配信予定・最新刊
作品一覧
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5.01巻4,950円 (税込)2022年5月に、日本復帰50年を迎えた沖縄。これを節目として、沖縄の歴史とともに生きてきた人々の来し方を聞き取って文章に残そう、という沖縄タイムス社の企画が結実したのが本書である。沖縄タイムス紙上での募集に応えた「聞き手」たちが、それぞれ思い思いの「語り手」を選び、その人生を聞き取って生活史として仕上げた。紙上に、およそ半年以上にわたって連載された85篇に加え、新聞には掲載しなかった15篇を合わせた、計100篇の生活史がここにまとめられている。巻頭と巻末にはそれぞれ、監修者のまえがき、あとがきを収録する。「私は本書のどの語りの、どの部分を読んでも、深い感慨と感動をおぼえます。ここには語り手たちが経験した「沖縄の戦後」が、確かに存在するのです」(岸政彦、まえがきより)「数多くの沖縄の人たちから聞き取りしてきたにもかかわらず、庶民の生活の奥深くに分け入り、心の襞に触れるところまでは、聞き取りはしていなかったか、と思わざるを得ない語りにも出会えました」(石原昌家、あとがきより)
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-1巻4,620円 (税込)150人が語り、150人が聞いた大阪の人生。大阪に生きる人びとの膨大な語りを1冊に収録した、かつてないスケールで編まれたインタビュー集。
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4.41巻4,400円 (税込)「150人が語り、150人が聞いた、東京の人生」。いまを生きるひとびとの膨大な語りを一冊に収録した、かつてないスケールで編まれたインタビュー集。
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3.6
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3.0
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4.6
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4.5★紀伊國屋じんぶん大賞2016受賞! ------------------------------ 一生に一度はこういう本を書いてみたいと感じるような書でした。――星野智幸さん この本は、奇妙な「外部」に読者を連れていく。 大冒険ではない。奇妙に断片的なシーンの集まりとしての社会。一瞬きらめく違和感。 それらを映画的につないでいく著者の編集技術には、ズルさを感じもする。美しすぎる。 ――千葉雅也さん これはまず第一に、無類に面白い書物である。(…) 語る人たちに、共感ではなく理解をベースにひたすら寄り添おうとするスタンスは、 著者が本物の「社会学者」であることを端的に伝えている。─―佐々木敦さん(北海道新聞) 読み進めてすぐに、作者の物事と出来事の捉え方に、すっかり魅せられた。――唯川恵さん(読売新聞) 社会は、断片が断片のまま尊重されるほど複雑でうつくしい輝きを放つと 教わった。─―平松洋子さん(東京人) ------------------------ 「この本は何も教えてはくれない。 ただ深く豊かに惑うだけだ。 そしてずっと、黙ってそばにいてくれる。 小石や犬のように。 私はこの本を必要としている」――星野智幸さん ------------------------ どんな人でもいろいろな「語り」をその内側に持っていて、その平凡さや普通さ、その「何事もなさ」に触れるだけで、胸をかきむしられるような気持ちになる。 梅田の繁華街ですれちがう厖大な数の人びとが、それぞれに「何事もない、普通の」物語を生きている。 小石も、ブログも、犬の死も、すぐに私の解釈や理解をすり抜けてしまう。それらはただそこにある。[…] 社会学者としては失格かもしれないが、いつかそうした「分析できないもの」ばかりを集めた本を書きたいと思っていた。(本文より)
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-1巻110円 (税込)※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 芥川賞・三島賞の候補者にして「質的社会調査」の再提唱者として注目される社会学者・岸政彦さんと、大阪・釜ヶ崎の貧困問題について『貧困と地域』にまとめた白波瀬達也さんが、大阪、沖縄で見聞きした人びとの声、社会の成り立ちと、その問題について語った。
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
20代、30代の頃はミナミでよく遊んだ。ホームグラウンドだった。梅田にはないバタ臭さとごった煮感が自分の肌感覚に合っていた。あらゆる道を歩いて知らない路地はなかった。働いたお金は大体洋服か友人、彼女とのご飯代に変わっていった。居酒屋、バー、カフェ、立ち飲み、レストランが好きで新しいお店を開拓しては仲間と語らいバカみたいに飲んで朝方始発で帰るような生活をよくしていた。大阪を読んでいるとまんま自分と同じ生活を感じて同じような感覚で街を捉えている2人の体験が綴られていて夢中で一気に読んでしまった。自分があの頃に感じていたミナミと今のミナミは同じで違う存在なんだなと改めて突きつけられた。
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Posted by ブクログ
とても素敵で美しい本。他の方も記載されているように、どういう本かを一言で説明するのは難しいのですが、社会の中で一生懸命に生きる、自分以外の誰かに思いをはせることができる本です。外で出会う見知らぬ他人ひとりひとりに想いがあり、人生があり、物語があるのだ、という当たり前のことに気づかせてくれます。と同時に、社会の厳しさ、その社会の中で生きていかなければならない小さな自分、というものにも気付かされます。自分がいまどのような心持ち、立場、環境に置かれているかで、読んだときの感想も違うものになりそうです。
タイトルは重苦しい印象ですが、社会学に触れたことがない私にとってもとても面白い内容で、すいすい読 -
Posted by ブクログ
岸政彦さんと柴崎友香さんによる、大阪に纏わるエッセイが交互に展開される。岸さんは上新庄に住まわれていて淀川河川敷の話などあり、私も淀川沿いの大学で、社会人になってから1年半ほど上新庄に住んでいたので同意するエピソードが多々あった。柴崎さんは1973年生まれということで、私は1972年なのでほぼ同世代。中学校の頃の「4時ですよーだ」など2丁目劇場や、ミニシアター系、音楽の話題など同じような感じ。最近の小中高生がどんな感じかよくわからないけど、昔の方が無駄があったというか、時間がゆっくりだったような気はする。そんな以前の大阪をロマンティックに書かれていないところが、貴重な記録というか自分にも近い当
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Posted by ブクログ
上京物語は掃いて棄てる程あるが、下阪(なんて表現はないが都に住む以外が全て下るのであるならば)物語は中々ない。大阪ですらそうなのだから他の各地では尚更だろう。
最近の「移住しました」系のYouTubeともどこか似て非なる、進学就職を機に移り住み、そのまま居着いてしまった人達の中の一定数には、その居着いた土地に対して染まらない染めれない感情と、一方で愛したい愛されたい感情が相反して内在している。
他所から大阪に移り住んだ、という点では岸氏と立場を同じくするが、自分は故郷を棄ててしまった訳ではない。故郷忘れじ、という点では柴崎氏と同じである。愛惜ある土地が複数ある事は幸せな事、と思う。
「大