集英社文庫作品一覧

  • 夢の島
    4.1
    長年、音信不通だった父が亡くなった。若手のフリーカメラマン・絹田信一が、唯一の遺品として受け取った、父が描いた絵。その絵が示すものとは? 無限の富を産み出すという「遺産」を巡って、人々は策謀を巡らす。現在でも古びない、大沢在昌初期ミステリーの傑作!
  • 本と鍵の季節
    4.1
    堀川次郎は高校二年の図書委員。利用者のほとんどいない放課後の図書室で、同じく図書委員の松倉詩門(しもん)と当番を務めている。背が高く顔もいい松倉は目立つ存在で、快活でよく笑う一方、ほどよく皮肉屋ないいやつだ。そんなある日、図書委員を引退した先輩女子が訪ねてきた。亡くなった祖父が遺した開かずの金庫、その鍵の番号を探り当ててほしいというのだが……。放課後の図書室に持ち込まれる謎に、男子高校生ふたりが挑む全六編。爽やかでほんのりビターな米澤穂信の図書室ミステリ、開幕!
  • 読書は格闘技
    4.1
    「読書は格闘技」という考え方に立つと、「良書」の定義も変わってくる。普通、良書というと、書いてあることが正しいものであり、正しい考え方であると思われる。しかしながら、書いてあることに賛成できなくても、それが批判するに値するほど、一つの立場として主張、根拠が伴っていれば、それは良書と言える。私は筋金入りの資本主義者であるが、そうした立場からしてもマルクスは読むに値する「良書」と言えるのだ──心をつかむ、組織論、グローバリゼーション、時間管理術、どこに住むか、才能、マーケティング、未来、正義、国語教育の文学等々、今を生き抜くために知っておくべきテーマについて、立場の異なる「良書」を能動的に読み、自らの考えを新たに形成していく。格闘技としての読書体験を通じた、実践的な力が身に付く読書術とは何か。各テーマにおける必読の推奨ブックリストも収録。
  • 2.43清陰高校男子バレー部 1
    4.1
    1~6巻528~649円 (税込)
    東京の強豪中学バレー部でトラブルを起こした灰島公誓は、母方の郷里・福井に転居し、幼なじみの黒羽祐仁と再会する。ほとんど活動も行われていないバレー部で、一人黙々と練習を始める灰島だが……。ずばぬけた身体能力を持つがヘタレな黒羽と、圧倒的な情熱と才能ゆえに周囲との軋轢を引き起こす問題児・灰島を中心に、田舎の弱小バレー部の闘いが始まる! 純粋で真っ直ぐな青春小説、誕生。
  • 小説 ここは今から倫理です。
    4.1
    いち子は高校生活を流されて送っていた。好きでもない子と教室でセックスしているのも、なんとなく、だ。そんな生活を変えたのは、倫理教師・高柳との出会いだった。「ジェンダーとは」「幸せとは」そんなことを言う不可解な人は他にいない。いち子は恋心を抱き、倫理の授業に出席し続けるのだった。高柳と生徒たちが、倫理の諸問題を問い続ける傑作漫画のノベライズ版。
  • じごくゆきっ
    4.1
    なにから逃げるの? どこに行くの? わたしをひとりにしないでねっ。『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』の後日談を含む全7編を収録。青春・SF・家族ドラマ……。読了後、世界は動き始める。想像力の可能性を信じる、桜庭一樹10年間の軌跡。かわいいかわいい由美子ちゃんセンセ。こどもみたいな、ばかな大人。みんなの愛玩動物。そんな由美子ちゃんの一言で、わたしと彼女は、退屈な放課後から逃げ出した。(「じごくゆきっ」)。とある田舎町に暮らす、二人の中学生――虚弱な矢井田賢一と、巨漢の田中紗沙羅。紗沙羅の電話口からは、いつも何かを咀嚼する大きくて鈍い音が聞こえてくる。醜さを求める女子の奥底に眠る秘密とは。(「脂肪遊戯」)。
  • パラ・スター <Side 百花>
    4.1
    1~2巻594~649円 (税込)
    車いすメーカーで働く百花の夢は、親友で車いすテニス選手の宝良のために最高の競技用車いすを作ること。高校2年の時、交通事故で脊髄損傷し、車いすでの生活を余儀なくされた宝良を救ったのは、百花が勧めた車いすテニスだった。宝良が日本代表チームに選出され華々しく活躍しているのに対して、新米エンジニアの自分に焦りを感じている百花は、はじめて顧客との面談を担当することになり……。
  • 憲法なんて知らないよ
    4.1
    憲法は国の性格を決める。やさしい国、強い国。卑屈な国やケンカ好きな国。この憲法のもとで70年以上も、日本はケンカをしない穏やかな国だった。そのせいでぼくたちは損をしたか得をしたか。今、憲法を論じよう。その土台として、自分たちのふだんの言葉に書き直したのが、この新訳憲法。自分の目で見て、自分の頭で考えよう。それが自分たちの未来につながるのだから。付録として日本国憲法全文とその英訳も収録。
  • リーチ先生
    4.1
    1954年、大分の小鹿田を訪れたイギリス人陶芸家バーナード・リーチと出会った高市は、亡父・亀乃介がかつて彼に師事していたと知る。──時は遡り1909年、芸術に憧れる亀乃介は、日本の美を学ぼうと来日した青年リーチの助手になる。柳宗悦、濱田庄司ら若き芸術家と熱い友情を交わし、才能を開花させるリーチ。東洋と西洋の架け橋となったその生涯を、陶工父子の視点から描く感動のアート小説。第36回新田次郎文学賞受賞作。
  • Good old boys
    4.1
    一番弱いのに、一番楽しくサッカーをやれる「牧原スワンズ」の四年生チーム。公式戦では一勝はおろか、まだ一点も取ったことがない市内屈指の弱さを誇っている。今年最後の公式戦となる市大会に挑む子どもたち。しかし、チームの活動を手伝う父親たちは、それぞれに悩みを抱えていた。八組の家族のありようとその成長を描き、すべての頑張るお父さんと子どもたちへあたたかなエールを贈る物語。
  • ももこの話
    4.1
    いつも食べきれなかった給食。父ヒロシに懐メロを教えるのに苦労したお風呂の時間。おこづかいをつぎこんだ紙しばい屋。黄金の小学三年生時代――まる子だったあのころのつきない思い出と、爆笑エピソードの数々。涙が出るほど笑ったあとは、ほんわか胸があったかくなる、ベストセラーエッセイのシリーズ完結編。巻末Q&A収録。
  • あのころ
    4.1
    てきやの話術につられて買ってしまった「まほうカード」のからくり。ガラクタの処方に困り果てた家庭訪問の思い出。「まる子」だったあの頃をふりかえる、爆笑と郷愁のエッセイシリーズ第1弾。
  • 我が家のヒミツ
    4.1
    結婚して数年。自分たちには子どもができないようだと気づいた歯科受付の敦美。ある日、勤務先に憧れの人が来院し…(「虫歯とピアニスト」)。ずっと競い合っていた同期のライバル。53歳で彼との昇進レースに敗れ、人生を見つめ直し…(「正雄の秋」)。16歳の誕生日を機に、アンナは実の父親に会いに行くが…(「アンナの十二月」)。など、全6編を収録。読後に心が晴れわたる家族小説。
  • りさ子のガチ恋 俳優沼
    4.1
    26歳、彼氏なし。OLりさ子の趣味は舞台鑑賞で、若手イケメン俳優の翔太君を追いかける日々。2.5次元舞台『政権☆伝説』に通い詰め、高額プレゼントを贈る。「がんばってる姿を観られるだけで幸せ」とお金と時間をつぎ込み、彼からのちょっとした「特別扱い」にときめいていたが、ネットで彼に彼女疑惑が持ち上がり……。俳優とファン。演劇業界の闇に切り込む、見て見ぬふりをしたかった愛憎劇!
