配信予定・最新刊

作品一覧

  • 海猫ツリーハウス
    3.5
    1巻946円 (税込)
    【第33回すばる文学賞受賞作】現代の太宰治? 大いに悩む! 25歳の亮介は、服飾デザイナーを目指しながらも、故郷の八戸で実家の農業を手伝いながら「親方」のもとでツリーハウス作りに精を出す毎日。人気者の兄・慎平が都会から「自給自足」の暮らしを求めて帰郷してきたことがきっかけとなり、平穏だった田舎町のつかの間の均衡が崩れはじめる……。青春の苦悩を南部弁を駆使して鮮やかに描き出した、注目の俊英デビュー作。
  • 幼な子の聖戦
    4.2
    1巻638円 (税込)
    東京で挫折、信じかけた新興宗教にも失望した史郎は、故郷に戻り村議となり、人妻との逢瀬を楽しんでいた。幼なじみの仁吾が村長選に立候補すると、改革の理想を語る彼への応援を約束。が、県議から人妻の件で決定的な弱みを握られ、仁吾落選のための不正工作に加担。心を引き裂かれた史郎の、破壊的衝動を描く「幼な子の聖戦」(第162回芥川賞候補作)。ビルの窓拭きを専門にする会社に転職した小春は、仲間同士で命を預けて仕事をする緊張感にのめり込んでいる。ある日、ビル内の盗難事件が原因で責任者を下ろされてしまった権田にひそかに憧れていた小春は、思い切って彼を焼き鳥に誘うが……「天空の絵描きたち」。話題の2編を収録。
  • 聖地Cs
    3.8
    1巻1,496円 (税込)
    わたしは、もう、イヤなんです。死なせるのはもう。だから、なかったことには絶対しない──。原発事故による居住制限区域内で被曝した牛たちを今も飼い続けている牧場で、東京からボランティアに来た女性が見たものは──。原発事故問題を真正面から見つめて真摯に描いた表題作と「猫の香箱を死守する党」の二篇を収録。
  • 猫と考える動物のいのち ――命に優劣なんてあるの?
    4.5
    1巻1,210円 (税込)
    ネコ、ウシ、ブタ、ニワトリ、スズメ、カエル、ハクビシン……身の回りには色んな動物がいて、わたしたちは彼らと一緒に住んだり、敵対したり、食べ物にしたりして、共に生きている。わたしたちとは大きくちがう動物のこと、人間のことを、猫たちと一緒に考えよう。
  • 野良ビトたちの燃え上がる肖像
    4.2
    1巻1,408円 (税込)
    河川敷で猫と暮らす柳さんは、アルミ缶を集めて生活費とキャットフード代を稼いでいる。あちこちでホームレスが増えてきたある日、「野良ビトに缶を与えないでください」という看板を見つける。やがて国ぐるみで野宿者を隔離しようとする計画が……。ほんの少しだけ未来の日本を舞台に、格差、貧困、差別の問題に迫る新鋭の力作。
  • 私とあなたのあいだ――いま、この国で生きるということ
    NEW
    4.0
    1巻1,496円 (税込)
    私たちは互いに無数の差異を抱えている。けれどマジョリティが自分の考えを絶対視したり、その特権性を自覚しないとき、マイノリティは声を奪われがちだ。 でも本当は誰もが、自分はここにいる、と言い始めることができるはず。みな本来、対等な存在なのだから。私たちが声をもつとき、歴史のなにかが変わるだろう。私も、あなたも、誰もがその主役なのだから。 私たちがイキモノとして、のびやかに生きるための羅針盤。二人の芥川賞候補作家が交わす、圧巻の往復書簡。 自分に宛てられた木村さんの手紙を読み、また、木村さんに宛てて自分が書くときもつねに私は願っていた。この書簡に興味を持ち、目を通す人たちもまた、どこのだれかが勝手にこうと決めた「標準」や「規範」の呪縛から解き放たれ、自分が自分であることの信頼を取り戻せるように、と。そうしてはじめて私やあなたは、この世界にとって、よりよい選択をするために手をとりあえる。ーー温又柔「あとがき」より

ユーザーレビュー

  • 幼な子の聖戦

    Posted by ブクログ

    めちゃくちゃ良かったなあ。
    表題作の「幼な子の聖戦」は中年弱者男性の臆病な怒りが炸裂している物語。なんか主人公の感情の揺れ動き方が突飛な感じがするけど、そこに至るまでの過程は納得できる。

    「天空の絵描きたち」は途中までは普通のお仕事小説みたいな感じで、「このまま進むわけないよなあ…」と思いながら読んだ。世の中のどうしようもなさと、それを呑み込んで生きていくしかない自分のちっぽけさを感じで、久しぶりに腹にずどんと来た。でも、何で思い詰めてからのセクハラなんだろうってところがちょっとノイズになったかも。まあ確かに、高校生の恋愛じゃあるまいし手を繋ぐとかだったら逆に変なんだけどさ。

    青森に旅行に

    1
    2025年09月06日
  • 幼な子の聖戦

    Posted by ブクログ

    「幼子の聖戦」も良いが、「天空の絵描きたち」が更に素晴らしい。久し振りに一気読みしてしまった。自分にとって新しい作家を見出した気持ちだ。

    0
    2025年08月16日
  • 猫と考える動物のいのち ――命に優劣なんてあるの?

    Posted by ブクログ

    数年前から畜産動物たちの現状に興味を持ち、肉食を控えたり動物製品を買わないといった行動をとりつつも完全なヴィーガンという域には達していない私にはとても共感できる部分が多かった。
    うちも猫がいるので、猫のごはんだけはどうしても脱肉食にはできないし…。
    なかなか理解してもらえない思想ではあるし、人によっては拒否反応を示すこともあるけど、だからといって、知ろうとすることや少しでも改善できるように考え続けることを止めてはいけないなぁ…と改めて思えた。

    0
    2025年04月09日
  • 猫と考える動物のいのち ――命に優劣なんてあるの?

    Posted by ブクログ

    P56より抜粋
    〃大切なのは、「命として同じ」という感覚を心に持って、意識を人間以外の外側にもいつも開いておくことなのだと思う。〃

    「この命は重要で、この命は重要じゃない」という命の線引きを、気づかないうちに人ってしてるよね?をやさしい口調で問いかける本。
    ペット、野生、家畜(経済動)など、または哺乳類・魚類・昆虫類といった分類で動物の扱われ方が違う、つまり命を区別・差別している現状がある。でもだからといってヴィーガンになろうとか畜産業はひどいダメだとか短絡的に思うのは違和感があること(従事している人の大変やさ有り難さや、消費している自分の状況を見て見ぬふりするのはよそう)、要は動物に対する

    0
    2025年03月29日
  • 猫と考える動物のいのち ――命に優劣なんてあるの?

    Posted by ブクログ

    タイトルに惹かれて手にとった。
    優劣や価値、それらを勝手に決めているのは
    人間だけなんだと強く感じた。

    人間の傲慢さ。欲。矛盾。
    動物や自然のことをおもうと、人間の悪い部分が浮き出てきて嫌になる。
    でも自分を含め周りも人間だらけで、
    その社会・世界で生きていかねばならず…
    生きるためには多少なりともお金や資本主義に染まるしかない。
    ↑この暮らしを続けるのか…とウンザリもする。

    大きく変化させるのはとてもとても難しい。
    経済が絡むので余計に……。
    だからといって、このまま何も救済しないのは罪だと思う。
    自己意識を変えること、動物の置かれている状況(畜産やペット産業など)を疑うことから変化が始

    0
    2025年02月04日

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