岸政彦のレビュー一覧

  • リリアン

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    この著者初めて知りました
    社会学者なんですって

    大阪弁がええなあ
    会話と風景が切り離されてなくて
    静かにそして重く淡々と進んでいく
    日常
    二人の今と過去
    浮遊するような沈むような

    ジャズの知識はぜーんぜんないけど
    なんか音が聴こえてきた
    しらんけど

    リリアンは覚えてるで
    はやっとったから
    すっかり忘れとったけど

    ≪ 大阪は おもろい街や しらんけど ≫

    0
    2022年08月02日
  • ビニール傘

    Posted by ブクログ

    「ビニール傘」
    大阪の片隅に暮らすどうしようもない若者たち。語り手が次々にかわり、話と話が繋がっているような繋がっていないような、よく掴めない。そういうものとして読めてくる。

    「背中の月」
    喪失と向き合う男性の心情。隣の席の看護師が話してた、どうでもいい会話を繰り返す思い出すのもリアル。

    0
    2022年07月08日
  • ビニール傘

    Posted by ブクログ

    ビニール傘の役割をどう理解するかによって、解釈の違いで出てくる作品だと思った。

    ・いくらでも替えが効く関係性
    ・世界と2人を隔てる薄い膜、境界線

    正反対の性質だけど、どっちにもとれる。

    0
    2022年06月12日
  • 図書室

    Posted by ブクログ

    <大阪の下町>という場所に宿るノスタルジックな感傷を綴った二編。
    時代も生まれも育ちも違い、縁がないはずなのに、なんだか「ここに帰りたいなあ」と思ってしまう不思議な魔力がありました。
    子ども時代や青春の回想って、たとえ見知らぬ場所だったとしても、その土地に根付いた暮らしが丁寧に描写されるほど、心の繊細な部分を呼び起されるなあと思います。

    0
    2022年01月18日
  • ビニール傘

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    大阪の最下層で暮らす男と女。安い、ゴミにようなものに囲まれ、食べ物すらゴミを食べているかのように感じられる生活。
    詳細に描写される汚い部屋や無為な生活に感覚が麻痺しつつ、嫌悪感に満ちる男の眼差し。
    ああ、この人はもっと上から落ちて来たんだろうと思った。最初から安い暮らしで育ったならばここまで皮肉に思わないのじゃないか。
    あとで著者が博士を取る前に4、5年日雇生活を送り、その時の体験をもとに書いたと知る。なるほど納得。
    底辺のパワーや生命力がなく、静かに日々を消化する。そして密かにちょっとずつ傷ついていく。そんな気がした。
    話の筋はわかりにくい。男が複数いるようにも思え、女がどの女だかわからなく

    0
    2021年11月19日
  • リリアン

    Posted by ブクログ

    くたびれたジャズベーシストと、年増のスナックホステスの恋愛譚。
    本当になんてことない話なのだけれど、妙に胸に迫るのは年が近いからか。年増のホステスと僕ほぼ同い年なんですね。
    人生に対する諦めや、まだ先が有るのではないかという希望と、愛情なのか友愛なのか分からない好意。何も妨げるものは無いのに、どうしてか踏み切れない。
    音楽で食べて行けているけれど、先細りは必至だし技術的にもこれ以上は見込めないというくすぶりと、誰かの心を背負う事の重さにおびえる気持ちなのでしょうか。
    最後まで読んでも心の動きの深い所は書いていないので、読んで推し量るしかありません。色々考えてしまう本だし、淡く記憶に残って消えて

    0
    2021年11月15日
  • 図書室

    Posted by ブクログ

    一人暮らしの女性が、40年前くらいの小学生だった頃を回想する話とエッセイがひとつ。
    スナック勤めの母親。でも、寂しい小学生時代とは感じられなかった。この子には図書室があった。猫もいた。母の作ってくれたカレーもあった。
    母親を早くに亡くしてしまっても、引き取ってくれた親戚の人達は良くしてくれたし、今、この歳で独身でも決して不幸ではない。
    人によって、価値が異なるということを強く感じた。
    何が幸せなのかは、自分で決めるものなんだなぁ。

    0
    2021年09月12日
  • 図書室

    Posted by ブクログ

    表題作の方は、小学生の会話と行動がどうにもしっくりこず、最後まで入り込めなかった。土曜日の半ドンの風景や空気感のリアリティは自分も同様の経験がありよく描かれていると思えるのだが、小学生二人の距離感と感情の細部が読み取れなかったのが残念。
    給水塔の方は小説ではなく、著者の実人生と大阪の街々との関わりを描くエッセイ。80年代から今までのが街の変遷やそれでも変わらない性格が浮かび上がる。

    0
    2021年09月12日
  • リリアン

    Posted by ブクログ

    心の隅に追いやっていた過去や、期待を抱かなくなった未来を無理せず自然にこぼすことのできる相手がいるのはいい。日々を穏やかに支え合って過ごせる関係。

    会話の中に生まれる波長、湿度が綺麗に編み込まれていて、リリアンのように長くか細く美しく連なっている。
    鉤括弧のない会話が独特で心地よさあり。

    閉園後の暗闇でのデートがとても素敵だった。
    二人の脳が一瞬繋がって溶け合う感覚。

    情景、手の動きで心に訴えてかけてくる文章。
    ドラマチックな出来事はない。心が穏やかになる小説。人生に疲れを感じ始めた人や、関西が恋しい人は好きかもしれない。

