白須清美のレビュー一覧

  • 罪に願いを

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    ★5 アメリカの田舎町、スモールタウンで繰り広げられる犯罪小説ならぬ "罪の小説" #罪に願いを

    ■あらすじ
    アメリカはペンシルベニア州、ラストベルト地帯にある錆びついた街。

    工場で働きながらボランティア消防員をする男、生まれつき顔面に疾患を持つ女性看護師、妻と娘を亡くしたガソリンスタンド従業員。底辺を彷徨い続けている彼らが、それぞれの「罪」と向き合う物語。

    ■きっと読みたくなるレビュー
    ★5 なんちゅう本を読ませるんや… 読めば読むほど辛くなってくるんだけど、陽だまりの優しさに包まれるような感覚にもなってくる。感情の揺れ幅に酔ってしまうような、そんな小説でした。

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    2025年07月24日
  • 罪に願いを

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    死期の迫った少女の最後の望みを叶えようと、大胆な行動に出る看護師。ダウン症の娘をこよなく愛する元薬物中毒の夫婦。火災現場で見つけた大金を着服したボランティア消防士。それぞれが自身の目的を達するために行動するが、次々と問題が発生してハラハラする。飽きることなく読みやすく楽しめるし、応援したくなる場面もあります。この後どうなったのか気になる。

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    2025年12月02日
  • 罪に願いを

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    アメリカの架空の田舎町の、3人を主人公にした群像劇。
    地元出身で工場勤務しながらボランティアで消防団員のネイサンは、近くの火事で瀕死の人を助けるが、同時に大量の札束を発見し、密かに持ち去る。看護師のキャリーは、医学を信じない新興宗教牧師の父をもつ余命僅かの少女と仲良く成り、彼女の希望を叶え様と病院から連れ出す。麻薬常用者のアンディは妻の妊娠を期に麻薬を止め、ダウン症の娘を心の糧として過ごしていた。
    直接は繋がりのない3人のそれぞれの物語が哀しい。特に私はキャリーを応援せずにはいられなかった。

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    2025年07月21日
  • 九人の偽聖者の密室

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    伝説のミステリ小説です。作者はH.H.ホームズ。H.H.  ホームズとは19世紀アメリカで27人を殺した連続殺人鬼の名前だ。これはあくまでペンネームで、その正体は評論家として有名なアンソニー・バウチャーである。おふざけとはいえ現代なら犯罪者の名前を使ったら炎上しそうですよね。

    さて、話はこんなです。

    カルト教団「光の子ら」を糾弾しようと準備を進めていた研究者のウルフ・ハリガンは助手として雇われた作家志望の青年マットと共に集会に参加する。そこで黄衣を着た教祖は呪を唱えてウルフの死を予言する。翌日ウルフは書斎で顔面を撃たれて殺された。現場の窓から黄衣を着た人物が目撃され、書斎は密室だった。

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    2025年03月16日
  • 九人の偽聖者の密室

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    真相自体はそれほど驚くものではないが、ミスディレクションが上手いのでなかなか気づけない。探偵役のシスターアーシェラが魅力的。この作家のものをもっと読みたい。

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    2022年10月10日
  • 罪に願いを

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    原題は『small town sins』、小さな町の罪だが、この罪はcrimeではない。日本人には分かりにくいが、宗教的な罪である。

    この小説には三人の主人公による群像劇となっていて、相互にあまり関係してはいない。
    火事場から大金を盗んだ消防隊員のネイサンは、誠実で真っ当な考えの妻の声に耳を傾けることなく、二人でそのお金で人生やり直すことを説得できると思っている。そしてそのお金を守るために殺人まで計画してしまう。

    そして末期ガン患者の少女の夢を叶えようとする看護師のキャリー。本人の希望とはいえ、保護者の許可がないので誘拐になってしまうのだが、少女の父親が宗教に傾倒していて科学的治療を受

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    2025年07月21日
  • 九人の偽聖者の密室

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    <奇想天外の本棚>第一回配本。
    カルト教団を弾劾しようとしていた研究者が教団の集会で死を予言され、密室で殺された。目撃者は黄色い僧衣をまとった教祖らしき姿を目撃するが、その姿は消え失せてしまう…
    トリックはそれほど驚くものではないが、登場人物がディクスン・カーの《密室講義》を参照しながら推理するところが面白い。不可能犯罪やモヤモヤするロマンス要素などもカーを意識しているのか。尼僧探偵は地味ながら最後になかなかすごい活躍。全体的にクラシックな雰囲気がよく、楽しめた。

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    2022年12月02日