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Posted by ブクログ
私(梨子)は、幼い頃から恋をしていたナーちゃんと婚約をし結婚するのですが、見た目も美しく魅力的なナーちゃんには、次々と女の人が近寄ってくるようです。
沈み込んでいる梨子はある時、その昔小学校の用務員室にいた高丘さんという男性に再会し、高丘さんに教えてもらった「魔法」で、江戸吉原や平安の時代に行き、果てしない旅をしながらさまざまな愛を知るのです。
「伊勢物語」をモチーフにした夢物語は、やわらかな筆致で読みやすく、昔々の恋物語を存分に堪能することができます。
江戸時代の女性たちのしいたげられたつつましい暮らしや、平安の姫さまにつかええる女房としての働きぶりなどが体験できて、今の時代と比べてみると本当に面白い。
人には物語があって、すべてが断片的で思い込みでできているのです。
体は滅びても、せつなく激しい恋心は、いまだにしぶとく心の中に残り続けているのです。
恋することは苦しくても、もう昔に帰れなくても、私たちは決してそのことを忘れることはないでしょう。
生きている間に好きな人に出会えるって、こんな素敵なことはないのですね。
とてもいい小説に出会えました。
Posted by ブクログ
まるで光源氏のようなナーちゃんと
まるで紫の上のような莉子
わずか2歳で恋に落ちて貫いた
ありきたりの夫婦になっていく中
ナーちゃんはまるで平安時代の人のように
よそにも恋する人がいるのです
そんな頃莉子は
小学校の頃出会った
不思議な高丘さんに
再び出会い
魔法を教えてもらう
やがて夢の中で
莉子は花魁への道を進むことになる
現在と江戸時代と平安時代とを
莉子と高丘さんは
行ったり来たりして
成長していく
なんともたおやかな素敵な物語
伊勢物語がモチーフとなっている
すべての時代の女性の恋愛事情が
この一冊に込められている
夢のような読書時間でした
Posted by ブクログ
昔の章
すべての女をとりこにする魅力的な男、ナーちゃんと結婚した主人公、梨子。
常に他の女性の影が消えない夫との暮らし
夢の中では別の女として生きます。
貧農の家から10歳で売られ、江戸吉原の、かむろ
になります。
廓での生活が、食べ物、着るもの人間関係などなど、かなり詳しくて興味深い。
夢の中では、かむろとして、生き、話してはいるものの、気持ちは現代の梨子のままなのです。
昔昔の章
現実の世界で梨子は、ナーちゃんの子供を産みます。
夢の中、今度は源氏物語より少し前の時代へ。
10歳で、貴族の姫さんに仕える女官である、女房として働きます。
そして姫さんは婿取りをして…
平安貴族たちの日常が細かに描かれます。
これは、伊勢物語の世界?
現代、江戸吉原、平安時代(モテモテ男業平)の時代
千年も前からの恋愛模様。
伊勢物語、まったく知らなかったけれど、興味深い。
Posted by ブクログ
第一章前半の現代の話はいわゆるありきたりの恋愛話であり、読み始めた当初は、なんと盲目的な恋だろうと思いましたが、なるほどそれはプロローグのようなもので、梨子が高丘さんと再会してからの話こそ、この小説の真骨頂でしょう。なにより、『伊勢物語』をモチーフにした作品ですから、はたして梨子が在原業平とどのような関係を結びつくのかを知りたいです。
案外、梨子は直接的に業平と関わっているわけではありません。多くの場合、彼女はあくまでも他人として彼を観察したり、時に姫様のために憤慨したりしたに過ぎません(終盤のあるシーンを除いては)。
でも、面白いことに、その観察の視線は、『伊勢物語』を読んでいる読者の視線と重なるものとも言えましょう。業平という男の魅力ははたしてどこにあるのだろうという疑問を、私たちは梨子の目を通して解こうとしている。
もちろん、この小説のなかに呈されている在原業平は、本当の在原業平ではないし、『伊勢物語』のなかの業平を思わせる男も、実在の業平とは言えません。現在放送中の『光る君へ』に登場する紫式部の人生は、本当の紫式部の人生とはだいぶ違うでしょうということと同じように。
でも、それにしても、物語の面白さは減りません。『三度目の恋』を読んで、『伊勢物語』も読みたくなりました(現代語訳ですけど)。そして、紫式部と藤原道長はたぶん恋仲ではないとわかったとしても、私は毎週まひろと三郎の恋の行方を楽しみにしています。
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