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子供の頃、芋虫と話がしたかった著者。おまえどこにいくの、と話しかけた。芋虫は答えず、葉っぱを食べはじめる。言葉の代わりに見ていて気がつくことで、気持ちがわかると思った。昆虫、猫や犬など動物とおしゃべりするには、観察が一番だとわかった。これが、いきものを見つめる原点。不思議と驚きにみちた世界を「なぜ?」と問い続けた動物行動者がやさしい言葉で綴る自然の魅力発見エッセイ。
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Posted by ブクログ
動物行動学の権威 日髙敏隆先生のエッセイ。
タイトル通り、相対的/多様な視点、人間を特別視しないものの見方 をガイドしてくれる。
とにかくパンチライン続出。
*人間と動物の違いは死と美を知っているか否か
*人間はほとんどイリュージョンだけで世界をつくっている
*神や科学を唯一のものの見方とする姿勢は弱く幼い
*それはやわらかで何ものにも縛られない。知性こそが、このいきもののほんとうの力
巻末に収められている講演録「イマジネーション、イリュージョン、そして幽霊」もタイトルからして最高。日髙先生は再三「いいかげんに」と勧めておられるが、数々の鉄板エピソードに 動物学はおおらかでフラットな人にしか務まらないように思えてくる。それを示すような日髙研ディスコの話がすごくたのしい。
「目新しいものは何でも好き」「訪れた外国の食べものも、めずらしいからおいしい」と言う日髙先生のピュアな感性が尊い。
Posted by ブクログ
再読。
動物行動学者、日髙敏隆さん著作エッセイ集。
以下一部抜粋。
『動物学では、現在の動物の形が必ずしも最善とは考えない。そうならざるをえない原因があり、その形で何とか生きているのだと考える。
なぜそういう格好をして生きているのか、その結果、どういう生き方をしているのか。
そういった根本の問題を追究するのが動物学という学問なのだと思う。
いろいろないきものを見ていくと、こんな生き方もできるんだなあ、そのためにはこういう仕組みがあって、こういう苦労があるのか、なるほど、それでやっと生きていられるのか、ということが、それぞれにわかる。』
『世界を構築し、その世界の中で生きていくということは、そのいきものの知覚的な枠のもとに構築される環世界の中で生き、その環世界を見、それに対応しながら動くということであって、それがすなわち生きているということだ。(ユクスキュルより)』
『つまり、幽霊はイマジネーションの産物だと昔からいわれてはいるが、そうではない。イマジネーションの欠如の産物だとライルはいう。ぼくはなるほど、これはおもしろいと思いました』
自然界を観察する優しいまなざしと、理屈が通れば真実ではないことを事実だと納得しイリュージョンという色眼鏡をかけてしまう人間の世界を、厳しくも面白く再発見する日髙さんの視線は、世界の片隅を懸命に生き抜く動物にも、人間の心にもきっと伝わるエッセイだと思う。
世界は世界のまま変わらない。
けれど読めば世界の見方が変わる、本。
Posted by ブクログ
読書録「世界を、こんなふうに見てごらん」5
著者 日高敏隆
出版 集英社文庫
p32より引用
“ 日本はドイツ哲学の流れが強いのか、し
ばしば、人間は真実を追求する存在だといわ
れるが、むしろ真実ではないこと、つまりあ
る種のまぼろしを真実だと思い込む存在だと
いうほうがあたっているのではないか。”
目次より抜粋引用
“「なぜ」をあたため続けよう
人間、この変わったいきもの
宙に浮くすすめ
それは遺伝か学習か
コスタリカを旅して”
動物行動学者である著者による、世界と動
物とその中の一種類としての人間を見つめて
描かれるエッセイ集。同社刊行作文庫版。
目の前の事柄に不思議や疑問を感じる事の
面白さから研究の場での動物としての人間の
行動を見ることまで、抒情的というか情緒的
というか情感溢れる語り口で、人と動物、人
と人の縁などが綴られています。
上記の引用は、人という生き物について書
かれている項での一文。
本当はあるかどうかわからなくても、そうで
あると信じることで、前を向いて動けるとい
うことはあると思います。人に迷惑をかけな
いのであれば、真実と違うことを思い込んで
生きるのも悪くないのではないでしょうか。
著者がお亡くなりになられた後に出版され
た、遺作の一つとのこと。最後と思われる役
職の退官時の講演録も収録されています。
あとがきと解説から、何とも言えない寂しさ
がにじみ出ているように感じられて、著者の
エッセイが好きで何冊か読んできた私も、少
し寂しく思います。
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Posted by ブクログ
初めて日高先生の著書を読みました。
「面白い」より「興味深い」という言葉がぴったりな本でした。
10のエッセイと御退官時の講演を読み、考えることができます。
意味が深すぎたのか一度では私の理解が追いつかず、何度も読み返す文がありました。それでも噛み締めるうちにじんわり染み渡ってくる、そんな内容です。
イマジネーションとイリュージョン、自然の中での人間についてなど
多くのことを考えさせられました。
色々な問題が生じている現代だからこそ、日高先生の考え方やものの見方を
あらゆる価値観の中の1つとして1人でも多くの人が共有できていると
もう少し世の中に柔軟さが生まれるのかなと思います。
私もいつか日高先生にお会いしたいと思いましたが叶わないのだなと読みながらふと悲しくなりました。
本書の中で紹介された
「ソロモンの指環」
「尾行類」
「裸のサル」
「機械の中の幽霊」
「生物から見た世界」
(もし抜け落ちている本がある時は教えていただけると嬉しいです)
も、とても面白そうだったので少しずつ読んでいきたいです。
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