岸政彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレこの本を読んで社会学の本質の一つは、『NARUTO』の名セリフ「逆だったかもしれねェ…」だと思った。この本には著者岸政彦さんが6人のフィールドワーカーとして活躍する社会学者との対談が収録されている。6人の社会学者との対談で頻繁に出てくる話題が「当事者性」。調査対象者と深く言葉をかわし合い、中には調査対象者と生活をともにするフィールドワークという手法は複数の事象に当たって法則性を探す帰納的なアプローチや膨大なデータを集めて解析を行う統計的なアプローチに比べ普遍的・合理的な解を導くにはコストパフィーマンスが悪いように思える。 しかし、調査対象の行動の一挙手一投足を生活の状況、社会構造などそこに至る文脈をしっかりと表現することで読み手に「当事者性」が生まれてくる。この本を読んでいると、調査対象の人生にどこまで調査者が介入していいのかなど、フィールドワーカーならではの悩みが様々出てくる。そのような対談を読んでいくうちに読者の私にも「自分がフィールドワーカーだったらどうするか」「自分が調査対象者と同じ立場だったらどうするか」という「当事者性」が生まれてくる。 統計的・帰納的なアプローチはある意味合理的で正しい結論が得られる。しかし、こと人間においては正しいけれど適していない場合があると思う。この本の中では沖縄戦の集団自決の生き残りの男性の話が出てくる。彼は集団自決で一人だけ生き残るという経験がありながら、米軍基地には賛成という立場を取っている。人間の思想・行動は規範的な議論には落ち着かない。だからこそ、自分と相容れない思想・行動をする他人に出会ったとき、根底に流れる生活、社会構造などに目を向けながら「逆だったかもしれねェ」と考えることが大事なのだと感じた。
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Posted by ブクログ
自分が大阪出身ということもあり購入
大阪で生まれ育った柴崎さんと、大人になってから大阪にやって来て気に入ってずっと暮らしている岸さんのエッセイ集
自分は、大人になって大阪から出て行った方なのでどちらかというと柴崎さんのお話に共感が持てて、育った環境も、ご実家が自営業で商店街で育った境遇は自分の境遇と同じだったので色々思い出すこともあり楽しく読めました
チャリンコで心斎橋やらアメ村に行ける距離感も、私がチャリンコで梅田へよく遊びに行った頃と重なって懐かしさを感じられたし、ホンマに色々思い出させてもらってありがたかったです
大阪、改めてええとこやな、たまには帰らんとなぁ、と再認識させてもらえた一冊でした -
Posted by ブクログ
学生時代から初めて大阪に来てなじんだという社会学者・岸氏と大阪生まれで現在は東京に住む小説家・柴崎さんのエッセイの連作集(対話ではない。)大阪という町に対する二人の思い入れ、愛情に富んでおり、「大阪」という独特の語感からの何とも言えない感覚を満喫できた。「大阪って嫌い」と言われることが多いのも、その強烈な個性的雰囲気が物語っていることも同感だ。大阪弁は意味の伝達よりも、会話を続けること自体に意味がある。そして、喋り続けることにより、自分は怪しくない人ですよー、と表現しているのだと、柴崎さんの感想には笑った。彼女の幼少期からの大阪での成長ぶりが面白く、中学時代からエレファントカシマシの公演にはほとんど行き、しかも最前列で聴いた!凄い!!岸氏が書く「大阪が好き」と言う時、「大阪で過ごした人生のその時間が好き」と言う事だろう、それは決してその時代が幸せでなかっとしても、という言葉は、至言だと思う。
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Posted by ブクログ
ネタバレ岸政彦さんの本はいつも読んでて本当に不思議な感覚に陥る感じがある
頭の中をスーンと何か静かなものが突き抜けて流れていくような感じ
流動的で普遍的〜連続性〜みたいな(自分で意味分かってないけど)単語が似合うような
登場人物に親しみを持って読んでいたら急にその人が消えるからさ、なんかそこで〜普遍的〜みたいなさ…分かってないけど…
柴田友香さんめっちゃ都会の学生生活で羨ましいんやけど…田舎って損だなあ
こんなに文化享受できなかったし行くとこなかったし暇だから時間は長く感じたよ
私こんな楽しそうな街一生知らないんだよなー
大学進学のときとか就職とかなんで出なかったんだろって後悔がまた湧いてくる
知らない街に住みたかったのに
複数の居場所が欲しかったのに
本当地元近辺を出ないで一生このままなんだよなー
もう1人では動けないし…
自分で自分が可哀想
私たちは自分というものに対して、憧れを持つことができない。
ほんそれ!! -
Posted by ブクログ
ネタバレ読んでいて、ファンシーショップに行きたくなった。
本好きボーイが太陽爆発を語り死の予感をさせてくるのもなんだか覚えある。
スーパーマリオより先に
謎ルールの遊びで「イッキニキ」という命があって負けるたびに死んでた。
子どもなのに日々死にまみれていた。
命の復活も簡単だった。
大阪の土地て、どんないい加減なところも受け入れる器がある。
えらいとかえらくないとかでなく、みな横並びで、高級とかでなく、安いほうがありがたられる世界。
あの頃の自分を懐かしく思い出すと共に、
ハラワタのような苦みのある読後感。
でもなんだか、読み返したくなる。
岸政彦は優しい。