  • 室町繚乱 義満と世阿弥と吉野の姫君
    4.1
    京と吉野に二人の帝が存在した、南北朝の時代。南朝の帝の妹宮・透子は、北朝に寝返った武士・楠木正儀を連れ戻すべく、乳母と二人きり、吉野から京へと乗り込む。京についたとたん人買いに攫われてしまった二人を救ってくれたのは、猿楽師の美少年・世阿弥と、透子たちの宿敵である足利義満で……。世間知らずの姫君が混迷する時代の中で見たものは。瑞々しい筆致で描く時代小説。
  • 無戸籍の日本人
    4.1
    無戸籍の日本人、1万人以上。「偽装ランドセル」で通学しているふりをしていた冬美。生まれて以来、「家」というものに住んだことがない明。身分証明書無しでも就ける仕事を掛け持ちしてきたヒロミ。あまりに過酷で不条理な無戸籍者の現実。なぜ無戸籍になるのか? なぜこの状況は改善されないのか? 制度上は「存在しない」彼らに光を当て、この国が抱える歪みに迫る衝撃のノンフィクション。
  • 彼が通る不思議なコースを私も
    4.1
    友人の生死を決める衝撃的な現場で霧子が出会った黒ずくめの男。彼は修羅場をよそに、消えるようにいなくなってしまった。後日、霧子は男に再会し、徐々に魅かれていく。彼の名は椿林太郎。学習障害児の教育に才能を発揮し、本気で世界を変えようと目論む、抜群に優秀な小学校教師。人は彼のことを「神の子」と呼ぶ。しかし、彼にはある大きな秘密があって……。生への根源的な問いを放つ傑作長編。
  • 天使の柩
    4.1
    家にも学校にも居場所を見出せず、自分を愛せずにいる14歳の少女・茉莉。かつて最愛の人を亡くし、心に癒えない傷を抱き続けてきた画家・歩太。20歳年上の歩太と出会い、茉莉は生まれて初めて心安らぐ居場所を手にする。二人はともに「再生」への道を歩むが、幸福な時間はある事件によって大きく歪められ――。いま贈る、終わりにして始まりの物語。『天使の卵』から20年、ついに感動の最終章。
  • 女たちのジハード
    4.1
    【第117回直木賞受賞作】中堅保険会社に勤める5人のOL。条件のよい結婚に策略を巡らす美人のリサ。家事能力ゼロで結婚に失敗する紀子。有能なOLでありながら会社を辞めざるをえなくなったみどり。自分の城を持つことに邁進するいきおくれの康子。そして得意の英語で自立をめざす紗織。男性優位社会の中で、踏まれても虐げられても逞しく人生を切り開いていこうとする女たち。それぞれの選択と闘いを描く痛快長編。
  • 花のさくら通り
    4.1
    倒産寸前のユニバーサル広告社。コピーライターの杉山を始め個性豊かな面々で乗り切ってきたが、ついにオフィスを都心から、“さくら通り商店街”に移転。ここは、少子化やスーパー進出で寂れたシャッター通りだ。「さくら祭り」のチラシを頼まれた杉山たちは、商店街活性化に力を注ぐが……。年代も事情も違う店主たちを相手に奮闘する涙と笑いのまちづくり&お仕事小説。ユニバーサル広告社シリーズ第3弾。
  • 水のかたち 上
    4.1
    1~2巻715~759円 (税込)
    東京下町に暮らす主婦・志乃子、50歳。もうすぐ閉店する「かささぎ堂」という近所の喫茶店で、文机と朝鮮の手文庫、そして薄茶茶碗という骨董品を女主人から貰い受ける。その茶碗は、なんと三千万円は下らない貴重な鼠志野だという。一方、志乃子の姉、美乃も長年勤めていた仕事を辞め、海雛という居酒屋の女将になるという。予想もしなかった出会いから、人生の扉が大きく開きはじめる――。
  • オーダーメイド殺人クラブ
    4.1
    クラスで上位の「リア充」女子グループに属する中学二年生の小林アン。死や猟奇的なものに惹かれる心を隠し、些細なことで激変する友達との関係に悩んでいる。家や教室に苛立ちと絶望を感じるアンは、冴えない「昆虫系」だが自分と似た美意識を感じる同級生の男子・徳川に、自分自身の殺害を依頼する。二人が「作る」事件の結末は――。少年少女の痛切な心理を直木賞作家が丹念に描く、青春小説。
  • 新選組裏表録 地虫鳴く
    4.1
    走っても走ってもどこにもたどりつけないのか――。土方歳三や近藤勇、沖田総司ら光る才能を持つ新選組隊士がいる一方で、名も無き隊士たちがいる。独創的な思想もなく、弁舌の才も、剣の腕もない。時代の波に乗ることもできず、ただ流されていくだけの自分。陰と割り切って生きるべきなのか……。焦燥、挫折、失意、腹だたしさを抱えながら、光を求めて闇雲に走る男たちの心の葛藤、生きざまを描く。
  • 松浦弥太郎の新しいお金術
    4.1
    お金について悩んでいる人へ、「暮しの手帖」の名物編集長・松浦弥太郎が考えた目からウロコのお金術。「お金に好かれる暮らし方」「お金に好かれる仕事の仕方」「お金に好かれるための自分になる」など、お金との付き合い方から、人とのコミュニケーションや暮しの方法まで、ていねいにわかりやすく解説。今からでもあきらめずに学べる、子どもから大人まで共通する〈本当のお金持ち〉への極意が満載。
  • 渋谷ルシファー
    4.1
    桜町は、いま渋谷・道玄坂でルシファーというバーをひらいている。そんな一夜…映子18歳が突如、訪れたことから、桜町みずから封印していた苦い出来事が強烈によみがえる。迷路にはまりこんだ青春、凄絶で不器用な愛と別れ――。さまざまな恋のありさまを、ブルースの旋律にのせて描く。
  • 腐葉土(木部美智子シリーズ)
    4.1
    笹本弥生という資産家の老女が、高級老人ホームで殺害されているのが見つかった。いつもお金をせびっている孫の犯行なのか? そこに生き別れたもう一人の孫という男が名乗りでる。詐欺事件や弁護士の謎の事故死が、複雑に絡まりはじめ――。関東大震災、東京大空襲を生き延び、焦土の中、女ひとりでヤミ市でのし上がり、冷徹な金貸しとなった弥生の人生の結末とは。骨太ミステリーの傑作長編。
  • 彼等(凜一シリーズ)
    4.1
