多くの市井の方々と接して来られた経験があるからこそ描けるのでしょうか。。。

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    2019年08月02日
  • 社会学はどこから来てどこへ行くのか

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    社会学を専攻していないとわからない”雰囲気”はあるものの,問題の骨子は刺激的。

    たとえば,事例研究における代表性をどう考えるか?というトピックは社会学だけに留まらないであろう。

    対話記録であるため,会話感覚で読めるのも本書の良いところ。サクサク読めてしまう。

    しかし,内容の深みはあるので,しばらく知識をつけた後に読み返すと,また違った感想を抱くような気がする。

    ちなみに,著者らの情報量(知識)がすごすぎて圧巻,もっと勉強しなければと思わされました。

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    2019年04月17日
  • 質的社会調査の方法――他者の合理性の理解社会学

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    岸雅彦、石岡丈昇、丸山里美
    中野卓、桜井厚、谷富夫の理論を通して、語りは「事実」か「物語」という問題を洗い直す下りはいずれ再読する

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    2018年11月15日
  • 断片的なものの社会学

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    はじめてのエッセイ(これがエッセイと表現していいかわからないが)。
    自分には合わないと思ったが、読んでいて、どこかしか素朴な時間を得られた気がした。

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    2025年12月22日
  • 断片的なものの社会学

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    物や出来事について、過度に意味付けをしたり結び付けたりせずに、ただそのものとして見る。
    自分もどちらかというとそうだから、共感できた。

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    2025年12月15日
  • 東京の生活史

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    全部読むつもりではなかったので、何人かのお話を読んでとりあえず終了にする。またいつか、開いてみたい。

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    2025年12月13日
  • にがにが日記

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    猫介護部分に興味があり読んだので、「おはぎ日記」以外は拾い読み。
    生活圏が重なるので、ネタとしても楽しんだ。

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    2025年12月08日
  • 調査する人生

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    社会学がどういうものなのか、少し理解できました。全然詳しくなくて、誰一人として知る者がいませんが、興味を持つフィールドが各々違って、調査の仕方も異なり、聞き書きもその人らしさが出ているんだろうなぁと思います。お一人お一人を調べながら読み、それぞれの方の社会学の本を読んでみたくなりました。上間陽子さんの言葉に気付きがありました。強く優しいお人柄で、先ずは上間さんの著作を読んでみたいです。このような社会学者がいらっしゃるお陰で、自分自身にも気付きが与えられ、世の中に知られる事で、少しずつ良くなっていくのかな。

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    2025年12月06日
  • 生活史の方法 ――人生を聞いて書く

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    本編中にハッキリと言及されることはなかったけれど、深夜にタクシー代を払う代わり家について行き、その人に話を聞いたり、ある特定の場所に72時間カメラを構えて、そこを訪れる人に話を聞く。というような番組をよく観ているし、似たような番組を作ったりしているので、ためになった、というよりは耳が痛かった。どこまで、真剣に考えたのか。

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    2025年11月25日
  • 断片的なものの社会学

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    作者が色々な老若男女問わず、方々で取材したことを題材に、人や社会との関わりに関する見解を述べているエッセイ。
    1つの章に対して場面展開が激しく(色々な人の体験談が多い)、個人的には理解しにくかったが、筆者が伝えたいことは何となく分かった気がする。
    現代は人と仲良くしようとすればするほど、個人を尊重する(見守ろう、1歩引こう)風潮があり、矛盾しているのではないか、という描写は確かにと感じた。

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    2025年11月21日
  • 断片的なものの社会学

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    つかみのどころのない本だけど、道端で、SNS上で、どこかですれ違ってきた人にも、その人の人生がある。10年ぶりに再読しても、覚えていたエピソードもあった。この本の感想を書くのは難しいのだけれども、人に興味がある人には、ぜひ読んでみてほしい。【再読】

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    2025年11月19日
  • 断片的なものの社会学

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    断片的なものとは何か。
    それぞれのストーリー。
    「寄せ鍋理論」は面白かった。私たちは、相手の目を見たくないし、自分の目も見られたくない。鍋が間にあるから、私たちは鍋を見ていればよく、お互いの目を見ずにすんでいる。
    誕生日についての「ただその日に生まれただけ」も言いたいことはわかるのだけど‥記念日ってそんなもんだと思うしな。
    「本人がよければそれでよい」は確かに理屈づけて逃げてるのかなと思った。止めることができないことを正当化しているようにも感じる。

