【感想・ネタバレ】恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

途中まで川上弘美さんが自分の経験を語っているのかと思って読んでいたが、途中で主人公の名前が出てきて違うということがわかった。
最初の章に出てくるアメリカでの子供のころの経験話が最後までつながっていて、しかもそれが大昔の思い出であるにもかかわらず、登場人物たちはいろいろなことを覚えている。
今は全員60代で、その登場人達の中で恋愛っぽい話ことも出てきて面白い。

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2024年04月05日

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久々の川上弘美さんの小説を読んだ。エッセイはずっと読んでるけど。同じ歳だから、川上さんの日常に思うことが共感できる。

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2024年03月05日

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とても、おしゃれ〜な気分になる。欧米人の会話ってウィットが効いてて、嫌味なく本気で喋っていいよな、とら思っているけど、そこを少し日本人的ないテイストで流してる感じ。口に出さなかったことも含めて、表現がおしゃれ。

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2023年11月25日

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途中からエッセイ?と思い直し、やっぱり小説だよねっと思いながら、環境は違うものの同年代の一人として、物語の中に一緒に参加しているような居心地だった。

こんな友達関係、この歳だと違和感なく受け入れられる。男友達の関係は羨ましい、これはなかなかないかも(笑)

いずれにしても、うんうんと頷ける今日この頃を少し新鮮にさせてくれた本でした。

最後の含蝉が目の中で・・・になるくだり、最高です!

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2023年10月10日

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今と昔の
どうでもよさそうなことを
ただ思いつくままに
つらつらと書き連ねているようで…
気づくと
繊細な言葉の糸で紡がれた
いちまいの布に包まれているような
安らかで温かな気分に。
人生なんて
毎日代わり映えなく
くだらないことの連続で
でも、だからこそ
やりたいことをやって過ごしたいなー
と生きている自分と
自分のまわりの大事な人たちを
愛おしく思えてくる。

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2023年10月01日

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ふうん?と思いながら読んでいたんだけど、なんかハマった!w

川上弘美さんはいい!やっぱりいい!

選ぶ言葉や、言い回しや、独特の空気感も好き過ぎる。

サイコーだ!!

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2023年09月30日

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「一人称感」という言葉があるかどうか定かではないけれど、これはとても一人称感(私小説風、というのともまた違うニュアンス)の強い小説。特に、この作家にしては、と急いで付け加えよう。というのも、川上弘美の書くエッセイや日記形式の文章でちらほら語られていた自身に関する事々が、濃厚に(というのはエッセイ等ではその出来事に接している作家の心情はひどく曖昧なものとして描かれるのが常なのに、この本ではいやに赤裸々に語られるから)たっぷりと綴られているから。

『キャンディーはわたしのことを、おさる、とは決して言わなかった。もちろんテストをうつさせてもらうためだ』―『恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ』

例えば、ヒロミ・イズ・モンキー。この小説の主人公同様にカルフォルニアで幼少期を過ごしていた作家が、いつもお弁当にバナナを持って来ていたのを現地校の同級生が揶揄して(多分、東洋人だから、というニュアンスも含めて)そう呼んだのを聞き取り、それまで色の付いていない教室で一言も発せずお漏らしばかりしていた少女の世界が、急に言葉の意味と共に色彩を伴って蘇り、同級生と一緒になってヒロミ・イズ・モンキーと歓喜しながら叫ぶことによって、世界が再び意味を持ったという経験を記した話は「此処彼処」にあったのだったか。そう連想してしまうと、この稀有な作家の原点、あるいは原風景に迫るような話が、この本にはふんだんに盛り込まれているように読めてしまうのは、ただの錯覚だろうか。ここに登場するカルフォルニアのアパートメンツに住む近所の日本人の子供の全てにモデルが居るとも思えないが、最初の数章を読み進める限り、どうしても作家自身のことを語っているように読んでしまう誤謬に陥ってしまうのを避けられない。あるいは、突然実父と一緒に暮らすようになった話。それは「東京日記:251回 少し認識が。」から数回に渡り記されていて、件の「日本の歴史」を読む話も綴られている(そして、読み終えていない九巻から二十六巻を持たせて父を実家に送り帰す話も)。こんな符牒が其処彼処にあるのだから、この本がもしかして日記風のエッセイなのかと思ってしまうのも、決してこちらの過度な思い込みではないだろう。

