切ない。はっきりしない。ゴールが見えない。もやもや。
そんな雰囲気がかえって心地よい小説。
早朝の霧がかった、しんと静かな湿った道路を歩く時のあの気持ち。心の真ん中にぽっかりとあく孤独の穴。これを生涯抱えて生きることに呆然とする一方で、どこか満たされているようにも感じる不思議。
Reading through the entire book what we got at the very last was just “魂が「するっと近くに寄った気がした」”。What sort of purity is that.
でも何よりも心強い一言。老いてなお誰かとそんな関係性を、何よりその感性を持てるのだろうかと、私は考えさせられたのでした。