岸政彦のレビュー一覧

  • 断片的なものの社会学

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    意味づけや解釈から解放された、ただそこに偶然あるものとして事物をみたいという気持ちがずっとあったので安らぎになるような話は多かった
    けどこの作者さんはかすかに希望を持たせるスタイルなので、そこが少し私とはズレていた
    「だからどうした、ということではないが、ただそれでも、そういうことがある、ということはできる」
    いうことができてどうなるのと諦めてしまう反抗期がまだ残存している

    私たちの人生はいくつものストーリーが重なってできており、意味を成す流れが先に存在しそこに矛盾しないように整えられる側面も大きいが、そのストーリーの手中から漏れる無意味のかけらが、そこにただ在るものとして感じられる。
    凄惨

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    2025年07月13日
  • ビニール傘

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    なんとなく、ただなんとなく、タイトルに惹かれて読んでみた。

    ……これがまた少し難しい。
    でも、きっと、大阪のどこかにこういう人たちがいて、生きてて、でも死んだような生活で……
    今この人たちはどうしてるんだろう……

    そんなことを、読み終えた時に思った。

    私の地元は大阪に近く、小説の中に出てくる地名もなんとなくそこの雰囲気がわかる。

    大阪ってキラキラしてる部分もあるし、澱んで暗い灰色の世界もある。

    その中で、今日も生きてる人たちがいる。

    …………この本を読んで、何か得たのかと言われると、難しい。でも、“何か”を感じたような気はする。

    そんな不思議な本だった。

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    2025年05月30日
  • リリアン

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    ネタバレ

    何が起こるってわけでもない、だけどそこにひっそりと愛がある、そんな話。
    海と街を重ねた描写が心地よかったです。

    「優しいやつは、役に立たんのや」という言葉にはハッとさせられました。
    優しい人の言葉って、本当に苦しい時には何の救いにもならなかったりする。
    じゃあどうしたらいいのか。
    多分、物語の終わりの主人公と美沙さんみたいに、ただ側にいられればそれでいいのかな、と本作を読んで思いました。

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    2025年05月29日
  • 調査する人生

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    社会学者の岸政彦さんと6人の研究者との対談をまとめた本。社会学者として調査対象とどのように関わってきたのか、その中でなにを感じていたのか書かれている。

    以下気になったところメモ
    ・社会学の目的、単に問題解決を目指すのではなく、まず「理解したい」。社会学はリカバリーやサルベージのような、答えを出すものではなくて、すでにあるものの価値を見つめ直す、拾い上げる学問。

    ・中動態とは「自分が行為の主体でもあり、同時にその行為の影響を受けている」という状態。つまり、「する」と「される」が切り分けられないような行為。(部落問題や差別、福祉、貧困といった社会学的テーマでも、「自分のせいなのか」「社会のせい

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    2025年04月25日
  • 所有とは何か ヒト・社会・資本主義の根源

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    戦時・戦後沖縄の極限状態で所有という規範が解体されたとき、タンザニアの不安定な社会で物のやりとりは恩を売る、つまり人同士のつながりをつくる行為である、といった内容から、コンベンションとしての所有権、ゲーム理論や社会システム論からみた所有まで、所有権について様々な議論を集成。

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    2025年04月12日
  • 調査する人生

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    ここに出てくる対談相手は朴さん以外本を読んでいるし、もちろん岸政彦も読んでいるし、「質的社会調査の方法」は類稀なる名著だと思っているが、その上で言う。
    岸政彦、各章で同じようなくだばかり巻いてないで、そろそろ社会学の論文を書いてくれ!

    私は「地元で生きる」を読んで本当に感動したし、沖縄ひいては世界に対する解像度が上がったと感じてものすごい知的興奮を覚えた。社会学に憧れるきっかけになった。
    洗練された学術的な様式で初めて伝わる知識や感動というものはあると思う。
    きちんと学術書の形で、あの興奮と感動を、もう味わわせてくれ!!!

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    2025年03月11日
  • ビニール傘

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    貧しさと若さと共存と孤独と。
    雨空の、ねずみいろの、大阪の寂れた風景。
    そんな世界をイメージしながら。
    感覚で大阪を味わった気分だ。
    ストーリーはともかく、
    余韻は残るな。

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    2025年01月23日
  • 大阪

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    『大阪』を書くことで、いま街の中で生きる自分の人生を書く…。『大阪へ来た人』と『大阪を出た人』による初共著エッセイ。
    私も大阪に来て40年。当初は賑やかだけど汚くて怖い街という印象だったが、この数年ですっかり洗練された都市に変わった。それでも他の都市にはない独特の空気が、ずっと住み続けたい理由である。

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    2025年01月04日
  • リリアン

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    細い光は上から降ってるけど、光を捉えられない。夜空に小さい灯りはあるけど、気づけば暗闇の中を歩いている。そんな人生を描いているのかな、と思いました。

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    2024年11月25日
  • 図書室

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    小学生のあの頃、、、
    懐かしい記憶が蘇る、、、
    そんな一冊


