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ユーザーレビュー ソロモンの指環 動物行動学入門 コンラート・ローレンツ / 日高敏隆 筆者の動物愛がものすごく、本に収録されているエピソードが全て面白い。 古い本のため現在の生物学的に間違った記述も結構あるようで、注意が必要。 Posted by ブクログ ソロモンの指環 動物行動学入門 コンラート・ローレンツ / 日高敏隆 1900年代前半に、ほぼ野生状態の動物と共に過ごしたすごい動物行動学を成立した人の自伝的なやつ。 実際にその人が体験したエピソードがてんこ盛りでとてもおもしろい。ガンの鳴き声を把握して会話できてるのがもはやおとぎ話かのよう。 そこらの沼から水をひとすくいしてアクアリウムを作るという話を読んで自分も...続きを読むやりたくなったが、今はそんな池や沼なさそうなんだよなぁ… 肉食動物は、うなり合うだけで実際に殺し合ったり、弱い相手を殺すまで戦うということはなく、勝敗が決まった段階でもう争いは止まるものだが、ハトなど、相手を傷つける力を持たず、逃げ出す力を持つ動物を檻の中など「逃げられない環境」に置くと、弱いほうがいじめ殺されるという、平和の使者ならぬことになる。 というエピソードがとてもおもしろかった。 Posted by ブクログ ソロモンの指環 動物行動学入門 コンラート・ローレンツ / 日高敏隆 副題にある通り、動物行動学入門としての名著中の名著。 学者らしく教養深く、かつ、自然動物への愛にあふれた文章に満ちている。 科学的な姿勢と、ユーモアあふれる詩情豊かな表現が両立する事を教えてくれる。 科学者のエッセイや文章というと、高度に知的である人の書くものでとっつき難いかもと思ってしまう。でも...続きを読む、この本はとても読みやすい。愛情深く自然と生き物に寄り添い、その自然のままの姿を愛するローレンツの文章は、特に泣かせにかかっているわけでもないのに、自然と涙が浮かんできた。ハイイロガンのマルティナの話は、とくに。 ソロモン王の指環が無くても、動物を理解する事は出来るのだ。 Posted by ブクログ ソロモンの指環 動物行動学入門 コンラート・ローレンツ / 日高敏隆 『はだかになり野生に帰って、野生のガンたちの群れの社会に溶け込み、ドナウの堤であるきまわったり泳いだりするのが、私の研究の本質的な部分を占めていた。なんと幸福な科学だろう』(P170) 著者のコンラート・ローレンツは、オーストリアの動物行動学者。 動物とともに生活し、刷り込みなどの研究を行い、ノー...続きを読むベル生理学・医学賞を受賞する。近代動物行動学を学問としての基礎を築いた。 題名である「ソロモンの指輪」は、旧約聖書のソロモン王が「魔法の指輪をもち、獣、魚、鳥たちと語った」と(※これは誤訳で、正しくは「大変な博識で、獣、魚、鳥たちについて語った」なのだが)いう記述からとっている。 読んでいる印象でのコンラート・ローレンツは、動物になると周りの目を気にしないし、挿絵も文章もユーモラスな印象。しかし写真のコンラート・ローレンツはまさにゲルマン紳士という外見なので、この紳士博士が鳥に警戒されないために毛むくじゃらの悪魔の着ぐるみで鳥小屋に入ったり、カモの母親代わりとして奇声を挙げながら屈み込み歩きをしていたり、という姿とのギャップにちょっと頭がついていけない(笑) 研究内容もさながら文章能力が非常に素晴らしく、読みながら唸ったり声を上げて笑ったり感動したり…と非常に楽しめた。 挿絵も面白く、カラスが餌を持ってきて食べさせてくれようとするんだけど、草と虫を唾液でグチャグチャにさせたものを口や耳に突っ込まれて「ゾワワワ〜〜」となっている姿などは思い浮かんで笑ってしまう。 最終章で、動物による攻撃から、「人間は今後相手を完膚無きまでに叩きのめす方向になるのか、力の差を認識試合紳士的な降参と許容が行われるのか、どちらだろう?」と問いかけている。 以下自己索引用に各章メモ 『動物たちへの憤懣』 幼い頃から動物に対して尋常ならざる愛情を持っていたコンラートが送るローレンツ家の日常生活。家中で動物たちが放し飼いになっているため、絨毯が糞だらけになったり、自分たちの子供を檻に入れて動物たちの爪から守ったりのでした。 