    東京で受験生としての日々を送る凜一。京都の大学でフットボール部の主力選手として活躍する享介。遠く離れていてもこの思いは伝わっているはず―そう信じていた凜一だったが、京都を訪れた折りに、享介の意外な姿を見てしまう……。絡み合う周囲の人々の思惑、行き違いやためらいをのりこえて、ゆっくりと心は結ばれていく。二度とない、ふたりの季節を描く、好評シリーズ第3弾。
  • 上海少年
    4.1
    今日も波止場に大陸からの引揚船が着く。睦は独りそれを待っていた。あの海の向こうの都市で過ごした、失われた幸福な日々。生き別れになってしまった兄と阿媽(アマ)のことを想いながら――。そして、港町の一角に出来た華人の市場で、彼は懐かしい上海から来たという、不思議な男に出会う……。過ぎ去った時代に生きる、少年たちの姿を詩情豊かに描く作品集。
  • だいたい四国八十八ヶ所
    4.1
    特に神妙な動機は何もなく、一周してみたい(四国)、全部回ってみたい(八十八ヶ所)。いっぱい歩きたい、という理由ではじめた四国へんろの旅。次々とできるマメの痛みや避けられない台風、たくさんの難所に悩まされつつも、とにかく歩いた合計六十四日間。自転車でしまなみ海道を渡ったり、カヌーで川を下ったり、信心薄め、観光&寄り道し放題の、タマキング流「非・本格派」へんろ旅の全記録。
  • 紫式部の欲望
    4.1
    日本で最も古く、最も有名な恋愛長編小説、『源氏物語』。30歳を過ぎて原文で読み始めた著者は、ある時、思う。「これは、作者である紫式部が、秘めた『欲望』を吐き出すために書いた物語なのでは」と。「秘密をばらしたい」「ブスを笑いたい」「専業主婦になりたい」などなど、20の「欲望」から読み解く、まったく新しい『源氏物語』解説書。古典がぐっと身近になる、笑いとうなずきに満ちたエッセイ集。
  • ひゃくはち
    4.1
    地方への転勤辞令が出た青野雅人は、恋人の佐知子から意外なことを打ち明けられた。付き合い出すずっと前、高校生のときに二人は出会っていたという。彼は、甲子園の常連・京浜高校の補欠野球部員だった。記憶を辿るうち――野球漬けの毎日、試合の数々、楽しかった日々、いくつかの合コン、ある事件、そして訣別。封印したはずの過去が甦る。青春スポーツ小説に新風を注いだ渾身のデビュー作。
  • 日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」
    4.1
    【開高健ノンフィクション賞受賞作】常夏の国フィリピンで、困窮生活を送る何百人もの日本人男性がいる。フィリピンクラブで知り合った女性を追いかけてきた男、偽装結婚のカモにされた男……所持金ゼロ、住む家もない彼ら「困窮邦人」に手を差し伸べるのは、フィリピンの貧しい人々だった。男たちのすさまじい生き様を通して現代日本の問題点をあぶり出す、渾身のルポルタージュ。第9回開高健ノンフィクション賞受賞作。
  • MONSTERZ
    4.1
    見た者全てを思い通りに操る力を持つ男と、唯一操られない男。二人の運命が交差したとき、生死を分ける壮絶な事件が起こる──。主演・藤原竜也、山田孝之で映画化の傑作サスペンス。
  • 波王の秋
    4.1
    時代は南北朝。肥前のとある浜辺に一人の男が泳ぎついた。密使だった。済州島のナミノオオは、上松浦党水軍に手を結ぼうと持ちかける。やがて両軍の後押しで、波王水軍が旗揚げされた。若き上松浦党の後継・小四郎を大将として。海を祖国を護らねばならない。熱き思いを胸に秘め、小四郎が立ちあがる。敵は、強大な元朝。そして決戦の時は、今。大海原を舞台に描かれる北方歴史ハードボイルドの会心作。
  • 【語注付】地獄変
    4.1
    【語注付】時は平安時代。高名だが傲慢な絵師の良秀は、貴族の大殿様に頼まれた地獄の絵が描けずに苦しんでいた。凄烈な劫火に灼かれ、悶え苦しむ美しい女――。それを自分の眼で実際に見たいと良秀は望む。そこで大殿様は、残酷な方法を思いつき……。芸術のために全てを犠牲にするエゴイズムを凄絶に描いた表題作のほか、「羅生門」、「蜘蛛の糸」、「鼻」、「藪の中」など著者の代表作を収録。
  • 【語注付】銀河鉄道の夜
    4.1
    【語注付】青や橙色に輝く星の野原を越え、白く光る銀河の岸をわたり、ジョバンニとカムパネルラを乗せた幻の列車は走る。不思議なかなしみの影をたたえた乗客たちは何者なのか? 列車はどこへ向かおうとするのか? 孤独な魂の旅を抒情豊かにつづる表題作ほか、「風の又三郎」「よだかの星」など、著者の代表的作品を6編収録する。
  • 猛き箱舟 上
    4.1
    1~2巻880円 (税込)
    あの「灰色熊(グリズリー)」のような男になりたい。香坂正次は胸に野心を秘め、海外進出日本企業の非合法活動を担うその男に近づいて行った。彼に認められた正次の前には、血と暴力の支配するアフリカの大地が開けた。その仕事は、砂漠の小さな鉱山を、敵の攻撃から守ることだった――人の世の地獄、野望と絶望を謳いあげた大ロマン。
  • 【電子特別版】オーパ!
    4.1
    【オリジナル写真満載!】何かの事情があって野外へ出られない人、海外へいけない人、鳥獣虫魚の話の好きな人、人間や議論に絶望した人、雨の日の釣師……すべて書斎にいるときの私に似た人たちのために。──開高健は本書巻頭にそう書いた。南米の大河アマゾンの釣魚・冒険・文明論ノンフィクション。稀代の文章家の猛烈な表現力で記されたこの伝説の旅は、その驚き(オーパ!)の豊かさ、深さ、面白さで、また、その文明論の射程で、いまだ他の追随を許さない。追うのは巨大魚ピラルクー、肉食魚ピラニア、黄金のドラド、名魚トクナレ……。旅程はアマゾン河口の街・ベレン、冒険の基地・サンタレン、大湿原の入口・クイヤバ、砂漠の人工都市・ブラジリア……。その美、その食、その壮大。心躍る紀行文学の古典がオリジナル写真満載の電子特別版で登場。
  • 【カラー版】ミャンマーの柳生一族
