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蝶は飛び、ヒトは歩く
子どもの頃、ぼくはいわゆる昆虫少年で、昆虫採集に明け暮れていた。小学校の高学年になる頃には、蝶ばかり、それもアゲハ科の蝶ばかり追いかけていた。ちょうどその頃、この本が出版され、ぼくの本棚にやって来て図鑑の隣に収まった。
残念なことに当時のぼくは、この本の面白さを十分に読みとって味わうことはできなかった。ただ蝶の美しさに魅せられていただけだったし、蝶がぼくの目の前を飛んでいたから追いかけていたのに過ぎなかった。
しかし、なぜ蝶はそこを飛んでいたのか。飛びながら何をしていたのか、なぜそのような飛び方をしていたのか……?
この本は、明らかにされた情報を知識として紹介する図鑑や解説書のような本とは趣を異にする。なぜと問い、仮説を立て、調査して、条件や交絡を検討する。科学的な探究の物語である。その過程では、うまくいかなかったことにも、結果が得られなかったことにも、意味があり価値があることを教えてくれる。
約50年ぶりにこの本を読んでみた。今はもう昆虫採集に出かけようとは思わないが、散歩をしているときにふと蝶を見つけて、蝶はなぜ飛ぶのかと眺めている自分がいる。翻って、自分はなぜ歩くのか考えてみる。生きものには、意識や意図をこえた営みというものがあることに思いを馳せながら。
Posted by ブクログ
学ぶことは、本来楽しいものである。ということを生き生きと語ってくれる本。
小中高のつまらない授業とは全く違う、本物の実験が学べます!
必ず答えがある学校の実験とは異なり、何度も何度も失敗と発見を繰り返しながらも、答えに辿り着かないまま終わる本の中の実験には衝撃を受けました。
チョウには決まった道があるのではないか?という1つの仮説が多岐にわたる実験と、思いもよらぬ発見を生み出していく様は、人間の知りたいという気持ちにどれだけのエネルギーが込められているかということをまざまざと感じさせてくれます。
時に学校に反発しながらも、学ぶことの楽しさを見失わず、自学を続けた著者。
その姿を倣って、自分も知りたいという気持ちを見つけ、育んでいきたいと切に思います。
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