『被害を与えぬものーアクアリウム』 動物を描いたいけれど、↑のように家中を汚されたくない、人間に被害を与えない飼育として、アクアリウムの紹介。きちんとした環境を整えれば、川の生態系と同じ物が作れる! 『水槽の中の二人の殺人犯』 そんなアクアリウムに入れてないけない殺人者(殺魚者だけど)、ゲンゴウロウの幼虫とトンボの幼虫(ヤゴ)について。その食事の仕方の違いとか。 『魚の血』 魚の闘い方、結婚や子育てのこと。魚も互いを個体として判別しているのか?の実験では、夫婦を取り替えてみたりと興味深い結果が出ている。このあたりの記述は事情に面白くて唸りながら読んでしまう。 『永遠に変わらぬ友』 雛から育てたコクマルガラスについて。鳥が人間を番相手として求愛したり、餌を運んできたり。鳥の集団生活における鳴き声の違い。鳥社会の順位の付け方など。面白いエピソードとして、番だったカラス夫婦のオスにちょっかいを出してくるメスが出てきてしばらくは三角関係を繰り広げ、最終的には夫と愛人が駆け落ち?してしまったんだとか。 もうこの観察記と文章力には感嘆の声をあげながら読むしかない。 『ソロモンの指輪』 動物と人間とのコミュニケーショについて。犬や馬が、相手(人間でも動物でも)のちょっとした仕草や雰囲気で相手の意図を読み取ることができる様子を驚きを持って観察している。さらに言葉を”話す”鳥たちのびっくりするような学習面。怪我をしたオウムが自分が怪我をした理由を人間の言葉で説明した(おそらく助けたらてたときに人間が言った言葉を一度で覚えて発音した)という事例など。動物行動学者は鳥の言語(鳴き声)を理解しているが、カモに向かってガン語を発してしまった!などという、動物学者にはわかるらしい大笑いエピソードとか。 『ガンの子マルティナ』 生まれたときにコンラート・ローレンツを見たため、母親と認識したガンのマルティナとの交流と観察の日々。ただただコンラート・ローレンツを慕うマルティナの姿は感動的。 『なにを飼ったらいいか』 ペットには何を飼ったら良いのか?というエッセイ。同じ鳥、同じ小動物であっても種類に違ってぜんぜん違うからね!ということを書いている。 『動物たちをあわれむ』 動物園や家庭で飼育の動物のことなど。でも家から逃げた動物は、自由になりたいわけではなくて本当に家がわからないんだよ、という事例もある。 『忠誠は空想ならず』 ローレンツ夫妻はお互いの飼い犬の事で喧嘩になった。だってコンラートの飼い犬はオオカミ系のシェパードで、妻マルガリータさんの飼い犬はジャッカル系のチャウチャウで、性質がぜんぜん違うんだ。…というわけで犬のことについて色々。なお、夫婦喧嘩は、コンラートの犬の息子が、マルガリータの犬の柵を食い破って結婚したことにより一応解決し、さらなる研究に前向きなコンラート博士でした。 『動物たちを笑う』 動物を笑うときは、動物に人間を見るからだよね、というエピソード。 『モラルと武器』 非捕食者であるウサギやハトは、喧嘩になったときには相手の毛を毟り皮を剥ぎ弱った相手をさらに押さえつけ完膚なきまでに叩き潰す。捕食者であるカラスやオオカミは決定的な殺し合いになる前に力の差を認識試合紳士的な降参と許容が行われる。 さて、人間は今後どのような関係を作ってゆくのだろう?ウサギ型だろうか、オオカミ型だろうか。 Posted by ブクログ ソロモンの指環 動物行動学入門 コンラート・ローレンツ / 日高敏隆 高校生の時に、生物の先生に薦められて読みました。 動物の行動学とか全く興味なかったし、そんな内容の本とは知らずに手に取りましたが、とても面白い内容でした。 研究者とはいかなるものか、観察とはどうするものかが分かります。 お勉強の本ではなく、タイトルの通り、動物と対話するため本です。 作者の動物を観...続きを読む察するときのワクワク感や 家のなかで動物を放し飼いにするために子どもを檻に入れたりなどちょっぴりクレイジーなところが楽しいです。 昨今、ろうそくの科学が有名になりましたが、 個人的には生物ばんのろうそくの科学的な位置にある本だと思います。 Posted by ブクログ コンラート・ローレンツのレビューをもっと見る