    4.1
    【電子版特別カラー写真収録】探検部の先輩・船戸与一と取材旅行に出かけたミャンマーは武家社会だった! 二人の南蛮人に疑いを抱いたミャンマー幕府は監視役にあの柳生一族を送り込んだ。しかし意外にも彼らは人懐こくて、へなちょこ。作家二人と怪しの一族が繰り広げる過激で牧歌的な戦いはどこへ…。手に汗握り、笑い炸裂。辺境面白珍道中記。電子版には特典写真10点を追加収録。
  • 雨やどり
    4.1
    舞台は新宿裏通りのバー街。「ルヰ」のバーテンダー仙田を主人公に、彼の前を通り過ぎて行く、いろいろな男と女の哀歓漂う人間模様を描き出す連作。直木賞受賞の表題作をはじめ、「おさせ伝説」「ふたり」「新宿の名人」など8編を収録。
  • 工作少年の日々
    4.1
    理工系ミステリィ作家の毎日は工作の連続だ。掃除機を分解修理し、ミニチュア鉄道を庭に敷設し、さらなる工作生活の充実のためにガレージまで建てて、夜な夜な旋盤を回し、部品を削る――。手になじんだ工具への愛着、空を駆ける模型飛行機への憧れ、パーツを探した模型店の思い出などにふれつつ、小説の創り方や人生哲学もさらりと語る、「モノを作る幸せ」に充ちたエッセイ集。
  • 腰痛探検家
    4.1
    他人の行かないところへ行き、他人のしないことをする、が信条の辺境作家。なんと腰痛に! 地獄からの生還を期して地図なき旅が始まった。カリスマ治療師からも見放され、難病の可能性まで急浮上。画期的な運動療法で自力更生ルートを選んだり、はたまた獣医や心療内科の扉も叩き……。腰痛という未知の世界に迷い込み、腰痛治療という密林で悪戦苦闘。とことん腰痛と向き合った、前代未聞の体験記。
  • 全一冊 小説 吉田松陰
    4.1
    外国の実情を知ろうと、アメリカ密航を企て、失敗した吉田松陰は萩の獄に幽閉された。しかし、出獄後は小さな私塾「松下村塾」で「誰でも持っている長所を引き出すのが教育である」という信念の下、高杉晋作、山県有朋、伊藤博文など、わずか2年半で幕末、維新をリードした俊傑を生み出した。「魂の教育者」松陰の、信念に基づく思想と教育観を感動的に描く長編。
  • 全一冊 小説 伊藤博文 幕末青春児
    4.1
    貧農の子に生まれた利助(後の博文)は、吉田松陰の「社会に役立たぬ学問は学問にあらず」との教えに開眼。高杉晋作、桂小五郎、坂本龍馬らとの出会いによって自らを成長させていった。イギリス留学などで培った世界的な視野で幕末の激動を乗り切ってゆく。「日本の夜明け」の原動力となった幕末の青年たちの中で、ひときわ異彩を放つ伊藤博文の若き日々。
  • 連舞
    4.1
    昭和初期の東京・上根岸。日本舞踊の名門梶川流の師匠を母とする異父姉妹。家元の血を享け、踊りに天賦の才を見せる妹の千春の陰で、姉の秋子は身を慎んで生きてきた。しかし戦後の混乱期、梶川流の存亡を賭け、秋子が進駐軍の前で挑んだ驚くべき舞台が彼女の人生を予想もつかぬ方向へ導いていく――。伝統と因襲の世界で生きる女たちの苦悩と希望を描く、波瀾万丈の人間ドラマ。傑作大河長編。
  • 檻

    4.1
    やくざな世界から足を洗って、今は小さなスーパーを経営している滝野和也。そのスーパーの買収工作をめぐるいざこざから、滝野の野生の血が再び噴き出す。結局は“檻”の中にとどまれず、修羅場に戻ってゆく男の滅びの美学を、鮮烈な叙情で謳いあげた北方ハードボイルドの最高傑作!
  • 二重裁判
    4.1
    東京高輪でおきた社長殺しの容疑で逮捕された古沢克彦は無実を叫びながら、獄中で自殺した。兄の無実を信じ名誉回復の再審を弁護士に依頼する妹秀美。だが、公判中の被告人の死は、有罪ではなく無実というのが法律上の建前で再審請求には該当しない。マスコミが騒ぎ、殺人者に仕立て上げられた兄の無実を晴らすために、秀美が打った奇策と意外な事実とは…。真実を問う長編法廷ミステリー。
  • 斬られ権佐
    4.1
    惚れた女を救うため、負った八十八の刀傷。江戸・呉服町で仕立て屋を営む男は、その傷から「斬られ権佐」と呼ばれていた。権佐は、救った女と結ばれ、兄貴分で八丁堀の与力・数馬の捕り物を手伝うようになる。押し込み、付け火、人殺し。権佐は下手人が持つ弱さと、その哀しみに触れていく。だが、体は不穏な兆しを見せ始めて――。一途に人を思い、懸命に生きる男の姿を描いた、切なくも温かい時代小説。
  • サグラダ・ファミリア[聖家族]
    4.1
    将来を嘱望されながら、ある事件をきっかけに落ちぶれてしまったピアニスト響子。酒に溺れながら孤独に生きる彼女のもとに、かつて恋人だった透子が戻ってきた。ある日突然、赤ん坊を抱いて。しかし、女同士のカップルと赤ん坊の不思議な関係は、突然の透子の死によって壊れてしまう。希望を失いかけた響子の前に一人の青年が現れた――。切ない愛と新しい家族のかたちを描く、恋愛小説の傑作。
  • 楊令伝 一 玄旗の章
    4.1
    梁山泊陥落から三年。「替天行道」の旗を胸に秘めた同志たちは全土に散って、再起の秋を待っていた。史進、呼延灼、張清は叛徒として局地戦を続け、李俊は太湖の周りに船団を組織して威をはっていた。燕青率いる闇塩の道、戴宗率いる通信の網はいまだ健在。加えて、呉用は梁山泊の底から、軍資金となる銀塊をひきあげさせた。いっぽう、官の闇の組織、青蓮寺の梁山泊の残党狩りは熾烈を極めた。しかし、ついに、元梁山泊勢の希望の星、青面獣・楊志の遺児、楊令が、帰還した。
  • 猫背の王子
    4.1
    自分とセックスしている夢を見て、目が覚めた――。女から女へと渡り歩く淫蕩なレズビアンにして、芝居に全生命を賭ける演出家・王寺ミチル。彼女が主催する小劇団は熱狂的なファンに支えられていた。だが、信頼していた仲間の裏切りがミチルからすべてを奪っていく。そして、最後の公演の幕が上がった……。スキャンダラスで切ない青春恋愛小説の傑作。俊英の幻のデビュー作!