    土曜日は半ドン
    昼から半日だけが休みだった
    途中から第2、第4土曜は休みになったはず


    給食の牛乳は複雑な三角形をしたパック
    途中からビンに変わったはず


    好きな女の子にちょっかいを出す
    度が過ぎて泣かしてしまう
    途中から後悔したはず


    違う小学校に友達ができる
    サッカーをしていたから
    最初の頃は話はしないけど
    途中からめっちゃ仲良しになったはず


    嫌な感じのおばちゃん先生がいたり、、、
    ときどきうんざりする友達がいたり、、、
    学校は楽しいけど行きたくないときがあったり、、、


    あの頃の懐かしい記憶が蘇る、、、
    そんな一

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    2024年08月28日
  • 大阪

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    柴崎さんはともかく、岸さんのパートは大阪ワナビーのおっさんの自慢とも蘊蓄とも取れない昔語りだった
    若い頃はやんちゃしてたな〜おっさんになってからもこんな悪い友達がいたんだぜ〜みたいな、飲み屋で隣に座ったおっさんが聞いてもないのに延々と語ってくる様に似た読後感

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    2024年08月06日
  • 質的社会調査の方法――他者の合理性の理解社会学

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    ◾️他者の合理性を理解する
     こうした、私たちにはあまり縁のない人びとの、一見すると不合理な行為選択の背後にある合理性やもっともな理由のことを、ここでは「他者の合理性」という言葉で表現したいと思います。社会学、特に質的調査にもとづく社会学の、もっとも重要な目的は、私たちとは縁のない人びとの、「一見すると」不合理な行為の背後にある「他者の合理性」を、誰にもわかるかたちで記述し、説明し、解釈することにあります。

     質的調査の社会学の仕事は、いろいろありますが、つきつめて考えると、この「行為の合理性の理解」ということに尽きます。人びとの行為や相互行為、あるいはその「人生」には、必ず理由や動機が存在

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    2024年07月26日
  • 大阪

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    たしか座間味に行ったんだと思う。夕方、誰もいない浜辺で撮った写真が、たしかかあったはずだ。どこに行ったんだろう。彼女はたしか黄色いワンピースを着ていたと思う。たしか、たしか。思う、思う。

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    2025年10月21日
  • にがにが日記

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    「自分のエクストリームな体験や当事者性やアイデアで書けるのは一冊だけ。あとは『型』と『練習』。音楽でも文章でも学問でも同じ」(p.49)
    すきな作家はいつも、同じことを違う言葉で書く。それが彼らの「型」なのだ。
    電車が停まったとき、誰か亡くなったのかなと思える感性をうしなわずいたい、と綴る筆致はやわらか。一方で、「生きづらさをなくそう」「居場所をつくろう」といったふよんふよんした言説には一つ線を引く。わたしが引かれた哲学も確か、じゃなくて、殴ったら殺されそう(殺せそう)な煉瓦みたいな硬質な思想であった。
    白眉は書き下ろしの「おはぎ日記」。実家の犬の最期も不思議だった。家族がそろえる日を選ぶかの

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    2024年06月01日
  • 所有とは何か ヒト・社会・資本主義の根源

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    面白かったけどなかなか難しかった。
    3〜5章は特に。
    5章は、世界システム論から所有を語っているということで大変関心を持って読んだ。
    世界システム論と所有の接続ポイント(「外部の内部化」=収奪)まではよく理解できたが、その後、リオリエントのくだり以降は議論を追えなくなってしまった。
    1章は、新聞記事を並べるだけじゃなくてもう少し論じてほしかった。
    あの新聞記事と所有権の解体には飛躍があるのに、そこを埋める議論が抜けている。
    戦後沖縄の空気感はよく伝わった。

    圧倒的にわかりやすく面白かったのは2章。
    さすが小川さやかさん。
    どうしたら私は所有の欲望まみれのこの私から解放されるだろう?という問い

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    2023年08月08日
  • 所有とは何か ヒト・社会・資本主義の根源

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     岸政彦さんのファンなので(文章も好きだし、Twitterのぼやきも好きだし、声も好きだし、顔も大好き)、岸さんが書いたもの、関わった書籍は全部読むと決めている。でもこの本は専門性が高くて、特に岸さん以外の方の論文は、門外漢の私にはどれも難しすぎた。何回か中断と再開を繰り返してなんとか読破したけれど、ここに書けるような感想は得られず、「読み終わった」という事実だけが残った。しょぼん。

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    2023年07月21日
  • ビニール傘

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    描写が細かくて人の人生を覗き見しちゃった感。
    ちょー良い。途中まですっごい共感してたのに最後ちょっとよく分かんなくて掴めない感じ。
    良い。
    あと写真がなんかエモくて良い

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    2023年07月13日
  • ビニール傘

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    作者が岸政彦さんの初小説という事で読んでみた。 何かしら短編映画のワンシーンを文字に表した感じの内容だった。始終、諦念感が漂う話でした。

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    2023年07月01日
  • 図書室

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    小学生の頃に通った図書室の回想とそこそこに歳を重ねてひとり暮らす主人公の何でもない静けさが良かった。作者の自伝エッセイも良かった。

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    2023年01月09日
  • ビニール傘

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    7年前の大坂が舞台。時間が移動しながら物語が進む。二つ目の作品は、少し悲しくて、主人公が生きる気力を取り戻してくれるのかしら。人が大事にされない、不安定な世の中を映している。
    息子の残して行った本。息子を思いながら読み終えた

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    2023年01月07日