『「八色さんは、そういうこと、ありませんでした?」わたしに向き直って、聞いてくる。「そんな昔のこと、忘れましたよ」』―『そういう時に限って冷蔵庫の中のものが』

そんなこんなあり、本の中盤で主人公の名前が明かされて、漸く、ほっとしたような気分になる。第一この小説の主人公には一緒に暮らす「家人」もいない。そうそう、川上弘美と言えば「椰子椰子」以来、「東京日記」にしても、本当のような嘘ばなしのような話を得意としている作家なのだから、この本もそういう一冊だということなのだ。と、しなくても良い受容の整理をして人心地つくことが出来る。もちろん川上弘美に一人称語りの小説がこれまでなかった訳ではないけれど、どちらかと言えばこの口調はそういった小説の文体ではなく、むしろ作家になる前の山田弘美がSFの評論を書いている時の口調、硬質の強い意志を感じる一人称語りなのだ。そこが、とても珍しい気がする。そんなことを考えていると、また、不穏な一文に出くわす。

『小説を書くとき、わたしはきっと自分の中に今ある何かを中にまぶしこむ。おととい聞いた鳥の声、歩いた道でみつけた白い花、駅ですれちがった親子のうしろ姿の印象。けれど、それらを小説の中にまぶしこんでしまうと、それらについての記憶は、わたしの中から消え去ってしまう。書かれたことでそれらは文章の中に永遠にとどまるが、わたしの中からは抜け出ていってしまうのだ』―『吉行淳之介だけれども、もとは牧野信一の』

これは、単純に小説家の主人公の言葉なのか、それともやはり作家自らの言葉なのか。もし後者だとすると、つまり、この歳になって、抜け出ても構わないと作家が判断した幼少期の思い出話をやはり小説の中に忍び込ませているということか、とあれこれ勘繰らずにはいられないことが書いてあるのだ。もちろん、小説の中の登場人物の言説全てに作家本人が投影されている筈などない(ご丁寧にそのことすら主人公の言葉として言及されている)のだけれども。それにしてもこの小説家の主人公の何と作家本人を想起させる書きぶりよ!

間違いなくこれは、あわあわ、とか、恋愛小説の旗手、などと言われていた作家の、新境地を垣間見るような一冊。もしあなたが熱心な川上弘美の読者なら、やっぱりこの人は中々に底意地の悪い性格をしている人なのだなあ、とくすりとしながら思わせてくれる一冊でもある。

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2023年09月24日

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歳を重ねるといろいろなものが見えるようになって心は成長し、身体は衰えていくと思っていた時期がある。どうやらそんなものではないと今は感じている。

大きな事件があるわけではなくて、エッセイのような本。60を超えた幼馴染が近づいたり離れたりしながらコロナ禍を生きている。歳を重ねたからこそのものの捉え方は決してスマートなわけではない。でも相変わらずいろんなことを考えながら人は生きるのだなとしみじみ思う。
静かで、暖かくて、どこか切ない物語だった。

「どうしようもなく誰かと一緒にいたい、という相手を自分が求めないことがさみしいのだった。」

「他者の思考に自分がのみこまれてゆく心地よさと抵抗感と恐ろしさの中に、ゆっくりと溺れていった。」

「カズのことをわたしは好きなのかしらん、と自分に訊ねてみる。自分の中で、その問いが小さく響く。がらんどうの部屋の中で、覚束なく団扇太鼓を鳴らしているような音で。答えはなく、ただぺなぺなした太鼓の音が、てん、てん、と鳴っているばかりだった。けれど、その覚束ない太鼓の音が、悪くはないなと思った。」

