稲葉振一郎のレビュー一覧

  • 社会学はどこから来てどこへ行くのか

    Posted by ブクログ

    社会学者4人がリレー形式で行った対談の記録。

    理論、量、質という異なる領域の専門家が対談することで、ひとことで社会学といっても、研究の対象や手法などがかなり広く、どれか1つが正しいというものでもない、ということがよくわかる。
    でも、こうした交流を通じ、より多角的な分析、理解に繋がるとよいと思う。

    0
    2021年06月26日
  • 社会学入門 <多元化する時代>をどう捉えるか

    Posted by ブクログ

    社会学とはどのような学問なのかということを、わかりやすい文章で解説している本です。

    著者は、社会学においては研究者たちの共通の枠組みとなるような理論が存在していないことを指摘し、そのあつかっているテーマのとりとめのなさの歴史的な由来や、そのことが社会学という学問の現代的意義にどのように関係しているのかということが論じられています。

    本書では、社会契約論において「方法論的個人主義」の発想にもとづく社会の説明が成立し、その後社会学の前史において文化的な意味や知識、情報などが人間の行動を規定しているという全体論的な発想が生まれてきた経緯を説明しています。そのうえで、こうした新しい人間の理解のしか

    0
    2021年06月21日
  • 銀河帝国は必要か? ──ロボットと人類の未来

    Posted by ブクログ

    全体的に難しい内容だったけど、アシモフの小説から人類がどういう方向に進んでいくのかということを考えるのは面白いと思った。小説にも当たってみたい。(ハヤカワのセールでとりあえずファウンデーション三部作は買った。)

    0
    2021年06月05日
  • 銀河帝国は必要か? ──ロボットと人類の未来

    Posted by ブクログ

    SFものフィクションにしばしば登場する銀河系規模の国家の成立について、主にアイザックアシモフの古典SF作品を題材として考察する本。アシモフを作品は読んでいないが、本の要所要所で解説を挟むので読み進める上での不便はあまり感じなかった。(逆にいうとこれからアシモフの本を読みたい人には向いていない)
    しかしながら倫理学や自然科学、社会科学に関連する内容が含むので、読み進めるのに骨が折れるし時間もかかる。
    そもそもの話のスケールが壮大なので、直接現代の我々がこの本から得られる気づきは余りなさそうだが、フィクション作品を楽しむうえで作中の社会の成り立ちなどをあれこれ夢想するための資料にはなるだろう。

    0
    2020年05月05日
  • 社会学はどこから来てどこへ行くのか

    Posted by ブクログ

    とても興味深く読ませていただきました。
    社会学自体が馴染みがなかったが、4人の討論のわりにはよく纏まっているので、読んでいるうちに「社会学」の輪郭や直面している問題について理解ができるようになってきました。
    社会学を専攻していない素人の方でも、楽しく、また気づきを得ることができる良書だと思います。

    0
    2019年11月26日
  • 銀河帝国は必要か? ──ロボットと人類の未来

    Posted by ブクログ

    超高機能ロボットの共存や宇宙への進出がリアリティーを増してきた時代。どのように構想すればいいのか?アシモフをはじめとしたSF作品を手がかりに考える。

    0
    2019年09月08日
  • 社会学はどこから来てどこへ行くのか

    Posted by ブクログ

    岸さん、北田さん、筒井さん、稲葉さんによるトークリレー本。社会学の知見がないと読み進めるのが苦しい。大学で学んでいた社会学を理解するために購入したが、より難解になった気がする。そのくらい普通の学問の深みはすごいと言うことなのかな。

    0
    2019年09月07日
  • 増補 経済学という教養

    Posted by ブクログ

    本書のテーマは、著者自身によって「素人の、素人による、素人のための経済学入門」と規定されています。その一方で、「あとがき」には、「「マルクス主義」を野辺送りにし、「近代経済学」を肯定し、その上で自由主義と左翼ラディカリズム、そしてポストモダンへの、自分なりのスタンスを定められたように思います」と述べられているように、マルクス経済学という不良債権を処理し、その思想的遺産のなかに引き継ぐべきものとしてなにがのこされているのかということを見定める試みともなっています。

    小泉内閣における「構造改革」が人びとのが大きな共感を呼び、金子勝を中心とする左派の経済学者たちの批判を鈍らせることになった理由とな

    0
    2019年05月31日
  • 社会学はどこから来てどこへ行くのか

    Posted by ブクログ

    ちょっとしたきっかけで買って読むことになった本。もともと社会学がどういうものなのか分かってないのに「どこから来てどこへ行くのか」なんてどうでもいいんだけど,専門分野が異なる先生たちの対談というライブ感のおかげでそれなりに楽しく読み終えた。
    結果的には,社会学の中にいろんなジャンルがあること,ほかの経済学や心理学なんかとは違いがあること,先生もいろいろ悩んでいること,などが分かり,社会学に興味は持てた。
    せっかくだから著者の誰かの本で読みやすそうなものがあったら読んでみようかとは思うものの,まあ1年ぐらい先かなぁ。

    0
    2018年12月24日
  • 増補 経済学という教養

    Posted by ブクログ

    稲葉振一郎先生の新刊が出るので再読。「経済学という教養」についてあれこれと書かれている本だが、今から読むにはかなり厳しい本である。第一に、経済学入門としては、あまり筋がいい本とは言えず、これを主流派の経済学入門とするには、かなり厳しい。第二に、元はwebの連載をまとめたもので仕方ないかもしれないが、総花的でどうも纏まりが良くない。稲葉先生の「勉強ノートを公開してみた」という感じで、要点が整理されておらず、闇鍋みたいな経済学教養本。賛否で云うと否の割合が個人的に高い。