  • 船乗りクプクプの冒険
    4.1
    宿題、勉強ああ嫌だ……机にむかうフリをしながら現実逃避のためにページを繰った少年は、いつの間にか物語の主人公として大海原にこぎだすはめに。そこは奇妙でハチャメチャな別世界。元の世界に戻るためには、物語の中を逃げ続ける作者を捕まえなければ! 退屈な日常をがらりと変える豊かな空想の世界。大人から子どもまで、読み始めたらとまらない奇想天外なファンタジー。
  • あなたに褒められたくて
    4.1
    「そしていつのころからか、本当にいい人、のめり込んでいきそうな人、本当に大事だと思う人からは、できるだけ遠ざかって、キラキラしている思いだけをずっと持っていたいと考えるようになってますね。卑怯なんですかねえ。(略)ちょっとした瞬間、昔よく聞いた曲とか、立ち止まった景色とか、目をつぶって思い出すとジンとしてくることがあるんです。」(本文より)素敵な体験を綴る初エッセイ。
  • 終わらざる夏 上
    4.1
    1945年、夏。すでに沖縄は陥落し、本土決戦用の大規模な動員計画に、国民は疲弊していた。東京の出版社に勤める翻訳書編集者・片岡直哉は、45歳の兵役年限直前に赤紙を受け取る。何も分からぬまま、同じく召集された医師の菊池、歴戦の軍曹・鬼熊と、片岡は北の地へと向かった。――終戦直後の“知られざる戦い”を舞台に「戦争」の理不尽を描く歴史的大作、待望の文庫化。第64回毎日出版文化賞受賞作。
  • 世界を、こんなふうに見てごらん
    4.1
    子供の頃、芋虫と話がしたかった著者。おまえどこにいくの、と話しかけた。芋虫は答えず、葉っぱを食べはじめる。言葉の代わりに見ていて気がつくことで、気持ちがわかると思った。昆虫、猫や犬など動物とおしゃべりするには、観察が一番だとわかった。これが、いきものを見つめる原点。不思議と驚きにみちた世界を「なぜ?」と問い続けた動物行動者がやさしい言葉で綴る自然の魅力発見エッセイ。
  • 九つの、物語
    4.1
    大学生のゆきなの前に、長く会っていなかった兄がいきなり現れた。女性と料理と本を愛し、奔放に振舞う兄に惑わされつつ、ゆきなは日常として受け入れていく。いつまでもいつまでも幸せな日々が続くと思えたが…。ゆきなはやがて、兄が長く不在だった理由を思い出す。人生は痛みと喪失に満ちていた。生きるとは、なんと愚かで、なんと尊いのか。そのことを丁寧に描いた、やさしく強い物語。
  • 芸術家たちの秘めた恋―メンデルスゾーン、アンデルセンとその時代
    4.1
    19世紀後半、ロマン主義全盛の時代を生きた作曲家メンデルスゾーンと作家アンデルセン。生まれも容貌もまるで正反対の二人を結びつけたのは、奇跡の声を持つ歌姫だった。三者三様の想いを胸に秘め、創作活動に没頭する彼らを待ち受ける過酷な運命とは……。『結婚行進曲』や『醜いあひるの子』など、不朽の名作を生み出した芸術家たちの知られざる一面に、『怖い絵』シリーズの著者が迫る。
  • ひと呼んでミツコ
    4.1
    彼女はミツコ。私立薔薇十字女子大英文科在籍中。名高い香水と同じ名前を持つ女――。その盲腸の手術痕がうずく時、不埒なやつらに公衆道徳の鉄槌が下る。強力倫理観と超人的能力をあわせ持つスーパー学生ミツコは今日も行く。荒廃する現代社会を憂うすべての市民、まっとうゆえに切歯扼腕している老若男女必読。文学のジャンルを超越した傑作小説。21世紀はミツコの時代だ。
  • そうだったのか! 現代史
    4.1
    1~2巻628~660円 (税込)
    民族紛争によるテロ事件、混迷をきわめるパレスチナ問題、北朝鮮問題など、日々世界中から伝わってくるニュースの背後には、事件に至るまでの歴史がある。そして、その少し前の歴史を知っていれば、ニュースが鮮明になり、世界が読めてくる。「知らない」ではすまされない現代史の基礎知識を、ジャーナリスト池上彰がわかりやすく解説する、現代史入門の決定版。最新情報を加筆した文庫版が、ついに電子書籍化!
  • 逝年
    4.1
    人生にも恋愛にも退屈していた二十歳の夏、「娼夫」の道に足を踏み入れたリョウ。所属するボーイズクラブのオーナー・御堂静香が摘発され、クラブは解散したが、1年後、リョウは仲間と共に再開する。ほどなく静香も出所するが、彼女はエイズを発症していた。永遠の別れを前に、愛する人に自分は何ができるのか? 性と生の輝きを切なく清澄にうたいあげる、至高の恋愛小説。傑作長編『娼年』続編。
  • 鼓笛隊の襲来
    4.1
    赤道上に発生した戦後最大規模の鼓笛隊が、勢力を拡大しながら列島に上陸する。直撃を恐れた住民は次々と避難を開始するが、「わたし」は義母とともに自宅で一夜を過ごすことにした。やがて響き始めたのは、心の奥底まで揺らす悪夢のような行進曲で…(『鼓笛隊の襲来』)。ふと紛れ込んだ不条理が、見慣れたはずの日常を鮮やかに塗り変えていく。著者の奇想が冴えわたる、驚異の傑作短編集。
  • 池上彰の大衝突 終わらない巨大国家の対立
    4.1
    激動の21世紀。世界の動向は、巨大国家間のパワーゲームに握られている。国際社会を舞台に、覇権を競い、軍事、経済、資源を巡って衝突するアメリカ、中国、ロシア、EU、サウジアラビア。勝者となるのはどこなのか? そして日本はどうするのか? その対立の隠された構図と実際の国力を、豊富なデータと池上彰ならではの鋭い分析眼で、わかりやすく解き明かした「大衝突」待望の電子書籍化!
  • 肩ごしの恋人
    4.1
    欲しいものは欲しい、結婚3回目、自称鮫科の女「るり子」。仕事も恋にものめりこめないクールな理屈屋「萌」。性格も考え方も正反対だけど二人は親友同士、幼なじみの27歳。この対照的な二人が恋と友情を通してそれぞれに模索する“幸せ”のかたちとは――。女の本音と日常をリアルに写して痛快、貪欲にひたむきに生きる姿が爽快。圧倒的な共感を集めた直木賞受賞作。
  • ただそれだけの片想い 始まらない恋 終わらない恋
    4.1
    恋をみつけることのできない片想い。忘れることのできない片想い。幸せになりたくて恋したのに、何もなかったときよりずっと切ない。それもやっぱり片想い。いつだって愛しすぎる女たちは、片思いという報われない恋に傷つくのだから――。やっかいだけど素敵な恋をあきらめないで。さまざまなかたちの片想いに悩む女性たちに贈る、ちょっとビターな恋の処方箋。
  • 鉄道員(ぽっぽや)
    4.1
    娘を亡くした日も、妻を亡くした日も、男は駅に立ち続けた……。映画化され大ヒットした表題作「鉄道員」はじめ「ラブ・レター」「角筈にて」「うらぼんえ」「オリヲン座からの招待状」など、珠玉の短篇8作品を収録した傑作集。日本中、150万人を感涙の渦に巻き込んだ空前のベストセラーに、あらたな「あとがき」を加えた。第117回直木賞を受賞。
  • 天帝妖狐
    4.1
    とある町で行き倒れそうになっていた謎の青年・夜木。彼は顔中に包帯を巻き、素顔を決して見せなかったが、助けてくれた純朴な少女・杏子とだけは心を通わせるようになる。しかし、そんな夜木を凶暴な事件が襲い、ついにその呪われた素顔を暴かれる時が…。表題作ほか、学校のトイレの落書きが引き起こす恐怖を描く「A MASKED BALL」を収録。
  • 好かれる先輩 嫌われる先輩
    NEW
    4.0
    “ボス”や、“リーダー”という考え方はもう古い。上下ではなく、信頼でつながる“先輩”には、人も情報も自然と集まり、成果や評価も高まる。あなたも“好かれる先輩”になって、人生を大きく好転させませんか? 本書では「コミュニケーション術」「セルフコントロール術」「マネジメント術」の3つの視点から「やっていいこと」「悪いこと」を具体的に伝えます。これを知れば自然と人も情報も集まり、仕事も人生もスムーズに回り出す! ベストセラー作家が教える50の意識で働く毎日は変わる!!
  • 令和反逆六法
    NEW
    4.0
    礼和四年、人権ならぬ“命権”擁護の時代。人気の配信猫が、雇用しているボノボを訴えた。ボノボの弁護を引き受けたぼくには、心の奥底に秘めたる欲望が・・・・・・(「動物裁判」)。例和三年、賭け麻雀が合法に。接待麻雀士の塔子は、高官との対局の大一番、思わぬ窮地に立たされて・・・・・・(「接待麻雀士」)。おかしいのは法律? それとも人間? 架空の法律が制定された六つのパラレル・レイワが、現行法と現実世界にサイドキック! この世の歪みを炙り出す!! 痛烈で愉快で洗練された、仕掛けだらけのリーガルSF短編集。 (『令和その他のレイワにおける健全な反逆に関する架空六法』改題)
  • 十手笛おみく捕物帳
    続巻入荷
    4.0
    大坂の町で飴売りをしているみくは15歳の元気な女の子。目明しだった父が遺した文言と、夜な夜な人を襲う物の怪の噂を耳にして、修業中の身ではあるが愛用の十手を携え探索に乗り出した。実はこの十手、笛になっていて、吹くとイケメン大酒飲みの精霊が現れ、みくを助けてくれるのだ。クセの強いおとなたちを従えて、この世の怪異に立ち向かう健気な少女の大活躍。さあ、大捕物がはじまるよ♪ 痛快伝奇時代小説シリーズ、開幕!