そこかしこで、独特な、素敵な表現に出会える。そして、本の題名も章の題名もまた、気持ちのどこかに触れられる感じがする。

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2024年03月23日

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ネタバレ

コロナの現状など時代背景そのまま、日記風の書き口で語られる内容は、アメリカで過ごした子供の頃の思い出から、今に続く友だち付き合い、親への複雑な想いなどまさしく日記のようにあちらに飛びこちらに帰る。作詞家となったカズとの程よい距離感の友情など、これもひとつの愛の形だと感じた。 なかなか心地よい読後感。

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2024年01月17日

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各章のタイトルの付け方が何となくの会話の中からひっぱってきている感があって、肩の力が抜けていて素敵だなと思いました。

カズのラインの文面、あさとのやりとりが好き。

大人らしいお店に行って大人らしく飲み食いする描写もあるけれど飲み物を買ってベンチで喋るみたいなこともしていて良かった。



このアプリで初めて感想を投稿したら、うっかりコメントのところに入ってしまってて、評価と感想に入れないとな、入れたいなと思いながらそのままになっており。。

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2023年12月03日

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主人公は、60代の小説家で、幼少期に北米滞在の経験があって、結婚して離婚して、文学賞の審査員をしていて、と、かなり作者自身を想像させる人物なのだが、そうなるとこの男友だちのモデルはいるのかいないのか気になる…、ということはさておき、そういえばこんな小説、読んだことない。

心身を燃え尽くすような恋愛をするほど若くはないが、完全に「枯れて」しまったわけではない。
そんなこの年代特有の男女の機微を描いた文学って、たぶん今まであんまりなかったし、人口比から見ても市場はきっとでかい(たぶん一番本を読む年齢層)。

その一方、この作家のこんな感性(↓)は、今でも若々しく、小説家のリアルを鮮やかに垣間見させてくれる。

「小説を書くとき、わたしはきっと自分の中に今ある何かを中にまぶしこむ。おととい聞いた鳥の声、歩いた道でみつけた白い花、駅ですれちがった親子のうしろ姿の印象。けれど、それらを小説の中にまぶしこんでしまうと、それらについての記憶は、わたしの中から消え去ってしまう。 書かれたことでそれらは文章の中に永遠にとどまるが、わたしの中からは抜け出ていってしまうのだ。 」

なので、新刊が出るたびについつい手に取ってしまう。

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2023年11月24日

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アン(アメリカ人の父と日本人に母を持つ)と主人公の小説家、朝見と無頼派の作詞家のカズ、共に幼少期をカリフォルニアで過ごした帰国子女。
この3人が日本で再会し、そっから(コロナ禍を背景に)ほそーくながーくつきあっていくお話し。
いいな、こういう関係。ほどよい距離であまり深入りせずともお互いのことがわかっていて会わない時はずーっと会わないし会う時はけっこう頻繁に会う。飲みにいったりね。
3人とも離婚経験者で今はシングルってとこが風通しがいいのかもね。
アンとカズが、朝見とカズが恋愛関係になってしまわなくてよかった。
60代だからこその関係なのかもね。
最終章はカズはよくない病気なのか、わからないけどきっと朝見が最期までついていてあげるのだろうな。

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2023年11月15日

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情熱的でもないし逆に怠惰かというとそういうわけでもなくて恋とはこういうものだったかしらと時折考えながら読んだ。
恋愛小説を期待して読むと肩透かしを喰らうことは確実なのでオススメしない。
けれどで純文学が好き、川上弘美が好きという方は確実に気に入るのでぜひ。

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2023年10月25日

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本人を思わせる小説家が主人公。調べてみると、子供時代にアメリカに住んでいた経験があるのも一緒。そのアメリカ在住時の友人達と50年を経ての東京での交友歴。
一言で言えば日記みたいな作品です。コロナ禍の中、SNSでやり取りしたり、お互いの家や、ちょっと粋な飲食店で実際に会ったり。
タイトルに「恋ははかない」とあるように、65歳を過ぎ、枯れたような、でもちょっぴりとは残っているような男女の関係。
どこかとりとめもなくふわふわと。最初はそのとりとめのなさに戸惑いますが、最後にはそれも良いかと。さすがの筆力ですね。