    マルクス経済学について書いた部分をバッサリ切って、もっと主流派経済学について書くべきだったのでは?これだと「(マルクス)経済学

    0
    2018年07月30日
  • 不平等との闘い ルソーからピケティまで

    Posted by ブクログ

    ルソーとスミスからピケティまで、経済学における不平等に関する論述を俯瞰した一冊。それに対して、ご本人はどのような意見を持っているのか不明なのが、日本の学問の不幸です。

    0
    2017年12月21日
  • 不平等との闘い ルソーからピケティまで

    Posted by ブクログ

    理解に多くの前提を必要とする。どこに定点を見出すかによってスタンスに違いが出てくる。語られること以外の要素が大きな問題であるよう。その問題は底が抜けているので語られない気がする。処方を見出して共有するの難しそうだというのが率直な感想。

    0
    2017年12月18日
  • 社会学入門 <多元化する時代>をどう捉えるか

    Posted by ブクログ

    何が真実か判らない、判らないからとにかく、藁をも掴もうとする。ポピュリズムなどの現象には、そういう人々の感情が渦巻いていると感じる。

    0
    2012年03月02日
  • 社会学入門 <多元化する時代>をどう捉えるか

    Posted by ブクログ

    先日読んだ「Do!ソシオロジー」は総花的で問題意識に欠ける、社会”学”としての観点に乏しいのが不満だった。
    本書ではそういうところがきっちりと書かれている。

    そもそも社会”学”とは何なのか、そこにはどのような理論があるのかをはじめに丁寧に解説していく。
    そして、時代を戻して社会学の成立・発展史から現代の社会学における問題までを敷衍する。

    「Do!ソシオロジー」が現時点における論点設定というところに重きを置いていたのに対して、本書は社会学それ自体のアイデンティティは何か?社会学の存在意義は何か?といったよりメタな視点での問題意識が強い。
    社会学の標準(そんなものがあるとして)と著者の視点がど

    0
    2011年08月19日
  • 「資本」論 ――取引する身体/取引される身体

    Posted by ブクログ

    [ 内容 ]
    「私的所有」が制度化され、市場経済が発展し、資本主義の秩序が支配する世界は、それ以前の「自然」な状態よりも、おおむね有益である。
    だがそうした世界は不平等や労働疎外をも生みだす。
    それでもなお、私たちはこの世界に踏みとどまるべきであり、所有も市場も捨て去ってはならない。
    本書はその根拠を示し、無産者であれ難民であれ「持たざる者=剥き出しの生」として扱われることがないよう、「労働力=人的資本」の所有者として見なすべきことを提唱する。
    「所有」「市場」「資本」等の重要概念を根本から考察した末に示されるこうした論点は、これからの社会を考える上で示唆に富む。

    [ 目次 ]
    プロローグ 

    0
    2014年10月27日
  • 社会学入門 <多元化する時代>をどう捉えるか

    Posted by ブクログ

    社会学を主専攻としない著者が書いた社会学の入門書。社会学が専門だと入り込みがちな思い入れが無いため、メタな立場から社会学という学問を見られていいです。一回なんとなく社会学を通史的に学んだことのある人向きの本です。

    0
    2009年10月07日
  • 社会学入門 <多元化する時代>をどう捉えるか

    Posted by ブクログ

    小難しく考えようとしすぎ。 入門ならもっとシンプルで分かりやすくないと。 それから、「社会学とは何か?」の答えは、答えの中に「社会」という言葉が入っていてトートロジーっぽい。

    0
    2009年10月07日
  • 増補 経済学という教養

    Posted by ブクログ

    <目次>
    第1章こういう人は、この本を読んでください

    第2章出発点としての「不平等化」問題
    1日本社会の「不平等化」
    2不平等と経済学

    第3章素人の、素人による、素人のための、経済学入門
    1ミクロ経済学ーマクロ経済学への入り口として
    2マクロ経済学
    (1)マクロ経済現象-総需要と物価
    (2)マクロ経済現象の原因-市場の不完全性か、貨幣愛か
    3マクロ経済動学
    (1)二つのケイジアン
    (2)三つのケイジアン
    (3)不完全情報と不確実性
    (4)バブルとは何か
    (5)この節のまとめ
    4この章のまとめ
    補論金融システムという魔圏

    第4章日本経済論の隘路
    1「構造改革主義」は「市場原理主義」で

    0
    2011年09月21日
  • 「資本」論 ――取引する身体/取引される身体

    Posted by ブクログ

    資本主義は不平等や疎外を生み出すシステムだけど、それに代わるものとしてマルクス主義のように新しいシステムを構想するのではなく、持たざるものは「労働力=人的資本」を所有する者として、このシステムに留まるべきだ――ということを、ホッブズやロックの社会契約論を参照しながら、所有、市場、資本など資本主義を構成する概念を検証しながら主張する。なんて分かったように書いているけど、社会学にも経済学にも不案内な僕には難解で理解できないところも多かった。たぶん誠実に書くからこうなっちゃうんだろうけど、新書なんだし、不誠実でも分かりやすく書いてもらえるとありがたいなと。

    0
    2009年10月04日
  • 「資本」論 ――取引する身体/取引される身体

    Posted by ブクログ

    過去の著名な経済学者の論拠の説明とそれに対する著者なりの意見が述べられています。少々難解で私には難しい内容でした・・・

    0
    2009年10月04日