  • 人生100年時代 人は何歳まで走れるのか?
    4.0
    何歳になっても楽しく走り続けたいけど、中高年ランナーなら誰でも気になる「加齢とRUNの関係」。本書では、高橋尚子、茂木健一郎、101歳現役ランナーなど、多彩な顔ぶれの現役ランナー15名に「不安なく一生RUNを楽しむヒント」を聞く。靴選びからストレッチ・テーピング法、“旅ラン”の楽しみ方など多角的に紹介。レース愛好家、ファンランナー、これから走りたいビギナー、すべての中高年ランナーの背中を押す! 必要な情報がぎゅっと詰まったランニング教本!!
  • 骨の子供
    4.0
    小学5年生の佳夏は、一家で引っ越した地方都市で蛇に似た固有種“イビ”をじょっきんと切って軒先に吊るすという奇妙な風習に出会い面食らう。ある日の夜中、おぞましい化け物(イビラ)の声を聞き恐怖した佳夏は、「自分か妹の陽菜、どちらかを選べ」と迫られ、恐怖のあまり妹を差し出してしまう。翌朝、陽菜は姿を消し、再発見されたときにはその頬にイビラの顔が浮かび上がり、異常な食欲と奇行を見せ始める。果たして彼女たちは化け物に打ち克つことができるのか。田舎町に古くから伝わる習わしに翻弄される少年少女たちを描く恐怖の長編小説。
  • 罪に願いを
    4.0
    火災現場で見つけた大金を自宅に隠したボランティア消防隊員ネイサン。末期がんの少女の夢を叶えるため病院の外へと連れ出す看護師キャリー。妻と幼い娘を同時に亡くしたアンディが狙いを定めた地獄への道連れ・・・・・・。横領、誘拐、殺人。ペンシルヴェニアの寂れた小さな町を舞台に、男女三人が犯したそれぞれの「罪」と運命が交差する。悲痛で愚かで温かい、極上の犯罪小説。本作は著者のデビュー作にして、エドガー賞(アメリカ探偵作家クラブ賞)最優秀新人賞候補作となった。
  • 十三夜の焔
    4.0
    天明四年五月の十三夜。御先手弓組番方・幣原喬十郎は男女の惨殺体を発見する。傍らには匕首を手に涙を流す若い男が一人。喬十郎は咄嗟に問い質すが、隙をつかれて取り逃がす。その男は闇社会で名を轟かせる大盗一味の千吉だと判明。殺害された男の周辺を洗う中、再び遭遇するも、千吉は殺害を否定し、再び姿を眩ませる。十年後、喬十郎は、銭相場トラブルで一家を殺害された塩問屋の事件を追う過程で、両替商となった千吉(利兵衛)に出合う。火付盗賊改長官・長谷川平蔵に助言を仰ぐも、突然の裏切りに遭い、左遷されてしまう。悪事に立ち向かう喬十郎と、江戸の闇社会に生きる千吉。宿命的な敵対関係を描き出す、血湧き肉躍る時代小説。
  • 5分後に、虚しい人生。 本当に欲しかったものは、もう
    4.0
    「チャイムの音と共に騒がしくなる教室で、目を輝かせる友人達。小学校の話題の中心はいつもポケモンだった。僕は一人、いつも下を向いていた。ウチにはゲームボーイも、スーファミもなかった。」(窓際三等兵「本当に欲しかったものは、もう」より)――『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』の麻布競馬場、『地面師たち』の新庄耕他、総勢10名義による絶望文学アンソロジー全23編。どの作品からでもOK!  読めば5分で泣ける・・・・・・痛くて。けど、それが人生♪
  • 小説 小栗上野介 日本の近代化を仕掛けた男 上
    4.0
    「いまの徳川幕府の体制では、絶対にこの国難を切り抜けることはできない」――1853年、ペリー来航で揺らぐ幕末。徳川武士の小栗上野介は、近代化こそが日本の生きる道と信じ、遣米使節団の一員として渡航する。目的は、不平等条約の是正と西洋文明を学ぶこと。だが、彼を待ち受けていたのは――。幕府に仕えた一人の異才を通して、幕末史の裏側に迫る長編。2027年NHK大河ドラマ「逆賊の幕臣」(松坂桃李主演)の主人公について知ることができる一冊。
  • 医療Gメン氷見亜佐子 ペイシェントの刻印
    4.0
    1~2巻792~814円 (税込)
    元臨床医の氷見亜佐子は厚生労働省の医療監視員。彼女の仕事は、憲法25条、または医療法25条に基づいており、専門知識を活かして全国の病院や医療機関が滞りなく機能しているかどうかを立入検査してチェックすることにある。ある日、東京フロンティア医大の術中死のタレコミ電話を受け調査を進めると、過去にも不審な術中死と優秀な医者の辞職があったことが発覚し――。癖のある同僚や新聞記者、捜査一課刑事らと共に病院に巣食う悪を暴く。二係捜査シリーズの著者による医療Gメンシリーズがスタート!
  • 凶弾のゆくえ
    4.0
    フェア会場で起きた銃乱射事件。一発の銃弾が偶然居合わせた男の腕を貫通し、シングルマザーが連れていた幼児の命を奪った。事件は未解決のまま、グループセラピーで顔を合わせたその男、コールダーと幼児の母、エルは互いの苦しみを分かち合ううちに惹かれていく。そんな中、事件の被害者宛てに脅迫電話が入り、ふたりにも次々と危険が襲いかかり・・・・・・。悲劇が引き寄せた男と女の運命。贖罪と葛藤の先に、ふたりが出した答えは? 手に汗握る切迫感、一気読み必至のサスペンス!
  • 銀の翼が羽ばたくとき
    4.0
    世界は滅びた。聖なる天樹が支えるラノートの地を除いて。山上の宮殿に住むノート人の青年・アスカは、魔術により天樹を守護する大祭司候補に選ばれた矢先、何者かに襲撃される。落ち延びた死の大地で出逢ったのは、先住民族・ユーリィ。ノート人に棲家を奪われて三百年、不当に搾取され続けていた彼らが、今まさに反撃の狼煙を上げようとしていることを知り・・・・・・。紛争、格差社会、大地の崩落・・・・・・。絶望にまみれた「最後の楽園」に、光はあるのか? 滅びの国の冒険ファンタジー。第1回北上次郎オリジナル文庫大賞受賞第1作!
