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孵卵器のなかでハイイロガンのヒナが卵から孵った。小さな綿毛のかたまりのような彼女は大きな黒い目で、見守る私を見つめ返した。私がちょっと動いてしゃべったとたん、ガンのヒナは私にあいさつした。こうして彼女の最初のあいさつを「解発」してしまったばかりに、私はこのヒナに母親として認知され、彼女を育てあげるという、途方もない義務を背負わされたのだが、それはなんと素晴らしく、愉しい義務だったことか……「刷り込み」理論を提唱し、動物行動学をうちたてた功績でノーベル賞を受賞したローレンツ博士が、溢れんばかりの歓びと共感をもって、研究・観察の対象にして愛すべき友である動物たちの生態を描く。
...続きを読むPosted by ブクログ 2021年02月14日
1900年代前半に、ほぼ野生状態の動物と共に過ごしたすごい動物行動学を成立した人の自伝的なやつ。
実際にその人が体験したエピソードがてんこ盛りでとてもおもしろい。ガンの鳴き声を把握して会話できてるのがもはやおとぎ話かのよう。
そこらの沼から水をひとすくいしてアクアリウムを作るという話を読んで自分も...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年12月21日
副題にある通り、動物行動学入門としての名著中の名著。
学者らしく教養深く、かつ、自然動物への愛にあふれた文章に満ちている。
科学的な姿勢と、ユーモアあふれる詩情豊かな表現が両立する事を教えてくれる。
科学者のエッセイや文章というと、高度に知的である人の書くものでとっつき難いかもと思ってしまう。でも...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年05月14日
『はだかになり野生に帰って、野生のガンたちの群れの社会に溶け込み、ドナウの堤であるきまわったり泳いだりするのが、私の研究の本質的な部分を占めていた。なんと幸福な科学だろう』(P170)
著者のコンラート・ローレンツは、オーストリアの動物行動学者。
動物とともに生活し、刷り込みなどの研究を行い、ノー...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年02月14日
高校生の時に、生物の先生に薦められて読みました。
動物の行動学とか全く興味なかったし、そんな内容の本とは知らずに手に取りましたが、とても面白い内容でした。
研究者とはいかなるものか、観察とはどうするものかが分かります。
お勉強の本ではなく、タイトルの通り、動物と対話するため本です。
作者の動物を観...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年04月06日
【動物と過ごす喜びと犠牲】
動物と暮らすという覚悟とはこういうことだ! ということがひしひし伝わるエッセイ。
動物学者の著者の目を通した動物行動の面白さは言うまでもなく、動物を観察するための狂気じみてるような努力も読みごたえあり。思わぬものに夜中叩き起こされる羽目になったり、ご近所からヤバい目で見...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年12月04日
動物行動学という分野の学問を拓き、ノーベル賞を受賞した研究者による動物の本。オーストリア在住で1930-1940年代に活躍したらしい。
著者は魚類や鳥類、哺乳類まであらゆる動物を飼い、様々な実験などを通して動物たちの行動や習慣を観察した。その観察記録やオリジナルな考察は面白く興味深かった。
最後の章...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年10月09日
これはすごい本。
エピソードの何%が思い込みなのか正確にはわからないけど、彼並みに動物の行動と"心"を深く適切に読める人はほとんどいないだろうし、彼が時間をかけて読み取ってくれた"動物の家族"の行動から、気づかされることも多い。
生き物を姿を"本...続きを読む
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