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    2025年11月11日
  • 調査する人生

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    面白かった。社会学者の岸政彦さんと、同じような研究者の方たちとの対談。奥さんとの対談、面白すぎるが、ちゃんと学者として話しているのもそれはそれで面白い。大変だったね、で終わらないためには。社会学の本はいろいろ大学生時代に読んだが、インタビューなど生活史、人としての人生を学問にする、というのも不可能や、意味のないことではなく、そういうもの自体があることの意義を考えさせられた。

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    2025年09月04日
  • 断片的なものの社会学

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    初めの方の文章は少し堅苦しくて論文を読んでいるような気分もあったのが、期間的にわずかな時間なのだろうが、後半になるほど読みやすく理解しやすい構文になってきて驚きました。
    使われている写真が素敵です。

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    2025年08月10日
  • 図書室

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    ネタバレ

    小学生の豊かな想像の世界観、それから筆者の実体験でありながら、喧騒を感じられる大阪の景色を思い浮かべられる、懐かしいだったり、ノスタルジックを思い浮かべる1冊です!

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    2025年08月03日
  • 断片的なものの社会学

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    意味づけや解釈から解放された、ただそこに偶然あるものとして事物をみたいという気持ちがずっとあったので安らぎになるような話は多かった
    けどこの作者さんはかすかに希望を持たせるスタイルなので、そこが少し私とはズレていた
    「だからどうした、ということではないが、ただそれでも、そういうことがある、ということはできる」
    いうことができてどうなるのと諦めてしまう反抗期がまだ残存しているので。
    それでも心地よさはある

    私たちの人生はいくつものストーリーが重なってできており、意味を成す流れが先に存在しそこに矛盾しないように整えられる側面も大きいが、そのストーリーの手中から漏れる無意味のかけらが、そこにただ在

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    2025年07月13日
  • 断片的なものの社会学

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    社会学者の氏がさまざまな調査を通じて見聞した、断片的なエピソードたち。印象的だったものを書き留めておこう。「父親が収監され、母親が蒸発し、子どもたちが施設に預けられ、無人となったその部屋だが、その後も悪臭や害虫の苦情が何度もくり返され、マンションの管理会社の立ち会いのもとで、自治会の方が合鍵でその部屋の扉を開いた。そこで見たのは、家具も何もない、からっぽの、きれいな部屋だったという」「真っ暗な路地裏で、ひとりの老人が近寄ってくるのが見えた。すぐ目の前に来たときに気付いたのだが、その老人は全裸だった。手に小さな風呂桶を持っていた。全裸で銭湯にいくことは、これ以上ないほど合理的なことなのだが、その

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    2025年07月05日
  • ビニール傘

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    なんとなく、ただなんとなく、タイトルに惹かれて読んでみた。

    ……これがまた少し難しい。
    でも、きっと、大阪のどこかにこういう人たちがいて、生きてて、でも死んだような生活で……
    今この人たちはどうしてるんだろう……

    そんなことを、読み終えた時に思った。

    私の地元は大阪に近く、小説の中に出てくる地名もなんとなくそこの雰囲気がわかる。

    大阪ってキラキラしてる部分もあるし、澱んで暗い灰色の世界もある。

    その中で、今日も生きてる人たちがいる。

    …………この本を読んで、何か得たのかと言われると、難しい。でも、“何か”を感じたような気はする。

    そんな不思議な本だった。

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    2025年05月30日
  • リリアン

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    ネタバレ

    何が起こるってわけでもない、だけどそこにひっそりと愛がある、そんな話。
    海と街を重ねた描写が心地よかったです。

    「優しいやつは、役に立たんのや」という言葉にはハッとさせられました。
    優しい人の言葉って、本当に苦しい時には何の救いにもならなかったりする。
    じゃあどうしたらいいのか。
    多分、物語の終わりの主人公と美沙さんみたいに、ただ側にいられればそれでいいのかな、と本作を読んで思いました。

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    2025年05月29日