  • ゆっくり学ぶ 人生が変わる知の作り方
    4.0
    学ぶことに目的はいらない。『嫌われる勇気』の著者がおくる、幸福に生きる「学び」のヒント! 勉強がつらくて、やりたくない、長続きしない・・・・・・。多くの人は受験や資格を取るために勉強し、悩み苦しんでいる。しかし本来の学びというのは、効率よく目的を達成するためにあるわけではない。ギリシア哲学、アドラー心理学の知見、自らの読書や外国語学習の体験をもとに、学びの意義、楽しみ方のコツを紹介。今、学んでいるその時が喜びであると感じられる一冊。
  • 地図と拳 上
    4.0
    日本からの密偵に通訳として帯同した細川。ロシアの鉄道網拡大のために派遣された神父クラスニコフ。桃源郷の噂に騙されて移住した孫悟空。地図に描かれた存在しないはずの島を探し、海を渡った須野。日露戦争前夜、満洲の名もなき都市に呼び寄せられた人々は、「燃える土」をめぐり殺戮の半世紀を生きる。広大な白紙の地図を握りしめ、彼らがそこに思い描いた夢とは・・・・・・。第13回山田風太郎賞受賞作。第168回直木三十五賞受賞作。
  • 栞と嘘の季節
    4.0
    高校で図書委員を務める堀川次郎と松倉詩門。ある放課後、図書室の返却本の中に押し花の栞が挟まっているのに気づく。小さくかわいらしいその花は――猛毒のトリカブトだった。持ち主を捜す中で、ふたりは校舎裏でトリカブトが栽培されているのを発見する。そして、ついに男性教師が中毒で救急搬送されてしまった。誰が教師を殺そうとしたのか。次は誰が狙われるのか・・・・・・。「その栞は自分のものだ」と嘘をついて近づいてきた同学年の女子・瀬野とともに、ふたりは真相を追う。ベストセラー『本と鍵の季節』(図書委員シリーズ)待望の続編! 直木賞受賞第一作。
  • 芭蕉はがまんできない おくのほそ道随行記
    4.0
    俳諧の確立のため奥州への旅を望んだ松尾芭蕉。弟子の曾良はその旅に同行することに。師の抱える矛盾に翻弄されながらも、名句が誕生する瞬間に立ち会える感動も味わう。その凄みや壮大な野望を実感するごとに、彼が創作のためには自らとの別れすらも欲していることに気付いてしまう。曾良視点で描く、俳諧の巨人との道中記。軽妙な文体で描かれた珍道中を楽しみつつ、紀行文の最高峰に込められた奥深さ、名句誕生の瞬間に立ち会う感動を体感できる、青春小説の名手による画期的な初の歴史小説!
  • 誘拐ファミリー
    4.0
    「家業、誘拐。ただし、狙うのは法で裁けぬ悪党のみ」――世田谷でペットホテルを営む浅井家は先祖代々、誘拐が裏稼業だ。極悪人のみをターゲットにし、超大型犬用の檻に監禁して身代金を要求する。硬い絆で結ばれた家族六人だったが、長男と次男の五代目家長の座を巡る対立が、一家を二分する壮絶なバトルに発展。某巨大宗教の幹部を狙った誘拐勝負で決着をつけるも予想外の結末に――。怒濤の展開、裏切りの心理合戦が手に汗握る! そして待ち受ける衝撃の結末!! 一気読み必至の長編犯罪小説。
  • お墓、どうしてます? キミコの巣ごもりぐるぐる日記
    4.0
    父の急逝から1年半。年金の停止、銀行口座や携帯電話の解約、会社の後始末・・・・・・と、お墓どころではなく、いまだに骨壺は神棚に置かれたまま。いよいよお墓を買うべきか悩むキミコさんだったが、まさかのコロナ禍が到来。白猫も到来。そんな中、うっかり市営霊園の抽選に当たってしまい――。お墓、買うの? 誰が? ・・・・・・私が!? はたして骨壺の運命やいかに。みなさんはお墓、どうしてます!? 脱線上等! 笑いありしんみりあり(と新たに家族となっためんこい白猫と)のつれづれ北海道日記!
  • さざなみの彼方
    4.0
    時は戦国。茶々(淀殿)は幼い頃、住んでいた城を信長に落とされた。父が自害に追いやられるも、生まれた時から共に育ってきた大野治長に守られ、逃げることができた。治長は茶々を一生守ると誓い、茶々も彼にそばに居てもらいたいと願う。その後、ふたりは柴田勝家の元に身を寄せたが、今度は秀吉に城を攻められ、茶々の母が自害する。そして二度目の落城を経験した茶々は、秀吉に側室になれと言われてしまい・・・・・・。二度の落城。許されぬ裏切り。家康の脅威。運命に翻弄されながらも、互いを思い合う茶々と大野治長の姿を描く、歴史恋愛小説!
  • 偽装同盟
    4.0
    日露戦争に「負けた」日本。 ロシアの属国と化した地で、男は、警察官の矜持を貫けるのか――日露戦争終結から 12 年たった大正 6 年。敗戦国の日本は外交権と軍事権を失い、ロシア軍の駐屯を許していた。3月、警視庁の新堂は連続強盗事件の容疑者を捕らえるが、身柄をロシアの日本統監府保安課に奪われてしまう。新たに女性殺害事件の捜査に投入された新堂だったが、ロシア首都での大規模な騒擾が伝えられ……。「もうひとつの大正」を描く、入魂の改変歴史警察小説、第二弾。
  • 楊花の歌
    4.0
    1941年、大阪松島遊廓から逃走して、日本占領下の福建省廈門に辿り着いたリリーは、抗日活動家の楊に従い、カフェーで女給として働きながら諜報活動をしていた。あるとき、楊から日本軍諜報員の暗殺を指示され、その実行者として、琥珀色の瞳と蛇の刺青が印象的なヤンファという女性を紹介される。ヤンファに惹かれていくリリーにとって、彼女と過ごす時間だけが生への実感を持てるひとときになっていた。しかし、楊から秘密裏に課されていた指令は、暗殺に失敗した場合はヤンファを殺せというものだった・・・・・・。戦時下を舞台に流転する女性たちの愛と葛藤を描く、圧巻の熱量を放つ第35回小説すばる新人賞受賞作!
  • タダキ君、勉強してる?
    4.0
    小学校1年生。最初の学期末にもらった通信簿はオール1! そんな西山忠来(タダキ)少年はいかにして伊集院静となったのか!? 故郷の師、銀座のママ、伝説の車券師、阿佐田哲也、高倉健、城山三郎、ビートたけし、松井秀喜から愛犬、両親まで――。幼少期から大人に至るまで、人生の折々に大切なことを教えてくれた凄い「先生」たちとの出会いと学びと知られざる秘話、ちょっと恥ずかしい事実を綴ったエッセイ集。最後の無頼派作家が遺した人生の指南書である本書を読むと、きっとあなたもあなたの「先生」に会いたくなる!
  • 騙された! おやこ相談屋雑記帳
    4.0
    妻・波乃、娘・七五三、愛犬・波の上の信吾一家に、新たな家族が加わる!?――将棋客の老人が、傷ついた烏を世話しているという。動物と話ができる信吾は興味を惹かれ、会いに行く。嫌われることの多い烏だが、そのカア助は・・・・・・(「烏がやって来た」)。岡っ引の権六親分とその息子・吾一の心温まるお話や、ある日突然一家ごと姿を消した幼馴染との逸話など全四話。落語的な話芸を楽しみながら、やがてじんわり、ホロリとさせられる人情もの。なぜ本書が「騙された!」と題されているのかは、全て読み終えてのお楽しみ!!