    0
    2021年09月12日
  • ビニール傘

    Posted by ブクログ

    (いま感想文用のノートに手書きで書いているのだけど、「傘」っていう漢字が全然上手に書けなくて悲しみ。)

    「断片的なものの社会学」以来、それまで全然知らなかった岸政彦さんという社会学者/作家の方にすこぶる興味を持って、著作をあれこれ読み漁っている。

     この小説は、おそらくカップルと思われる男女のそれぞれの視点から、彼らの出会いや日常生活が淡々と語られる。前半が男性側、後半が女性側。決して裕福ではなく、ほとんど定職にもついていないような二人。汚い部屋。塞ぎ込む彼女。日雇いの肉体労働。付き合ってすぐの頃の思い出、明るかった彼女。波打ち際。だらだらと始まってだらだらと終わる関係。自分と無関係なよう

    0
    2021年09月02日
  • リリアン

    Posted by ブクログ

    会話調で、急に話が飛んだり、終わったりの不思議な文体。大阪やジャズや夜の商売のやるせなさ感はよく出ている。

    0
    2021年08月27日
  • 社会学はどこから来てどこへ行くのか

    Posted by ブクログ

    社会学者4人がリレー形式で行った対談の記録。

    理論、量、質という異なる領域の専門家が対談することで、ひとことで社会学といっても、研究の対象や手法などがかなり広く、どれか1つが正しいというものでもない、ということがよくわかる。
    でも、こうした交流を通じ、より多角的な分析、理解に繋がるとよいと思う。

    0
    2021年06月26日
  • ビニール傘

    Posted by ブクログ

    繋がりが難しいが、所々既出のフレーズでリンクしている部分が面白かった。
    不思議と読んでいられた
    嬉しいときよりも、不幸な時の方がどうしようもなく2人に感じる、みたいな部分が、真理かもしれないと思った

    0
    2021年06月16日
  • リリアン

    Posted by ブクログ

    地元の大阪の土地柄というか、大阪の街が
    表現されていることろが、心に残る感じです。
    万博・北新地・西天満・南森町・大阪北港・我孫子・
    天王寺・蒲生・・・・・・
    粘着性のある土地の感覚。
    お話しの内容は、淡々と大阪の街を歩きながらながれていく感じ。

    0
    2021年05月01日
  • リリアン

    Posted by ブクログ

    大阪の片隅で出逢った、音楽で細々と生計を立てるジャズベーシストの男と、小さなバー『ドミンゴ』でアルバイトをしている美沙。
    二人の他愛のない会話文がシーンの半分ほどを占めており、鉤括弧をつかわずに羅列されるそれらはとても象徴的で、見事に独特な雰囲気をつくりあげていた。
    そのなかに、"もっかいリリアンの話して。"と美沙が幾度もくりかえしねだるエピソードがある。
    男が小学生だったころ、仲間はずれにされていたクラスの女の子が独り無心でリリアンの紐を編み続ける姿。その光景がむしょうに忘れられずに折に触れて思い出してしまう、という話。
    言葉ではうまく説明はつかないけれど意味を持つ、男の

    0
    2021年05月27日
  • 図書室

    Posted by ブクログ

    図書室。50代の女性の子供時代、母との貧しい暮らし、公民館図書室、仲良くなった男の子との思い出。

    と、作者本人の大阪に対する想いを書いた給水塔。
    関西に馴染みがないのでなんとなく読んだ。
    これが自分の地元だともっとしっくりくるのか?
    大学を出て、飯場を転々とは作家としては珍しい?

    0
    2021年02月25日
  • 図書室

    Posted by ブクログ

    ダヴィンチのプラチナ本オブジイヤーから。同コーナーで取り上げられたものは、結構積極的に読むようにしていて、それなりに当たりが多い印象を持っている。で、その中でもその年一番ってだけに、期待は大きくもなる。でもこれはダメ。少なくとも個人的には全くハズレ。今、文学モードじゃないってのも大きいのかもしらんけど、何が良いのかさっぱり。表題作の中編小説と、あと一本はエッセイが入ってるんだけど、そちらもイマイチ。大阪への思い入れの違い、って部分も大きいのかな。

    0
    2021年02月15日
  • ビニール傘

    Posted by ブクログ

    背中の月の彼が部屋を出て、ビニール傘の彼になるのか。
    大阪愛がちりばめながら、生きづらさを孤独をつながりを感じる。
    著者は社会学者。
    私は音楽家から知ったので、そちら関連も読んでみたい。

    0
    2020年11月08日
  • 図書室

    Posted by ブクログ

    大人になった今はもう得られない、かけがえのない大切な時間。
    現実味のないことに真剣に頭を悩ます二人が微笑ましい。

    その人を形作る過去の思い出。
    トラウマ的なことではなくこういう何でもない日々から人生を見つめるのもいいもんですね。

    0
    2020年10月08日
  • 図書室

    Posted by ブクログ

    子供2人の会話のテンポが良くとてもいい作品だった。
    子供の頃を思い出す、大人の女性。
    自分の母親の事、猫の事。
    そして図書室でいつも出会う男の子の事。
    その子との不思議な冒険。

    後半は作者のエッセイ。
    私の知らない大阪がいっぱい。

    0
    2020年03月31日