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2023年10月20日

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川上弘美さんはこういう話を書く方だったんだという軽い驚きと興奮が残った。
アメリカ西海岸で幼少期を共に過ごし、60を超えた男女の話。現在と過去を行き来し、つながりがあるようでどこにも着地しないショートストーリーが連なっていく。登場人物と年齢が近いためか、単なる心象風景でも特に飽きることもなく読み進めることができた。
コロナ禍で変わった人とのつながりが描かれているが、それもすっと入ってくる。

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2023年10月16日

Posted by ブクログ

川上弘美、わたしの世代(50代後半)だと昔から知ってるけど、なぜかほとんど読んでなくて、ヒット作「センセイの鞄」ですら読んでない。でもこれは興味を引かれ(たぶん、子ども時代をアメリカで過ごしたっていう設定のせいかも。でもそれはストーリにそれほど関係なかった)、読んでみた。
60代前半で作家の主人公(ご自身を投影しているのかな)、子ども時代アメリカに住んでいたときの幼なじみたちと今でも親しく、ときどき会って話したりしているっていう内容。コロナ禍のころが背景にはなっていて、あのころの雰囲気は感じるけど、大きなできごととかストーリーがあるわけではなく、ほぼとりとめない会話とか思いとかで成り立っている感じ。
こういう淡々とした、なんていうことのない小説は好きだけど、読むのはちょっと久しぶりだったかもしれず、ちょっとなぜか慣れない感じもしたり。
自身も友達も初老に近く…っていうのが自分も同じなので、身につまされるっていうか、読んでいて気が沈むようなところはあった。しーんとするような。別に悲しいこととか暗いことが書いてあるわけではないんだけど。
主人公が、90代の父親に、きみも90歳まで生きるとしたらあと30年近くあるわけだから計画を立てなさい、と言われて、まあ立てないだろうな流されるだけだろうな、とか思うところとか、ひとり暮らしで今後どうするかとかを考えてないとか、生死についてもぼんやり「わたしたちはこれからどこへいくんだろう」とか思うところとか、そういう流されていくだけの感じには共感したのだけれど。

あくまで個人的に、あくまでわたしの今の気分としてだけど、こういう淡々と静かな話より、もっとストーリーがあってがちゃがちゃした感じの小説のほうがいいのかな、そういうほうが娯楽として集中して読めていいのかも、とか思った。。。

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2023年09月28日

Posted by ブクログ

焼き鳥とポテトサラダのある喫茶店!
甘えるとか甘えないとか
会いたいとか
チェイサーにシャンパンとか
なんか、いい。

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2023年09月24日

Posted by ブクログ

掴みどころのないお話かとさらっと読み進めていたら、シュールさがどんどんツボにハマり、ケタケタ笑いながらあっという間に読み終えてしまった。「流れるプールに流される」(尻馬人生)と「ロマン派」が好き。

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2023年09月06日

Posted by ブクログ

時間がすぎていく。
決して穏やかではないのだろうけど、傍目には淡々と。
陳腐だけど、人の数だけストーリーがある。

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2024年03月13日

Posted by ブクログ

幼少期を海外で共に過ごした人たちが、時を経て再開し、またゆるりと時間を重ねていく。
日記のようなおはなし。
川上さんの小説は、高校の時に読んで以来20年近く振りだと思う。
あの時現文の授業の課題図書になっていて読んだのだけど、当時もあまり得意ではなかったけど、やっぱり今も得意ではなかった…

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2024年01月12日

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大人の恋ってどんなものかと思って読んでみたが、ふわりとした読後感がよかった。興味を持っても干渉し過ぎない、積み重ねられたゆるい関係。往年の文学要素も多いので、そっちも読んでみようかと思いました。

