作品一覧

  • 私とあなたのあいだ――いま、この国で生きるということ
    4.0
    1巻1,496円 (税込)
    私たちは互いに無数の差異を抱えている。けれどマジョリティが自分の考えを絶対視したり、その特権性を自覚しないとき、マイノリティは声を奪われがちだ。 でも本当は誰もが、自分はここにいる、と言い始めることができるはず。みな本来、対等な存在なのだから。私たちが声をもつとき、歴史のなにかが変わるだろう。私も、あなたも、誰もがその主役なのだから。 私たちがイキモノとして、のびやかに生きるための羅針盤。二人の芥川賞候補作家が交わす、圧巻の往復書簡。 自分に宛てられた木村さんの手紙を読み、また、木村さんに宛てて自分が書くときもつねに私は願っていた。この書簡に興味を持ち、目を通す人たちもまた、どこのだれかが勝手にこうと決めた「標準」や「規範」の呪縛から解き放たれ、自分が自分であることの信頼を取り戻せるように、と。そうしてはじめて私やあなたは、この世界にとって、よりよい選択をするために手をとりあえる。ーー温又柔「あとがき」より
  • 猫と考える動物のいのち ――命に優劣なんてあるの?
    -
    1巻1,287円 (税込)
    ネコ、ウシ、ブタ、ニワトリ、スズメ、カエル、ハクビシン……身の回りには色んな動物がいて、わたしたちは彼らと一緒に住んだり、敵対したり、食べ物にしたりして、共に生きている。わたしたちとは大きくちがう動物のこと、人間のことを、猫たちと一緒に考えよう。
  • 幼な子の聖戦
    4.2
    1巻638円 (税込)
    東京で挫折、信じかけた新興宗教にも失望した史郎は、故郷に戻り村議となり、人妻との逢瀬を楽しんでいた。幼なじみの仁吾が村長選に立候補すると、改革の理想を語る彼への応援を約束。が、県議から人妻の件で決定的な弱みを握られ、仁吾落選のための不正工作に加担。心を引き裂かれた史郎の、破壊的衝動を描く「幼な子の聖戦」(第162回芥川賞候補作)。ビルの窓拭きを専門にする会社に転職した小春は、仲間同士で命を預けて仕事をする緊張感にのめり込んでいる。ある日、ビル内の盗難事件が原因で責任者を下ろされてしまった権田にひそかに憧れていた小春は、思い切って彼を焼き鳥に誘うが……「天空の絵描きたち」。話題の2編を収録。
  • 海猫ツリーハウス
    3.5
    1巻946円 (税込)
    【第33回すばる文学賞受賞作】現代の太宰治? 大いに悩む! 25歳の亮介は、服飾デザイナーを目指しながらも、故郷の八戸で実家の農業を手伝いながら「親方」のもとでツリーハウス作りに精を出す毎日。人気者の兄・慎平が都会から「自給自足」の暮らしを求めて帰郷してきたことがきっかけとなり、平穏だった田舎町のつかの間の均衡が崩れはじめる……。青春の苦悩を南部弁を駆使して鮮やかに描き出した、注目の俊英デビュー作。
  • 野良ビトたちの燃え上がる肖像
    4.2
    1巻1,408円 (税込)
    河川敷で猫と暮らす柳さんは、アルミ缶を集めて生活費とキャットフード代を稼いでいる。あちこちでホームレスが増えてきたある日、「野良ビトに缶を与えないでください」という看板を見つける。やがて国ぐるみで野宿者を隔離しようとする計画が……。ほんの少しだけ未来の日本を舞台に、格差、貧困、差別の問題に迫る新鋭の力作。
  • 聖地Cs
    3.8
    1巻1,496円 (税込)
    わたしは、もう、イヤなんです。死なせるのはもう。だから、なかったことには絶対しない──。原発事故による居住制限区域内で被曝した牛たちを今も飼い続けている牧場で、東京からボランティアに来た女性が見たものは──。原発事故問題を真正面から見つめて真摯に描いた表題作と「猫の香箱を死守する党」の二篇を収録。

ユーザーレビュー

  • 幼な子の聖戦

    Posted by ブクログ

    めちゃくちゃ良かったなあ。
    表題作の「幼な子の聖戦」は中年弱者男性の臆病な怒りが炸裂している物語。なんか主人公の感情の揺れ動き方が突飛な感じがするけど、そこに至るまでの過程は納得できる。

    「天空の絵描きたち」は途中までは普通のお仕事小説みたいな感じで、「このまま進むわけないよなあ…」と思いながら読んだ。世の中のどうしようもなさと、それを呑み込んで生きていくしかない自分のちっぽけさを感じで、久しぶりに腹にずどんと来た。でも、何で思い詰めてからのセクハラなんだろうってところがちょっとノイズになったかも。まあ確かに、高校生の恋愛じゃあるまいし手を繋ぐとかだったら逆に変なんだけどさ。

    青森に旅行に

    1
    2025年09月06日
  • 幼な子の聖戦

    Posted by ブクログ

    「幼子の聖戦」も良いが、「天空の絵描きたち」が更に素晴らしい。久し振りに一気読みしてしまった。自分にとって新しい作家を見出した気持ちだ。

    0
    2025年08月16日
  • 海猫ツリーハウス

    Posted by ブクログ

    2昔前に出た小説を今更読む。
    ずっと視界に入るところにあって、引っ越してもそれは変わらなくて、もうこれは読むしかないだろと。

    青森の海の近くの実家暮らしの25歳の亮介。頻繁に見る、ヘリコプターに吊るされぶらんぶらんと揺れている自分の姿の妄想に悩まされている。高校のあと弘前の服飾専門学校に入ったが卒業を待たずに中退して以来、ずっと中途半端な状態。いつかは洋服づくりで身を立てたいと思うものの具体的な行動を起こさぬままに祖父母の農業と地元の先輩のツリーハウスづくりや雑用に紛れる日々。そんなとき、兄の慎平が帰ってきて。

    兄弟の関係、地元のみんなとの関係、家族との関係などなど、丁寧に描いているのに重

    0
    2023年07月30日
  • 幼な子の聖戦

    Posted by ブクログ

    心に残る話だった。
    表題作は主人公が性格的に救えなくて共感できず中々話に入り込めなかったが、社会への怒りの部分は全く共感でき、男性優位社会において弱者である主人公が暴発するところは不思議とスカッとした。現状維持や保身しか考えない「オヤジ」は、日本の諸悪の根源と言ってもいい気がする。
    もう一つの収録作品、ガラス拭きの話も面白かった。こちらも社会への課題認識は表題作と同じで、さらに職人から仕事をする尊厳も奪い取ってる点も深刻に描かれていてリアリティがあった。クマさんが居酒屋で語る、人は生まれ死に今目の前の人と一緒にいることは流れの中では奇跡的に居合わせてるだけということを意識すれば人への見方が変わ

    0
    2023年04月01日
  • 私とあなたのあいだ――いま、この国で生きるということ

    Posted by ブクログ

    「第33回すばる文学賞」をきっかけに知り合った
    木村友祐さんと温又柔さんが2019年2月〜2020年8月の間に交わした往復書簡集。
    2019年は元号が平成から令和に改められた年。安倍政権下で何があったか。その時私はどう思っていたか。作家だからこその丁寧な言葉選び、比喩、さまざまなキーワードから当時の状況が生々しく浮かびあがる。最終便から約2年…コロナにとどまらず実社会は更に混沌としているけれど(正気を保つために犬や猫を愛で)よりよい選択をするために表紙の猫達のように毅然と前を向き手と手をとりあいたい。

    0
    2022年08月26日

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