稲葉振一郎のレビュー一覧
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人工知能の発達によって人間の仕事がうばわれるのではないかという問いかけがなされる現在において、あらためて労働をめぐる経済学や社会哲学における議論の蓄積のなかから、この問題について考えるための手がかりをとりあげなおし、人工知能がわれわれにもたらすインパクトの本質について考察をおこなっている本です。
著者は、ロックやスミス、ヘーゲル、マルクスなどの思想を渉猟し、資本主義における労働や疎外について彼らがいったいどのような思索を展開してきたのかということをたどっていきます。そうした枠組みを踏まえたとき、人工知能が人間の仕事をうばうという問題は、それが管理業務のようなものにまでおよぶことになるかもしれ -
Posted by ブクログ
トマ・ピケティの『21世紀の資本』(2014年、みすず書房)が日本でも広く話題となった状況のなかで刊行された数多くの本のひとつですが、著者が「あとがき」で述べているように、ピケティの解説書ではなく「不平等との戦い」というテーマの経済学史における変遷をたどり、このテーマが現代においてあらためてとりあげられることになった文脈を明らかにしている本です。
本書ではまず、ルソーとスミスの対立にまでさかのぼり、ルソーが私的所有制度のもとでの分業が不平等を生み出すことを問題視したのに対して、スミスは市場メカニズムを通じて全体としての豊かさが実現できることに目を向けたことが説明されます。つづいて、マルクス経