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  • 正しき地図の裏側より
    4.1
    1巻1,870円 (税込)
    【第36回小説すばる新人賞受賞作】 定時制高校に通いながら無職の父に代わり働く耕一郎は、ある冬、苦労して貯めた八万円が無くなっていたことに気づく。 このことを父に問い質すと、父は金を使ったことを悪びれもせずに認めた上、予想を超える衝撃の言葉を言い放った。 衝動的に父を殴り飛ばした耕一郎は、雪の中に倒れた父を放置して故郷を逃げるように去る。 しかし、僅かな所持金は瞬く間に減り、逃亡生活は厳しくなる一方。 遂に金が底をつき、すべてを諦めようとしたそのとき、 「……なに、訳あり?」 公園の隅、小さなホームレスの溜まり場から、ひとつの手が差し伸べられる。 出会いと別れを繰り返し、残酷な現実を乗り越えた先、故郷へと帰る決意を固めた耕一郎を待ち受けていたものは――。 社会から切り離される圧倒的な絶望と、心と心が深く繋がるやさしさを描いた、25歳の若き著者による感動のデビュー作。

ユーザーレビュー

  • 正しき地図の裏側より

    Posted by ブクログ

    耕一郎は最後自分は選択肢を間違えたと言っていたが、私は間違えたとは思わない
    彼なりに父親に気を遣い恩返しのつもりでそっちを選んだ
    また家を出たからこそおっちゃんや三浦さんなどに出会えた彼は耕一郎のことをいつも気にかけて助けてくれたそれはきっと何にも変えられないものだと思う

    0
    2025年09月12日
  • 正しき地図の裏側より

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    久しぶりに心が動いた読書体験だった。これがデビュー作とは。おっちゃんとの関係が凄くよかった。耕一くん自体も凄くいい子だからこそ、良縁にめぐまれるのでしょうね。父との関係については、いつかどこかで何か報いがあるのかなとドキドキしながら読み進めたが、そっか、そう着地するのねと。だからもう謝りたくても謝れない。話もできないから推測するしかない。父もそれができたならどうしてもっと早くできなかったの?とかしょうもない嘘なんでついたの?と思うところもあったけれど、そこも含めて人間なのでしょう。贖罪の意味もあったのかな。人生における正しい地図はきっとない。自分の選んだ道を正解にしていくしかないのだ。タイトル

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    2025年06月13日
  • 正しき地図の裏側より

    Posted by ブクログ

    一気読み
    高校生だった耕一郎が受けた衝撃とその後の残酷な現実は辛すぎた。
    絶望の中での出会う人に救われ、生きる道がつながっていく。このままでは終わって欲しくない気持ちで最後まで読まないと気が済まなくなる作品だった。

    読んでいる時に、「親子の関係は、感情的な面も含めると、大小あれ複雑ではないという人は、世の中にいないんじゃないかな」と感じてしまった。

    ブク友さんの書評がみなさん揃って高かったので、これはと思い手に取りましたが、私にも刺さってしまいました。ここが無かったら出会わなかった作品のひとつですね

    0
    2025年03月16日
  • 正しき地図の裏側より

    Posted by ブクログ

    とても感慨深い内容でした。

    生きていくことの厳しさと喜び、
    幸せとは何かなど いろんな視点で考えさせられました。
    ぜひみなさんにも読んでもらいたい一冊です。

    0
    2025年03月15日
  • 正しき地図の裏側より

    Posted by ブクログ

    他の作品も読みたくなった。

    こうして人は強く優しくなっていくんだな。と。
    無我夢中でなんとか生きる、生きるために稼ぐ
    ひたむきさが心に残った

    0
    2024年10月17日

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