  • 機嫌のいい犬
    4.0
    「はつきりしない人ね茄子投げるわよ」「はるうれひ乳房はすこしお湯に浮く」「徹頭徹尾機嫌のいい犬さくらさう」――作家であり、俳人でもある著者の初句集。日常、旅、食卓、恋・・・・・・さまざまな光景が自由奔放に描き出される220句を、1994年から2009年まで年代順に収録。巻末には、俳句仲間の作家・長嶋 有さんと俳句の魅力を語り尽くす対談を追加。あらたな川上ワールドの魅力に浸れる1冊。「この句集を読んで、少しでも『俳句、つくってみようかな』とお思いになった方がいらしたら、それはこの句集にとって、何よりの褒美となることでしょう」(著者より)
  • 欺きの仮面
    4.0
    裕福な女性ばかりを狙う連続殺人犯。FBI捜査官のドレックスは、長年その男を追い続けた末、ついに居場所を突き止めることに成功。隣人として近づくが、男の傍らには美しい妻、タリアがいた。彼女は次の犠牲者か? それとも共犯者? 疑いつつも彼女に惹かれてしまうドレックス。そんな中、ビーチで新たな遺体が発見されて――!? それぞれの思惑と欲望が絡み合い渦巻く、緊迫のサスペンス! 世界34カ国で累計部数8000万部超え、実力派ベストセラー作家の筆が冴えわたる!
  • 琉球建国記
    4.0
    15世紀、琉球王国。勝連半島の無頼漢の赤や氷角たちと役人の加那は、立場を超えて仲間となり、民衆に悪政を強いる勝連城主を倒した。新たな按司となった阿麻和利(加那)は、活発な交易で繁栄をもたらす。一方、王位を巡る内乱を経て国王となった尚泰久と側近の金丸は、彼らの活躍に脅威を感じ、失脚させるための計略をめぐらす。国のありようをめぐる阿麻和利と金丸の対立。琉球王朝の興亡という史実を背景に、血湧き肉踊る物語に換骨奪胎し再構築、それぞれの熱い生きざまを描く長編歴史小説。「これは琉球版、水滸伝だ!」――今野敏さん絶賛!
  • 帰去来
    4.0
    警視庁捜査一課の“お荷物”志麻由子は、連続殺人犯の捜査中に何者かに首を絞められ気が遠くなる。自分は殺されるのか――。目を開けるとそこは、光和27年のアジア連邦日本共和国・東京市だった。異次元世界(パラレルワールド)に飛ばされ戸惑う由子。そこではエリート警視だという自分に代わり殺人鬼「ナイトハンター」事件を解決し、元の世界に戻れるのか!? かつてないスケールで描かれる超骨太なSF警察小説。
  • アルパートンの天使たち
    4.0
    2003年、ロンドン北西部の廃倉庫で、自分たちは人間の姿をした天使だと信じるカルト教団《アルパートンの天使》信者数人の凄惨な遺体が見つかった。指導者の自称・大天使ガブリエルは逮捕され、現場で保護された17歳の男女と生後まもない乳児のその後は不明・・・・・・。事件から18年、巧妙に隠蔽されてきた不都合な真相を、犯罪ノンフィクション作家の「取材記録」があぶり出す。圧巻のミステリー!
  • 剛心
    4.0
    日本近代建築の雄、妻木頼黄(よりなか)。幼時に幕臣の父を疫病で亡くし、維新後に天涯孤独となり、17歳で単身渡米。コーネル大学で学んだ異才は、帰国後にその力量を買われ、井上馨の「官庁集中計画」に参加。闇雲な欧化ではなく、西欧の技術を用いた江戸の再興を。そう心に誓う妻木は、大審院、日本勧業銀行、日本橋の装飾意匠他、数多くの国の礎となる建築に挑み、やがて、この国の未来を討議する場、国会議事堂の建設へと心血を注ぎこんでいくが……。彼と交わった人々の眼差しから多面的に描き出す、妻木頼黄という孤高の存在。その強く折れない矜持と信念が胸を熱くする渾身作!
  • 誘拐の代償
    4.0
    コミュニティから爪弾きにされた三人の少年。父親が暴力団会長の玉山陸人。虐待を受け児童養護施設で育った日高航。愛人殺しの罪で服役中の父親を持つ冲匡海。不遇な少年たちは誓った。「真逆の世界」を実現させると。やがてヤクザとなった三人は、一件の放火事件をきっかけに、地元・新潟にある大手製薬会社の社長令嬢誘拐計画を立てることになるが…。謎の焼死体、社長令嬢誘拐事件、不遇な少年たちの約束。全てを覆すための哀しき犯罪計画とは? スリリングでいて、痛いほどに切ない衝撃の長編ミステリ!(『フィッシュボーン』改題)
  • 我は、おばさん
    4.0
    「おばさん」という言葉は、どうしてこんなにネガティブな響きを持つようになってしまったのか。『更級日記』、『若草日記』から『マッドマックス 怒りのデス・ロード』、『ポーの一族』、『82年生まれ、キム・ジヨン』にいたるまで、文学・マンガ・映画など古今東西の名作をひもとき、ポジティブに「おばさん」を再定義し、その呼び名を自分たちの手に取り戻すカルチャー・エッセイ。すべての女性が謙遜も自虐もせず、自由に生きていくための指針となる一冊。ジェーン・スーさんとの特別対談も収録!
  • 生命きらめく おやこ相談屋雑記帳
    4.0
    将棋会所の常連客の家に狐の親子が棲みついた、と聞き、訪ねていった信吾。幼い頃に難病から奇跡的に生還した際、彼は動物と会話できる能力を得た。対面した母狐が言うには…(「おコンさん」)。他に相談客との心温まるエピソードも。そして一番の見どころは、「おやこ相談屋」になってだいぶ経ちますが、やっと信吾と波乃の子が生まれます! マイペースな本作で、皆さん幸せ気分に浸ってください。また、シリーズで初めて著者があとがきを寄稿。作品や登場人物への思い、遅咲きデビューの秘話など、貴重な内容も必読!
  • エイリアス・エマ
    4.0
    英情報機関の新人スパイ“エマ”に初の重大な指令が下る。亡命したロシア人科学者夫妻の一人息子、医師のマイケルを単独で保護せよ。だが現在、ロンドンの監視カメラ・ネットワークはロシアの諜報員にハッキングされている。二人はカメラを避け、電話もテクノロジーも使わずに敵の拉致・暗殺チームの追跡をかわしながら市街地を縦断し、自力でMI6本部にたどりつかねばならない…。孤立無縁、実行不可能にも見える重大任務の行く方は? 英国推理作家協会賞スチール・ダガー最終候補。
  • トラッシュ
    4.0
    いじめ、差別、虚無感、愛されない苦しみ、親との確執……それぞれの理由で集団自殺を試みた6人の若者達。しかし、闇サイトで入手した薬が偽物で、全員生き延びてしまう。「一遍死んだんやから、もう怖いものはない」。自分たちを死の淵に追い込んだ「加害者」に対し、6人は犯罪も辞さない世直し活動を始める。ドラッグ売人狩り、差別団体へのテロ、そして首相暗殺。その過激な行為で世間の賞賛と非難を浴びながら、6人の活動はエスカレートしていき……誰が本当の屑(トラッシュ)なのか。小説すばる新人賞受賞後第一作。雑誌連載時から賛否を巻き起こした問題作。文庫化にあたり結末を大幅に修正した完全版!

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