作品一覧

  • 罪に願いを
    4.0
    1巻1,067円 (税込)
    火災現場で見つけた大金を自宅に隠したボランティア消防隊員ネイサン。末期がんの少女の夢を叶えるため病院の外へと連れ出す看護師キャリー。妻と幼い娘を同時に亡くしたアンディが狙いを定めた地獄への道連れ・・・・・・。横領、誘拐、殺人。ペンシルヴェニアの寂れた小さな町を舞台に、男女三人が犯したそれぞれの「罪」と運命が交差する。悲痛で愚かで温かい、極上の犯罪小説。本作は著者のデビュー作にして、エドガー賞(アメリカ探偵作家クラブ賞)最優秀新人賞候補作となった。
  • 九人の偽聖者の密室
    3.7
    1巻2,323円 (税込)
    伝説の「さまよえるユダヤ人」を名乗るアハスヴェルが主宰する教団「光の子ら」を糾弾すべく準備を進めていたカルト宗教の研究者ウルフ・ハリガンは、ひょんなことから知り合った作家志望の青年マット・ダンカンの協力を得、二人は「光の寺院」で開かれる教団の集会に参加する。その集会の場で、全身に黄色い僧衣をまとった教祖アハスヴェルは、信者たちとともに「ナイン・タイムズ・ナイン」の呪いを唱え、ウルフの死を予言する。 その翌日、ハリガン家の家族とクロッケー場でゲームに興じていたマットがふとウルフのいる書斎を見ると、ウルフの机に身をかがめている黄色い僧衣を着た人物の姿が目に入る。窓は施錠されており、邸内の扉から書斎に入ろうとするものの、やはり鍵がかかっていて中に入れない。再び外に出て窓から中をのぞくと、ウルフは顔面を撃たれて床に倒れており、存在したはずの黄色い衣の人物は消え失せていた……。 この不可解な密室殺人の謎に直面したダンカンは、探偵小説嫌いのマーシャル警部補と共に「密室派の巨匠」ジョン・ディクスン・カーの《密室講義》を参照しながら推理・検討をするのだが、なんと《密室講義》のどの分類にも当て嵌まらないことが判明する。困惑する捜査陣を前に、難事件の経緯を知った尼僧アーシュラは、真相究明のために静かに祈りを捧げるのだった……。果たして異色の尼僧探偵の祈りが通じ、神をも畏れぬ密室犯罪の真相が看破されるのだろうか!? ジョン・ディクスン・カーに捧げられ、エドワード・D・ホックが主催する歴代密室ミステリ・ベストテンにも選出された、都市伝説的密室ミステリが新訳によって半世紀の時を経てここに甦る! 装訂・シリーズロゴデザイン=坂野公一(welle design)

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ユーザーレビュー

  • 罪に願いを

    Posted by ブクログ

    ★5 アメリカの田舎町、スモールタウンで繰り広げられる犯罪小説ならぬ "罪の小説" #罪に願いを

    ■あらすじ
    アメリカはペンシルベニア州、ラストベルト地帯にある錆びついた街。

    工場で働きながらボランティア消防員をする男、生まれつき顔面に疾患を持つ女性看護師、妻と娘を亡くしたガソリンスタンド従業員。底辺を彷徨い続けている彼らが、それぞれの「罪」と向き合う物語。

    ■きっと読みたくなるレビュー
    ★5 なんちゅう本を読ませるんや… 読めば読むほど辛くなってくるんだけど、陽だまりの優しさに包まれるような感覚にもなってくる。感情の揺れ幅に酔ってしまうような、そんな小説でした。

    0
    2025年07月24日
  • 罪に願いを

    Posted by ブクログ

    死期の迫った少女の最後の望みを叶えようと、大胆な行動に出る看護師。ダウン症の娘をこよなく愛する元薬物中毒の夫婦。火災現場で見つけた大金を着服したボランティア消防士。それぞれが自身の目的を達するために行動するが、次々と問題が発生してハラハラする。飽きることなく読みやすく楽しめるし、応援したくなる場面もあります。この後どうなったのか気になる。

    0
    2025年12月02日
  • 罪に願いを

    Posted by ブクログ

    アメリカの架空の田舎町の、3人を主人公にした群像劇。
    地元出身で工場勤務しながらボランティアで消防団員のネイサンは、近くの火事で瀕死の人を助けるが、同時に大量の札束を発見し、密かに持ち去る。看護師のキャリーは、医学を信じない新興宗教牧師の父をもつ余命僅かの少女と仲良く成り、彼女の希望を叶え様と病院から連れ出す。麻薬常用者のアンディは妻の妊娠を期に麻薬を止め、ダウン症の娘を心の糧として過ごしていた。
    直接は繋がりのない3人のそれぞれの物語が哀しい。特に私はキャリーを応援せずにはいられなかった。

    0
    2025年07月21日
  • 九人の偽聖者の密室

    Posted by ブクログ

    伝説のミステリ小説です。作者はH.H.ホームズ。H.H.  ホームズとは19世紀アメリカで27人を殺した連続殺人鬼の名前だ。これはあくまでペンネームで、その正体は評論家として有名なアンソニー・バウチャーである。おふざけとはいえ現代なら犯罪者の名前を使ったら炎上しそうですよね。

    さて、話はこんなです。

    カルト教団「光の子ら」を糾弾しようと準備を進めていた研究者のウルフ・ハリガンは助手として雇われた作家志望の青年マットと共に集会に参加する。そこで黄衣を着た教祖は呪を唱えてウルフの死を予言する。翌日ウルフは書斎で顔面を撃たれて殺された。現場の窓から黄衣を着た人物が目撃され、書斎は密室だった。

    0
    2025年03月16日
  • 九人の偽聖者の密室

    Posted by ブクログ

    真相自体はそれほど驚くものではないが、ミスディレクションが上手いのでなかなか気づけない。探偵役のシスターアーシェラが魅力的。この作家のものをもっと読みたい。

    0
    2022年10月10日

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