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2024年01月06日

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独特な表現や言い回しにだんだん慣れていくとともに世界観に入り込んでいく感覚が面白かった。
年齢によって変わることと変わらないこと。自分の年齢が上がっていっても、感覚としては若い頃とさほど変わらないなと感じていたが、きっと60代になってもやはり同じように感じ、考えているんだろうなと思った。

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2023年12月06日

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会話の一つ一つと人物設定が細かいのでエッセイかと思ったくらい。コロナ禍での出来事も日を追って書いてあって誰かの日記を覗き見している気分になった。

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2023年11月30日

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川上さんご自身のことを書いたエッセイかと思ったら、作家を主人公にした小説だった。
大きな出来事を描いているわけではなく、幼少期~60代までゆるりと話が進んでいく。
大人になるにつれ、だんだんと物事の捉え方や考え方が変化していく様子がわかり、帯にあるように「年とるのって、悪くないじゃん」という気分になった。

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2023年11月20日

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子どもの頃、アメリカで過ごしていたときに出会った同じ歳頃の友人たちと半世紀後に東京で再会。

60歳を過ぎた小説家のわたし、離婚を経験したアン、作詞家のカズ。

彼らと流れるままに時間を過ごす。
昔を懐かしみ、今を生きる。

深い感情があるようには見えないけれど、それなりにゆるゆると関係は繋がっている…ような。
特別に刺激的なことが起こるわけでもなく、すべて自然に任せているようである。

これはエッセイなのか⁇と思ったけれど小説なんだな。

文中の「ほんとうはあなたと二人が楽なんだけど、楽じゃないことをたまにはしてみるのも、いいかと」と言うアンの言葉に、わからないけどわかりたくなる気持ちがあった。
これは若い人では出てこない言葉かも…と。
60歳を過ぎれば、面倒なことは回避したいけれど、たまには自分に刺激を与えてみてもいいのかも、と思うことがある。
それに似たような感じを覚えた。



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2023年10月31日

Posted by ブクログ

子供の頃から知り合いだった男女が大人になって再会し、とりとめのない話が続く。一体、この男女の物語の着地点はどこなんだろうか、と。でも不思議と最後はストンと気持ちにケリがつきました。同世代の方なら共感できますが、若い世代の方が読んもこの気持ちは理解し難いと思いました。

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2023年10月28日

Posted by ブクログ

小説家のわたし、離婚と手術を経たアン、作詞家の
カズ。カリフォルニアのアパートメンツで子ども
時代を過ごした友人たちは、半世紀ほど後の東京で
再会した…。たゆたうように心に届く大人の愛の物語。

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2023年12月04日

Posted by ブクログ

社交的でも規則正しいわけでもないのに、コロナ禍において、人恋しくなったり日常のペースが狂ってしまう。こうした揺らぎが作品全体に漂っている。幼いころのエピソードから、60代の今。終わった恋や始まった恋、恋なのか分からない心持ちもある。
ストーリーのとりとめのなさに、諸々のあわいが加味して、より混然一体とした世界が広がってゆく。
60代になっても、対人関係とか恋とか惑わされるのかと面倒に思う一方、人ってそんなに変わらないよなという諦めに似た安心感にも包まれた。

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2023年10月08日

Posted by ブクログ

以前から著者の作品が好きで、発売されると手に取っています。

著者の「センセイの鞄」「水声」「3度目の恋」などが好きな私。

この作品も嫌いではなかったけれど、コロナを背景にした部分もあり、大きな感動が湧かない作品でした。

もう少し時間が経ってから読み返すと、じんわりと沁みてくる作品なのかもしれないと思っています。

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2023年09月23日

Posted by ブクログ

大人の、友達以上恋人未満ってこうなのかなって思いながら読んだ。登場人物がとても多く迷子になったりもするけど、川上弘美さんらしくほんわか柔らかい、少しのスパイスもある物語

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2023年09月18日

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