稲葉振一郎のレビュー一覧

  • 「公共性」論
    公共性とは所与のものではないことから、
    全体主義や動物化の議論を通して、リベラル・デモクラシーの立場を取り、自然、社会、個人の諸関係を結んでいく。

    これまでの社会論≒公共性論の整理+著者の構想だけれど、
    何も考えなくて済むようなポストモダン的な社会ではない、
    方向へ少しでも向かう道筋をつけようとし...続きを読む
  • 社会学入門 <多元化する時代>をどう捉えるか
    社会学の教科書として書かれた本である。社会学が、学問として、一般理論を求めているが、見出せていないこと。そして、それが、究極的に、われわれの予想外にあること。学問の永遠のテーマだろうな。
  • 社会学入門 <多元化する時代>をどう捉えるか
    社会学のシャの字も知らないような自分だったが、本書はかなり分かりやすく、社会学の成り立ちから基礎的な研究方法、目指すところと今後に至るまで大よそ理解することができた。関連文書の紹介も充実しているため、分かりやすそうな本から今後も手をつけていきたいと考えている。
  • 社会学入門 <多元化する時代>をどう捉えるか
    「社会学ってなんだろう」という素朴な疑問から手に取ってみた本。
    とりあえずウェーバーとかデュルケームのことだろって思ってた社会学のイメージを変えてしっかりと入門させてくれた本。
    「社会学とは社会的に共有される意味・形式そしてその変容可能性についての学問」ということだそうです。
    入門書なのですごく読み...続きを読む
  • 社会学入門 <多元化する時代>をどう捉えるか
    [ 内容 ]
    格差や家族問題から国際紛争まで何でも扱う社会学。
    では、その根本に流れる問題意識とはどのようなものか?
    「無意識」の発見に象徴される、近代の理性的人間観の崩壊を踏まえ、人々が無自覚にもつ価値観と、社会形成とを関連づけて捉える視点だ。
    以上の見立ての下、デュルケムやウェーバーらを考察する...続きを読む
  • 「公共性」論
    400ページ程の本書の帰結するところは著者曰く「着地点はひどく見慣れた風景」との事だが、そこに至るまでの本書の内容は結構険しい。論は理路整然としているので順を追っていけば読み解けるが、とにかく骨が折れる。それでもそれだけの内容はあると思う。「公共性」などという定義するのも共通認識を形作るのにも非常に...続きを読む
  • モダンのクールダウン
    近代をクールダウンしつつ、棄却することはせず、誰もがコミットする可能性を残すべきと主張
    テーマパークは動員であって公共性ではない
    →フェスはどうか
  • 「資本」論 ――取引する身体/取引される身体
    「資本」論というタイトルに偽りあり。正しくは「資本論」論。マルクスの「資本論」とそれ以前のホッブスやルソーらの概念を比較していく。「資本論」研究としては薄いが、入門書としてはややとっつきにくい
  • 「資本」論 ――取引する身体/取引される身体
    安価で入手しやすくコンパクトである、ということについては言うことは無い。内容は社会契約論からマルクスまでの道を噛みくだいで説明していく、というものだが、重箱の隅をつつくようなところもあり、その都度他の入門書なども参照しなければならないので、難易度は思ったよりも高い。各章ごとに論点がまとまっているので...続きを読む
  • 危機の時代に読み解く『風の谷のナウシカ』
    教養がないと読み切れない対談集、難しい内容だと感じる本だった。これほどの知識人、文化人がその立場や専門分野から様々な考察がされる。宮崎駿作品ならではのことだろうと思う。それこそ20年以上前に、ナウシカの漫画本を途中までだか、読んだ記憶はあるのだが、自説を語れるほどの読者ではないので、偉そうなことは何...続きを読む
  • AI時代の労働の哲学
    人工知能の発達によって人間の仕事がうばわれるのではないかという問いかけがなされる現在において、あらためて労働をめぐる経済学や社会哲学における議論の蓄積のなかから、この問題について考えるための手がかりをとりあげなおし、人工知能がわれわれにもたらすインパクトの本質について考察をおこなっている本です。

    ...続きを読む
  • 不平等との闘い ルソーからピケティまで
    トマ・ピケティの『21世紀の資本』(2014年、みすず書房)が日本でも広く話題となった状況のなかで刊行された数多くの本のひとつですが、著者が「あとがき」で述べているように、ピケティの解説書ではなく「不平等との戦い」というテーマの経済学史における変遷をたどり、このテーマが現代においてあらためてとりあげ...続きを読む
  • 社会学はどこから来てどこへ行くのか
    社会学者4人がリレー形式で行った対談の記録。

    理論、量、質という異なる領域の専門家が対談することで、ひとことで社会学といっても、研究の対象や手法などがかなり広く、どれか1つが正しいというものでもない、ということがよくわかる。
    でも、こうした交流を通じ、より多角的な分析、理解に繋がるとよいと思う。
  • 社会学入門 <多元化する時代>をどう捉えるか
    社会学とはどのような学問なのかということを、わかりやすい文章で解説している本です。

    著者は、社会学においては研究者たちの共通の枠組みとなるような理論が存在していないことを指摘し、そのあつかっているテーマのとりとめのなさの歴史的な由来や、そのことが社会学という学問の現代的意義にどのように関係している...続きを読む
  • 銀河帝国は必要か? ──ロボットと人類の未来
    全体的に難しい内容だったけど、アシモフの小説から人類がどういう方向に進んでいくのかということを考えるのは面白いと思った。小説にも当たってみたい。(ハヤカワのセールでとりあえずファウンデーション三部作は買った。)
  • 銀河帝国は必要か? ──ロボットと人類の未来
    SFものフィクションにしばしば登場する銀河系規模の国家の成立について、主にアイザックアシモフの古典SF作品を題材として考察する本。アシモフを作品は読んでいないが、本の要所要所で解説を挟むので読み進める上での不便はあまり感じなかった。(逆にいうとこれからアシモフの本を読みたい人には向いていない)
    しか...続きを読む
  • 社会学はどこから来てどこへ行くのか
    とても興味深く読ませていただきました。
    社会学自体が馴染みがなかったが、4人の討論のわりにはよく纏まっているので、読んでいるうちに「社会学」の輪郭や直面している問題について理解ができるようになってきました。
    社会学を専攻していない素人の方でも、楽しく、また気づきを得ることができる良書だと思います。
  • 銀河帝国は必要か? ──ロボットと人類の未来
    超高機能ロボットの共存や宇宙への進出がリアリティーを増してきた時代。どのように構想すればいいのか?アシモフをはじめとしたSF作品を手がかりに考える。
  • 社会学はどこから来てどこへ行くのか
    岸さん、北田さん、筒井さん、稲葉さんによるトークリレー本。社会学の知見がないと読み進めるのが苦しい。大学で学んでいた社会学を理解するために購入したが、より難解になった気がする。そのくらい普通の学問の深みはすごいと言うことなのかな。
  • 増補 経済学という教養
    本書のテーマは、著者自身によって「素人の、素人による、素人のための経済学入門」と規定されています。その一方で、「あとがき」には、「「マルクス主義」を野辺送りにし、「近代経済学」を肯定し、その上で自由主義と左翼ラディカリズム、そしてポストモダンへの、自分なりのスタンスを定められたように思います」と述べ...続きを読む